(上田真土加さん)抜けてる?
(美智子さん)分からへん。
・シャンプーしたらなこすったら・
(美智子さん)あ〜こすったらね。
・そうですね・
上田真土加さん
抗がん剤の副作用で抜け落ちる髪の毛
なくなって来た?ハハっ。
たびたび襲われる吐き気
(真土加さん)近い。
それでも家族と離れ1人で立ち向かわなくてはなりません
(美智子さん)バイバイ嫌なん?
(ドアをたたく音)
(美智子さん)さぁ行こうか。
ガンと闘う中ある施設と出合います
神戸にできた全国初の小児がん専門の治療施設
(真土加さん)よっしゃ行くで。
みんなとおるし楽しいから何か動ける。
(凛太朗くん)翼!玉手箱。
ここは家族が一緒に暮らしながら治療を受けられる「おうち」です
(愛ちゃん)これフワフワじゃない?
(知恵子さん)フワフワ?
(知恵子さん)治療してる感じ全くない。
ハハハハ!ハハハ…。
(楠木医師の声)ガンになっても笑顔で育つ当たり前の日常を過ごして行くということが一番大事なのでまぁそこを何とか実現させたいと思ってます。
お肉やでお肉。
お肉いらんの?
2年前神戸にできた…
ガンの子供のための施設です
(楠木医師)はいじゃあ真土加ちゃん…旺ちゃん。
(真土加さん)はいこれむいて。
(楠木医師)えっ?先生ようむかんで。
痛ないな?ここも。
(真土加さん)痛くない。
(楠木医師)大丈夫やな?よっしゃいいでしょう。
施設を立ち上げたのは小児科医の…
(楠木医師)できることはしっかりちゃんと筋肉と栄養つけることやろ。
(真土加さん)OK!頑張る。
(楠木医師)うん。
楠木さん自身14歳の時から3年間ガンと闘った経験があります
(楠木医師)24時間ほとんどベッドの上で過ごしてリズムのない生活っていう感じですね。
(楠木医師)歩くとかいうことの数が断然減りますのでまぁ脚の筋力はかなり落ちますし体力的に弱って来ますね。
病気になったこと以外に苦労しない。
もしくは諦めなければいけないということをまぁ極力減らしたいというところからこういうふうなことにこだわってしています。
(楠木医師)うわ〜!ハハハ…。
キャ〜!
(旺志郎くん)ハハハハ…!
(楠木医師)おもろいな。
(旺志郎くん)ア〜!
チャイルド・ケモ・ハウスには子供達の遊び場を取り囲むようにして19の部屋があります
目指したのはおうちのような雰囲気
患者と家族が一緒に暮らせる環境にこだわりました
それぞれのおうちに備えられたキッチンやお風呂
自分の家のように外から出入りできる玄関もあります
真土加さんは5人きょうだいの長女
末っ子の旺志郎くんが生まれてからはいっそうにぎやかになりました
(旺志郎くん)あれなんやん…。
旺くんおんぶしたろ。
真土加さんが最初に入院したのは県立のこども病院です
(美智子さん)何かしゃべってくれへんの?何で?眠たい?
去年3月小児がんの一種である悪性リンパ腫と診断されます
抗がん剤を使った治療を始めますが副作用で炎症を起こし大腸や小腸の一部を切除しました
今は人工肛門を着けています
ショックやった。
え〜もうホンマに寂しかったもう旺くんももう1歳の時が絶対かわいい時やのに見られへんかったからもう嫌やったし学校にも行きたかったし。
こんな病気になって何か自分ばっかりが何でこんな嫌な思いしなアカンの?みたいな。
悪性の腫瘍や血液のガンなど小児がんの症状は多岐にわたります
ガンの転移や再発のリスクを避けるためには定期的な検査が欠かせません
こども病院では専門知識を持った医師や看護師がチームを組んで先進的な治療を行っています
(美智子さん)よくよくかんでくださいね。
入院中はほとんどの時間をベッドの上で過ごします
食事をするのも読書をするのもこの限られたスペースです
年間2000人以上がかかるといわれる小児がん
医学の進歩とともに治る確率は7割以上になりました
しかし家族と離れた入院生活は長ければ1年以上続きます
家に外泊したいし…。
遊びたいし。
一緒にごはん食べたいですね。
やっぱり寂しいよ〜。
(はなをすする音)
幼いきょうだいは病棟に入ることができません
感染症を防ぐためです
ドア越しに顔を見られるのはわずかな時間
会話すらできません
(母親)見てるよ。
(母親)バイバイしてるよ見よう?後でねちょっと待ってて。
「ベッドの上での生活を強いられる」と。
それを言われるとちょっとつらいんですよね。
その上でそういう病院ではどうしてもさっき言ったような足りないところ不自由なところが出て来ますからそういうところはやっぱり周りの病院とね例えばチャイルド・ケモ・ハウスも含めてですけどね連携して補えて行けたらいいのかなとは思いますけどね。
チャイルド・ケモ・ハウスのケモは化学療法のことです
抗がん剤を使った治療はできますが手術など高度な医療が必要な場合は大きな病院との連携が欠かせません
・真土加もやったら?・
ガンの発症から半年後真土加さんの病状は落ち着いて来ました
主に平日はこども病院
週末はチャイルド・ケモ・ハウスの「おうち」で治療を受け始めます
「おうち」は人の出入りが限られるために感染症を防ぎやすく真土加さんはきょうだいと一緒に過ごせるようになりました
・ハハハ…・アァ〜!ばぁ!アハハ…。
(旺志郎くん)おきて〜。
「起きて」?「起きて」?起きんの?
子供と家族を中心に考える新しい医療
しかし運営費の赤字という壁にぶつかりました
「おうち」は入院施設とは認められず患者が一日入院するごとに入って来る診療報酬が得られません
収入の9割は企業や個人からの寄付
「おうち」の宿泊費は家族の負担を減らすため一泊2000円以下に抑えているので苦しい運営が続いています
月に数回楠木さんは神戸を離れ他の病院で診察をしています
出て来る時にまた37度7分まで上がってたんで…。
チャイルド・ケモ・ハウスの経営を安定させるために必要な仕事です
(女性)せきとたんと鼻水と。
目は開いてるんですけど呼び掛けてもこっち見ないっていう感じでした。
もともと子供が好きで小児科医になりました
家に帰れば2人の子供がいます
父として経営者として背負う重い責任
ふぅ〜。
(ノック)
(凛太朗くん)・わっ!・
(楠木医師)うわっ!
去年7月に入居した凛太朗くん
2歳半の時から横紋筋肉腫という肝臓などに出来たガンと闘っています
(看護師)じゃあこれでまた様子見に来るね。
(尚子さん)何やろ?あっ…。
ここに来る前別の病院での治療は1年半に及び徐々に笑顔が消えて行きます
(尚子さん)精神的な不安だと思うんですけどもう夜何回も起きて寝れない状態がずっと続いてしまって。
今度付いてるこっちももうなかなか寝れなくて…っていうのも続いてしまって。
でもうそれをどう…このままだったらみんなが疲れてしまうのでどうしていいかが分からなくなってもう…とにかく治療よりも何よりもまず精神状態を戻そうというか…。
(尚子さん)凛ちゃん何にする?カリカリパンにする?
(凛太朗くん)うんする。
そうする?
この施設に引っ越してからはお母さんとお父さんそして生まれたばかりの弟と毎日一緒です
お母さんの手料理で食べる量も増えました
アハハ…。
誰かいるぞ。
(女性)いいお返事できるかな〜?はっ!あれっ?おかしい。
(女性)おかしい?何おかしい?うん?手挙げてない。
(女性)手挙げてないね。
ギャオスって…。
(女性)ギャオスっておかしい?そうだね何て言えばいいんだっけ?
治療以外の時間は保育の研修を受けたボランティアが凛太朗くんの成長をサポートします
・木の所にも押してあげて・・ここにも押したいね・・上手・・上手ホント・スキップ!
(女性)じゃあスキップで行きましょうせ〜の。
(凛太朗くん)スキップ!
(女性)スキップスキップ…。
・上手上手!上手上手…・
家族の日常が少しずつ戻って来ました
(旺志郎くんの歌声)
チャイルド・ケモ・ハウスに通い始めて5か月
真土加さんの病状は大きく改善していました
・わ〜!・
週末だけでもきょうだいと一緒に伸び伸びと過ごす環境は体力や筋力に変化をもたらしました
(楠木医師)これでええんちゃう…?足もうしんどい。
(楠木医師)もうちょっと…!
(電子音)
(女性)26.3cm…。
(女性)ここの筋肉がついてここはキュっと締まって来てる。
そっか…。
(女性)そう。
よかった!
(女性)フフフ…歩いてるから。
OK〜。
(楠木医師)まぁまぁ…。
ねぇ!旺たん。
ア〜!
(真土加さん)おいちい?
(美智子さん)精神的にも十分変わってるやんな?
(昌弘さん)うん。
なんせここがなかったら多分真土加歩いてないと思います。
もう全く違う…。
違うね特にうちの子は一番下の旺ちゃんが。
目の前の一歩一つずつケモ・ハウスを通してクリアして行ってるので。
で今の目標は3月に卒業式があるんです。
それに…。
また週末来られたらお願いします。
(女性)お待ちしてます真土加ちゃんまたね〜。
(真土加さん)バイバ〜イ!
(女性)気を付けてバイバ〜イ。
(真土加さん)また来るから。
(女性)うんまた来て。
ぐるんぐるんぐるん…。
ぐるんぐるんぐるんぐるんぐるん!ぐるんぐるんぐるんぐるん。
ぐるぐるぐる…!ぐるんぐるんぐるんぐるんぐるんぐるんぐるんぐるん。
ぐるんぐるんぐるんぐるん!
凛太朗くんは去年の冬に病状が悪くなり始め今年1月亡くなりました
子供はまぁ特に自分が元気に治るためにいろんなことホントに頑張ってくれるんですね。
僕達がとてもできないような信じられないような頑張りを見せてくれるんですけども。
それに対して期待に応えられないっていう状況ですからそこに関してはホントに申し訳ないと思いますしあの〜まぁ何ができるのかっていうのはいつも思います。
(楠木医師の声)その子がまぁどういう人生を送ってどういう気持ちで過ごしてたかっていう時に楽しかった時間とか笑顔とかがどれだけあったかっていうのがお父さんお母さんにとっては救いではあると思いますし何よりも凛太朗くんの人生がいかにこう意味があったかということだと思うので。
「ガンになっても笑顔で育つということがホントに大事なんだということが分かりました」と最初の頃にお父さんに言っていただいたのがまぁ非常に印象に残ってます。
でもさパパさ…。
(誠司さん)うん?帰って来るのが遅過ぎ。
(誠司さん)フフフ…。
(凛太朗くん)早く帰って来るんだよ。
(誠司さん)じゃあねいってきます。
(ドアが開く音)・いってらっしゃい・
(凛太朗くん)お外。
・ん?・
(凛太朗くん)お外パパ見るの。
「おうち」で家族一緒に過ごせた5か月間でした
この日東京で開かれたイベント
新しい分野の仕事にチャレンジする人達が医療や行政経済界の関係者の前で取り組みを発表し支援を募ります
会場に楠木さんの姿もありました
チャイルド・ケモ・ハウスを入院施設にするため協力を呼び掛けます
(拍手)
(楠木医師)私は今まで「世の中にかわいそうな子供は他にもたくさんいるから」と散々言われて来ました。
たくさんいるから何なんですか?たくさんいるからみんな平等にかわいそうでいろということですか?新しい試みをしているのでまだまだたくさんハードルはあります。
でもこんなところで諦めてるわけにはいかないんです。
たくさんの方々の思いが募った施設なんです。
ガンになることは不運ではあるけれど不幸ではない。
それは今を生きたいやが応にも今を一生懸命生きた子供達のメッセージです。
・1・2・3・4・56・7・8・9・10・
チャイルド・ケモ・ハウスのそばでは新しい県立こども病院の建設が進んでいます
これまで以上の連携で子供の医療の質を高めて行きます
投げたらすぐすぐ構えな。
「おうち」への理解と支援を訴え続けて来た楠木さん
国の後押しを受けようやく入院施設と認められることになりました
ふぅ〜。
♪〜
(拍手)・また一緒に学び…・
治療で1年間通えなかった学校
今年3月真土加さんは念願の卒業式に出席できました
上田真土加。
(真土加さん)はい。
卒業証書上田真土加。
おめでとう。
(拍手)・オオノアヤネ・・はい・
(真土加さん)あぁ…やった?まだ…まだ。
しんどい時もあったと思うけどちゃんと来てくれたから…。
うれしい…。
(泣き声)
(真土加さん)みんなで卒業できるなんてホンマに夢みたいエヘヘ夢みたい夢みたいハハハ。
真土加さんの治療はこれからも続きます
将来の夢はメーキャップアーティストになること
(美智子さん)・まぁいいかな…・
(真土加さん)・待って焦んないで…・
おうち診療所
そこはガンと闘う子供と家族が笑顔になれる場所です
真土加は食べられへんねん。
何やものすごい差やね。
・そう・さぁ…。
食べる?ごはん食べる?
(美智子さん)食べ過ぎたらアカン…。
分かってる!
(美智子さん)もうこれちょっと没収しといていい?何でよ!
(美智子さん)アハハ!
震える手
新潟水俣病が明るみに出て50年
差別や偏見との闘いは今も続いています
ほら見てみれ見てみれミナが来たぞミナがほら。
2015/05/25(月) 00:55〜01:25
読売テレビ1
NNNドキュメント「“おうち”診療所〜がんと闘う子どもたちの願い〜」[字]
神戸に誕生した全国初の小児がん専門の治療施設「チャイルド・ケモ・ハウス」。おうちのような空間で家族一緒にがんと闘う。子どもの願いを叶える“おうち”の挑戦。
詳細情報
番組内容
“がんになっても笑顔で育つ”をコンセプトに掲げる全国初の小児がん専門の治療施設「チャイルド・ケモ・ハウス」。キッチンやお風呂などを備えた19室の“おうち”が特徴だ。家族と離れ一人、辛い治療に耐える子どもたちの闘病環境を変えようと神戸市につくられた。患者と家族にとって必要な医療とは何か?診療報酬の問題など新しい試みゆえの様々な壁を乗り越え小児医療の充実を目指す“おうち”の挑戦を描く。
出演者
【ナレーター】
萩原聖人
制作
ytv
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
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