この出来事は、韓国の教育に対する韓国人と外国人の視点の違いを象徴するものではないだろうか。もちろん、この女性の発言に全面的に共感するわけではない。また、教育が韓国の経済発展をけん引した点や、教育の機会均等という面で、韓国の教育は世界的に優秀だという点は認めるべきだ。だが、今の韓国の教育は家計を圧迫する私教育(塾や家庭教師など)の費用、「いい大学」に行くために小学生から成績に悩まなくてはならない現実などのため、韓国国内では称賛よりも批判の対象だ。このような現実によって苦痛を抱えている韓国人たちにとって、自画自賛一色だったこの日のフォーラムの内容は不愉快極まりなかったことも事実だ。
この日のセッションは、韓国の教育の明暗をくっきりと示す場となった。また、この日のセッションにはサックス教授のような大物の学者だけでなく、ノルウェーの教育省次官や世界銀行の副総裁、企業関係者など各界の専門家たちも出席した。このような場で、韓国の教育の成果だけでなく、現在抱えている問題点や解決策についても熱い討論があればよかったと思う。