Nスタ ニューズアイ 2015.05.29


鹿児島県の口永良部島で爆発的な噴火が起きました。
火砕流は海岸まで到達し、住民1人がヤケドをしました。
島の住民のうちおよそ120人が先ほど、フェリーで隣の屋久島へ避難しました。
まずはこれまでの動きをまとめてご覧いただきます。
今日午前9時59分、山から噴き上がる噴煙。
その高さは、火口から9000m以上まで上がった。
鹿児島県の口永良部島で爆発的噴火が発生。
この噴火で火砕流が生じ、火砕流は、噴火した新岳の南西側から北西側の向江浜地区にかけて流れ、海岸まで達した。
噴火が起きたとき、JNNのカメラが火山研究の第一人者である京都大学桜島火山観測所の井口センター長と一緒にいた。
気象庁は、噴火警戒レベルを最も高いレベル5の避難に引き上げ、屋久島町は島のすべての住民に避難指示を出した。
当時、島にいた人は…口永良部島には島民など131人がいて屋久島町役場などによると島にいる全員の所在を確認したとのこと。
うち多くの人は一時、島内の番屋ヶ峰という場所にある避難所へ避難。
その後、フェリーで屋久島へ向かった。
また犬の散歩をしていたときに火砕流により額をヤケドした70代の男性と持病がある男性の合わせて2人が県の防災ヘリで屋久島空港に搬送された。
政府は噴火を受け、総理大臣官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置。
安倍総理は、早急な被害状況の把握住民らの安全確保の徹底、適時的確な情報提供の3つの指示を出したほか、政府調査団を現地へ派遣した。
鹿児島県の口永良部島は世界自然遺産にも登録されている屋久島の西側およそ12kmにあり、去年8月にも噴火が発生するなど、気象庁が常時観測している火山の1つ。
気象庁によると確認できる最も古い噴火の記録は江戸時代後期の1841年で噴火により、多数の死者が出たとされている。
その後、20世紀に入ってからも繰り返し噴火が発生。
死者やケガ人が出たりするなどの被害が出た。
そして、去年8月にも噴火があり、気象庁は口永良部島について噴火警戒レベル3の入山規制を発表。
今年3月からは、観測班を常駐させるなど常時観測していた。
火山灰を含んだ噴煙は現在、火口から南東方向へ流れていて今後、屋久島町では大量の火山灰が降ると予想されるとのこと。
気象庁は、今後も規模の大きな噴火が発生し住民が生活する地域に火砕流が到達する恐れもあるとして厳重な警戒を呼びかけている。
口永良部島は、鹿児島の薩摩半島から南におよそ90kmの場所に位置しています。
屋久島の隣なんです。
そして、今回、噴火が起きたのは口永良部島のこちら新岳です。
噴煙の高さは9000m以上にまで上りまして火砕流は新岳からこの赤い方向に流れて2km離れた向江浜地区の海岸に到達しました。
そして、多くの住民はこちらの番屋ヶ峰に一時避難して、その後、フェリーなどで口永良部島の東にある屋久島へと向かって、つい先ほど到着したということなんですね。
それでは口永良部島の上空から中継です。
今、噴火活動はどんな状況でしょうか?爆発から間もなく8時間がたとうとしています。
口永良部島上空から中継でお伝えします。
現在、東側から爆発が起こりました新岳の様子をご覧いただいています。
その新岳の火口からは水蒸気のようなものが高く上がっている様子がうかがえます。
私は、先ほど、今から3時間ほど前にこちらの上空で取材に当たっていたんですがそのときよりも、水蒸気の量が増えているのがわかります。
画面中央、大きく開いているのが火口です。
口永良部島、新岳の上空から中継でお伝えしています。
火口からこの時間はモクモクと高いところまで水蒸気が上がっているのがわかります。
今から3時間ほど前にこの上空で取材に当たったときには風に流されて南の方向に水蒸気が流れていたんですが、この時間は水蒸気の高さが先ほどよりもかなり高くなっているのがわかります。
今日午前9時に爆発的噴火をしました口永良部島の新岳です。
間もなく爆発から8時間がたとうとしています。
この時間、大きく開いた火口、その口からは水蒸気のようなものが高く上空に上がっているのがわかります。
そしてその上がった先で雲のような状態になっているのもわかります。
さらに、少し火山灰が混じっているんでしょうか、水蒸気の雲とは別にグレーがかったものが火口から噴き上がっている様子がわかります。
続きまして、口永良部島の住民が避難した屋久島から中継です。
屋久島町宮之浦港です。
多くの報道陣が詰めかける中、先ほど午後5時半に「フェリー太陽」がこちらの港に到着しました。
現在、次々と島民らが降りたっているんですが現在、船内で島民らの健康状態の確認などが行われている模様です。
この後、島民らは屋久島町内の避難所へ向かうんですが、現在バスが3台用意されていまして、避難所へと向かいます。
避難所では炊き出しなども現在、準備中だということでこれから島民らは不安な夜を過ごすことになりそうです。
また、こちら通路を通って島民らがバスに乗り込んでいくんですが家族を心配そうに待つ方だったり、友人らを今待っているということで、不安な表情で出迎える方の姿も見られます。
また船から降りてくる島民の様子ですが、自衛隊や町の職員らに付き添われながら少し疲れたような表情が見受けられる方もいらっしゃいました。
スタジオには東京大学の地震研究所、中田節也教授に来ていただきました。
よろしくお願いします。
現在のヘリコプターからの映像なんですが、これをご覧になってわかることは一体、どういうことなんでしょうか?こちらは火砕流が流れたところだと思いますが、火口が大きく開いて、そこから水蒸気が非常にたくさん上がっているということですね。
山の頂上付近がちょっと白くなってますがこれは何ですか?火山灰が積もっているところは全体的に白くなってるんですね。
乾いているためにまだ白いということだと思います。
その火砕流のスピードなんですけれどもどのくらいのスピードで流れるものなんでしょうか?映像から計算しないとわかりませんけど、恐らく、数十キロとか、速いときには時速100kmぐらいにはなりますね。
そしてもう1つ、今朝の噴火の映像なんですけれども。
これ噴煙の高さ9000mまで上がったということなんですがこの映像をご覧になってどのようなことがわかるんでしょうか?最初に黒い噴煙がバ〜っと上がるわけなんですけれどもこれは最初に土砂とか、火山灰がたくさん入っているために真っ黒いんですね。
同時に、火砕流が既に発生していますよね。
水蒸気噴火でもこういうことは起こるんですがただ、火砕流の起き方、あと、火砕が起こっているということを考えますと高温のマグマ噴火であったのではないかと考えますね。
火砕流といいますと、どうしても91年の普賢岳のことをどうしても思い出すんですけれどもこの発生から今もかなり高温のということでしたが、言えることというのは、どんなことが言えるんでしょうか?普賢岳の場合は溶岩ドームが崩れて火砕流になるんですけど、この場合は、噴火と同時に火口の低いところに火砕流が流れるという現象ですね。
だから、大分タイプが違うんですねそれが逆にこの場所に与える影響はどんなことが考えられますか?次の噴火でも似たようなことが起こるということですね。
そういう意味では、この噴火自身がいつ起こるかちゃんと言えませんので、接近しないということが非常に重要だということですね。
この口永良部島と言いますのは、実はこれまでにも随分噴火を繰り返してきているんですね。
過去のこのような噴火と比べて、中田さん、言えることというのはどんなことが今回言えるんでしょうか?恐らく今回の噴火は過去に起きた中規模噴火だと思うんですがそれと同じことが起こっていると思いますね。
33年、それから66年ですか、そのときに起きた噴火とよく似てるんではないかと思います。
そうすると、今後の噴火活動への影響も少し気になるんですけれどもここから類推できることはあるんですか?過去の噴火も1回で終わっているのではなくて複数回繰り返すんですね。
場合によっては数年かかることもありますし、だから、非常に長期化するという可能性がありますよね。
そんなことも含めまして、後ほど、中田教授とは話を続けてまいります。
活発な火山活動は鹿児島の島にいるすべての人々に島外への避難指示が出された口永良部島・新岳の噴火。
北におよそ130km、鹿児島県の桜島でも活発な火山活動が続いていて噴火回数はこのおよそ半年間、今日までで既に1000回を超えている。
その数は、ここ10年間と比べてみても圧倒的な多さ。
南九州では火山活動が活発化している。
これは、1914年1月12日に起きた桜島の大噴火の様子。
大正大噴火、死者58人、倒壊家屋2269棟という甚大な被害を出し桜島が陸続きになった。
実は、この噴火の前後、南九州一帯では異変が起きていた。
桜島噴火の4日前、鹿児島・宮崎の県境、新燃岳のそばにある御鉢が噴火していた。
そして、桜島が噴火。
南の島々にも変化が起こった。
桜島と同じ日に口永良部島が噴火。
その後、2カ月のうちに中之島、薩摩硫黄島、諏訪之瀬島と噴火が続いた。
まるで導火線がつながれ、点火されていくかのように次々と火山島から噴煙が立ち上った。
それからおよそ100年後の2011年。
新燃岳が噴火した際に注目されたのは新燃岳から南へ300km、東シナ海に浮かぶ諏訪之瀬島だった。
当時、白煙を上げているのは御岳。
地元小学校には火山灰が当たり前のように入ってくる。
掃除をしても、きりがない。
さらに、新燃岳の噴火のおよそ2週間後には桜島の南岳が噴火している。
トカラ列島まで延びる火山帯に属する口永良部島。
今年3月には、一連の火山活動の高まりを示す証拠の1つ、火映も確認されていた。
南九州で活発化する火山活動。
火山同士が影響し合っているのか。
南九州での火山活動が活発化しているということなんですが口永良部島の噴火活動、今後、どうなるんでしょうか?これまでの噴火の経緯、あるいは今回の噴火のタイプを考えると1回でおしまいということはなくて、何回か繰り返す、場合によっては数週間、数カ月、これまでの口永良部島の過去の例だと数年続くということもあり得ますね。
やはり心配なのは、住民の方の避難生活なんですけれどもやはりどうしても観光で成り立っている部分も強い島だと思うんですけれども、やはり避難生活はそれなりに長引きそうですか?これまで噴火の準備をして山がいろんな異常を出してきたんですね、それが10年以上続いて、それが今度の噴火でどれだけ解放されるか、地震活動が収まって、山の膨らみが収まると、そういう段階になると戻っても平気だということになりますね。
それまでにはどれぐらいかかるのかというのはなかなかわかるもんじゃないんですね?難しいですね。
今もご覧いただいた南九州だけじゃなくて実は全国的にも火山活動が活発になっている状態にあります。
こうやってみますと噴火警戒レベルが2、それよりも上のレベルになっている火山がこれだけあるんですよね。
今私たちの住んでいる火山列島はどういう状態にあると考えたらいいんでしょうか?全体的に噴火が起こりやすい状況になっている。
しかも、それは2011年の東日本大震災が起こした地震ですね、それの影響で地殻、私たちが立っている地面を地殻と言いますが、それ全体が変形しちゃったんですね。
その影響っていうのは、あちこちに出てきててあちこちで噴火しやすい状態になってきているということだと思います。
そうすると、ある意味で東の方にある火山も南の方にある火山も、ある種連動といいますか、つながっているというふうにも考えられるわけですか?そうですね、特に南九州については連動して起こるということは、過去にありますので今回もそういう表れの1つかもしれませんが、特に一斉に日本中で噴火するというわけではないと思います。
ただ、それぞれに警戒はきちっと必要だということですよね。
噴火以外のニュースです。
安全保障関連法案を審議する衆議院の特別委員会が昨日は早く質問しろよという安倍総理のヤジで紛糾したが、今日は野党側が岸田外務大臣の答弁に納得せずに退席し散会になるという異常事態となりました。
質疑の冒頭で、昨日の安倍総理のヤジを強く非難した民主党の後藤議員。
今日はどのような事態が起きた場合に自衛隊を派遣するかという今回の法案の根幹にも関わってくる過去の政府の答弁が現在も維持されているのかどうか質した。
後藤氏が平成10年の答弁について何度も質問したのに対し、岸田大臣は、平成11年の政府見解の説明を繰り返し、審議はたびたび中断した。
民主、維新、共産の野党側は納得せずに席を立って委員が散会になるという異常事態となった。
巨額汚職事件に揺れるFIFAが先ほどから2日目の総会を始めました。
ブラッター会長への批判が高まる中、会長選挙を予定どおり実施できるかどうかが焦点です。
ブラッター会長の再選が有力視される中、世界各国のサッカー協会の代表者らが会場に集まってきました。
FIFAの副会長を含む幹部9人らが巨額の贈収賄の疑いで逮捕・起訴される中、会長選挙に先駆けて行われる総会2日目の日程が先ほどから始まった。
会長選挙は事件への関与を否定している現職のブラッター会長とヨルダンのアリ王子の一騎打ちの構図だが、ヨーロッパのサッカー連盟はブラッター氏の再選に強く反発し辞任を求めている。
会長選挙は当初の予定では日本時間の30日の未明に行われる見通しだが、総会は波乱含みの様相となっている。
口永良部島の新岳で2015/05/29(金) 17:50〜18:15
MBS毎日放送
Nスタ ニューズアイ[字]

取材経験豊富な竹内明を中心に、佐古忠彦も新加入。TBSアナウンサー・加藤シルビアらがお届けする大型報道番組。ニュースを速く、深く伝えます。

詳細情報
番組内容
きょうのニュースを速く深くわかりやすく。徹底取材したVTRに加え、今さら人に聞けないニュースのポイントもわかりやすく解説。政治・経済・事件はもちろん、身近なニュースや生活情報もお伝えします。「Nトク」では全国各地で起きているホットな出来事を徹底的に掘り下げます。
出演者
【Nスタ ニューズアイ】
竹内明(TBS報道局)
佐古忠彦(TBS報道局)
加藤シルビア(TBSアナウンサー)
制作
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