超絶 凄(すご)ワザ!「金属板を貫け!究極の針対決」(後編) 2015.05.29


それはまた極限に生きる命のたくましさとその無限の可能性を教えてくれるのです。
クンクンクン…プックー…でもやっちゃいます!市販の針では…。
そう!細い針はとっても折れやすい。
そんな常識を覆す強じんな針があれば…。
革やデニムなど固い素材をものともしない耐久性が実現。
生産性は大幅に向上する。
更に夢は宇宙まで。
ご存じでしたか?宇宙服も実は針で縫っている事を。
究極の針なら縫い目を小さくして気密性を高める事が可能。
こ〜んな身軽な宇宙服今まさに開発中!無理難題に挑むのはこのふた組。
創業100年を迎える大手ミシン針メーカー。
作る針は何と4,000種類。
圧倒的な技術力で挑む。
対するは下町の町工場。
フリーハンドでミクロン単位の加工をこなす腕利きの職人だ。
まさに最先端を争う対決。
金属をスルッと貫く夢の針はできるのか?さあ始まりました。
「超絶凄ワザ!」。
MCの千原ジュニアです。
さあ今回は究極の針対決。
これですよね。
これで0.5ミリです。
これで0.5ね…。
あ折れちゃった…。
すぐですよこれ。
折れちゃいましたね。
そうだから細い針はホントに折れやすいんですよね。
これがね前回ね皆さんご覧の方はもちろんご存じでしょうけど貫通してるんすよ。
信じられへんわ!シンジラレナ〜イ!いかにして極細針でアルミ板を貫いたのか。
ひと組目はミシン針メーカー…設計は入社38年…今回新たな製品の開発につながると挑戦を決めた。
製作は…注目したのは針先の形。
多面体を作りその角でアルミに亀裂を入れ割り進む。
更に市川はもう一工夫。
六角形を互い違いに重ね合わせより多くの亀裂を入れる作戦だ。
最新鋭のマシンを巧みに使いこなし0.5ミリの針に複雑な細工を施した。
効果はてきめん。
無理難題と思われた貫通に見事成功。
呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン。
自分の手に合うよう改造した砥石は60種類。
素材の硬さや削りたい量によって使い分ける。
刮目せよ!何とフリーハンド!直径0.3ミリの先端を何のガイドもなく加工していく。
しかし序盤は失敗続き。
そして迎えた試作26種類目。
アルミを刺すのではなく切り裂く狙いだ。
いざ実験。
30年連れ添った妻が駆け寄る。
(和子)開いたの?
(平船)開いた!
(和子)やった〜!やったやった。
貫通を成功させた両者。
ここから更なる高みを目指す。
より滑らかに弱い力で刺す前人未到の針作りに挑む!う〜ん…今のところ貫通されました。
どうでしたか?そのいった瞬間の気持ちっていうのは。
とりあえず一安心はしましたけどまあまだまだ…もう少し改善の余地があるんじゃないかっていうのは。
ああこっからね。
さあ奥さん旦那さんがなかなか貫通せずに苦しんではるのを見ててどんな感じですか?そういう時奥さんどうしはるんですか?何か例えば食事一品増やすとか…。
(和子)ああ…それはありますよ。
もう今日の試合の前にはすごいごちそうを出してきました。
え〜!面白い!もうすでに前祝いやってしまったわけで…。
前祝いやってるんでもう負けるわけにいかないですね。
貫通に成功した直後の信州ウルトラニードルズ。
なぜかすぐにメンバーから笑顔が消えた。
原因は貫通抵抗。
貫通の時にかかった力だ。
今回はこの値が小さい方が勝ちとなる。
・今の力はどれぐらいですか?大人2人分の体重。
まだ滑らかに貫いたとは言えない。
もっと低く…。
どうすれば抵抗を減らせるのか。
2人が二の矢として用意していたのがこの形。
先端のみ六角形に削ったシンプルな形だ。
(市川)いいすっか?じゃあいきます。
今度はどうだ?見事に貫いた。
気になる貫通抵抗は?どうすっか?今回は91.8キロ。
およそ3分の2まで減らす事に成功。
一体なぜだ?秘密は針先にある。
当初市川たちは細長い針先を使って徐々にアルミを貫いていく作戦だった。
一方こちら先端が短い分一点にかかる抵抗は増える。
しかしアルミに触れる面積は激減。
おかげでトータルの抵抗が減ったのだ。
もっともっとアルミに触れる面積を減らせないか。
市川何かをひらめいた。
すぐに加工機へと向かう。
突然青いペンで先ほどと同じ形の針に色を塗る。
一体何をするつもりなのか。
青くしたのは針の胴体部分。
市川は先端部分には目もくれずここだけを削っていく。
1時間後見た事のない針が姿を現した。
胴体部分が細くなっている。
段差何と僅か0.02ミリ!名付けて…これならアルミに触れるのは先端部分のみ。
そのため深く進んでも抵抗は増えない。
市川はそうにらんだ。
しかし細くした分折れる危険も増す。
いいですか?果たしてアルミに牙を突き立てられるのか?
(市川)おっ低い。
全然いい。
おお!下がりますね。
全然違いますね。
値は39キロ。
最初と比べて100キロも減った。
究極の極細針がいよいよベールを脱ぐ!一方の夫婦針チーム。
平船も貫通抵抗を減らしにかかる。
当然のようにフリーハンドで微細加工。
一体どんな針ができるのか。
本番を10日後に控えた日夫婦である場所を訪ねた。
どうも。
お世話になります。
この施設の装置を借りて初めて数値を測定する。
この日試す針。
胴体に12本のくぼみを彫り込んでいる。
どんな企みがあるのだろうか。
これはどうしようかな。
言おうかな?ハハハ…。
相当自信があると見える。
(平船)これのくぼみの部分にアルミが…。
自宅で行った実験後に撮った写真。
くぼみにアルミがはまっている。
これがポイントだ。
まず鋭い先端でアルミを切り裂く。
しかしアルミは元に戻ろうとする。
そこが思うつぼ。
くぼみに誘い込む。
更に針が進むと…。
ざっくり!一度削ってしまえばあとは楽ちん。
誘い込んで削り取る。
実にユニークな戦法だ。
この時点で相手のベストは39キロ。
上回る事はできるか。
・準備オーケーです。
(平船)はいオーケーです。
・じゃスタートします。
はいスタート。
みるみる沈む針。
・抜けたんじゃないですか?ああ抜けましたね。
難なく貫通。
貫通抵抗は39.3キロ。
何とその差0.3キロだ!デッドヒートの針対決いよいよ決戦!さあという事でそれでは対決の幕開けです!舞台は…極細針を容赦なくアルミに押しつける凶暴なマシンだ。
チャンスは3回。
それぞれ違う形の針でもオーケー。
貫通に必要な力が小さい方が勝者だ!先攻は夫婦針チーム。
用意したのはこちらの3本。
アルミを削るくぼみの数と幅を変えている。
直径は全て0.3ミリと更に極細にし抵抗を減らす作戦だ。
1本目はこちら。
成功すれば記録更新間違いなし!すげえ!何それ。
これも全部手でやるんですか?これはもう一品ものなんでフリーハンドでやっています。
え〜!市川さんご覧になっていかがですか?いやすごいですね。
これを手で作るというのはちょっと信じられない。
まさに平船にしか作れない珠玉の一本。
さあ挑戦だ!さあセッティングが終わりました。
改めて平船さん今の心境いかがですか?もう祈るしかないんで。
和子さんいかがですか?ホントドキドキですね。
今市川さんと話してもうホントにドキドキするって。
究極の針対決。
夫婦針チーム1本目の挑戦です。
お願いします。
さあどんどん針がアルミの板に近づいていきます。
(針が折れる音)折れました…。
パンッという弾ける音がしました。
何とここにきて貫通失敗!う〜ん…平船さん1本目は…。
う〜ん難しいな。
難しいっすね。
細すぎました?これを全体をあと3割太めればいくんですよ。
だけど抵抗も増えるから。
なるほどどっちをとるかですね。
ギリギリのところで。
さあでは1回目後攻の信州ウルトラニードルズの皆さんの挑戦となります。
市川たちの完成品はこちら。
アルミに触れる面積を減らすコブラボディのラインナップ。
そして最後に秘密兵器があるという。
まずは1本目。
進化型のコブラ。
先端に複雑な加工を施したくさんの角でアルミを壊す狙いだ。
さあセッティングが完了しました。
まずは市川さんに意気込みをちょっと聞いてみたいですね。
いかがですか?市川さん。
先ほど折れるっていう瞬間を見てしまったのでかなりちょっとこちらも怖い。
怖いですよね。
あれ目の前にされたら。
春原さんいかがですか?うちらも何度も欠けてるんでまた何かその昔をよみがえってきちゃうような気がします。
さあここで挑戦の直前ではありますが市川さんにちょっと見て頂きたいものがあります。
こちらご注目下さい。
ちょっとですね我々スタッフある所に行ってきました。
市川さんのご実家です。
市川さんご家族の皆さんですよね。
お母様とお兄さん。
そしてお父様。
そして叔父叔母の皆さんにもちょっと…はい。
そしてですねジュニアさん実は市川家はですねある共通点が皆さんにあるんです。
え?皆さん…。
何と同じ針メーカーにお勤めの針一族なんです。
へえ!祐次応援してるよ!
(一同)頑張れ〜!どういう顔をしていいのか。
すいません。
(市川)ちょっとおやじが何かいい事言いすぎかなみたいな。
そう思ってねなかなか本人前にしたら言いにくい事も。
でもまあね応援してくれてるんでちょっとうれしいですね。
家族の期待を背負い1本目の挑戦だ!さあウルトラニードルズの針がアルミの板に近づいていく。
先端が触れた。
さあ吸い込まれていきます。
まっすぐアルミ板を貫いていきました!1本目成功です!
(拍手)全くぶれずにスルッと入っていきましたね。
(市川)とりあえずはそうですね。
はい大丈夫だと思います。
勝負を分ける貫通抵抗の値は?さあここでですね何と11.4キロの力で貫通しました。
すご〜い!
(市川)ありがとうございます。
(拍手)市川さん何度も実験されたと思いますけどこの11.4キロっていうのはどうですか?今のところ最高記録。
最高!あそうですか。
へえ…最高記録が1発目出ました。
永野先生いかがでしょう?この数字であれば人間が押し込むのも可能なぐらいな低い数字ですので。
え〜!そうだったらまさに世界変わりますよね。
変わりますね。
ほ〜…すごい!続いて2本目。
平船は強度を考えくぼみを6つに減らした針で勝負する。
・スリーツーワン。
(ブザー)先端がアルミに近づき先端触れました!
(針が折れる音)ああ!2本目もはじけ飛ぶようにして折れてしまいました。
う〜ん…いくかなと思ったんですけどね。
一方ニードルズの2本目。
少し角張った針。
さあどうか。
まっすぐに刺さっていきました。
値は1本目には及ばないが好成績だ。
2本を終えてニードルズは全て貫通。
続々と好記録をたたき出す。
一方の夫婦針チーム。
試作段階より細くして攻めたが連続失敗。
大ピンチだ。
共に岩手から上京して40年。
山あり谷ありの人生を乗り越えてきた2人。
今回の苦難も2人で乗り切れ!最後1本残ってますから自信持っていきましょうよ!あれ?あれ?大丈夫です!大丈夫です!和子さん。
今度は通ってほしいですね。
頑張ったから。
そうですね。
運命の3本目。
同じく0.3ミリと極細だがくぼみを先端に集中。
これがラスト夫婦針…。
さあそれでは夫婦針チーム3本目の挑戦です。
お願いします。
いけいけいけいけ…。
さあ先端に加工を寄せた針。
アルミの板に触れました。
さあこれはどうか。
力がかかっている。
入っていった。
するする入っていった。
貫通しました!貫通しました!平船さん3本目で貫通!さあ見事!淳さん貫通しました。
ドキドキだよな。
さあ奥さんいきましたね。
ホント良かったです。
通ってくれて。
もうそれだけでいいです。
見ていた市川さんも思わず拍手。
何かすごい細いんでまさか…。
相当いい数字が出てるんじゃないかなと…。
あれが狙いなんですか?
(平船)そうです。
やっぱりあの荷重が高いんでもう少し工夫してさっきの形状になったんです。
へえ…。
貫通してからは…いいですね!ホントだ。
いや見事貫通しました。
やりました。
さあどれぐらいの力かはお楽しみという事で。
これで結果は分からなくなった。
ニードルズのラスト市川も勝負に出る。
最終兵器!先端の僅か0.05ミリの突起でアルミをこじ開ける狙いだ。
だが実力は未知数。
全然違いますね。
え…何これ。
かなり形だけ見ると勝負に出ましたね。
一応何度か同じような形状で実験はしてるんですけどまあ5割6割…成功率が5割6割ぐらい。
それではお願いします。
さあウルトラニードルズ3本目の針です。
さあ先端が今アルミに触れました。
どうか?入っていったようです。
さあまっすぐいきました。
あ…抜けました貫通!信州ウルトラニードルズ。
3本とも貫通させました。
市川さん3本ともいきました。
ねえ一番攻めたやつも。
結果がついてきてくれれば…。
結果がねどうなってるかですけれども。
数値が小さい方が勝ち。
それでは両者同時にめくって頂きたいと思います。
お願いします!結果は平船さんが17キロ。
そして信州ウルトラニードルズの皆さんは10.4キロという事で勝者は信州ウルトラニードルズの皆さんです。
すごい!1回目の11.4kgを更に上回って10.4ですって。
ちょっと予想より上を…はいいきました。
さあ春原さんいかがですか?…っていう感じのちょっと最後の品物だったんで。
なるほど「イチカわバチカわ」頂きました。
残念!残念ながら破れはしましたけど平船さんも17.0と。
何とかねこういうフリップを持てるだけでもね。
全滅だったらねここに立ってられないんでね。
そういう事ですよね。
先生これ17.0ってすごい数値なんでしょ?もう先ほど最初に見た時に20を切るとは思っていなかったんですけども全て20切ってますのでもうかなり未知の領域ですよね。
ですよね。
いや〜奥さん良かったですね。
良かったですホントに。
貫通して。
昨日おいしいのを食べさせたかいありましたね。
そうですね。
ちょっとしすぎたかな。
前祝いをね。
いや〜ホントにすばらしい戦いでございました。
ありがとうございました。
(拍手)2015/05/29(金) 16:20〜16:50
NHK総合1・神戸
超絶 凄(すご)ワザ!「金属板を貫け!究極の針対決」(後編)[字][再]

直径わずか0.5ミリの極細針で、ぶ厚い金属板をするっと滑らかに貫け!手仕事で超微細加工を施す職人が凄ワザ初の夫婦参戦。ハイテクを駆使する若き技術者と、いざ対決!

詳細情報
番組内容
直径わずか0.5ミリと極細の針で、ぶ厚い金属板を貫通できるか?答え…「出来ます」。先週、無理難題を成功させたのは、手仕事で微細加工を施す町工場の職人。苦楽を乗り越えてきた妻と共に参加。そして、ハイテク機器を駆使する若き技術者。上司のプレッシャーと戦いながら参加。貫通に成功した両者は、今回「より小さい力で金属板を貫く」ことに挑戦。迎えた対決のとき、奇跡が!感動の涙を流すのは、職人夫婦?ハイテク師弟?
出演者
【出演】挑戦企業…オルガン針,インパクト,茨城大学工学部講師…永野隆敏,【司会】千原ジュニア,池田伸子,【語り】千葉繁

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
バラエティ – その他

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