「おれは河原の枯れすすき」「同じお前も枯れすすき」「どうせ二人はこの世では」「花の咲かない枯れすすき」いやぁなかなか音合わないな。
ヴァイオリン難しいもんな。
クラシックか何かの同好会かな?クラシックいうたら…。
それは「軍艦マーチ」じゃないか。
(軍艦マーチ)「守るも攻むるも黒鐵の」じゃあクラシックってどういうんでい?『ラデツキー行進曲』似たようなもんだろうがよ!『ラデツキー行進曲』はパチンコ屋にはかからないんじゃないかい?何言ってやがんだよお前。
なぁキヨよ。
俺たち庶民派はやっぱり日本の歌ですよね〜。
おいこれじゃないか?「さつきオーケストラチャリティーコンサート」。
へ〜黒田寛子をゲストに呼んだのか豪華だね。
誰だ?それ。
有名なピアニストだよ。
いいかげんにして。
触らないで!これ以上あなたと話すことは…。
お二人さん。
こんな時間にそんな大声出しちゃ近所迷惑だ。
それは失礼しました。
怖ぇ女だね〜。
何かあったんですか?すみません何でもないんです。
お騒がせしました。
どうした?ノリ。
彼女黒田寛子さんじゃないか?えっ!?チャリティーコンサートに出演するピアニストの。
あぁそうかもしれない。
しかし何をもめてたんだろう。
犬も食わねえってやつじゃねえの?夫婦ゲンカか?ご結婚なさってたかな?どっちにしろ怖ぇ女だったね。
そうそうシゲちゃんだってそんなにコワモテなのに登美子さんの尻に敷かれてキャーってなってるじゃないか。
ババアのケツがデカいだけだ!祐希が19歳だなんて時が経つのは早いわね。
ホントにあっという間。
来年はもう二十歳なんだからな。
19になったばっかだっつうのに二十歳の心構えとか説教すんなよ。
そうですよ。
あなたが話し出すと長くなるからせっかくのごちそうが冷めちゃうわ。
私はまだ何も言ってませんよ。
ただいま。
おかえりなさい。
ごめんごめん。
部下の相談にのってたら長引いちゃって。
祐希おめでとう。
感心ねいい上司じゃない。
へ〜親父結構頼られてんだ意外。
お父さんに向かって失礼よ祐希。
はいはい。
働く父親を敬えないようじゃまだまだ子供だな。
単なる冗談だっつうの。
来年は二十歳になるんだぞ。
話すと長くなるからやめてちょうだい。
なに?祐希も来年成人ねっていう話をしてたの。
でもお父さんに生意気言ってるようじゃまだまだお子様ね。
おふくろみたいなお嬢様育ちにお子様扱いされたくないね。
あらっ!自分の部屋の掃除もできない人が偉そうに。
俺のやる気がたまる前に勝手にやっちゃうからだろ!余計なことすんなっつうか。
あっそ。
じゃあホントにもう知らないんだから。
つうか過保護なんだよな〜。
そろそろ子離れして趣味でも見つけたら?生意気に!コラッ祐希!ごめんなさい。
一人前の口を利くのはなちゃんと就職をして本当の意味で自立してからだぞ。
まあまあ。
卒業したらスパッと華麗に出てってやるから乞うご期待。
そうだな。
4年なんてあっという間だなきっと。
結婚して孫ができるのも早いかもしれないわね。
あなたたちも早かったから。
学生の身分でデキ婚なんてどうしようかと思ったわよ。
ハッハッハ…もう勘弁してくれよ。
時効ってことで忘れて。
忘れられるわけないでしょう。
物証が常にあるんだからフフフフフ。
おかげでひ孫が見られるかもしれないけど。
まだかかるの?うん。
この書類だけ済ましちゃうよ。
あんまり無理しないでね。
うん。
(貴子)はぁ…数字ばっかり。
貴子が見てもおもしろいものじゃないよ。
(ドアが開く音)あら勉強してたの?お夜食作ろうか?子離れしろって言っただろ?祐希。
もう遅いから早く寝なさい。
親父こそ。
おやすみ。
はいおやすみ。
あっ…まだかかるから先に寝てていいよ。
貴子さん。
買い物?はい。
黒田寛子さん。
ずっと憧れてたピアニストなんです。
だからちょっと聴きにいきたいなって。
チャリティーコンサート。
ボランティア募集?貴子さんこれに参加してみたら?えっ…私はそんな…。
それに私家のこともありますし。
主婦だって自分の時間持つべきだよ。
でも…。
ちょっと覗いてみようか。
それから考えればいいじゃないか。
はぁ…。
(ピアノ)〜
(野尻)ボランティア希望の方ですか?いえあの…。
野尻さん!あっ清田さんじゃないですか。
あなたもここで?ええ恥ずかしながらここで指揮者をしておりまして。
へ〜っ!そりゃすごい!いえいえいえ…。
野尻さん。
鯨の常連さん。
はじめまして。
貴子さん音大の出身でしてね。
チラシを見たんでちょっと2人で聴きにきたんです。
ああ。
それはぜひ!あの…黒田寛子さんも中に?はい。
何言ってんのよ?この私に意見しようっていうの?ふざけないで!!いやですがね黒田さん。
どうしました?この低レベルなコンマスをどうにかしてちょうだい。
低レベル…いくらなんでも口の利き方があろうってもんでしょう!まあまあまあ黒田さん。
驚いたでしょう?いつもこれなんですよ。
すごいですね。
黒田さんがチャリティーコンサートに参加してくださるなんて。
(田坂)黒田さんのご両親がこの町に住まわれてたご縁で野尻さんが彼女を口説き落としたんですよ。
私も最初はこんな有名なピアニストと共演できるなんてって喜んでたんですけど正直もう荷が重くって…。
まったくですよ。
ちっとも楽しくない。
あ…はじめまして。
コンマスの椛島です。
トランペットの田坂です。
コンマス…とは?コンサートマスターの略ですよお父さん。
さあ皆さん。
リハーサル始めますよ。
あらご機嫌が直ったみたいですね。
やれやれ。
〜怪文書?
(野尻)ええ…。
オーケストラの事務局にこんなものが。
何だ?こりゃ。
せっかく呼んだスペシャルゲストなのに。
黒田さんが誰かに恨まれてるってことかな。
キツそうだったもんな。
暴れ馬みたいだったぜ。
昨日の晩たまたま黒田さんを見かけましてね。
いやどなたかと激しい口論なさってましたよ。
「でも」じゃないわよ!確かに彼女の気性の荒さは有名なんです。
ですが国内のコンクールで何度も賞をもらってますしファンも多い。
正直そんな彼女が商店街のチャリティーコンサートに参加してくれるなんて思ってもみなかったんです。
そのかわりにこんなものも。
ええ。
今まではこんなことありませんでしたから。
メンバーの皆さんはこの怪文書のことは?みんなただでさえ黒田さんに萎縮しているんです。
これ以上不安にさせたらオケが崩壊してしまいます。
かといって警察に相談するのも…。
ただの嫌がらせならいいんですが…。
野尻さんもしよかったら我々もお手伝いしましょうか。
言っちゃなんですがねシゲも私もちょいと腕に覚えがありましてね。
因縁でもつけられたら大変だ。
我々がお手伝いしても邪魔にはならないと思いますよ。
いやしかし…。
遠慮するな。
常連さんのためでい。
こんなコワモテが練習場にいたらそれだけで魔除けになりますよ。
言うんじゃねえよテメエ。
ありがとうございます。
私もクラシックが好きで楽しみにしてたんですよ。
ひと肌脱がせてください。
有村さんも腕に覚えが?いや…。
あ…あるっちゃあるんだよな。
そうそう。
ビリビリ術って…。
護身術か何かですか?機械式護身術です。
「ビビンビビンビンバン」あビバビバ。
ビバビバ。
それでは皆さん改めてボランティアスタッフに参加してくださる方々をご紹介します。
清田清一さん立花重雄さん。
有村則夫さんそして清田貴子さん。
よろしくお願いします。
お願いします。
そんなことよりリハーサルを始めましょう。
(野尻)はい。
〜怖ぇ女だな。
やっぱりアイツを恨んでるヤツの犯行なんじゃねえの。
ただのイタズラだといいんだけどね。
何の話ですか?なんでもないこっちの話。
だからあそこは私に合わせてくれないと困るって言ったじゃない!テンポが全然合ってないわ。
あなたコンマスなのに何してんのよ。
すみませんです。
それとトランペット。
あなた自分が足を引っ張ってるっていう自覚もないの?すみませんでした。
すげえ迫力だ。
しかしピアノの迫力は更にすごかったね。
ホントにすごい演奏だ。
あれは誰も文句言えないな。
ハッ!俺には犯人がわかったぜ。
コンマスの椛島かトランペットの田坂だ。
どちらかだ間違いねえ!2人が黒田さんにこっぴどくやられていたからかい?そうよあの2人が結託してよ黒田を追い出そうとしたんだよ。
俺の目に狂いはねえぜ。
いや〜それはちょっと早計だな。
なんだよキヨ俺の名推理に水さす気かい?いや彼らだって黒田さんとの共演を楽しみにしていたと言っていたぞ。
だけどよあんな言い方されたら誰だって恨むだろうよ。
確かにそうだろうけどね。
もう少し様子見ようノリだって仕事あるんだから交代で顔出そうや。
あっ…あ〜もうまた。
もう昔はこんなことなかったのに…。
ただいま。
おかえり。
何してるの?実はねチャリティーコンサートのボランティアスタッフになることにしたのよ。
ボランティアスタッフもピアノ弾くんだ。
そうじゃないけど久しぶりにオーケストラの演奏を聴いてなんか懐かしくなって。
学生時代からずっと憧れてた黒田寛子さんっていうピアニストの人も参加してるの。
もうあんな演奏間近で聴けるなんて夢のようだったわ。
感動しちゃった。
へぇ〜。
もう何よ反応薄いわね。
だって興味ねえもんクラシックなんか。
ノリさんを見習ってほしいわ。
ノリさんクラシック好きなんだ。
そうなのだからねお父さんたちもボランティアに参加することになったのよ。
えっ?またじいさんたちなんか企んでるな。
えっ?別に何も。
ああ腹減った。
あいけない。
晩ご飯の支度するの忘れてた。
えっ勘弁してくれよ!なによ!アンタ子離れしろとか偉そうなこと言ってたくせに!じゃあいいよ!バイト行く前にコンビニでも寄るから。
もう…なにかっていうとすぐコンビニなんだから!ご心配なく!どうぞ子離れしてください。
あれ…。
なに?雨降ってきた。
あっ!洗濯物取り込むの忘れてた!あ〜あ。
お母さんも参加してるんだよね?それが大変でさ。
そっちに夢中になっちゃって。
昨日なんか飯作んのも洗濯物取り込むのも忘れてて…。
えっ大変!昨日夕方雨降ったよ。
取り込むの手伝ってあげた?えっ…。
もうやだ〜!ちょっと…いやそれは…。
もう!親離れできてないんだから。
えっ!?毎日の炊事やお洗濯してもらって当然だと思ってるでしょう?うちのお父さんはちゃんとやってくれてるよ。
1人暮らし始めたら大変だよ。
結婚したって私が…。
奥さんが病気で寝込んだりしたら家荒れちゃうよ。
やる!やるやるやる!絶対やる!俺ノリさんみたいにちゃんと…。
(笛の音)フフッ…。
あ…私のお母さんもクラシックが好きだったんだって。
好きなことに夢中になってるお母さんってステキだよね。
まぁうちのおふくろはステキかどうかはさておき楽しそうは楽しそうかな。
でもトラブルメーカーだからちょっと心配なんだよな。
音大中退して音楽に未練残ってるのはわかるんだけどさ…。
どうして中退したの?デキ婚で俺が生まれて…。
あっ!なに?そっか…。
おふくろが夢諦めたのって俺のせいか。
せいってことはないと思うよ。
でも俺がいなけりゃもしかしたらピアニストになってたかもな…。
昨日と同じミスばかりじゃない。
これじゃリハーサルにならないわね。
帰らせてもらうわ。
黒田さん!いいっていいって。
無理に残ってもらわなくても。
落ち着いてください。
コンサートは今週末ですよ。
だからこそチームワークを乱してる場合じゃないんじゃないですか?そうよ!もうあんな人につきあってらんない!そうですよ。
みんなもそう思ってるでしょ?そんなこと言っちゃいけません。
黒田さんのおかげでチケットも完売してるんですし。
すみません!はい。
あの私黒田のマネージャーをしてます後藤と申します。
えっ…あっマネージャーさんがいらしたんですか。
たいへん失礼いたしました。
野尻と申します。
このたびは本当にありがとうございます。
いえいえ。
黒田がご迷惑をおかけしてるようで申し訳ありません。
彼女もご存じのとおりの性格なもので。
ところでちょっと込み入ったご相談があるんですけど。
はい何でしょう?あの…たいへん申し上げにくいのですが黒田のギャラについてお話をさせてもらえますか?ギャラですか?ちょ…ちょっと待ってくださいよ。
このチャリティーコンサートに彼女はノーギャラで参加してるはずでは?すみません。
いろいろと事情が変わってしまいまして。
どんな事情ですか?こちらにコンサートを脅迫する怪文書が届いたそうですね?なんで知ってんだ?怪文書って…何ですか?コンサートに黒田さんを出せば災いが起こる。
という脅迫文でした。
なんですぐに教えてくれなかったんですか?皆さんを不安にしたくなかったんです。
普通だったらそんなコンサートに黒田を出演させるわけにはいきません。
ですが公演間近のこの時期にゲストを下ろすことができないのもわかります。
ですから危険手当という意味もあってギャラをいただけないかと…。
わかりました。
どうぞよろしくお願いします。
ちょっと!それカンパ金じゃないですか!残りは後日必ずお支払いします。
ありがとうございます。
黒田にもきちんと言い含めておきますんで。
そこまでして出てもらわなきゃいけないんですか?えっ!?あのピアニストがカネを請求したってか。
怪文書が届いたことを全員知ってしまったのか。
みんな動揺してたね。
あぁ〜。
しっかしさ夜回りで見かけたあの男が黒田寛子のマネージャーだったとはな。
あのときも彼女すごい剣幕だったね。
いやマネージャーも大変だろうけどねあの2人なんかありそうだな。
せっかくのチャリティーコンサートだっていうのに雲行きが怪しいまま怪文書の犯人の目星もつかないしと。
あらどうしたの?別に。
ゴミ出し。
ついでにこっちも持ってくわ。
えっどういう風の吹き回し?でもゴミ出しは夜じゃなくて明日の朝にお願い。
えっ!?了解。
じゃあまとめとく。
うん。
ただいま。
おかえりなさい。
あぁくたびれた。
ねぇ聞いて。
今日黒田さんのことでね…。
ん?黒田さんって誰だっけ?えっ!?もう忘れたの?ほらチャリティーコンサートのピアニストの。
ああそうだっけ?また仕事?うん。
じゃあお茶でもいれましょっか。
あっいいよ俺がやる。
えっ?おいどうしたんだ祐希。
まぁたまには老いたる親を労わってこその大人だし。
フフフ言うなぁ。
でもまだ老いてないぞ。
はぁ!?腹肉やべぇだろ。
痛い!ギューッとしたら痛いよ!してねえわ!いやギューッとしたよ。
イタタタ!痛いよ祐希もう…。
何なんだよそれ。
お茶ありがとう。
なぁ親父。
うん?大学時代のおふくろってどんなだった?ほら最近コンサートのボランティア始めてさ生き生きしてるっつうか楽しそうじゃん。
母さんはね清楚で上品なかわいらしいお嬢さんだったんだよ。
こうやってねいつもピアノの楽譜を胸に抱いててな。
やっぱ夢を断ったのは俺かなぁ。
〜
(ピアノ)〜早いのね。
すみませんつい聴き入ってしまって…。
あなたも音大出身?はい一応。
どうぞ。
えっ?弾いたら?私はもう終わったから。
いや私なんかそんな…。
〜ねぇあなたはどうして音楽の道を諦めたの?子供ができたからです。
私もうホントに不器用で…。
あっ…。
子育てしながらはとても続けられないなと思ってわりとあっさり諦めちゃいました。
黒田さんみたいに才能があったらもうちょっと頑張れたかなって思うんですけど…。
私にはあなたのような幸せはつかめないわ。
そんな…黒田さんクラシック界のスターじゃないですか。
私なんてホントに平凡で…。
でもこうしてボランティアができるんだから趣味を理解してくれる優しい旦那さんがいるんでしょ?幸せじゃないお子さんもきっといい子なんでしょうね。
あんまりいい子すぎるとちょっと寂しいですけどね。
人間って何を手に入れても何かが足りないと思ってしまうのかもしれないわね。
そうかもしれませんね。
あの黒田さんよかったら今度CDにサインしていただけませんか?いいわよ。
嬉しい!私大学時代からずっと聴いていたCDなんです。
あなたが大学時代ってことはデビューアルバムかしら?はい!あの頃はよかったな。
好きなだけじゃ楽しめなくなる瞬間ってあるのよ。
地獄のような分岐点なの。
だからそれを避けて普通の幸せを選んだ人たちが時々無性に憎くなる。
たとえ無料のコンサートだとしても演奏者がアマチュアだとしても観客に本物の…本気の音楽を届けないと許せない!しゃべりすぎたわね。
おはようございます!おはようございます。
今日からいよいよ追い込みですね。
頑張りましょう!お早いお越しですね。
ギャラ支払ってる分黒田さんには頑張ってもらわないとね。
え?
(野尻)椛島さん!どういうこと?昨日マネージャー寄こしたじゃないですか。
危険手当としてギャラをくれって。
危険手当?怪文書が届いたんですよ。
あなたがコンサートに出たら災いが起こるって。
よっぽどいろんな人に嫌われてるんですね。
アンタが参加してからこのオーケストラメチャクチャだよ!あっおはようございます。
どいて!貴子ちゃんまで…。
黒田さん!昨日来た男マネージャーじゃないの。
意固地な自分を変えたくて地元のチャリティーに参加してみても結局何にも変われてないのね私は。
待って!黒田さん!どうせ俺たちのこと見下してんだよ!まいりましたね。
そうよこれじゃ練習になんねえじゃねえなぁ。
あさってコンサートなんだろ?貴子さん!引きとめられませんでした。
あっ!貴子さんがいるじゃねえかよ!そうだ!黒田さんの代わりにピアノ弾いてもらえばいいんだよ。
そうですよ!貴子さんお願いします。
ちょっと待ってください!貴子さんリハーサルつきあってください。
ピアノがいなきゃ始まらないんです。
お願いします。
(一同)お願いします。
でも…。
味の保証はないけどな。
祐希。
うん?ありがとね。
寛子!そんなこと言わずにお願いだからさ。
触らないで!私が稼ぐお金が目当てのくせに!ずっと一緒にやってきたじゃないか。
また借金ができちゃってさ200万!オーケストラに怪文書を送ったのはあなたね。
それは…。
お金ほしさにそこまでするなんてなんて人なの!なら脅しを現実にするまでだ!お前が言うこと聞かないならコンサートをメチャクチャにしてやるからな。
なんですって?オーケストラのヤツらだって無事じゃ済まねえぞ!〜おはようございます。
今日も黒田をよろしくお願いします。
さあ。
どうぞ。
〜どうぞ。
黒田さんお茶どうぞ。
(後藤)いよいよ明日ですね。
楽しみにしてますよ。
頑張ってください。
ところで黒田のギャラはご用意いただけそうですか?はい。
寄付金がパーだな。
これじゃあ何のチャリティーなんだか。
ありがとうございます。
これで黒田も…。
私コンサートには出演しません。
えっ?どういうことですか!?マネージャーさん…。
大丈夫ですよ。
ご心配なさらず。
なあ?ちゃんと出演するだろ?寛子。
この男は私のマネージャーなんかじゃないわ。
お金を渡す必要はありません。
黙れ!大事なピアニストの腕をねじ上げるなんてまともなマネージャーとは思えんな。
私はあなたの言いなりにはならないわ。
テメエどんな目に遭うかわかってんだろうな!?
(舌打ち)ご迷惑をおかけしてすみませんでした。
コンサート頑張ってください。
あっ…。
黒田さん!何なんだよ?いったい。
痴話げんかか。
コンサート明日なのに。
無責任すぎるよ。
あの…。
どうしました?黒田さんそんな人じゃないと思います。
どういう意味ですか?黒田さん今の自分を変えたくて地元戻ってボランティア引き受けたって言ってたんです。
あんなプライドの高い人がそんな簡単に自分の決意をひるがえすと思えなくて。
でも実際投げ出したじゃないですか。
わかりにくいですけど黒田さん十分このオーケストラ尊重してたと思いますよ。
だってどんなことがあってもいつも音楽についてしか文句言ってなかったじゃないですか。
それは黒田さんが心から音楽をこのコンサートを大切に思ってたからなんじゃないですか。
座っていいですか?先ほどはお見苦しいところを。
いきなり失礼しました。
昔はいいマネージャーだったんです。
結婚しようと思っていたときもありました。
でも私が売れ出すにつれ後藤は悪い商売に手を出すようになって。
あなたはチャリティーコンサートを守ろうとしたんでしょ?あんなに純粋に音楽を楽しんでいる人たちからお金をむしり取るなんて絶対に許さない。
すみません。
私ったらペラペラと。
どうしてかしら?貴子さんのおしゅうとさんだと思うと話しやすくて。
貴子さんあなたの大ファンだそうですよ。
私のピアノなんて今はもう単なるお金儲けのためのピアノです。
そうかな?私はまるで素人だけどあなたのピアノの演奏は音楽を心から愛してる人の音色に聴こえましたよ。
それにあなたは自分を変えたいと思ってチャリティーコンサートを引き受けられたんでしょう。
でも後藤が何をするかわかりませんし…。
失礼します。
黒田さん。
あなたはもっともっと音楽を楽しむべきだ。
何の用?
(後藤)昼間はずいぶんな口をたたいてくれたな。
コンサートがどうなってもいいのか?あなたも聞いてたでしょ。
もう私はここのオーケストラを辞めたのよ。
だからってはいそうですかと引き下がっちゃあ俺の腹の虫が収まんねえんだよ!そう簡単に俺と別れられると思うなよ。
俺はお前に一生まとわりついてお前が関わるヤツら全員をムチャクチャにし続けてやる。
そんな…。
おい!好きなだけ暴れてくれ。
何するの!?お前にはもう無関係なんだ。
アイツらがどうなろうと関係ないだろ!お願いやめさせて!俺の言うこと聞く気になったか?おい!これもやっちまえ。
いいんすか?いいんだよ。
俺を怒らせたらどんな目に遭うかコイツにも思い知らせてやんねえとな!やめて!コンサートは明日なのよ!ハハハハ!俺から離れようとした罰だ!やれ。
はいよ!おらよっ!やめて!「やると思えばどこまでやるさ」「それが男の魂じゃないか」「義理がすたればこの世は闇だ」音楽を愛する人の心を踏みにじるヤツは許すわけにはいかん。
明日のコンサートは邪魔させねえぜ!俺たちも楽しみにしてるんでね。
昼間いたじいさんじゃねえか。
なんだオメエら?俺たちか?俺たちはな…。
(3人)三匹のおっさんだ。
おっさんだ?ふざけやがって。
おっさんをなめるなよ。
痛い目に遭うぜ。
つまみだせ!〜ドレミファドーン!待てこらっ!おっE難度か。
おおっすげぇ。
おらよっと!ほらっ!うわっ!則夫・エレクトリカル・アターック!ザ・コンダクター・バージョン。
ばっ!〜調子にのるなよ!アンタそれでも男か。
クソッ!はぁ〜っ!うわ〜っ!二度と彼女に近づくな!でないとこれを警察に持ってくよ。
クソッ!一件落着ってか。
ある方々のおかげで怪文書の問題は解決しました。
もうコンサートの邪魔をされる心配はありません。
ある方々って?誰のことなんですかね?シゲ誰のこと?誰のこと?もう何の心配もなくチャリティーコンサートを開くことができます。
ですから黒田さん戻ってきてください。
私…。
でもやっぱり…ごめんなさい。
私はこんなに迷惑をかけてしまったオーケストラには戻れません。
黒田さんアンタにとって音楽ってそんなもんじゃないだろ。
えっ?
(田坂)そうよ。
黒田寛子はどんな観客にだって本気のピアノを届ける人だわ。
私たちと一緒に演奏してもらえませんか?そんなだって私は…。
私も黒田さんのピアノ聴きたいです。
ありがとう皆さん。
(黒田)ありがとうございます。
でも私が弾くからには1つ条件があるわ。
飾りつけの手直しも間に合ってよかった。
いよいよだね。
眠くなんなきゃいいけどなぁ。
おい頼むよ。
えっなんでおふくろが!?あぁ…俺まで緊張してきた。
祐希!親父こっちこっち。
すみません。
っつかあれ見ろよ。
貴子!?貴子がピアノを弾くところを見られるなんて早く切り上げた甲斐があったなぁ。
〜おふくろやっぱり音楽続けたかったのかな…。
〜お前がお腹の中にいるってわかったとき貴子はこう言ったんだよ。
何?私はピアニストになるよりこの子の母親になりたいって。
〜乾杯!
(一同)乾杯!清田さん。
黒田さん。
ごめんなさい私さっきミスばっかりしちゃって…。
いいのよ。
こんなに楽しいコンサート久しぶりだったわ。
今日の気持を忘れずにまた一から頑張ってみるわ。
はい私も頑張ります。
貴子さん。
お疲れさまでした。
ありがとうございました。
いやぁ今日の貴子は一段とステキだったなぁ。
大学生のときと何にも変わってなかった。
かわいかった。
あなたったら褒めすぎよ!だって本当のことだよ。
確かにかっこよかったよおふくろ。
やだ祐希アンタどういう風の吹き回し?うっせぇ!でこれからもピアノ続けんの?ううん私にはもう無理よ。
でも楽しかった。
黒田さんと連弾できたなんて一生の思い出。
でも今日からまた主婦業に戻るわ。
だって祐希の作ってくれたお料理悲惨だったから。
うっせぇな!えっ何作ったの?賑やかね。
コンサートが大成功したからね盛り上がってるんだ…。
貴子さんがピアノ弾くんだったら私も行きたかったわ。
ホントだよ芳江にも聴かせたかったね。
登美子さんとキヨシのコンサートに行く約束しちゃったの。
ほら。
目もとが似てない?キヨシさん…あぁそれはようござんしたね。
今も昔も私はキヨさんひと筋よ。
な〜んてね。
コラッからかうなよ。
(笑い声)2015/05/29(金) 19:58〜20:54
テレビ大阪1
金曜8時のドラマ 三匹のおっさん2【三匹VS恐怖のピアニスト】#6[字]
嫁がチャリティ楽団で金銭トラブルに!?三匹介入で仲間割れバトルが大炎上!?“恥を知れ!”音楽を愛する人たちを貶める卑劣な悪党を怒りの成敗!三匹VS恐怖のピアニスト!
詳細情報
◆番組内容
清一(北大路欣也)たち三匹のおっさんの町では、市民オーケストラが、有名なピアニストの黒田寛子(中山忍)をゲストにチャリティコンサートを行うことになった。しかし、その黒田は他の団員たちと何度も衝突しており、コンサートの成功を誰もが危ぶんでいた。そんな時、指揮者の野尻(石井正則)宛に、黒田を出演させるなという怪文書が届く。
◆番組内容続き
コンサートの開催すら怪しくなってしまった状況を解決するため三匹のおっさんが立ち上がる!
◆出演者
清田清一…北大路欣也
立花重雄…泉谷しげる
有村則夫…志賀廣太郎
清田祐希…大野拓朗
有村早苗…三根梓
清田貴子…西田尚美
清田健児…甲本雅裕
立花康生…津村知与支
立花理恵子…鈴木麻衣花
◆出演者続き
黒田寛子…中山忍
後藤…伊藤正之
野尻…石井正則
椛島…大石吾朗
田坂…田代さやか
立花登美子…藤田弓子
清田芳江…中田喜子
◆原作脚本監督
【原作】有川浩
【脚本】赤澤ムック、清水しおり
【監督】大内隆弘
◆音楽情報
【主題歌】和田アキ子「晴レルヤ」
(テイチクエンタテインメント・ユニオンレコード)
◆お知らせ
☆「三匹のおっさん2まんじゅう」好評発売中です!
☆「有料配信スタート!」見逃した方、もう一度見たい方、ぜひチェックしてください!
詳しくは、番組公式ホームページをご覧ください!!
<ホームページ>
http://www.tv-tokyo.co.jp/3biki.ossan2/
◆関連情報
【ホームページ】
http://www.tv-tokyo.co.jp/3biki.ossan2/
【Facebook】撮影秘話などお得な情報満載です!「いいね!」押してください!
https://www.facebook.com/tx.3biki.ossan
【Twitter】スタッフがあれこれつぶやきます!https://twitter.com/tx_3biki_ossan
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32118(0x7D76)
TransportStreamID:32118(0x7D76)
ServiceID:41008(0xA030)
EventID:38811(0x979B)