DHCの悲劇
2015年4月3日、Jリーグの鹿島アントラーズ対サガン鳥栖の試合において、「前代未聞」とも「史上最悪のファウル」とも呼ばれる出来事が起こった。
アントラーズのMFである金崎選手とサガンのDFキム・ミンヒョク(韓国代表)が競り合いとなり金崎選手が転倒した際に、キム選手が金崎選手の顔面に強い蹴りを入れたのだ。
本来ならばレッドカードで退場となるケースだが、主審の位置からはよく把握できなかったと見られ、イエローカードで済まされた。
ところがビデオ画像がその瞬間をとらえていて、インターネットの動画共有サイトを通して世界中に流されてしまった。
この行為は、アクシデントによるものではなく、明らかに故意による「蹴り」だった。
蹴られた金崎選手の頭部は、ピッチにバウンドしている。
しかしここからが見ものだ。
ファウルを取られイエローカードを受けたキム選手は、納得がゆかないような不服そうな表情を見せていたが、その青いユニフォームにはしっかりとメインスポンサーのロゴが輝いていたのである。
そして、この一連の「暴行」は全世界に流れ、サッカーファンから激しい非難をキムは受けることとなる。
鹿島アントラーズも正式な抗議をJリーグ規律委員会に文書で申し立てた。
委員会ではすでに映像を確認しており、近日中に判定を下すとされているが、場合によったらキム選手への出場停止処分が出される可能性もあるという。
とは言えキム選手は韓国の代表に選ばれた選手だから、出場できないとなれば簡単に帰国することができる。
修復不能な痛手を負ったのは、選手やチームではなく、スポンサーである。
その名は「DHC」。
東京都港区に本社を置く化粧品、サプリメント、衣類の総合メーカーであり、非上場の株式会社だ。
1983年から基礎化粧品の通信販売事業を開始し、「ディープクレンジングオイル」を販売する。その後健康食品に着手し業界最大手に成長。
2014年4月時点での会員数は1181万人、国内直営店は200を超えている。
さて、この会社がなぜ不人気な佐賀県のサッカーチームのスポンサーになったのか。
創業者が佐賀県の出身だったからである。
そのDHCという社名がデカデカと書かれた青いユニフォームを着たキム選手が「史上最悪」と呼ばれる悪質なファウルをやらかしてしまい、その動画が世界中に流された。
DHCは佐賀県唐津にある昭和グループの「唐津シーサイドホテル」を買収予定になっており、この会社の佐賀県へのこだわりは並々ならぬものがあるらしい。非上場の会社経営だから同族の意志が通るのだろう。
ただし、韓国人サッカー選手が日本人に抱く「並々ならぬ敵対意識」までは読めていなかったようだ。
これではスポーツチームのメインスポンサーとなって、企業イメージを上げたいとする目論見とは逆の効果しか生まなかったということになる。
しかも日本国内だけにとどまらず世界に「DHCの社名をまとった悪質なラフプレー選手」が不服そうな表情を世界中にさらしてしまったのである。
DHCとはファンケルの特許を侵害したとして訴訟を起こされた過去がある。
その際、損害賠償金と販売差し止めを求められた。
しかし販売差し止めについてはすでに製造販売を終えているとして東京地裁はこの部分を却下、賠償金に不服があるとして双方が控訴。
東京高裁は和解との結果を出した。
つまり、韓国のサムソンとアップルの特許訴訟に良く似ていて、販売終了という「逃げ切り」の技法がここで使われている。
ところがこのDHCの吉田嘉明会長の名は、元みんなの党代表の渡辺喜美への「8億円」貸与問題につながって来る。
今回のキム選手の問題を、深刻に受け止めるか否かで、この会社の本質が見えて来るだろう。
アントラーズのMFである金崎選手とサガンのDFキム・ミンヒョク(韓国代表)が競り合いとなり金崎選手が転倒した際に、キム選手が金崎選手の顔面に強い蹴りを入れたのだ。
本来ならばレッドカードで退場となるケースだが、主審の位置からはよく把握できなかったと見られ、イエローカードで済まされた。
ところがビデオ画像がその瞬間をとらえていて、インターネットの動画共有サイトを通して世界中に流されてしまった。
この行為は、アクシデントによるものではなく、明らかに故意による「蹴り」だった。
蹴られた金崎選手の頭部は、ピッチにバウンドしている。
しかしここからが見ものだ。
ファウルを取られイエローカードを受けたキム選手は、納得がゆかないような不服そうな表情を見せていたが、その青いユニフォームにはしっかりとメインスポンサーのロゴが輝いていたのである。
そして、この一連の「暴行」は全世界に流れ、サッカーファンから激しい非難をキムは受けることとなる。
鹿島アントラーズも正式な抗議をJリーグ規律委員会に文書で申し立てた。
委員会ではすでに映像を確認しており、近日中に判定を下すとされているが、場合によったらキム選手への出場停止処分が出される可能性もあるという。
とは言えキム選手は韓国の代表に選ばれた選手だから、出場できないとなれば簡単に帰国することができる。
修復不能な痛手を負ったのは、選手やチームではなく、スポンサーである。
その名は「DHC」。
東京都港区に本社を置く化粧品、サプリメント、衣類の総合メーカーであり、非上場の株式会社だ。
1983年から基礎化粧品の通信販売事業を開始し、「ディープクレンジングオイル」を販売する。その後健康食品に着手し業界最大手に成長。
2014年4月時点での会員数は1181万人、国内直営店は200を超えている。
さて、この会社がなぜ不人気な佐賀県のサッカーチームのスポンサーになったのか。
創業者が佐賀県の出身だったからである。
そのDHCという社名がデカデカと書かれた青いユニフォームを着たキム選手が「史上最悪」と呼ばれる悪質なファウルをやらかしてしまい、その動画が世界中に流された。
DHCは佐賀県唐津にある昭和グループの「唐津シーサイドホテル」を買収予定になっており、この会社の佐賀県へのこだわりは並々ならぬものがあるらしい。非上場の会社経営だから同族の意志が通るのだろう。
ただし、韓国人サッカー選手が日本人に抱く「並々ならぬ敵対意識」までは読めていなかったようだ。
これではスポーツチームのメインスポンサーとなって、企業イメージを上げたいとする目論見とは逆の効果しか生まなかったということになる。
しかも日本国内だけにとどまらず世界に「DHCの社名をまとった悪質なラフプレー選手」が不服そうな表情を世界中にさらしてしまったのである。
DHCとはファンケルの特許を侵害したとして訴訟を起こされた過去がある。
その際、損害賠償金と販売差し止めを求められた。
しかし販売差し止めについてはすでに製造販売を終えているとして東京地裁はこの部分を却下、賠償金に不服があるとして双方が控訴。
東京高裁は和解との結果を出した。
つまり、韓国のサムソンとアップルの特許訴訟に良く似ていて、販売終了という「逃げ切り」の技法がここで使われている。
ところがこのDHCの吉田嘉明会長の名は、元みんなの党代表の渡辺喜美への「8億円」貸与問題につながって来る。
今回のキム選手の問題を、深刻に受け止めるか否かで、この会社の本質が見えて来るだろう。