2015年5月28日のの衆院平和安全法制特別委員会で、民主党の辻元清美氏の質疑中に「早く質問しろよ」とヤジを飛ばす安倍首相。
衆院平和安全法制特別委員会の冒頭で辻元清美氏への発言について謝罪する安倍晋三首相(左)。中央は岸田文雄外相、右は中谷元防衛相=国会内で2015年6月1日午前9時1分、毎日新聞 梅村直承撮影
毎日新聞 2015年06月01日 09時39分(最終更新 06月01日 09時53分)
NHKしかニュースは見ないというご家庭だとご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、2015年5月28日、安倍首相が戦争法制に関する特別委員会で、民主党の辻元議員からの質問中に突然、
「早く質問しろよ!」
と野次を飛ばし、委員会が休会になるという事件がありました。
安倍首相は同日謝罪したのですが、不十分だということで、本日6月1日、あらためて謝罪することになりました。
戦争法案と言う、扱っているものの重要性に比べれば、確かに些末なことなので私もあえて書いてこなかったのですが、またも一国の首相が野次を飛ばしたということで、衝撃的な事件ではあります。
またもというのは、安倍首相の例の「日教組はどうするんだ!?」という野次ですね。
私が今回非常に嫌な気持ちになったのは、辻元議員はネトウヨに標的にされている議員ですから、根がネトウヨの安倍首相に
「辻元ならこういう扱いをしても問題ないだろう」
という心根が透けて見えたことです。
日教組もネトウヨには袋叩きにあっていますから、安倍首相はとことんネトウヨ総理大臣なんだなあということが伝わってきて、しみじみ心寒いものがありました。
西川農相早期辞任で誤魔化されて、安倍首相の「日教組」ヤジ問題を幕引きさせてはならない
安倍と言う人はヤジるときに一番本性が現われた顔つきをする。
今回の事件でも、ネットでは
「辻元が30分も延々と質問という名の演説をしているから首相がキレたのだ」
というデマが飛び交っていますが、辻元議員の全持ち時間(質問と答弁あわせて)が30分ですからね。そこで、30分辻元議員が質問しないでしゃべってたという法螺を思いついたのでしょうが。
実際には中谷防衛相の答弁の後、辻元議員が4分未満しか質問していない時点でもう安倍首相はヤジっており、これもまたネトウヨ得意のデマです。
ネトウヨは息をするように嘘をつくと言いますが、本当に嫌になります。
しょっちゅう不規則発言するとても残念な総理。
辻元議員は質疑再開後最初に
「私はとてもさびしい気分というか、情けない気分になりました。いま人の生死とか戦争とかについて話しているんですよ。」
と語っていますが、私も同じ気持ちになりましたね。
なお、NHKは安倍首相が謝罪する場面だけは放映しましたが、野次を飛ばした声は放送しませんでした。
というわけで、戦争法制を作ろうとして歴史に残るうちの内閣総理大臣がどういう人だったか、こういう人が「教育再生」のためによりによって「道徳」教育を強調しているのだということを記録するという意味でメモします。
こんな小さい人物に日本をめちゃめちゃにされるのかと思うと、つくづく情けない。
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【全文】安倍首相「早く質問しろよ!」辻元清美議員「…もう答弁は結構。私はさびしい気分になった」実際のやり取りは?
ホルムズ海峡の機雷掃海問題についての答弁 2015年5月28日 ログミー
辻元清美氏(以下、辻元):中谷大臣にお聞きします。ホルムズ海峡に機雷をまかれた場合、日本のまわりの近海を海上封鎖をされたことと同等とお考えですか?
中谷元氏(以下、中谷):我が国周辺の海域の機雷封鎖は先ほど法制局長官がお答えしたと思います、ホルムズ海峡の場合もどう考えるかということに関しましても、3要件ですね。このいわゆる存立危機事態にあてはまるような事態によりまして、存立事態であるかという判断をするわけであります。
辻元:だから、海上封鎖されるというのは相当な事態なんですよ。わかると思いますけれども、ホルムズ海峡に機雷をまかれたことが日本を海上封鎖されて、その状況と防衛大臣として同等だとお考えかときいているわけです。
中谷:色んな状況がございますが、まず前提として我が国と密接な関係にある外国に武力攻撃があったという場合ですよね、お尋ねは。そういう事態にあたるかということですか?
辻元:質問きいてください(笑)。ホルムズ海峡に機雷がまかれた場合に存立事態。武力行使ができると、機雷の除去にいけると言っているので、先ほど法制局長官は機雷について海上封鎖をひとつの例に挙げられましたので、ホルムズ海峡の機雷掃海が海上封鎖をされたときと同等の日本にとって打撃かときいているわけです。
中谷:いろんな状況がありますが、辻本先生のお尋ねはホルムズ海峡に機雷をまかれた場合が我が国の存立事態にあたるかというご質問でしょうか?
辻元:認識が海上封鎖されたときと同等かという。
中谷:質問の趣旨がわかりませんが、我が国周辺に機雷がまかれた場合と、海上封鎖された場合と、ちょっとあまりにもその2つの比較において判断する要素としていろんな国際情勢もありますし、かなりのケースも考えられるので一概にどうとは言えません。
辻元:これは私が申し上げたのではなく、法制局長官が先ほどそういう答弁をされましたのでそれでお聞きしているわけですよ。違う角度からお聞きしたいと思いますが、中谷防衛大臣がホルムズ海峡に機雷が設置された場合の掃海について、受動的かつ限定的な行為とそういう答弁をされていますが、ここでいう受動的とはどういう意味なのでしょうか?
中谷:機雷を掃海する作業自体は機雷を処理をするということでありまして、これは通常の行動といたしましては受動的ということであります。
辻元:他に自衛隊の作戦行動で受動的・限定的と言っているものはありますか? ほかの作戦行動で機雷が受動的って、中谷大臣の答弁を私はひいて申し上げております。なので他にあるか? って。他に自衛隊法とかいろいろと自衛隊の作戦行動をみますと、他に自衛隊が受動的・限定的といっている行為は武器等防護なんですよ。
そしたら機雷の掃海というのは、これは戦争の一環とみられていることと、武器等防護で受動的・限定的と使っている、防衛大臣におききします、これ全く違いますよね、概念が。防衛大臣も性質上、受動的とおっしゃってるんですよ。武器等防護と一緒ですか、機雷の掃海は。
中谷:現行の自衛隊法においては自衛隊の部隊については、武力攻撃に至らない侵害が発生した場合に、我が国の防衛のために武器や防護をするため極めて限定的かつ受動的な武器使用の権限が定められているということであります。機雷の掃海に関しましては、受動的という意味におきましては掃海自体は、あるものを処理すると。これを布設としますと受動的だとは思いませんが、あるものを処理するという意味においては私は受動的という認識を抱いております。
辻元:日本の同盟国は米国だとよく言われていますけれども、いや、中谷大臣がいつも言っておられることですけれども、アメリカの統合参謀本部の資料に機雷作戦というのが出ているんですね。機雷作戦というのは戦争の一環ですよ。
機雷作戦のなかには能動的なものと受動的なものがあるんです。受動的なものというのは、脅威の特定とかそういうのが受動的で、機雷の探索や掃海や無力化は能動的行為なんですよ。それを武器等防護と同じ、受動的・限定的と。要するに、ホルムズ海峡の掃海を例外としてその根拠として受動的・限定的という言葉をずっとお使いになっているわけです。国際的にみたら通用しません。
ですから、この言葉は今後お使いにならないほうがいいと思う。能動的なんですね、アメリカだって能動的だって言っているわけです。総理、なぜこれをいうかというとですね、機雷というのは今まで湾岸戦争のときも、サウジアラビアは自分の領域に機雷がくるかもしれませんと、掃海しました。
あとアメリカとイギリスだけなんですよ。これはどういうことかというと、戦争当事国しかやっていないんですよ。停戦前に行くということは非常に危険度が高いんです。停戦後に行っても危険度は高いんです。掃海だといって、相手から攻撃される可能性もあるわけです。もしもミサイルで攻撃されたらどうするんですか?
そこから戦火が広がるんじゃないですか? そして相手の中東諸国含めて、日本が機雷の掃海に行くということは相手国からみれば敵国になるわけです。そうすると私が心配しているのは日本国内や日本人がテロに狙われる可能性は増えると思いますよ。
そして、自衛隊も任務が増えるわけですから自衛隊員が死亡したりするリスクの論理がありますけど、増えると思いますよ。
ですから受動的とか能動的という言葉でいうんじゃなくて、これは機雷の掃海、海の掃除に行くのとは違うんです。軍事作戦行動の一環なわけです。ですから日本人が機雷の掃海に行くことによって、世界中からテロに狙われたり、日本国内もテロに狙われるかもしれないです。
なぜこのようなことを申し上げるかというと、総理はですね、ちょうど1年前のこの委員会で大串議員への質問なんですよ。なんらかの事態があり得ないというのはそれは全く現実から目を背けているダチョウの論理に近いわけでありまして、起こってもらいたくない論理には目を背けるということです。
要するに戦争というのはリアクションがあるんです。ちょっとだけといって行って、いつも大きな戦争に広がっているわけです。総理、こうもおっしゃってますよ……、
安倍晋三氏(以下、安倍):早く質問しろよ!
辻元:絶対にないという政治家……。
某議員:早く質問しろよってなんだよそれ!
辻元:(語気を強めて)委員長、総理大臣が質問者に対して「早く質問しろよ」と言って、ご自身の答弁は延々とされてきたんじゃないですか。皆さんそうでしょう!
議長:じゃあ終わりますよこれで、1回速記とめてください。
(速記再開)
辻元「私はとてもさびしい気分になりました」
辻元:……答弁結構です、もう。「早く質問しろよ」という総理大臣にいま、答弁はもう結構です。私はとてもさびしい気分というか、情けない気分になりました。いま人の生死とか戦争とかについて話しているんですよ。ですから私は先ほど、大げさなこと申し上げたんではないんです。
実際にこの間、ISILに2人つかまったり、法人がテロに狙われているわけです。世界中で湾岸戦争などに参加している国は、誤解もありますけど、その国の国民がテロに狙われたりする率はすごく高くなってる社会なんですよ。
総理はこうおっしゃってます。起こりうるかもしれないことについて絶対ないと。言い切る政治家は無責任。去年の今日、ここでおっしゃったんですよ。ですから起こりうるリスク、総理は目の前のことしか見ていない。そのあとに何が起こりうるかということについて申し上げて、質問終わります。
安倍首相「早く質問しろよ」と辻元清美議員へヤジ 抗議受け謝罪
安倍晋三首相は5月28日、安全保障関連法案審議が行われている衆院平和安全法制特別委員会で、質問していた民主党の辻元清美議員に、自席から「早く質問しろよ」とヤジを飛ばした。審議は紛糾し、民主党が抗議したため、首相が陳謝した。時事ドットコムなどが報じた。
28日の審議では辻元氏ら民主党議員が、前日の審議で不適切な答弁があった中谷元防衛相に照準を合わせて追及。この戦法が首相を刺激したとみられる。首相はやじの後、「(辻元氏が)延々と自説を述べ、私に質問をしないというのは答弁をする機会を与えないということから言ったが、言葉が少し強かったとすれば、おわび申し上げたい」と述べた。
この日は、首相が積極的に答弁に立とうとする場面も目立った。首相は、いら立った様子で「(答弁者の)指名権は(質問する)委員にはない。そのことをよく勉強した方がいい。委員長が議事進行を仕切る」とも語った。
(時事ドットコム:安倍首相やじ「早く質問しろ」=抗議受け陳謝−衆院特別委 2015/05/28 14:43)
安倍首相は前日27日の特別委で、「与党側は礼儀正しく(答弁)聞いている。(野党の)みなさんも少しは見習ったらどうか」と発言、野党側にヤジをやめるよう呼びかけていた。首相は2月にも野党議員をやじって陳謝している。
一方、辻元氏は、自身のブログに「安倍総理のヤジは、私ひとりの問題ではありません。立法府の委員の質疑を、行政府の長が妨げるということは、三権分立や民主主義の基本がわかってないといわざるをえません」などと記した。
他党のヤジは「けしからん」といいながら自分がヤジ飛ばす そして結局陳謝する安倍首相の「品格」
2015年5月28日の衆院特別委員会で、安倍晋三首相がまたしてもヤジを飛ばし、陳謝に追い込まれた。首相は2月の衆院予算委員会でも「日教組どうすんだ?」などとヤジを言って謝罪したばかりだ。
前日、自身へのヤジに「議論の妨害はやめていただきたい」と言っていただけに、野党は「政治家、総理大臣として以前に人としていかがなものか」と反発を強めている。
「早く質問しろよ!」
安倍首相は安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会で、質問に立った民主党の辻元清美議員に対し、「早く質問しろよ!」とヤジを飛ばした。野党側が「なんだ、そのヤジは!」と反発し、一時審議がストップした。
結局その後、追及を受けて、
「自説を述べて質問をしないのなら、答弁をする機会を与えないということだから『早く質問をしたらどうだ』と言った。言葉が少し強かったとすれば、お詫び申し上げたい」
と陳謝した。
首相の言い分だと、辻元氏が1人で延々と話していたようだが、実際はそうではない。中谷元防衛相の答弁を受け、3分あまり話している最中に首相がヤジを飛したのだ。首相の釈明が原因かは分からないが、ツイッターには「辻元が30分以上演説し、総理がいらだった」とするデマが流れる騒ぎもあった。
首相がヤジを飛ばして謝罪に追い込まれるのは、これが初めてではない。2月には当時の西川公也農水相を追及する民主党議員に対し、自席から「日教組(日本教職員組合)どうすんだ?」などと「不規則発言」。結局、その時も後になって「正確性を欠く発言を行ったことは遺憾」などと陳謝した。
前日には野党のヤジを批判
そもそも安倍首相が審議中のヤジをどう考えているのかはっきりしない。
5月27日の特別委員会では自身へのヤジに「静かに」と人差し指を口に当てて、
「議論の妨害はやめていただきたい。学校で習いませんでしたか」
と言ったばかりなのだ。
それだけに「早く質問しろよ!」発言には野党の反発は強い。民主党の枝野幸男幹事長は、
「ヤジを『けしからん』といった当人が昨日の今日ですから。政治家、総理大臣として以前に人としていかがなものか」
と批判し、さらなる謝罪を要求した。
過去には1日の中で自らへのヤジを批判する一方、質疑相手の発言中にヤジを飛ばしたこともある。14年7月の参院予算委員会で民主党の福山哲郎氏の質問に答弁している時に「ちゃんと答えて」とヤジが飛ぶと、
「大事なところだから黙って聞いていただきたい」
「今、丁寧に答えているんですから、少しは忍耐力を持って」
とイライラした様子でヤジを制した。
にもかかわらず直後、福山氏が質疑の中で「自民党のある議員が」と話すと、「名前を言わないと分からない」とヤジを飛ばした。福山氏から注意を受けると、隣の麻生太郎財務相と顔を見合わせ、苦笑いを浮かべていた。
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