ゴールデンウィークいいなぁ、私たちも2週間ほど前イースター休暇だった気がしますが、休暇明けが修論のプレゼンやらあったから、ぜんぜん休みでも何でも無かったですし。
大学時代、長期休みはフィリピンやら他の海外ばっかり行ってて、日本の観光地をほとんど知らないから、国内旅行をいつかゆっくりしたいです。というか温泉行きたい(笑)、癒しが不足してますね。
さて、修論のためのインタビュー対象者が見つかりません。現在大学に通っている点字使用の学生で、初等教育中等教育を盲学校に通った人を3人、一般学校に通った人を3人それぞれ探しているわけなのですが。
私がインタビュー対象者を見つけるのに、思った以上に苦労している理由には、イギリスと日本の状況の違いがあると思います。
以下、どっちの国のやり方のほうがいいとか正しいとか言うのは横に置いて、なるほど、インクルーシブな社会を突き詰めるとそうなるのねっていう発券と共に、イギリスを見て行きたいと思います。
最初に結論を書くならば、障害の有無などに関係なく地域社会に参加する、地域の学校に通う、そういうのがインクルーシブな社会だとしたら…、障害者たちはたいてい、自分以外の障害者を知らないのです。
福祉の問題も各地域で解決し、各地域のスポーツセンターや図書館、学校などが様々なニーズのある人たちを受け入れるならば、世の中に障害者向けのスポーツセンターや図書館、特別支援学校などが存在しなくなっていくんですね。
もう分かっていただけるでしょうか、私がなぜインタビュー対象者を見つけられないかを。繋がってないんです、視覚障害者たち。人から人への紹介で対象者を探すことができないのです。
なるほどな、インクルーシブを極めるとこういうことが起きるのかと、何だか新鮮です。まあ確かに、障害が社会参加のバリアにならないというのは、一見社会において障害者を見つけられないことを意味しているのでしょうか。
日本で視覚障害者を対象にリサーチがしたいならとっても簡単です。とりあえず筑波の盲学校を中心に規模の大きめな盲学校幾つかにアプローチし、日本盲人連合と、盲人福祉協会辺りにアプローチすれば、日本における視覚障害者の情報はたいてい手に入ります。
たとえ一般の学校に通っていたり、大人になってから失明した人でも、何らかの形で視覚障害者関連施設にお世話になっている場合がほとんどなので、基本的には盲学校の先生方か職業訓練施設関係者の誰かが、情報を把握しています。
ところがイギリスはそうはいかないわけです。一応、英国盲人協会というとても大きな団体があります。しかしここが主にやっている活動は、視覚障害者の権利について政府に訴えたり、視覚障害者受け入れに関して、地域の学校や大学を指導したり、個人を対象にするレベルではなくて、社会に働きかける活動が中心です。
そしてこれ以外に、いわゆる視覚障害者の団体や、彼らが集まる施設などがほぼ存在しないわけなのです。それって…、今大学に通ってる点字使用者がいるかどうかとか、個人の情報を把握してる人っているの?…という。
これは外国人の研究者泣かせですよ、どうやって対象者を見つけろと?各大学や地域の福祉課に問い合わせても、個人情報だから教えられないって言われますからね。
日本の人たちが、自国発症の視覚障害者向けスポーツであるブラインドテニスを世界に広げようとして、イギリスにも紹介したみたいですがあまり浸透してないって言ってたのですが…、まあ、そりゃそうだろうなぁって思います。
だってこっちの視覚障害者たちは、集まらないんですから。日本のように、盲学校の卒業生同市の口コミでテニスクラブの話しが広がって、障害者スポーツセンターがあって…、同業者同士がしょっちゅう出会う世界とは違うのです。
水泳や陸上など個人でできるスポーツならまだしも、相手が必要な競技やチームスポーツは、この国の障害者には広がらないだろうなぁと思います。なかなかこの状況は、日本の盲学校育ちである私には想像しにくいんですけれど。
障害者スポーツを広める人たちがよく使うキャッチフレーズとして、「スポーツを通しての障害者の社会参加促進」などと言いますが…。ある意味、障害者の自由な社会参加が極められてしまったら、障害者スポーツは成り立たなくなるってこと…、この矛盾に気づいてるかな。
それにしても、自分以外にとくにって視覚障害者を知らない生活は、目標が立てにくくはないのでしょうか?ロールモデルが身近にいないのは、色々不安だったり、情報を得るチャンスを逃したりしないんでしょうか。
何だか常に自分が切り開いていく道が全てで、よほど強い意思と目標を持って無いと、道を見失ってしまう気がするんですけれど。
それこそ学校選びも、一般学校に行った子と盲学校行ってる子を見比べて、どっちの学習環境のほうが良さそうかなぁって思いながら、親は自分の子をどっちの学校に行かせるか判断するのではないのでしょうか?
自分はあげものはできないって思ってたけど、ドーナツあげてる全盲の友だちがいるらしいからあげものもできるらしいとか、全盲だけでカラオケ行った人たちがいるから曲入力も工夫次第でできるらしいとか、友だちの影響で新たな可能性に気づくことが沢山あるんですけどね。
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