犯罪人引き渡し条約:日中で締結協議を北京で開催へ
毎日新聞 2015年06月01日 20時53分
外務省は1日、日中両国の犯罪人引き渡し条約締結に向けた協議を3、4日に北京で開催すると発表した。2010年2月の初協議以降、中断していたが5年4カ月ぶりに再開する。日中首脳会談が昨年11月と今年4月に相次いで行われ、両国の関係改善が進んだことが影響したとみられる。
協議には日本側は下川真樹太・外務省アジア大洋州局審議官、中国側は孫昂(そん・こう)外務省条約法律局参事官らが出席する予定。両国間の法制度の現状や条約締結に向けた方針などについて意見交換する見通し。
警察庁の統計によると13年末現在、日本から海外に逃亡した容疑者798人のうち209人が中国に逃げたとみられ、国別では最多だった。
引き渡し条約は、海外に逃亡した容疑者の引き渡しを相手国に義務付け、その要件や手続きを定めており、日本は米国、韓国と締結している。
日中間では、08年5月に胡錦濤国家主席(当時)が訪日した際、首脳会談で協議開始を確認。10年に初協議を行ったが、12年9月の沖縄県・尖閣諸島の国有化などで両国関係が悪化したため中断していた。【小田中大】