クリント・イーストウッド監督作品ということで、
期待に胸を膨らませ満を持して9月2本目の映画に突撃ラブハートを決め込む。
イーストウッドだけでもすでに観に行くことは決まっていたのに、
わたしの好きな時代背景の描写+ミュージカルを映画化とのこと。
非の打ち所ないほどの古くさいポスターを一目見ただけでその心は奪われている。
映画好き同行者を誘って突撃ラブハーーーーーー卜!!!!!
まずね、左隣の女がね、サブウェイ食い出して驚き。
サブウェイってわたしの専売特許だろ?!と思いつつも、野菜のシャリシャリ感はわりと劇場内に響く。あと、紙のガシャガシャ感。
頼むから、始まる前に食えよ!つか、持ち込み禁止!!!
さっさとくい終われよこのアマ!と、思いつつもスクリーンに集中。
軽くネタバレを含むけれど、いわばサクセスストーリー()なので
これから、仮面ライダー555観る人に「乾巧ってやつの仕業なのだ」って言うほどの壮絶なネタバレと重要性はないかな。
まずこの、【ジャージー・ボーイズ】
実際のニュージャージー州から誕生した【ザ・フォー・シーズンズ】の軌跡を描いたもの。
元ネタはブロードウェイミュージカル。
ここで、ミュージカル苦手!って思った人は劇場に足を運ぶことはないだろう。
加えて、いわばオールディーズの音楽文化。オールディーズを一度でも耳にしたことがない人は無理だろう。
つまりは、以前わたしがブログに書いたようにビックボーイやびっくりドンキーに行って居心地の良さを感じたことがない人は オールディーズが肌に合わない()と感じ劇場に足を運ぶことはないだろう。
そして、映画好きじゃない。映画わからない。こちらの人も、価値観()の相違から劇場に足を運ぶことはないだろう。
よって、好き嫌いがはっきりと別れる作品。
だからこそ、今作はクリント・イーストウッド感がさほど感じられなかった。
ティム・バートンのティムイズムみたいな、あざとくて露骨なオシャレの押し付けがましさはない。
フランク・ダラボンのほらほらお前ら泣けよこーすりゃ泣けんだろ?泣いとけよ!というフランク流儀涙腺刺激法もない。
だけど、間延びすることなく物語は流れていく。
流れていくにつれて、歌もうまくなる主人公フランキー。
ちなみに、予備知識はほぼなかったのだが これだけは知っていた!
歌のパートは後の録音ではなく実際に撮影しながら歌ったらしい。
劇場の素晴らしく整った音響環境で聴くとレコーディングの後付ではないのがすぐわかる。
劇場ならではの環境ならば、心の奥に響くような彼の歌声が堪能できるだろう。ちなみに、ブロードウェイも同じ俳優さんらしい。そりゃ小慣れてて当然だわな。これがダイヤの原石だったら……なんて考えは捨てよう。
わたしの父はよく何にかぶれたのか洋楽ばかり聴いていたため、物心ついたころから洋楽漬けだった。
車内でもエンドレス洋楽。たまに、母が中森明菜を推す程度。
つまりは、洋楽の英才教育を受けてすくすくと純粋無垢に育ったのだ。
中学時代に父親のレコードプレーヤーをせしめとり 我が物顔で自室に置き、レコードを嗜み時間の流れるままに過ごしていたという中二病も経験済み。
そのときふと出会うべくして出会ったのが、オールディーズ。
でもレコード盤はもっていない。古すぎてそれどころじゃない。
そして、気がついたらなんとか通販の
【オールディーズCDが10枚セット!一万円!なんと一万円!!】みたいなやつを購入していた。
一万円となると中学生にしては大金だ。
中二病を患っていたわたしにとって、中二病グッズのために微々たるお小遣いはすべて使い果たしてしまう素行の悪さ。きっと、宵越しの金は持たねーぜ!みたいな漢気心理。
なので、比較的スローテンポでわかりやすい歌詞をいいことに
「英語の勉強になるから買って」とせがんでみた!間髪入れずにすぐ却下された!
仕方ないから、お小遣いを前借りして買った。洋楽棚が華やかになり心が踊った。
劇中で、たぶん一番稼いだでだろうボブが作曲に夢中になりバスを乗り過ごしそのときにふとひらめいた女性の名前。“Sherry”と発する。
わたし「ファッ?!?!?!SherryってあのSherry?え?うそうそ?」と、取り乱すもすぐ聴き覚えのあるメロディーとフレーズが流れる。
お前らだったのかよおおおおぉぉぉぉぉお!!!!!
動揺してていても物語は進むわけで、あんなことやこんなことがあっても乗り越えてボブが渡した一曲。フランキーのソロで終盤。
♪“You're just too good to be trueCan't take my〜”♪
わたし「うそぉぉぉぉぉおん!!!!元ネタから知ってはいたけど、歌ってたのお前だったのかよー!」
よくカバーされまくっている“Can't Take My Eyes Off You/君の瞳に恋してる”
はっと驚くわたし。演技もさることながら主人公の歌声がそっくり過ぎて草すら生えないレベル。
一人だったら感極まって胸に手を当てて深いため息をはぁーっと吐き出していたところ。
ほんとこのシーンは素晴らしかった。
古き良きアメリカを演出するための全体的の色味の薄さ。そこに絶妙なバランスで加わるライトの加減…バックバンドの高齢化率がまた一味添える。
アカデミー主演男優賞狙えるんじゃないか?
こうして、時は流れ
年を取った【ザ・フォー・シーズンズ】がレコード賞の会場で集う。
若かりし頃を好み一曲歌うのだが、そのうち彼らが後ろを振り返ると若返る仕様。
これ、フラッシュバック2012じゃね?!?
これ、リン・ミンメイじゃね?!?え、なに、天使の絵の具始まるの??
つか、イーストウッド・・・
マクロス観てたのか!!!
と思うもきっとこれは、ブロードウェイ版のミュージカルでもそうなのだろう。
なぜか若返ったザ・フォー・シーズンズのメンバーは街頭の灯りの下でアカペラを披露し、またここで観客の鳥肌を誘う。
そして、次々に出演者が集まってきてフィナーレを飾るミュージカルあるある。
最後だけミュージカルらしくなってんじゃねーぞ!
でもこれがまたいいんだよ、これでいいんだよ。
エンドロールは、本家の「Sherry」
最後まで憎いぜイーストウッドさんよ。
題材がミュージカルなだけにさぞ苦労はしたと思う。だがやっぱり貴方ならやってくれました!
【ジャージー・ボーイズ】
久しぶりに映画に出会った気がする。あ、種籾じゃないですよ。
たぶんこれ、もう一度行く。
それくらいちょっと魅せられてしまった。派手さがないので好き嫌いが分かれそうだが、個人的には後味のいい良作。
あ。クリストファー・ローケンが踊り出したときに笑った同行者。
お前はぜったい許さない!
クリストファー・ローケンが出てきたときに「うわぁ♡」ってなったわたしの気持ちを返せ!!!
終わったあと、このことについて深く追求すると
「おじいちゃんが踊り出すんだぞ?おいおい、だいじょうぶかよ!だろ?」と、一蹴された。
「あのおじいちゃんは、舞台出だし歌だってうまいし踊れるの(´;ω;`)(´;ω;`)」
「・・・・・お、おう」
やっぱりお前はぜったい許さない!
今すぐヘアスプレー観ろ!!
ここで一つ紹介をば。ミュージカル好きなわたしが選ぶおすすめミュージカル映画。どどんっ!
上記にもでた
【ヘアスプレー】
最っっっっっ高に楽しい。
こんなにいい気持ちになれるのかってくらいハッピー()な映画。
キャストの歌唱力は申し分なし。ジョントラボルタの女装が見どころ。
ジェームズ・マースデンに関してはアリーmyラブの頃から追っている歌がクソ上手い俳優さん。同じくミュージカル映画【魔法にかけられて】なんかにも出てる。
クィーン・ラティファも出てるがこちらは後ほど。
クリストファー・ローケンが歌い踊り出すので注意。
【シカゴ】
ブロードウェイ版が来日のときには足を運び、
また行こうと思っていても米倉○子がどこからともなくしゃしゃり出ていてしねしね状態になってからは行ってない。
見どころがあり過ぎて書ききれないが、個人的にはミスター・セロファン。
アカデミー賞作品賞だったので察し。
こっちにも、ダイナミックな歌声のクィーン・ラティファが出演している。
【マンマ・ミーア!】
もちのろんのこと、四季のマンマ・ミーア!も北は仙台 南は名古屋まで数年は鑑賞しに通った。
それくらいABBAがすき!終始ABBAのヒットソングで送るミュージカル映画。
映画はその後だったため、「評価は厳しくなるぞ!」って意気込んで実に行ったものの、
仕上がりの完成度に満足。
シカゴに出てる人が出てるよ!ダレカナダレカナ
突然歌い出すのがNGな人は気をつけて。
ちなみに、ピアース・ブロスナン。あ。007の人ね。
お前はもう二度と歌うなよ(# ゚Д゚)
【プロデューサーズ】
本家が古い映画【プロデューサーズ】
それを、リメイクしてブロードウェイで上演しまたそれを再映画化したのがこの映画。
元ネタが古いだけあってとてもミュージカルミュージカルしてるので、高難易度。
苦手な人はホントダメだと思う。
古いミュージカルが好きな人、クスクスと笑えベタな展開を読み取れる人なら楽しめる。
秋の涼しさを感じながら楽しい映画タイムの参考になればいいですお。