通信制・単位制の相生学院高校明石校(明石市)の生徒らが、思いやりの大切さを伝える「ベンチくん、どうしたの?」と題する絵本を作り、20日に出版される。不登校だった女子生徒が絵を描き、体験を語ったスピーチコンテストで得た賞金を出版費用に充てた。絵本の読み聞かせをする「朗読ライブ」も関西各地で繰り広げる予定で、生徒らは「絵本で人の輪を広げたい」と張り切っている。(宮本万里子)
「ベンチくん-」は校庭のベンチが主人公。古くなって傷つき、「いたいよー」と泣くベンチくんを子どもたちが心配し、助ける-という物語。日本語と英語で書かれている。
同校の尾池良一校長(65)がストーリーを考え、創作活動が好きな3年の石崎成美さん(19)=明石市=がイラストを担当。昨夏に仕上がったが、出版には費用がかかるため、当初は生徒が近隣の幼稚園などで読み聞かせをして発信していた。
出版に弾みがついたのは昨年9月。石崎さんが、若者対象のスピーチコンテストで、いじめや不登校、引きこもりの日々を経て同校に入学し、絵本を作った体験を語り、最優秀賞に輝いた。賞金を基に出版が実現した。
石崎さんは「絵本を多くの人が出会い、つながるきっかけにしたい」と話している。
せせらぎ出版、24ページ。1620円。最寄りの書店で取り寄せでき、インターネットでもアマゾンや楽天で買える。購入、朗読ライブの問い合わせは、相生学院高明石校TEL078・926・1177