(中園警視正)所轄の報告によれば問題の団地では以前から不審者の通報が相次いでいた。
(内村警視長)事件に発展すればまたまた警察へのバッシングになりかねない。
いいか?不審者が目撃されているんだ。
ただの失踪事件だと思うな。
何としても子供を見つけ出せ。
マスコミが騒ぐ前にカタをつけろ。
担当の捜査員はただちに現場に急行。
以上!
(刑事たち)はい!
(伊丹憲一)あっ!邪魔。
どけ!
(亀山薫)何だよこの野郎!何かあったみたいっすね。
(杉下右京)ちょっと行ってみましょうか。
ま暇ですからね。
そういう事ではありませんよ。
あすんません。
これがこちらのお子さん雄一君の帽子です。
(芹沢慶二)子供の手じゃ届きませんね。
(三浦信輔)って事は犯人の仕業か…?
(増田彩乃)まさかうちの子が誘拐なんて…。
(大塚裕子)どうして亮ちゃんが…。
人一倍繊細で怖がりなのに…。
子供たちの携帯がつながらないので場所を特定できません。
最後に雄一君と亮司君の姿を見かけた人は?
(森脇)はい私です。
夕方5時頃遊んでいた2人を見かけました。
おいおいおいおい!そんなとこ登っちゃ危ないよ!降りろ降りろ!
(増田雄一)はぁい。
(森脇)いつもどおりの憎まれっ子でした。
この辺りでは以前から時々不審者が目撃されていたそうですね。
ええよく見かけます。
今日も?ええ。
(森脇)まったく気味の悪い…。
でその不審者の特徴ですが…。
おーっと!ここから先は我々が聞きますんで。
(三浦)部外者はお引き取り願いましょうか。
ではお任せします。
しっかりな!
(伊丹)うるせえ!でその不審者の特徴は?どうしたんすか?これでしょうかねぇ。
は?子供の帽子にこれと同じような土が付いていました。
へぇ。
遊んでて汚しちゃったんすかね?あるいは…。
あるいは?…ん?何だあいつ?おいっ!待てコラッ!おおっ!すいません!おおっ!失礼。
見失いましたか。
例の不審者ですかね。
亀山君。
はい。
あっ!
(彩乃)寒かったでしょう?
(三浦)すいません!少しだけお子さんにお話伺ってもよろしいですか?座って。
(伊丹)えーとボクたち何があったか話せるかなぁ?
(大塚亮司)ボクたち?
(雄一)キモ!雄一!ガキ扱いすんなよおっさん!亮ちゃん!
(三浦)まあまあ…。
このガキが!子供ってのはホント素直だね!あっ亀!性根の悪い奴は見破っちゃうんだもんね!ね?よし!で何でこの中入ってたんだ?誰かに入れられたか?ん?怖くてまだ言えねえか?
(雄一)知らないおじさんがいいもの見せてくれるって。
なあ?
(亮司)うん。
知らないおじさんだった。
ゴミ捨て場のとこに来てそしたら背中ドンと押されてドアを閉められたんだ。
真っ暗ですごく怖かった。
何てひどい事を!そっか。
でそのおじさんなんだけどさ顔見たか?よく覚えてない。
(芹沢)何か特徴だけでも。
ほら大きかったとか痩せていたとか。
疲れたよ…。
(三浦)ごめんな。
でもほらそういう悪い奴ら捕まえなきゃなんないからな。
疲れたってば!疲れたよ…。
(伊丹)なあなあ…だからもう少しだけ我慢して。
いい加減今日はこのぐらいで勘弁していただけませんか!?そうですよ!子供たちだってショックを受けてるんです!そんな事くらいあなたたちわからないんですか!改めて…聞けよお前ら。
米沢さん。
(米沢守)これはこれは杉下警部。
これが子供の帽子に付いていた土と同じものかどうか調べていただけますか?できれば…。
彼らには内緒で。
出しゃばった真似をして申し訳ありません。
とんでもありません。
お預かりします。
(宮部たまき)そんなに迫力があったんですか。
そりゃもう!あのガラの悪い伊丹が一瞬引きましたからね。
母は強しですね。
うん。
美和子さんも母になったら変わるのかしら。
ああ!あいつはね今でも迫力ありますから。
特にねメイク落とした徹夜明けの顔なんて見たらもう〜ナマハゲも泣き出しちゃいますよ!いいんですかそんな事言って。
女房が怖くて刑事が勤まりますかって!
(笑い)いらっしゃい。
(亀山美和子)おっ。
何やら楽しそうだね〜亀山君。
いえ別に。
え〜…生ください。
ナマハゲ!?ナマハゲ?あ…生。
生ね。
何ナマハゲって?でも子供たち無事でよかったですねぇ。
まったくですよね。
ケガもなかったし。
まずは一安心です。
え誘拐?うん。
でももう見つかったんだよ。
犯人は?それはまだだけど。
犯人が捕まらない限りお母さんたちも気が気じゃありませんね。
亀山君ぜひとも犯人捕まえてくれたまえよ。
おう任しとけ!ね?右京さん。
右京さん聞いてます?扉…。
扉?ええ。
あのゴミ置き場の扉です。
ええ…へ?また変なものがレーダーに引っかかったみたいですね。
(伊丹)コラッ!聞いてんのか!ねえ喉渇いた。
ジュースないの?おやつは?あのなぁ警察は暇じゃないんだよ。
俺たちだって暇じゃないのに来てやったんだよ。
なあ?うん。
こいつら…。
まあまあ…先輩。
ねえその男眼鏡かけてたんだよね?うん。
キツネっぽかった。
意味がわからねえや。
目じゃないすかね。
ねえその人目が細かった?うん。
ハンサムじゃなかった。
ハンサムじゃない…眼鏡のキツネ?何かパッとしねえな。
もっと具体的な特徴とか覚えてないのか?傷とかホクロとか。
(亮司・雄一)帰ろっかなぁ。
ちょっちょっ…。
芹沢。
このお坊ちゃま方にジュースとおやつをお出しして。
それって経費で落ちます?知るか!ねえねえ…拳銃見せてよ。
(三浦)ダメダメ!普段は持ってないんだよ。
なぁんだ。
つまんねえの…。
じゃあ手錠は?手錠を見せてよ。
(伊丹)だからガキのおもちゃじゃないんだよ。
ちょっとだけだから。
ね?見せろ!見せろ!
(亮司・雄一)見せろ見せろ…。
あ〜もうわかったわかった!ちょっとだけだぞ。
(2人)わあ〜!あっ!
(三浦)返せコラ!
(芹沢)おもちゃじゃないんだぞ!
(雄一)パス!
(芹沢)お前らいい加減にしろおい!
(三浦・芹沢)イタッ!
(伊丹)何やってんだよどけ!野郎クソッ!なめやがって…あっ!だっせえ!警察ってカッコいいのかと思ってたのに。
ホントガッカリだよ。
痛ぇぞコラ…。
亮パス!返せおら!
(三浦)ほら捕まえた!亮!パス!雄ちゃん!楽しそうな事してんじゃねえかえ?俺もまぜてくれよ。
うるせえよ!入って!お前は出る!
(伊丹)いいか人に言うなよ!何やってんすかねあいつらは。
託児所かここは。
帽子に付着していた土ですが団地の入り口付近のプランターの土に間違いありませんでした。
それからこちらなんですが。
扉のレバーですね。
あの粗大ゴミ置き場のものですね?ええ。
このレバーから被害に遭った子供たちの指紋が採取されました。
やはりそうでしたか。
ん?どうも。
誰だよ?例の団地の不審者です。
今所轄から送られ…。
(伊丹)おいおいおいコラ!余計な事は言うな。
すいません。
(三浦)昨日の夕刻から深夜にかけてどこにいたんだ?夢が丘団地に行ったんじゃないのか?何で職務質問したぐらいで逃げようとした?え?捕まるような事したからだろ!
(芹沢)どう?あのおじさん君たちが言ってた奴かなぁ?
(雄一)似てるけどよくわかんない…。
暗かったし…。
もっとちゃんと見てくんないかなぁ。
自分で調べれば?警察ってそれが仕事でしょ?そうだよ。
何でも頼んなよ。
確か犯人の悪いおじさんとお話をしましたよね?覚えていませんか?そんな事言っても…。
ん?よしもう1回見ようか。
(雄一)やっぱりあのおじさんだと思う。
ホントか?
(亮司)うんボクもそう思う。
あのおじさんだ。
(ドアの開く音)お取り込み中のところすいません。
あぁ…。
あんたの指紋がガキの帽子の指紋と一致したってよ。
さてとそろそろ話してもらいましょうかね。
うーん…これで自供が出ればほぼ決まりだな。
ありがと。
君たちのおかげだよ。
じゃ先輩あとよろしく。
おう。
おう!?ふざけんなお前おい!何で俺らが送ってんだっつーの!うんうん終わった。
亀って刑事が送ってくれるから大丈夫。
うん。
犯人も捕まったし。
うん…うんじゃあね。
今時の小学生はあれか?みんな携帯持ってんのか?みんなじゃないけどうち共働きだから。
うちも。
へえ〜。
金かかって大変だな。
そんな事ないよ。
あんまりかけないし。
うん。
お母さんと雄ちゃんしか番号登録してないし会社に電話すると怒られる。
へえ〜。
ところで君たち。
事件の日はなぜ携帯を使わなかったんですか?電池切れだったのか?そうそう!そうなんだ。
なあ?…うん。
なるほど。
(野口)神崎君ねぇ…。
営業成績のほうははっきり言ってペケなんだけど真面目なもんだからさ。
切るのもちょっとね。
(芹沢)「職場の上司からは特にこれといったネタはあがりませんでした」そうか。
何かわかり次第連絡しろ。
「はい。
引き続き同僚にも当たってみます」了解。
ダメだ。
よっしゃ。
はーい着いたぞ。
えーっと…こうか。
亀ちゃんの番号登録しといてやったからな。
何だよ亀。
勝手な事すんなよ。
あんな事件があったからさ念のためだよ。
何かあったら私に電話してください。
どうぞよろしく。
ヘヘ。
(雄一)じゃあね。
バイバイ。
右京さん何か気になる事でも?気になる事だらけです。
仮に神崎さんが犯人だとするならば動機は何でしょう?うーん…まあ確かに動機は見えないっすけどねえ。
でも帽子の指紋もあるし。
…あ。
目撃証言もありますしね。
亀山君。
はっはい。
何すか?なぜ今ここにハンカチを置いたのでしょう?いやなぜってあの拾ったもんですから…。
目立つ場所に置いて探しに来た持ち主にわかりやすいようにした?あぁ…はい。
神崎さんもこれと同じ事をしていたのだとしたらどうでしょう?え?つまりたまたま拾った帽子を見えやすいように郵便受けの上に置いておいただけだとしたら。
あいつが事件と関係ないって事ですか?今回の事件警察のほうが勝手により複雑にしていただけかもしれませんね。
もう一度出直しましょう。
おっ!いいところで。
嫌なところで。
芹沢君。
容疑者の取り調べ進んでるの?いやそれが…。
状況的にはクロなんですけどね何しろ黙秘しちゃってて。
こう留は無理でしたか。
はい。
今伊丹先輩と三浦さんが張ってます。
芹沢さんたちは近隣住民にお話を聞きに?いえ。
あぁ…神崎の元カノがこの団地に住んでてで話を聞きに来たんですが留守で。
元カノね。
この人かな?泥棒!警察だよ俺は。
もう伊丹先輩には写真見せた事内緒ですよ。
わかってるよ。
結構美人ですね。
ん…?この人どっかで…。
昨夜君がぶつかりそうになった女性ですね。
あっ!
(堀川美紀)お願いだからもう付きまとわないで。
(神崎哲哉)嘘をついた事は謝る。
どうか許してほしい。
許してくださいお願いします。
だからそれは話したでしょ?
(神崎)いや君はわかってないんだよ。
これはほんの…ちょっとした小さな誤解なんだ。
だから僕らはもっとちゃんと2人で話し合う…話すべきなんだ。
ね?あ…僕にどこか悪いとこあるんだったら言って。
直すから。
お願い。
触らないで。
そんな…汚いものに触れるみたいに…。
医者じゃなきゃダメか!あぁ痛い!ごめんなさい…!
(美紀)触らないで!
(伊丹)何やってんだお前!何!?ちょっと何…!てめえコラ!この野郎おとなしくしろ!何が!?暴行ならびに公務執行妨害で現行犯逮捕だ!来い!どうしたどうしたおい?のろまな亀。
今頃お出ましか。
別件逮捕ですか?
(三浦)何か文句でも?とんでもない。
よろしければ彼女のほうは我々が。
どうぞご自由に。
行くぞ!
(伊丹)ほら!
(神崎)み…美紀!大丈夫すか?最初はお見合いパーティーで知り合ったんです。
あの人「自分は医者だ」なんて言って。
(美紀)そんな嘘すぐにわかったんですけどそれでもよかった。
あの人優しかったし私も寂しかったし…。
(男性社員)一緒に帰りませんか?すいません…。
あ…神崎さん。
(美紀)でもだんだん私を束縛しようとして行動がエスカレートしてきたんです。
たまらなくなって別れ話を切り出したらストーキングが始まって…。
あぁ…。
化粧水変えたんだ…。
何してるの?
(美紀)今でも毎日バラを届けに来るんです。
もう我慢できなくて昨日の夕方友人の立ち会いで話し合ったんです。
あっ!ちょっと待ってくださいよ。
昨日の夕方も神崎さんと?ええ。
5時から夜まで話し合って友人の前で約束させました。
もうストーカー行為はしないって。
なのにまたあんな事…。
神崎のアリバイ成立しちゃいましたけど。
昨日も神崎さんはあなたにバラを?ええ。
夜話し合いの後家に戻ったらドアの前に赤いバラが置いてありました。
別れた後に先回りしたんだと思います。
なるほど。
これですべてつながりました。
つながりましたか。
今のお話をもう一度警察でしていただきたいのですが。
つまり事件のあった夕方神崎は美紀さんとその友人と一緒にいた。
間違いないですね?はい。
そして帽子は彼女と別れた後先回りしてバラを届けた時に拾った。
しかし彼女をストーキングした罪に問われるんじゃないかと思い怯えていた。
というわけ。
だから詳しい供述を拒んだ。
そういう事!アリバイを話さないから犯人にするなんざまだまだですなぁ伊丹君。
この野郎…!じゃあ誰が犯人なんだよ!
(ドアの開く音)真犯人をお連れしました。
よーし入れ。
じゃあ閉じ込められたっていうのは嘘ですか?ええ。
真実は極めて単純なものでした。
あれだけ大騒ぎさせやがってよ。
あのゴミ置き場の扉のレバーには2人の指紋があり2人が自ら扉を開けた事を示していました。
雄ちゃん。
(雄一)おう。
この前ゴミ置き場でいいもの見つけたんだ。
(雄一)ホント?よし行ってみようぜ。
(亮司)あるかな。
雄ちゃんこれこれ!
(扉の閉まる音)ゴミ置き場の扉は手を離すと自然に閉まるようにできていました。
扉が閉まると自動的にロックされて脱出は不可能となります。
それをもとに2人にお話を聞いたところ自供に至ったというわけです。
(三浦)ホントなのか!?中に入って遊んでたら扉が閉まっちゃって。
大騒ぎになってビックリして…。
本当の事言ったらお母さんに叱られるから…。
塾や習い事をサボって遊んでいるのがバレる事が怖かった。
ま大方そんなところでしょう。
(伊丹)お前らなあ!よし!嘘ついたんだからちゃんと謝れ。
お前らのせいで悪い事をしてない人が刑務所に入れられたらどうするつもりだったんだ?立て。
よし!
(雄一・亮司)ごめんなさい。
よーし!もう絶対嘘をつかないって約束できるな?
(亮司・雄一)はい。
よし男同士の約束だ。
ったくやってらんねえ。
あと頼んだぞ。
じゃああのおじさんとこにも謝りに行っとくか。
(芹沢)えっ遅くなっちゃいますよ?まだ2人の調書取ってませんから。
しゃあねぇな。
じゃ今度ちゃんと謝りに行くんだぞ。
それって亀も行ってくれる?
(雄一)行って。
3人で行こうぜ!いいっすよね右京さん?もちろん。
何でもするのが特命係ですからね。
美紀ちゃん…。
(三浦)おい。
あなたの事全部話したから。
だからもう付きまとわないで。
ちょっと美…。
(三浦)やめろ。
行きましょう。
はい。
(美和子)とんだ狼少年だね。
ああ。
でも何か憎めなくてさあいつら。
ほら最近の子供って外で遊ばねえだろ?元気ねえなぁって思ってたとこにいい感じの悪ガキ見てさ。
気に入ったんだ?うん。
はい。
でもほら子供ってちょっとぐらい怒られたってさ元気に遊んでるほうがいいよな?まあね。
俺たち子供できたらさそういうふうに育てような?フフフ…そうね。
いつ作ろっか。
うーんそれはコウノトリさんとか薫ちゃんに頑張ってもらわないと。
俺は頑張りますよ。
今でも頑張りますよ。
ちょっと待って待って。
仕上げがあるの。
いい?せーのでそれ!落ちる落ちる…頑張れないこれじゃ。
(嗚咽)おはよう。
あおはようございます。
もう大変だったよ。
警察が何回も来ちゃってさ。
あれは誤解ですから。
晴れましたし。
いいかね?ほらうちって女性向け商品扱ってるだろ?イメージが大切なんだよ。
そこんとこわかってもらえるよね?
(笑い声)
(角田六郎)おう暇か?あれ?何亀ちゃん今日は外回り?ええ。
何だよ。
結構忙しいんじゃねえの。
そのようですねぇ。
(電話)はい特命係。
俺は違うけど。
あ?あぁ…杉下警部ね。
はいはい。
どうも。
いえいえ。
杉下です。
(美紀)「あの先日お伺いした堀川と申しますが」堀川美紀さんですね?「はい」どうかなさいましたか?「あの人死ぬって言ってます」どうぞ。
こんな手紙がポストに。
無視しようかとも思ったんですけど気味が悪くて。
拝見します。
(神崎の声)「美紀。
僕はもうダメだ」「君にしたひどい事を償うために死にます」「君が許してくれないならそうするしかありません」「僕を犯罪者に仕立てた奴らも一緒に償わせます」「あいつらのせいでこんな事になってしまったんだから仕方がない」「僕の最後の誠意をしっかりと見届けて下さい」この手紙しばらくお預かりしてもよろしいですか?はいどうぞ。
課長。
彼女を送ってあげていただけますか?え俺が?お暇なら。
忙しいんだけどね。
行きますか。
バイバイ!じゃあまたね!俺新しいゲーム買ったんだけどさ今日遊べる?うん今日遊べるよ。
(雄一)じゃあ俺んち来て。
うんわかった。
雄ちゃん…。
亮!
(亮司)待って!亮こっち!えっ?もしもしお母さん?亮ちゃん?どうしたの?
(亮司)「知らないおじさんに追いかけられてるんだ」「多分前に捕まった人で…」まだそんな事言ってるの!嘘ばっかりついてると誰にも信用してもらえなくなるわよ。
(泣き声)もしもしお母さん?今ね怖い人に追いかけられてるんだよ。
いい加減にしなさい!嘘ばっかりついて。
(雄一)「嘘じゃないってば!」この間の騒ぎでどれだけ迷惑かけたと思ってんの!すいません。
(彩乃)すいませんはい!ダメだ信じてもらえない。
僕たち殺されるのかな?大丈夫だよ。
きっと誰かが…。
あそうだ!亀がいる。
雄ちゃん!あっち!亮!大丈夫か?雄ちゃん逃げて!あいつが来るから早く逃げて!バカ。
お前を置いて行けるかよ!
(亮司)だって…。
俺たち相棒じゃねえか。
(亮司)うん!あ〜遅っせえなあいつらもう〜!
(携帯電話)あ右京さんだ。
亀山で〜す。
亀山君君は今日あの子供たちに会う約束をしていましたね。
ええ。
神崎に謝りに行こうって。
子供たちは今そこにいますか?いやそれがあいつら約束の場所に来ないんですよ。
自宅にも帰ってないし携帯にも連絡ないし。
亀山君よく聞いてください。
神崎があの子供たちに危害を加える可能性があります。
どういう事ですか!?
(スタンガンの音)神崎の勤務先に確認を取りましたが彼はすでに解雇されていました。
携帯は切られています。
じゃあどこにいるか全然見当つかないんすか?携帯のGPS機能で居場所の特定を急がせますが一刻を争う状況です。
あ…ど…どうすりゃいいんすか!?遺書の文面に「僕の最後の誠意をしっかりと見届けて下さい」とあります。
これは美紀さんから見える場所で死ぬという事ではないでしょうか。
って事はこの夢が丘団地付近のどこか?そう思って間違いないでしょう。
亀山君油断しないように。
了解!
(スタンガンの音)
(パトカーのサイレン)
(うめき声)
(犬の鳴き声)
(うめき声)
(鳴き声)もう…。
よしよし…。
ダメだちゃんと歩かなきゃ。
(うめき声)
(うめき声)
(亮司の泣き声)
(物音)雄一!亮司!
(携帯電話)雄一か!?亮司か!?もしもし?道端に落ちてたんでかけてみたんですがこの携帯の持ち主あなたご存じですか?あぁ…今どちらですか?
(時報の音楽)
(鼻歌)すいません!ここに落ちてました。
雄一のだな。
(携帯電話)亮司か!?もしもし?もしもし!
(笑い声)ねえこれ…何だかわかる?なあ?ごめんごめん。
それじゃ答えられないよね。
答えて。
何だ?灯油…?ピンポン正解。
じゃあさあれに火をつけたらどうなるか?理科の授業で習ったでしょ?
(雄一)こ…ここはコンクリートだからいくら灯油でも燃やせないよ!
(神崎)あそっか。
だったら実験してみよっか。
多分このロッカールーム火の海になるんじゃないかな…。
ロッカールーム…ロッカールームって?あっプールじゃないですか?どこですか?その公園の奥にありますよ。
冬場は閉まってるはずですがね。
わかりました。
どうも。
夢が丘公園市営プール…。
了解すぐに向かいます。
(亮司の泣き声)冷たい?
(雄一)冷たい。
大丈夫。
すぐに暖かくしてあげるから。
この部屋が火の海になったら暖かくなるよ。
っていうか熱いくらいだから。
ごめんなさい!許して…。
ごめんなさいごめんなさい…。
あ。
こういうの何て言うんだっけ?四字熟語でぴったりのがあったな。
何だっけ…。
ねえ国語の問題。
今の君たちみたいなの何て言うんだっけ?はいわかる人?わかりません…。
自業自得って言うんだよ!最初からわかってたんだよ。
俺みたいな男を好きになる女なんかいるわけないって。
あんなかわいい子が本気になるはずがないってわかってたんだよ。
でもストーカーだなんて言われて会社もクビになっちゃってそれじゃ俺の人生あんまりじゃないか。
コンチクショウあの野郎…おい何とか言えよ。
俺なんて生きてる価値がないとそう思ったか?捕まって死ねばいいって思ったのか?僕たちそんな事…。
全部お前らのせいだ。
お前らのせいで俺は犯罪者だ。
会社クビになったのも美紀に逃げられたのも全部全部すべてお前らのせいだ!!もう嘘つかない。
だから許して!遅いよ!許して許して…。
嫌だ!一緒に死んで償おうな…。
やめろっ!
(雄一・亮司)亀!来るな!近づくな!近づいたら道連れにするぞ!子供たちは関係ねえだろ。
はぁっ!?全部こいつらのせいじゃないか!こいつらがあんな嘘つくから!お前だって美紀さんに嘘ついたじゃねえか。
全部そっから始まってんだろうが!
(神崎)そうだよ…。
反省した。
謝ったさ。
でもあの女は許してくれなかった。
違う!美紀さんはそんな事気にしてなかった。
彼女言ってたよ。
お前の優しいところが好きだったってな。
(神崎)え…?嘘だ!嘘だ!嘘だ嘘だ…!貸せ…貸せ!…ああっ!お待たせしました。
右京さん…!バカ野郎!こういうのをな自業自得って言うんだ!大丈夫か?今ほどいてやっからな。
よく頑張ったな。
立てるか?よく知らせてくれたな。
はい。
(パトカーのサイレン)遅せえんだよおめえらよ!
(伊丹)うるせえよ!
(三浦)よしこいつはこっちでもらってくぞ。
(神崎)何だよ…何でいつも俺が悪者なんだよ…。
(伊丹)知るかこのバーカ!手間かけやがって。
(神崎)やめてよ…。
(三浦)乗れ!
(伊丹)つーかお前くせえな!
(三浦)灯油かこれ!?もういいよお前乗れ!亀ありがとう!俺たち信じてたよ。
亀絶対来てくれるって。
ちゃんと見とくんだ。
(パトカーのサイレン)君たちのついた嘘であの人は本当の犯罪者になってしまった。
その事をよく覚えておくんですよ。
狼少年たちも少しは反省したようですね。
本物の狼呼んじゃいましたからね。
さすがの悪ガキも懲りたんじゃないすか?2015/05/29(金) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
相棒 season5[再][字]
「狼の行方」
詳細情報
◇出演者
水谷豊、寺脇康文 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
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