魚油由来のオメガ3脂肪酸が筋肉もアップ、60歳以上の男女で効果確認
6カ月で筋肉量や握力などが高まる

写真はイメージ。記事と直接の関係はありません。(写真:Christian Kadluba/クリエイティブ・コモンズ表示-継承 2.0 一般

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 魚油由来のオメガ3多価不飽和脂肪酸(n-3多価不飽和脂肪酸、以下オメガ3脂肪酸)が、筋肉量と筋力を増強するようだ。

 60歳以上の男女で効果が確認された。

 米国ワシントン大学医学部を含む研究グループが、米国栄養学会が発行する臨床栄養学分野の専門誌アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリションのオンライン版で2015年5月20日に報告した。

転倒や死亡にもつながる

 年を重ねると筋肉の量や機能の低下が問題になる。日常生活で動きにくくなったり、転倒しやすくなったりすうる。場合によっては、死亡にもつながる「危険因子」となる。

 研究グループは、このようなリスクを下げるためにも、筋肉の量や機能の低下を遅くするための戦略が必要とされていると説明する。

 研究グループは、60~85歳の健康な男女をランダムに2つのグループに分けて、一方は魚油由来のオメガ3脂肪酸を6カ月間取るグループ(29人)、もう一方は取らないグループ(15人)として、研究の前後に筋肉量や握力、最大筋力などを調べた。

筋肉量も筋力も増加

 その結果、オメガ3脂肪酸を取ったグループは取らないグループに比べて、ふとももの筋肉量が3.6%、握力が2.3kg、最大筋力が4%増加。平均的な脚の筋力も増加傾向にあると分かった。

 魚油由来のオメガ3脂肪酸は、高齢になってくると起こる筋肉の量や機能の低下を遅くする効果があると見られる。「サルコペニア(進行性の骨格筋量/力の低下)」の予防や独立した生活の維持のための対策となると研究グループは説明する。

 日ごろから魚を食べるようにすると良さそうだ。

文献情報

Smith GI et al. Fish oil-derived n-3 PUFA therapy increases muscle mass and function in healthy older adults. Am J Clin Nutr. 2015 May 20. [Epub ahead of print]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25994567

 

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