国内最大のレシピサイトを運営するクックパッドが、育児事業を強化する。6月1日付けで産院向けベッドサイドシステムを提供する日本テクトの97%の株式を取得し、子会社化する。同時に離乳食のレシピなどを提供する「クックパッドベビー」の事業を移管。新たに社名をクックパッドベビーとし、執行役員の安田啓司氏を社長に据える。
クックパッドは、4月にイーウェルから育児サイト「はっぴーママ.com」の事業移管を受け、同サイトの運営を開始したばかり。5月12日にははっぴーママとクックパッドの「ベビー&ママ」のコーナーと合わせ、「クックパッドベビー」と改名した。
ベビー&ママでは、主にユーザーが投稿した離乳食レシピを提供していたが、はっぴーママと合体させることで、コンテンツの拡充を図っていた。「離乳食は、子どもの月齢によって食べさせられるものが変わる。ユーザー投稿だけの情報では“怖い”というユーザーも多くいた」(安田氏)。7月に向けた大規模リニューアルでは、ユーザー投稿だけでなく、医療従事者や管理栄養士などによる信頼度の高いコンテンツを提供していくという。
コンテンツは「クックパッドベビー」内での提供にとどまらない。日本テクトの産院へのパイプを生かして、病院にも提供していく。日本テクトは、全国の産院にタブレット端末やクラウドを通じて情報を提供する「MediPac mama(メディパックママ)」を開発している。
出産直後の母親に対して、院内案内や退院手続きの情報、沐浴や授乳についてのビデオといったコンテンツを配信する。病院によっては、産後の母親のシャワー室やマッサージの予約、食事選択まで可能だ。現在、国内2500程度の産科施設に対し、すでに200以上の施設にシステムを導入している。