ちょっと憂鬱な午後。
こんにちは。
先ほどの話ですが、マンション1階の郵便受けを見に行こうと自宅のドアを出たところ、玄関前の通路に顔色を変えた小学校6年生くらいの女の子が一人。見覚えがあるので近所の子だと思います。私の顔を見るなり、
「大変です!人が血を流して倒れてます!」
え?どこに?通路には他に誰もいません。
「ここじゃありません!下です!」
そう言われて手すり越しに下を覗き込んでみると・・・下のアスファルトの道路に男性が一人倒れており、頭の周囲に血溜まりができています。
※短い記事なので、当初は全文をそのまま掲載していましたが、人によっては気分を悪くすることもあるかと思い、クリックして開く形に変更しました。画像などは一切ありませんが、最初の段落から予想される内容が苦手な方は読まないようにしてください。
先ほどの話ですが、マンション1階の郵便受けを見に行こうと自宅のドアを出たところ、玄関前の通路に顔色を変えた小学校6年生くらいの女の子が一人。見覚えがあるので近所の子だと思います。私の顔を見るなり、
「大変です!人が血を流して倒れてます!」
え?どこに?通路には他に誰もいません。
「ここじゃありません!下です!」
そう言われて手すり越しに下を覗き込んでみると・・・下のアスファルトの道路に男性が一人倒れており、頭の周囲に血溜まりができています。
※短い記事なので、当初は全文をそのまま掲載していましたが、人によっては気分を悪くすることもあるかと思い、クリックして開く形に変更しました。画像などは一切ありませんが、最初の段落から予想される内容が苦手な方は読まないようにしてください。
一目で状況を把握できたので、
「あとはおじさんに任せて家に戻ってなさい」と女の子に伝えて一旦自宅に戻りました。女房に
「警察に電話!あと、管理会社の番号わかるか?」
「え?わからないけど・・・何があったの?」
私は自分の携帯電話を掴んでもう一度玄関を出ながら
「下を見たら状況がわかる」と言い残して近くの外階段を駆け下り始めました。後ろでは女房が下を見るなり「ひっ」と小さな悲鳴を上げています。しまった、女房は血を見るのが苦手でした。とりあえず携帯は持ってきたので、下に降りたらこちらから連絡することにします。私の携帯にはマンション管理会社の番号も登録してありますし。
下の舗装道路まで降りると、3人(ご夫婦一組と男性一人)の方が倒れている男性を遠巻きにしています。既にご夫婦が警察・救急には電話したそうです。私は倒れている方の傍まで寄って様子を見ましたが、目を半開きにして仰向けに倒れており、全く動きません。胸も腹も完全に動きを止めており、心肺停止状態なのは間違いなさそうです。心臓マッサージと人工呼吸も考えましたが、私自身も20年前に消防署の講習で一回訓練しただけでうろ覚えです。それと、頭の周囲の血溜まりにも血液だけでなく、脳脊髄液と思われる透明な液体が大量に混じっており、頭蓋骨と脳に深刻なダメージを受けているのは確実そうです。少なくとも素人の手に負える状態ではないと判断して救急車の到着を待つことにしました。恐らくあと数分で到着するでしょう。
ふと気が付くと、遠巻きにしている3名の方の後ろに小学生くらいの女の子が3人。これはまずいと思って
「ここにいちゃ駄目だよ。家に帰りなさい」
と声をかけると、実はご夫婦の娘さんたちでした。動転しているので子供さんたちのことを忘れていたようです。取り敢えず、娘さんたちにはマンションのロビーで待っているように伝えていました。このご家族、実はこのマンションの住人ではなく、たまたまここに住んでいる知人を訪ねてきて現場に遭遇してしまったようです。お気の毒です。
こちらはマンションの管理会社に電話。日曜なので留守電でしたが、メッセージで緊急時のコールセンターの番号をアナウンスしていたのでかけ直しました。手早く状況を説明し、警察・救急も手配済みであることも伝えました。管理会社でも警備員か社員を派遣するそうです。
そうこうしているうちに警察と救急が到着しました。救急の方の到着が30秒ほど早く、あっという間に男性をストレッチャーに載せて救急車に運び込んでしまいました。しかし、すぐには発車しません。車体が揺れているので、心肺蘇生術を施しているようです。一方、警察の方では私たち4人、特に通報者のご夫婦には念入りに状況を聞いていましたが、誰一人として男性が『血を流して倒れている』以前の状況を見ていないので、それ以上の話が出来ません。こちらは早々に終わって、現場の調査に入りました。この頃になって救急車がサイレンを鳴らしながら出て行きました。10分以上、心肺蘇生を試みていたようです。
警察官の次は鑑識の人たちがやってきます。救急の方が僅かに早く到着したため、男性がどのような姿勢で倒れていたかがわからないということでしたので、最初はご夫婦が、後から私ともう一人の男性が加わって倒れていた姿勢を説明します。最近はテレビドラマで鑑識が出てくる作品が多いですが、本当にああいう人たちなんですね。一人の鑑識課員の方が実際にアスファルトの上に寝そべって、
「頭はどっちへ向いてました?手はどういう感じ?」
と聞いて来るので
「頭はもう少し右に。手は何かを掴むように指が曲がってました」
という感じで説明していきます。最終的に姿勢が決定すると、他の鑑識課員の方が写真に撮ります。仕事とは言え、大変ですね。
一通り聴取が終わると、あとは現場をメジャーで測ったり、植え込みなどにバウンドした跡がないかなどを念入りに調べ始めます。こちらにはもう用がなさそうなので、引き揚げていいか聞くとOKのようです。1階のロビーで郵便受けを確認して、自宅に戻ってきました。
帰り際に警察官の方に聞くと、やはり自殺の可能性が一番高いんじゃないかと言うことでした。ご本人にはいろいろ事情があったんでしょうけど、子供さんの目につくところでは絶対にやめて欲しいですね。
ただ、日頃山歩きをしていると、岩場などで滑落や転落した方を見つけてしまう可能性も十分あります。もちろん今回の事例と同列に語るわけにはいきませんが、自分が遭難することだけでなく、他の方が遭難した現場に遭遇してしまったらどう対応するか。いろいろと考えさせられた午後でした。
本日、実は5月2日の山行記事を仕上げる予定でしたが・・・ちょっとバタバタしてしまったのでもう少しかかります。申し訳ありません。
「あとはおじさんに任せて家に戻ってなさい」と女の子に伝えて一旦自宅に戻りました。女房に
「警察に電話!あと、管理会社の番号わかるか?」
「え?わからないけど・・・何があったの?」
私は自分の携帯電話を掴んでもう一度玄関を出ながら
「下を見たら状況がわかる」と言い残して近くの外階段を駆け下り始めました。後ろでは女房が下を見るなり「ひっ」と小さな悲鳴を上げています。しまった、女房は血を見るのが苦手でした。とりあえず携帯は持ってきたので、下に降りたらこちらから連絡することにします。私の携帯にはマンション管理会社の番号も登録してありますし。
下の舗装道路まで降りると、3人(ご夫婦一組と男性一人)の方が倒れている男性を遠巻きにしています。既にご夫婦が警察・救急には電話したそうです。私は倒れている方の傍まで寄って様子を見ましたが、目を半開きにして仰向けに倒れており、全く動きません。胸も腹も完全に動きを止めており、心肺停止状態なのは間違いなさそうです。心臓マッサージと人工呼吸も考えましたが、私自身も20年前に消防署の講習で一回訓練しただけでうろ覚えです。それと、頭の周囲の血溜まりにも血液だけでなく、脳脊髄液と思われる透明な液体が大量に混じっており、頭蓋骨と脳に深刻なダメージを受けているのは確実そうです。少なくとも素人の手に負える状態ではないと判断して救急車の到着を待つことにしました。恐らくあと数分で到着するでしょう。
ふと気が付くと、遠巻きにしている3名の方の後ろに小学生くらいの女の子が3人。これはまずいと思って
「ここにいちゃ駄目だよ。家に帰りなさい」
と声をかけると、実はご夫婦の娘さんたちでした。動転しているので子供さんたちのことを忘れていたようです。取り敢えず、娘さんたちにはマンションのロビーで待っているように伝えていました。このご家族、実はこのマンションの住人ではなく、たまたまここに住んでいる知人を訪ねてきて現場に遭遇してしまったようです。お気の毒です。
こちらはマンションの管理会社に電話。日曜なので留守電でしたが、メッセージで緊急時のコールセンターの番号をアナウンスしていたのでかけ直しました。手早く状況を説明し、警察・救急も手配済みであることも伝えました。管理会社でも警備員か社員を派遣するそうです。
そうこうしているうちに警察と救急が到着しました。救急の方の到着が30秒ほど早く、あっという間に男性をストレッチャーに載せて救急車に運び込んでしまいました。しかし、すぐには発車しません。車体が揺れているので、心肺蘇生術を施しているようです。一方、警察の方では私たち4人、特に通報者のご夫婦には念入りに状況を聞いていましたが、誰一人として男性が『血を流して倒れている』以前の状況を見ていないので、それ以上の話が出来ません。こちらは早々に終わって、現場の調査に入りました。この頃になって救急車がサイレンを鳴らしながら出て行きました。10分以上、心肺蘇生を試みていたようです。
警察官の次は鑑識の人たちがやってきます。救急の方が僅かに早く到着したため、男性がどのような姿勢で倒れていたかがわからないということでしたので、最初はご夫婦が、後から私ともう一人の男性が加わって倒れていた姿勢を説明します。最近はテレビドラマで鑑識が出てくる作品が多いですが、本当にああいう人たちなんですね。一人の鑑識課員の方が実際にアスファルトの上に寝そべって、
「頭はどっちへ向いてました?手はどういう感じ?」
と聞いて来るので
「頭はもう少し右に。手は何かを掴むように指が曲がってました」
という感じで説明していきます。最終的に姿勢が決定すると、他の鑑識課員の方が写真に撮ります。仕事とは言え、大変ですね。
一通り聴取が終わると、あとは現場をメジャーで測ったり、植え込みなどにバウンドした跡がないかなどを念入りに調べ始めます。こちらにはもう用がなさそうなので、引き揚げていいか聞くとOKのようです。1階のロビーで郵便受けを確認して、自宅に戻ってきました。
帰り際に警察官の方に聞くと、やはり自殺の可能性が一番高いんじゃないかと言うことでした。ご本人にはいろいろ事情があったんでしょうけど、子供さんの目につくところでは絶対にやめて欲しいですね。
ただ、日頃山歩きをしていると、岩場などで滑落や転落した方を見つけてしまう可能性も十分あります。もちろん今回の事例と同列に語るわけにはいきませんが、自分が遭難することだけでなく、他の方が遭難した現場に遭遇してしまったらどう対応するか。いろいろと考えさせられた午後でした。
本日、実は5月2日の山行記事を仕上げる予定でしたが・・・ちょっとバタバタしてしまったのでもう少しかかります。申し訳ありません。
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