そうあれが来るんです。
美しい海と独特の文化や風習が残る沖縄。
そんなふるさと沖縄を拠点に活動を続けるロックバンドがあります。
・「ほらあなたにとって大事な人ほどすぐそばにいるの」MONGOL800通称モンパチ。
明るく前向きな曲で幅広い層に支持される沖縄を代表するアーティストです。
そのモンパチの楽曲の一つ「カマドー小」の中に沖縄のあるスイーツが登場します。
・「パンに塗るのはホリディマーガリン」この歌を作ったメンバーの一人…ポーポーって一体どんなおやつなの?何て言えばいいんだろうなあ…琉球王国の時代にそのルーツがあるという伝統的なスイーツ。
作る人や地域によって姿を変えながら食べ継がれてきました。
今日はMONGOL800が歌う沖縄スイーツポーポーに込められた沖縄の人々のふるさとへの思いに迫ります。
光る石をたどれば行き着く不思議な家にあのお菓子の家のヘンゼルとグレーテルの末裔が暮らしています。
彼らが振る舞うおいしいお菓子の物語をご賞味あれ。
・「ハイサイカマドさん」ただいま。
・「こんな僕でもいいのかい?」ただいま。
ヘ〜イご一緒に!
(2人)・「ハイサイカマドさん」ちょっとかまど!何何何何?ご機嫌だね。
ちょっとこれいいでしょ!どうしたの?モンパチの「カマドー小」。
「カマドー小」?そうそうそう。
どういう意味それ?これね「カマド」っていうのは昔の沖縄の女性によく付けられていた名前なのね。
へえ〜!実は〜!あっそうなんだ。
…で「小」は「さん」とか「ちゃん」みたいなやつよ。
あ〜じゃあ「カマドちゃん」って事?かまどちゃ〜ん。
見て下さい今日のかまどのいでたちを。
ねえかわいらしいけどさ。
やっぱりさ沖縄の言葉ってすごい独特だね。
独特だねちょっと分からないね。
ちょっとこれを見て。
・「好きなおやつは」また歌うの?・「ポーポー」フゥ〜!何?今日ほんとに陽気だな。
おやつって事は沖縄のスイーツって事?ポーポーって。
そう知らなかったでしょ?知らない全然。
その本に書いてあるから。
うん。
え〜?・「ハイサイカマドさん」…という事で今宵ひもとくのはMONGOL800のポーポー。
デビュー以来沖縄にこだわって活動してきたバンド…郷土愛や平和を願うメッセージを発信し続けています。
モンパチが2013年に発表した…沖縄の女性への思いを伝える歌ですが地元で愛されてきた食べ物の数々が歌詞に詰め込まれています。
そして沖縄ならではのスイーツがこんなふうに登場します。
ポーポーとはクレープのように小麦粉の生地を薄く焼いて巻いただけの素朴なスイーツ。
油みそを入れて巻いた白いポーポーが那覇では代表的。
ほかにも黒糖を生地に入れて焼いたものや全粒粉を使ったものなど作る人や地域によっていろいろな味があるんです。
ここは沖縄のとある場所にある儀間さんの隠れが。
1人で曲の構想を練ったり趣味を楽しんだりするという場所でポーポーへの思いを話してもらいました。
出来たてがうまいんですよ。
じいちゃんばあちゃんたちが食べてたのとか親が作ってくれたのとかそういうので愛着みたいなのがある素朴な…本当に素朴なお菓子だと思います。
やっぱり…ポーポーは古くは琉球王国の時代から食べられていたものでした。
外国からの賓客をもてなすための宮廷料理…その中に油みそを包んだ白い生地のポーポーの原型がありました。
当時はおやつではなく格式ある料理の一つだったそうです。
昔の文献にはそういう事が書かれています。
それで焼いていた。
沖縄では旧暦の5月4日はユッカヌヒーと呼ばれこどもの日にあたります。
かつては子どもたちにおもちゃを買い与え厄払いする風習がありました。
その際各家庭では手作りのポーポーで祝いいつしかふだんのおやつとしても定着。
しかしそうした風習は年々薄れてきているようで…。
ポーポーをうちで作るという人は少なくなっているとの事。
那覇市内のスーパーではお総菜コーナーの一角に少しだけ並んでいました。
何か最近そんな「あ〜今日ポーポー食べたいな」とか思ったりしなくなってるというか…無くなりつつありそうなやつで。
こういうのは何で残せるかって言ったら自分だったら歌詞で残せるから。
子どもの頃に親しんだ素朴な味を歌で残したい。
「カマドー小」にはそんな儀間さんの願いが込められていました。
ふ〜んポーポーってさ琉球王国の時代からあったお菓子なんだね。
ねえ。
歴史を感じますね。
でも何か沖縄の人たちも最近あんまり食べないって言ってたし…。
確かに言ってたね。
ね〜…。
モンパチさんの儀間さんもやっぱり「残していきたいから歌詞に入れた」みたいな事おっしゃってたでしょ?そうだよかまど。
何か注目していきたいね。
ちょっとポーポー作ろう!ポーポー!はい味わいのキメテお願いします。
「クルクルもっちりぬくもりあふれる“カマド”の味」を目指します!はいはいカマドの味をしっかり作ってもらいたいと思いますよ。
よし作ろう!ポーポーねいろいろあるんですけど代表的な油みそ入りの白いポーポーを作ってみようと思います。
じゃあ油みそをまず作りますか。
分かりました。
まずショウガをみじん切りにして下さい。
細かくですね。
ラードを入れますか。
これ特に何も触らなくていいの?うん。
あっ・「いいのよ〜」
(笑い声)結構たっぷり入れるんですね。
そうですよ。
お砂糖入れるでしょ?練るように。
練るように。
混ぜて下さい。
つやが出てくるまでしっかり混ぜて。
焦がさないようにして。
もう早く早く。
これで油みその完成です!早〜!・「こ〜れ〜で」・「いいのか〜い」はいはいでは生地を作りますよ。
OK。
薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるってしまった粉があります。
ここに水を加えます。
水を。
はいここでオキテ!はい!なめらかね。
ほうほうほう。
はいはい。
薄くきれいに焼き上げるためには生地をなめらかにしておかないと駄目なんです。
分かりました。
だから一気に水を入れるとえらい事になります。
分かりました。
じゃあ少しずつって事ですね。
はい。
う〜んもうつるつる。
はいここに最後サラダ油を。
サラダ油?ちょっと入れて下さい。
そしたら生地ののびがすごくよくなるから。
はあはあはあ。
これがおばあの知恵ですね。
おばあの知恵です。
1杯分を流して薄〜く広がるように。
よいしょ。
手早く厚さが均一になるようにして下さい。
はい。
するとね巻いた時にきれいになるでしょ。
だからきれいに広げて下さい。
焼き色が付くか付かないかぐらいを見極めてわっとひっくり返すと。
あっいけるんじゃないかな。
うんよさそうよさそう。
ほ〜ら!わ〜いったいったいった!あんまりたくさん塗るともうクルクルッと巻いた時にブニュブニュッとはみ出しちゃうからね加減を…。
このくらいですかね?うん。
最初クッと固めにしてほしいっていう感じ。
クッと…こういう事ですか?そうですそうです。
…という事で油みそ入りの白いポーポーこれでいいのか〜い!?えっ?今では作る人が少なくなったというポーポー。
でもその味を守っている村がありました。
沖縄中部にある読谷村楚辺と呼ばれる地域です。
あっ地元の女性たち集まってますね〜。
ちょっと聞いてみよっと。
あの〜ポーポーは焼くんですか?へえ〜どんなものか見せてもらえますか?楚辺ポーポーっていうのさ。
楚辺で作られているから楚辺ポーポー。
黒糖入りの甘いポーポーです。
この地域ではポーポーだけを焼くフライパンを持っているとか…。
本当なんですか?一応はやってます。
まめに焼きますので。
あれ?手に持っているそのフライパンってもしかして…。
ちょっと見せて下さい!はいどうぞ。
これはポーポー専用のフライパンでほかの料理は作らないんですって!読谷村は小麦の栽培が盛んだった地域。
旧暦の4月15日には豊作を祈るアブシバレーというお祭りが行われていました。
浜辺では馬の競走が行われ村で取れた小麦とサトウキビでポーポーを焼いて客をもてなしたんですって。
楚辺では今でもアブシバレーの時にポーポーを作って仏壇に供える風習が残っているんです。
村でポーポー作りの名人として知られる…代々受け継ぐポーポーの作り方を教えてもらいました。
まずは小麦粉をしっかりふるいます。
溶きほぐした卵に黒糖のシロップをたっぷりと。
池原さんは厚手の円いフライパンで焼くそうです。
これじゃないとうまく焼けないんだとか。
温めたフライパンいっぱいに慣れた手つきで生地を広げます。
表面がこんなふうにブツブツしてきたらひっくり返すタイミング。
えっ?手…手でひっくり返すの!?熱くないのかしら?へええ〜さすが名人!焼けた生地をクルクル巻けばふんわり甘い楚辺ポーポーの完成!遊びに来ていた孫の陸斗君早速…ぱくり!お味はどうかな?おいしい?はい。
一枚一枚丁寧に焼き上げる楚辺ポーポー。
優しい黒糖の甘さとおばあの手のぬくもりが感じられるふるさとの味でした。
お〜!かまど!楚辺ポーポーおいしそうだったね。
おいしそうだったね〜!ねえ。
あのやっぱりね家庭の味だから次の世代に伝えていくっていうそういう感じなんだと思うよきっと。
いやまさにおばあの味でしょ?おばあの味。
ちょっとかまど。
本当幸せ。
僕たちもさ楚辺ポーポー作ろう!じゃあじゃあ作ってみよう。
シロップをまず作ります。
OK!はい。
はいじゃあ鍋に水と黒糖を入れるでしょ?結構入りますね。
入るよ〜。
よっ。
これがね〜…。
そのままあら熱が取れるまで冷ましておきます。
はいじゃあ次生地作りますよ。
OK。
泡立て器でよくほぐして下さい。
混ぜながらいっちゃって。
混ぜながらいっちゃいますか。
このぐらいか?はい。
お〜何か…。
結構いきました。
いいですねこれ。
重たいですよこれ。
牛乳。
そして…。
そして?油ですね。
そうそう。
うわ〜黒糖の生地おいしそう!ねえ。
じっくりお眠り下さい。
冷ます?冷ます。
そこでジュ〜ッて!いい音。
もう一回ちょっと戻して。
いよっ…。
すごくいいです。
縁に色が付くまで焼いていきたいです。
はいはい。
ここでオキテをお願いします!え〜!?さっき見たでしょ?いや見たけどね…。
楚辺のおばあちゃんみたいに?おばあはもう何回もやってるから熱さを感じませんって言ってましたけど。
もうはっきり言ってたもんね。
いきますよもう。
本当に気持ちが大事だから!感じないって思ったら感じないから。
僕は熱さを感じない人間だ…。
熱さを感じない。
せ〜のっ!おばあだってあれ気持ちで気合いでやってるんだよね。
気合いだよ気合い。
よし!ああ〜!今おばあの気合いが入ったからできたんだよ。
冷めるとね生地が硬くなってひびが入ったりするからね。
あっでもいけるぞ。
…という事で出来た!フフ。
ちょっと一息TeaBreak!伝統のポーポーが驚きの進化を遂げているのを発見!恩納村の道の駅で見つけたのは…チーズとソーセージを巻いたポーポードッグ!甘い生地とソーセージの塩味が何とも言えないあんばいだとか。
そして那覇では薄い生地でサトウキビアイスを包んだポーポーアイスに遭遇!トッピングには砕いたちんすこう。
沖縄スイーツの夢の共演です。
シンプルだからこそどんなアレンジにも合うポーポー。
新たな魅力が生まれていました!じゃあ切っていこうかな!そうね。
よし。
う〜ん。
さあ。
どう?どう?いかがでしょうか!ハハハハ。
きれいな渦巻き!渦巻いてる渦巻いてる。
黒糖のさいい香りもするしさ〜。
してくるしてくる。
何かすごいいいね〜。
早く食べたいな〜。
素朴でいいねこのお菓子。
頂きま…。
(チャイム)あっ姉ちゃん帰ってきた!姉ちゃんお帰り!ポーポー焼きたてだよ。
いいタイミングでお姉ちゃん。
甘くてコクのある油みそのポーポーと黒糖の生地がふんわり優しいポーポー。
沖縄で愛されてきた2つの味を召し上がれ。
「カマドー小」は沖縄の女性に向けたラブソング。
愛着のある沖縄のものばかりを集めていとしい気持ちを伝えています。
・「好きなおやつはポーポー」沖縄やっぱり好きだしああいう曲が出来てああいう歌詞に落ち着いてよかったなと思ったし自分が沖縄を書いたらああなった感じですかね。
全国を回ったライブツアーで儀間さんは「カマドー小」を歌う前にファンにある事を聞いていました。
あのね次「カマドー小」って曲をやりたいんですけどその中で「好きなおやつはポーポー」っていう歌詞があるんですよ。
ポーポー知ってる人?結構いるね。
ポーポー知ってる?
(儀間)そういう素朴なやつがここ東京にもあるのかなって聞きたい。
さあ…何がある?人形焼。
あ〜浅草とかな。
ああいう下町のな。
(儀間)下町っぽいやつでしょ?出てくるね〜どんどんね。
(儀間)いっぱいあるね。
さすが東京。
雷おこし?地元沖縄だけでなくその土地土地で愛されるおやつを聞き会場のファンと共に替え歌に。
ライブで共感し合う事が彼らが最も大切にしている事です。
この歌には「おやつを通して生まれ育った地元に愛着を持ってほしい」そんな願いも込められていました。
・「こんな僕でもいいのかい?」そして今年2014年6月。
こんにちは。
すごい家みたいですね。
最近はポーポーを食べてなかったという儀間さん。
読谷村の楚辺にやって来ました。
比嘉初枝さん。
受け継いだ味を残したいと10年ほど前から小さな喫茶店を開き楚辺ポーポーを焼き続けています。
お〜超きれい!やばい。
やばくないこれ?来た〜。
はいどうぞ。
はいありがとうございます。
頂きますじゃあ。
すごいね〜これ。
久しぶりに食べる焼きたてのポーポー。
頂きま〜す。
これこれです出来たてのポーポー。
超おいしい!おいしいね。
おいしいでしょ?出来たてね。
作る人によって味が違う。
それと形ね。
(儀間)おいしい!上手だね。
(比嘉)ありがとうございます。
儀間さんは沖縄に伝わるふるさとの味を大切に守り伝えようとする人に出会えました。
・「あ〜毎日楽しいね」・「これからもゆたしくね」沖縄にしかない手作りのスイーツポーポー。
モンパチが歌い続けるようにこの先もずっと地元に残していきたいと願うおやつでした。
今日の「グレーテルのかまど」いかがでしたか?その土地に行かないと食べる事のできない特別なおやつ。
おばあも言っていましたが作る人によって味が違う。
そんなおやつっていいですよね。
ではまたこのキッチンでお目にかかりましょう。
ではちょっと失礼して。
頂きます!白いポーポーからいきますよ。
どうぞ。
う〜わ。
うんもっちりしてるよ持った感触は。
頂きま〜す。
ちょっとこれはなかなか食べられないですよ。
かんだ瞬間からねこの油みそが出てくるんですよ。
うんうんうん。
何かねスイーツというよりねちょっと何か軽食な感じがしますね。
ああそう。
おいしい!楚辺ポーポー。
はい。
あっ!全然この…食感が違いますね!はいはい。
こっちは黒糖でやっぱり甘みがすごい勝ってるからね。
甘みが…うん。
かまどさん。
はいはい?そらおいし〜さ〜!2015/05/29(金) 21:30〜21:55
NHKEテレ1大阪
グレーテルのかまど・選「MONGOL800の沖縄スイーツ・ポーポー」[字][デ]
モンパチの愛称で知られるロックバンド、MONGOL800。沖縄を拠点に活動する彼らの楽曲の中に「ポーポー」という名のスイーツが登場する。歌に込められた思いとは?
詳細情報
番組内容
ポーポーとは、クレープのように小麦粉の生地を薄く焼いて、くるくると巻いた沖縄伝統のスイーツ。油みそを巻いたり、生地に黒糖を入れて焼いたものなど、地域によって姿や味は違うものの、古くから地元の人々に親しまれてきた。モンパチのメンバーの一人、儀間崇さんは自作曲「カマドー小(ぐぁー)」の中で「好きなおやつはポーポー」と歌う。幼いころの思い出の味を守りたいと語る儀間さん。ポーポーに託したメッセージとは?
出演者
【出演】儀間崇,瀬戸康史,【語り】キムラ緑子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
バラエティ – 料理バラエティ
情報/ワイドショー – グルメ・料理
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