ブラッディ・ウェポンズ (ダッシュエックス文庫) 築地 俊彦 さらちよみ 集英社 2014-12-19 売り上げランキング : 522175 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
世界中に殺人兵器をばらまいた親が死んだ後、
信崎流壱に残ったのは、莫大な遺産と世界中に散らばる武器流通のコネクションだった。
目の前で人が死ぬのが当たり前の状況で育った流壱は、
高校生ながらも親が売り払った武器の回収を目的として生きることを決意。
命を狙われることもしばしばだが、
信頼できるとぼけた凄腕ハッカーや歴戦の修羅場をくぐり抜けた女殺し屋たちとの“仲間の絆”を信条に、
自分の通う学校を買収したり、日本政府やロシアンマフィアを敵にまわしたり、
つねに破滅と隣り合わせの裏社会にその身を投じていく―。
ユカイでアブナイ仲間たちが世界に火薬をまき散らす、
ギャングスタ・ソリッドアクション開幕!!
ぬるい。
キャラクターは悪くないと思います。
展開もおかしくはない。
面白くなりそうな要素はあるものの微妙に面白くない。
色々要因はあると思いますがマフィア同士の抗争というところが
イマイチ想像が追いつかないというのが原因だと思います。
この平和な世の中じゃあ剣と魔法の世界よりも遠いお話なので
そこらへんを魅力的に描写すること、身近に描写することが大切なのではないでしょうか。
SFが流行らない理由に専門用語や前提の知識がないと楽しみ辛いということがあるのですが
本書のギャングアクションというジャンル(?)も同じことが言えるのだと思います。
そこらへんの知識やギャングアクションのうまみをうまく盛り込めていない感があります。
全体的に苛烈さ、えげつなさの演出がぬるい。
主人公サイドが善玉寄りなので仕方がないのかなーとは思うのですが
ちょっと盛り上がりに欠けるのが残念。
エンディングで保険医の美原がスパイだということが読者にだけ分かり
今後の展開に凄く興味を持ったのですが
スパイだけどやっぱり善玉寄りの組織の人でしたーということが分かって
せっかくのドキソキワクワクハラハラ感が霧散した。
ああーぬるい。
ラスボス(?)っぽいキャラクターが絶望厨なので
そいつ殺せば何とかなるんじゃあと思ってしまうのもマイナスポイント。
主人公にとってやるべきことはラスボスを何とかすることだけではないので
ぶっ殺せたところで俺達の戦いはまだまだ続くぜ!
ってだけなんですけどやつさえいなければ割合何とか収まりそうなので
そういう安心設計が燃え足りない。
そいうかナナセは何故シマを信用してしまうのか。
むしろ寝首をかこうぜ!
シマが気持ち悪いと思うのならそんな依頼けっちまおうぜ!と思うのですが。
シマの依頼を受けた心理、状況がよく分からない。
どうしてそうなった。
平和な家庭で育ったシマが悪玉で、
不穏な家庭で育ったリュウイチが善玉という構図は面白いと思います。
そんなわけでブラッティ・ウェポンズ、感想終了。
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