タイ高速鉄道事業、日本が中国との競争に勝ち事業権獲得

 朝日新聞が今月28日報じたところによると、タイの高速鉄道事業で日本の新幹線が採用されることになったという。日本が中国との競争に勝った格好だ。

 同紙は「日本とタイの両政府は27日、タイ北部のチェンマイと首都バンコクを結ぶ約670キロの高速鉄道に、日本の新幹線を採用することで合意した」と報じた。総事業費は120億ドル(約1兆4900億円)で、早ければ2016年の第2四半期(4-6月)に着工する見通しで、日本が技術や建設資金を全て支援する形となる。

 タイの高速鉄道計画には中国を意欲を示していた。李克強首相が2013年10月、タイで直接売り込みを図るほどだった。今回、タイが中国ではなく日本を選んだ表面的な理由は、高速鉄道建設をめぐる借款の利子の問題だった。中国は事業資金を貸し付けながら、2-4%の利子を取る方針を示したが、日本は政府開発援助(ODA)からの資金提供という形で、利子を1%とする意向を示していた。

 今回の日本による高速鉄道事業の受注は、東南アジアでの日本の影響力が今なお健在だということを示したとの見方も出ている。日本はベトナムからラオス、タイ、ミャンマーを結ぶ「東西経済回廊」を通じ、経済的な実権を掌握している。これに対し中国は、雲南省からタイを経てマレーシアに至る「南北経済回廊」構想を進めている。南北回廊は中国の新シルクロード(一帯一路)構想にも通じるものだ。

 まだ勝負は終わったわけではない。中国とタイは昨年末、タイ東北部のノーンカーイ県と南東部のラヨーン県を結ぶ867キロの鉄道の建設に向け了解覚書(MOU)を締結した。香港の衛星テレビ局「フェニックステレビ」は「中国と日本はタイのほかにも、インドやマレーシア、インドネシアなどで高速鉄道の事業権をめぐって競争を繰り広げている」と報じた。

北京=アン・ヨンヒョン特派員
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