【神奈川】従軍取材経験のジャーナリスト むのたけじ氏 横浜で講演
太平洋戦争中に新聞記者として従軍取材をし、戦後は反戦・核廃絶を訴えてきた百歳のジャーナリストむのたけじ氏の講演が三十一日、横浜市神奈川区のかながわ県民センターであり、戦争の残忍さと命の大切さを熱弁した。 (志村彰太) むの氏は「正義、国家、国民のためと言いつつ、軍人でも政治家でもない生活者を殺すのが戦争だ」と指摘。しかし、「それで正義や平和な世の中ができるわけがない」と、「自国の安全のため」として各国の軍拡や核保有を批判した。 平和のためには、「近隣国と本音で話し合う」「国民は他人に依存するのではなく、自主自律の精神で考える」などが必要とした。その上で、「一番大事なのは、かけがえのない自分の命。みんなが自分や相手の命を貴重だと思ったら、リスクの高い軍隊に入る人はいなくなるし、戦争はすぐになくせる」と述べた。 講演は、同日まで開かれた「平和のための戦争展inよこはま」の一環。ほかに、市立川和中学演劇部が空襲体験者の証言を読み上げる朗読劇や、市立横浜商業高校生徒を中心につくるグループの活動発表があった。 生徒から「いまのマスコミに求められることは」と質問されたむの氏は、戦時中の情報統制で新聞が世論を誘導したことに触れ、「同じ過ちを繰り返さないためには、頭からつま先まで洗い直して作り直した方がいい」「読者、視聴者をお客さんだと思わず、仲間として真っすぐにぶつかるべきだ」などと主張した。 PR情報
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