コラム

“モーニング娘。”の重圧を乗り越え、モーニング娘。’15を作った13人

2015年06月02日 07時00分

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 5月27日、日本武道館で「モーニング娘。'15 コンサートツアー春~GRADATION~」ツアーファイナル公演が行われた。

モーニング娘。'15『青春小僧が泣いている/夕暮れは雨上がり/イマココカラ』

 ”モーニング娘。”という名前のプレッシャーは、13人の現メンバーが加入してから、今回が最も大きかったのではないか。ステージ上での鞘師里保の「モーニング娘。という名前に負けているんじゃないかと思った」という言葉や、武道館公演について「チャンスを逃したくないし、そこまでにもっていくのがモーニング娘。だと思う」と譜久村聖が話したように、彼女たちにとってのモーニング娘。は、とてつもなく強く、カッコいい。そこに見合う自分になるため、そしてグループを作り上げるための彼女たちの努力は、わたしたちの想像を絶するものなのだろう。

 今回のツアーを見て、モーニング娘。’15は全員が主役で、みんなで戦っているのを感じた。武道館公演後のラジオ番組で、鈴木香音は「(このツアーを通して)9人と4人というよりは、13人っていう形になったんじゃないかな」と話していた。初々しさとツアーをやりきった自信が見えた12期の『好きな先輩』、鞘師のロングトーンに会場が沸いた『女と男のララバイゲーム』や佐藤優樹と小田さくらの歌声が美しい『Memory 青春の光』、ツアーを通して飯窪春菜が担当したMCなど……見せ場をあげたらキリがない。13人全員で作り上げたコンサートは、回を追うごとに全員がめきめき成長しているのが体感でき、本当に楽しく、見応えのある内容になっていた。

 何よりも、“自分たちがモーニング娘。である”ことへの意識がとても強いのを、特に9・10・11期から感じた。先輩メンバーの卒業を経験し、後輩としての「憧れのモーニング娘。になれた」「先輩に追いつかなければ」から、グループを引っ張っていく「自分たちがモーニング娘。を作っていくんだ」という気持ちの変化。それが大きなものになっている気がした。


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