3趣味の園芸「豪華に開花 西洋シャクナゲ」 2015.05.29


おはようございます。
三上真史です。
今日は2010年5月に放送した「豪華に開花西洋シャクナゲ」をお送りします。
どうぞご覧下さい。

(テーマ音楽)「趣味の園芸」司会の山田香織です。
今日のテーマは色鮮やかな花を房いっぱい咲かせる花木として世界中で育てられているこちらの花です。
いろいろな品種が作られ人気です。
今回は管理方法と来年も花を楽しむためのコツをお伝えします。
そして後半は「フルール」です。
草花で自然の風景を作り出す「草もの盆栽」。
寄せ植えで山の景色を描きます。
こちらもお楽しみに。
まずは西洋シャクナゲの魅力に迫ります。
教えて下さるのは新潟県立植物園倉重祐二さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
倉重さん。
シャクナゲ今が見頃だと思いますがこの花の魅力はどういったところにありますか?花一輪一輪も大きいんですがこれが10以上ついて大きな株をつくりますね。
なかなかこんな豪華な花はないと思いますしこの花色とまた濃い緑色の葉っぱの対比。
これも非常に美しいですね。
こんなのが魅力だと思います。
とても存在感のあるお花ですよね。
一つお伺いしたいんですが日本のシャクナゲと今日は西洋シャクナゲという事ですがその違いはあるんでしょうか?もともとシャクナゲは東アジアの高い所に自生しているんですね。
それをヨーロッパの人たちが持って帰って改良してそれがまた日本に帰ってきたんで「西洋で作られた」という意味で西洋シャクナゲと呼んでるんですね。
世界中にたくさんの品種があるという事ですよね。
今日もスタジオにたくさんお持ち頂いているので初めにこちらからご紹介下さい。
今日ご紹介するのは全部日本で作られた西洋シャクナゲですね。
これは「曙」という品種です。
昔からシャクナゲを栽培している方は花の上の斑点これブロッチというんですがこれがついている昔ながらのオーソドックスな品種ですね。
ピンクに赤いブロッチという。
はい。
昔のシャクナゲらしいシャクナゲといいますかね。
そういう趣ですね。
はい。
そしてお隣にあるのがちょっと深みのあるお色ですね。
これご覧頂くとさっきのブロッチ斑点がないですよね。
最近は改良されてブロッチがない花が結構出てきてるんですね。
それと花にはフリルが入って大輪で大きな株をつくりますね。
シャクナゲらしいシャクナゲ。
しかも花色もシックで落ち着いた色合いです。
1つの房に20以上あるかもしれないですね。
そしてそのお隣は…。
「アンジェリカ」っていいましても日本で作られた品種です。
これは花色がちょっと紫色がかってしかも中心が白ですね。
この紫と白の対比が非常にきれいですね。
鮮やかで。
しかも葉っぱの緑によく映えますね。
そのお隣はまたグッと趣が変わりました。
この花「舞娘」という品種ですがつぼみをご覧頂くと濃い色なんですね。
紫色ですよね。
これがだんだん咲いて開いてくるとラベンダー色になって最後はだいぶ白っぽくなります。
これは緑色のブロッチですか?これもアクセントになってますね。
最近はこういう淡い色合いのパステルカラーの色調のシャクナゲが人気です。
そしてそのお隣にあるのもこれもまたねすごいインパクトあるんですが…黄色。
シャクナゲの原種にも黄色っていうのは少ないんですね。
園芸品種もあるんですが日本では育てにくかった。
日本の方が改良して今これだけ黄色い花が咲くようになりました。
これはほんとお薦めの品種です。
花もかわいらしいですけれど葉っぱもまん丸くて花とよく合ってかわいらしいですね。
ちょっと小ぶりでね。
レモン色のシャクナゲすてきですね。
これはお薦めですね。
そしてもう一つご紹介頂くのがこちらです。
台湾にアカボシシャクナゲというのがありまして暑さに強くて成長もすごくいいんですね。
それを改良して作った品種なんです。
特徴は花の大きさですね。
この黄色と比べてみますと倍以上ありますね。
本当に大きくて一輪一輪がしっかりしています。
それと普通シャクナゲの花びらは5枚なんですがこれは数えてみますと7枚あるんですね。
ですから正面から見るとより丸くふくよかな。
花色もピンクがうっすらかかって上品な色ですね。
確かに上品な雰囲気持っていますね。
ここまでご紹介頂いて本当に花の雰囲気色さまざまですね。
こちらにあるものは10年ぐらいかかっても2mぐらいにしかならないと。
大体2mぐらいです。
シャクナゲの中には10mも大きくなるものもあるという事でこちらのVTRをご覧下さい。
こちらは横浜で西洋シャクナゲの生産をしている方のお宅にある「金時」という品種です。
45年ほど前にタネから育てたうちの1本だそうです。
現在7mほどの高さになっています。
本当に大きくて立派ですね。
シャクナゲの原種は300種類ほどあるんです。
中には10mを超えるものもあってそういうものを交配親に使うと園芸品種でも長く育てると大きくなるものがあるんですね。
大きな木にこの花が咲いてたら本当にすばらしい株だと思うんですが先程VTRでご紹介がありました「金時」こちらの株ですけれども。
これも40年ぐらい育てると7mぐらいになるんですね。
是非上手に育てて大きくしてもらうといいですね。
そこでシャクナゲを育てていくにあたってまずよい株を選ぶポイントから教えて頂きたいんですけれども。
お店で販売されてる時は開きかけのつぼみの状態だと思いますがまずつぼみ数もそうなんですが葉っぱですね。
よく育ってるシャクナゲの葉っぱは濃い緑です。
裏を見たりして色が薄くなっていたり黄色くなってないものを選ぶ。
もう一つは枝ですね。
枝が太くてしっかりしてるもの。
こういうものを選んでつぼみつきのいいものを選べば間違いないと思います。
購入後植え替えたり鉢を替える必要はありますか?シャクナゲの場合花が咲いている時は植え替えはしないんですね。
日常の管理をお伺いしたいんですがまず水やりは?花の咲いている時期は意外に水をあげるんですね。
水が足りなくなると花がダラッとしてきますのでその前に大体土が乾いて白っぽくなってきたら十分やる。
やる時は下から出るぐらいやります。
そして「葉水もやる」とありますけれども…。
ジョウロとか霧吹きでもいいんですけれど花にかかると花の寿命が短くなるので花にかからないように葉っぱにも一緒にあげて下さい。
肥料は必要ですか?花もちが悪くなるので花が咲いている時には肥料はやりません。
では置き場所は?西日の当たらない朝日の当たるような所で風通しのいいそういう所に置いて下さい。
では続いては花後の管理を教えて頂きます。
こちらに花が咲き進んで終わりかけの株があります。
花の後どうすればいいんでしょうか?花をつけたままですと子房という部分がタネになってくるんです。
これをそのままですとタネを大きくするのに栄養分が取られてしまいますので花が終わったら花がら摘みをします。
これだけ房状に咲いているとどこから切るのかしら…?と。
一個一個を切るのではなくてちょうど花と茎の間茶色い部分がありますね。
ここが花の柄になりますのでここからはさみで切ります。
これが花がら摘みですね。
元からという事ですね。
そうしますとこれご覧なれますかね葉っぱの元には小さな芽がそれぞれ皆ついてるんですね。
この芽が複数伸びてきてだんだんこんもりとした株になってきます。
分かりますね。
この付け根の所小さな芽がありますね。
これがどんどん伸びてくるんですね。
伸びるとこちらの状態でしょうか?そうなんです。
あんな小さな芽が…とお思いになるかもしれませんがこれが花がらを摘んだ状態です。
そうしますと葉っぱの元から複数の芽が伸びてくるわけですね。
ちなみにこちらは4芽伸びてきています。
この芽が伸びてその先端に翌年の花芽がつくという事でしょうか?春から夏ぐらいまで伸びてそこで止まります。
止まって夏の間に花芽をつくって冬を過ごして翌年咲きますからこの芽がたくさんついていれば来年はうまく育てれば4つ咲くわけですね。
4倍の花が咲くわけです。
こちらは花がらを切ったんですがもし花が咲かない枝があったらどうすればよいでしょう?花がつかなかった枝は枝の先端に1つの芽しか伸びないんですね。
こういう場合は芽かきを行います。
芽かきはこの芽を手でポキッと折ります。
やってみます。
元からポキッと。
こういう状態でしょうか。
そうしますと先程と同じように花がら摘みと同じですね。
先端の部分がなくなると脇からの芽が複数伸びてきますのでこれもこんもりとした枝数が多くなります。
この時期に先端を切る摘む事が非常に重要なわけですね。
その他に花後の作業はありますか?植え替えをします。
例えば用土なんですけれども…。
今回ご紹介するのは簡単な用土で山野草の用土と赤玉土細かいものを1:1で混合してそれを植え替えの用土にします。
植え替える時はこちらの株のように花がらも切ってあるし芽かきもしてある。
抜きますとシャクナゲの根というのはすごく細かい根がフェルトのようにビッシリ生えてます。
これを1/3ぐらいに削って新しい用土に深植えしないように植えつけます。
その時鉢は大きくしますか?そうですね。
一回り。
これからどんどん新しい根が伸びてきますんで一回り大きな鉢に植え替えるといいと思います。
植え替える頻度ですけれども。
大体2年にいっぺんですね。
ただ葉っぱが黄色くなったり小さくなったら水をやってもすぐ水が通らない。
そういう状態になったら植え替えが必要ですね。
そのサインという事ですね。
もう一つお伺いしたいんですがシャクナゲを育てていくと下の方に枝の分岐がなくて上にばかりボリュームが出てしまうという事でお悩みの方もいらっしゃると思うんですね。
こうなってしまった時にコンパクトにする方法はありますか?剪定ができればいいんですがこういう所をご覧になると芽がありますよね。
普通ですとこの上から切ればこの芽が出てくるかなと思うんですがシャクナゲの場合は往々にして枯れ込んでしまう事があります。
ですから基本的に剪定をして小さくするという事はできません。
このように芽の存在があっても切ってはいけない?そうですね。
という事はこうなって間延びしてしまわないようになるべく芽かきをしてたくさん枝を分岐させる事が非常に重要なわけですね。
こうなる前に芽かきをするというのがポイントです。
ここまでは鉢植えの育て方を教えて頂いたんですけれども中には大きくなる品種もあるという事ですから庭植えでも楽しめるわけですね。
今日は庭植えの楽しみ方という事でこちらに庭植えの花壇を作って頂いています。
すてきな空間ですけれどもこちら鉢植え苗のものを買ってきますよね。
購入した後すぐに庭に植えてしまってよろしいんですか?庭植えする時の失敗する原因はそれが一つなんですね。
1年はさっきの用土で育ててそれから庭植えした方がいいです。
鉢植えの用土と庭の土は全く違いますので根が伸びないで枯れてしまう事が多いんですね。
ですから1年は鉢で育てて翌年庭に植えるといいと思います。
そして庭植えする時のポイントはあるんでしょうか?排水がよくないとシャクナゲはよく育たないんですね。
ですからブロックやレンガを使って20〜30cm地面から上げます。
それと勾配を作って斜面のようにして水はけを更によくする。
こんなのがポイントですね。
こちらも手前が低くて奧になるほど高くなってそれぐらい水はけがシャクナゲには必要なわけですね。
これは大きなポイントだと思います。
そして一緒に合わせる草花。
こちらもポイントはありますか?シャクナゲは花の時期は豪華ですばらしいんですが花のない時期は緑色の葉っぱだけになりますのでお庭全体を長い間楽しむために例えば斑入りのギボウシ。
あとは葉色の変わった白っぽい銀色っぽいラミュウムの仲間。
あとヒューケラの茶色い葉っぱ。
こういう葉色の変わったものをシャクナゲと一緒に合わせると花がない時期でも長い期間お庭を楽しめると思います。
そして小さな草丈の低いものも入ってくるとよりにぎやかに楽しめるという事ですね。
シャクナゲのあるお庭この季節とても豪華に演出されるので是非楽しんで頂きたいですよね。
是非チャレンジしてさっきのお宅も横浜ですのでそれで45年であれだけ大きくなりますのでどこのお宅でも楽しめるんじゃないかと思います。
是非チャレンジしてみて下さい。
今日はシャクナゲの魅力たっぷり教えて頂きましてありがとうございました。
ありがとうございました。
続いては「フルール」です。
今日のテーマは「草もの盆栽」。
私ちゃんと盆栽を見るのは初めてなんです。
草もの盆栽の第一人者山根景子さんを訪ねます。
こんにちは。
こんにちは。
ようこそ。
山根景子さんは盆栽を始めて46年。
女性盆栽家の草分けです。
草もの盆栽は身近な草花を使った盆栽。
山根さんは優しい心で自然を見つめそれを鉢の中に表現してきました。
これはアケビの花なんですよ。
今年はこれだけたくさん花が咲いてくれたんです。
すごいかわいいですね。
盆栽というと普通は大きい立派な盆栽ですけどその立派な盆栽を飾る時に必ず季節の小さい花の鉢を添えるんです。
私はその添え草の方が好きになってしまってそれで草もの盆栽を作っております。
山根さんはより自然に近い風景を表現するために鉢の形にも気を配っています。
山を歩いてるとどこも斜面が多いでしょ。
その斜面の風景を出したくて考えてます。
だから斜めになってるんですね。
山の斜面の感じが自然に表現されてますよね。
山には必ず木と草とが生えてますから寄せ植えにする時に同じ場所に生えるものを植えるとよく育つんですよ。
クスノキ科のヤマコウバシ。
その木陰にサンインシロカネソウを合わせた盆栽です。
もともと自然界でも相性のいい植物だから自然の風景に見えるんですね。
そうなんですよ。
こちらは高原の景色を表現したもの。
ミヤマクロユリやシコタンソウなどの植物を植え込みました。
花の季節にはまた違った表情を見せます。
この作品は池のほとりなど水辺の風景を表現しています。
湿地を好む植物を寄せ植えにしました。
更にこちらは山根さんが大好きなある島をイメージしたものです。
屋久島の植物なんですよ。
こちらは私が大好きなもので子供の時から屋久島って小さい植物があってというのであこがれがあるんですよね。
それで作ってます。
屋久島の植物を集めた草もの盆栽。
生命力あふれる風景が小さな鉢に凝縮されています。
屋久島のウメバチソウが秋に咲いたものなんですよ。
その下にあるのはウメバチソウの新しい葉っぱが出てきてるんです。
命の循環を植物が繰り返してるんですよね。
この小さな鉢の中でも命の循環が行われて日々成長してるという事ですね。
そうです。
草もの盆栽は毎年そういう生命の循環を眺められて切り花とは違った深い楽しみがございます。
心に残る自然の風景を鉢の中に描き出す草もの盆栽。
季節の移ろいを楽しめます。
次回もどうぞお楽しみに。
2015/05/29(金) 21:00〜21:25
NHKEテレ1大阪
趣味の園芸「豪華に開花 西洋シャクナゲ」[字]

4月から6月に咲くツツジ科の常緑低木。花色豊富。品種紹介、花がら摘みや剪定(せんてい)など花後管理を紹介。<ミニコーナー>フルール・草もの盆栽山の景色

詳細情報
番組内容
ツツジ科の常緑低木。花期は4月から6月。花色豊富。枝の先端に花が密集して咲くので満開になると見事。品種紹介、花がら摘みやせんていなど花後管理を紹介。【司会】山田香織(盆栽家)<ミニコーナー>フルール・草もの盆栽山の景色。【講師】山根景子(盆栽家)
出演者
【講師】新潟県立植物園…倉重祐二,盆栽家…山根景子,【司会】山田香織,三上真史,【リポーター】稲生美紀,【語り】上田純子

ジャンル :
趣味/教育 – 園芸・ペット・手芸
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

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