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韓国でMERS患者10人 当局の対応批判も
5月29日 20時47分

韓国でMERS患者10人 当局の対応批判も
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韓国政府は、重い肺炎などを引き起こすMERSコロナウイルスに感染した患者が国内で10人に上ったと発表し、10人目の患者は感染が疑われたにもかかわらず海外に出張したあと感染が確認されたことから、出国を止められなかった韓国当局の対応が批判されています。
MERSコロナウイルスは重い肺炎などを引き起こすウイルスで、去年春以降、中東を中心に感染が広がっています。
韓国では、サウジアラビアやバーレーンなどに滞在したあと帰国した韓国人男性が感染していたことが今月確認され、男性の家族や男性と接触した医療スタッフらも感染しました。
こうしたなか、韓国の保健福祉省は29日夕方、この男性と接触して感染が疑われた別の男性が出張先の中国で検査を受けた結果、感染が確認されたとして、韓国人の患者が合わせて10人に上ったと発表しました。この男性に対しては医師が出張を自粛するよう求めただけで出国を止められず、韓国のメディアは、旅客機の中で乗り合わせた多数の乗客らが感染したおそれがあると指摘するなど、保健当局の対応を批判しています。

韓国人男性は中国・広東省で隔離

中国の衛生当局によりますと、「MERSコロナウイルス」への感染が確認された韓国人の男性は、中国南部、広東省恵州の病院で隔離されて手当てを受けていますが、40度近くの高熱が出ていて肺炎の症状も見られるということです。
また、中国の衛生当局は男性と接触のあった38人の検査を行いましたが、今のところ異常は見られないとしています。
中国メディアによりますと、男性は中国に入国してバスに乗ったあとホテルにも宿泊したということで、広東省の衛生当局は引き続き、男性と接触した人の健康状態の監視などを続けていくことにしています。中国で「MERSコロナウイルス」の感染が確認されたのは今回が初めてで、国内での感染の拡大が懸念されています。

MERSとは

WHO=世界保健機関などによりますと、中東呼吸器症候群=MERSは、2012年に発見された「MERSコロナウイルス」に感染することで発症し、発熱やせきといった症状が出て、重い肺炎などを引き起こすのが特徴です。詳しい感染経路は分かっていませんが、ラクダが感染源の1つと考えられています。ヒトからヒトへの感染は、二次感染対策などが整っていない医療機関の中や家族の間などで起こる可能性が指摘されています。
WHOによりますと、サウジアラビアなど中東の国々を中心にこれまでに1139人の患者が確認され、このうち、およそ37%に当たる431人が死亡しています。中東以外でも、アメリカやイギリスなどの欧米の先進国でも患者が確認されているほか、アジアでは、これまでにマレーシアやフィリピンで患者が報告されていました。

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