ハリルホジッチ「勝つ文化を伝えたい」
イラク戦、シンガポール戦メンバー発表
会見に出席したヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、いつものようにスクリーンに選手名を表示して自ら発表。「パフォーマンスで選んだ」というメンバーには、海外組からは、本田圭佑や香川真司、長友佑都ら常連が選出された。国内組は、5月に行われたミニ合宿に参加した丹羽大輝を抜てき。「センターもできるし、サイドもできる。彼には代表に入る資格があることを証明してもらいたい」と期待を寄せた。また、出場機会に恵まれていない川島永嗣を招集した理由については「どんな状態かを見たかったから」と説明。「23人にするにはまだ様子を見る」と、いまだ選考が続いていることも示唆した。
この2試合を厳しく戦っていきたい
ヴァイッド・ハリルホジッチ(サッカー日本代表 監督)
霜田正浩(日本サッカー協会 技術委員長)
ハリルホジッチ W杯の予選が始まる。アジアカップの予選もある。ハイレベルな戦いが始まる。できるだけ良い準備をしようと思う。今回の合宿は少し難しい問題がある。どういうことかと言うと、各国のリーグ戦など終わる時期が違う。5月23日に終わっている選手もいるし、長友や本田はつい最近終わったばかりだ。そのために準備の仕方が変わる。国内組は6月8日に合流する。つまり1から4グループあって、4グループ目が国内組ということだ。合宿が難しいと言ったのはこのためだ。個人個人の特別なメニューを行う。フィジカルテストも行う。彼らがどのような状態なのかを知るためだ。そしてメンタル的な部分も確認する。何人かの選手はクラブを変えるし、その準備もしなければならない。テクニカルスタッフ全員で多くの仕事をしたいと思う。難しいことはいっぱいあるが、われわれの目的は勝利を続けることだ。3月に2試合勝利したが、それをさらに続けたい。今回はイラクと対戦する。W杯予選はシンガポールと対戦する。この2試合を厳しく戦っていきたいと思う。
まずリストを発表する前に、皆さんに少し情報を見せたいと思う。われわれが合宿でどういう準備をしてきたかというものだ。私が日本に着いてから、J1、J2、J3を含めて116試合を見に行った。(ヤマザキ)ナビスコカップは28試合だ。AFCチャンピオンズリーグは24試合で、欧州視察も含めてライブで見に行ったのが171試合ある。スタッフ全員で349試合を映像で見た。トータルで520試合を皆で見た。皆さんにこれを紹介したのは、代表のスタッフがこれだけ仕事をしているということだ。オフィシャルのミーティングは12回やった。2時間から4時間かけてミーティングをする。これ以外にも毎日ブリーフィングをする。代表監督というのはこういう厳しい仕事をやっていることを皆さんに知ってもらいたい。われわれの目標は日本のフットボールを向上させることだ。もっと高いレベルに持っていくことだ。まずはロシアに行くことが目標になる。この合宿には25人選んだ。
以下、メンバー発表
GK:
川島永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)
西川周作(浦和レッズ)
権田修一(FC東京)
東口順昭(ガンバ大阪)
DF:
酒井宏樹(ハノーファー96/ドイツ)
酒井高徳(シュツットガルト/ドイツ)
長友佑都(インテル/イタリア)
太田宏介(FC東京)
吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
丹羽大輝(ガンバ大阪)
槙野智章(浦和レッズ)
森重真人(FC東京)
MF:
長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)
柴崎岳(鹿島アントラーズ)
山口蛍(セレッソ大阪)
谷口彰悟(川崎フロンターレ)
香川真司(ドルトムント/ドイツ)
清武弘嗣(ハノーファー96/ドイツ)
FW:
本田圭佑(ミラン/イタリア)
原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)
宇佐美貴史(ガンバ大阪)
武藤嘉紀(FC東京)
岡崎慎司(マインツ05/ドイツ)
大迫勇也(ケルン/ドイツ)
川又堅碁(名古屋グランパス)
宇佐美には非常に期待している
次はディフェンスについて話したい。酒井宏樹は今季かなり試合に出て、良い仕事をしていた。高徳はあまり試合に出ていない。彼もどのような状態で帰ってくるかを見極めたい。長友はこの2試合、90分出ている。数週間前に長友に会ったが、彼はかなり経験もあるので期待している。2試合に向けて準備はできていると思う。太田もクオリティーがかなり高い。オフェンス面の能力は高いし、ディフェンス面も進歩している。彼も競争の中に入っている。
センターバックについて。吉田はサウサンプトンでここ2試合はあまり出なかったが、われわれに力強さを与えてくれる。彼に期待したい。丹羽は新しい選手だ。彼も競争の中で成長してほしい。経験のある選手だ。日本代表ではプレーしていないが、合宿で見た。彼のほかにも候補はいたが、今回来てもらった。彼はセンターもできるし、サイドもできる。彼には代表に入る資格があることを証明してもらいたいと思う。槙野も良いシーズンを送っている。ここ最近もかなり良いパフォーマンスを見せてくれている。彼にも話をした。ポジションに戻ることとか守備における厳しさの話をした。ここ最近、良いプレーをしていると思う。森重はここ数年、代表に入っている。クオリティーがあるし、さらに伸びていくと思う。彼にはプレーヤーとしても人間としても期待している。
次はMFについて話したい。中盤はバランスを取って6人だ。長谷部は常にプレーをしている。彼はリーダーでもあるし、かなり期待している。チームに力を与えてくれる。彼については特別扱いはしないが、シーズン通してプレーしたので丁寧に扱っていかないといけない。柴崎も能力があって、可能性がある選手だ。そして将来を期待できる選手で、日本代表に多くの貢献をしてくれるだろう。山口はJ2でプレーしているが、ボールを奪う選手として期待している。ただ、膝が少し心配だ。彼には存在感を発揮してもらいたい。そして谷口だ。パワーがある。日本代表には少しパワーが足りないので、彼のような選手が必要だ。彼がチームに何かをもたらしてくれると思う。そしてわれわれと一緒に向上してもらいたいし、チャンスをモノにしてほしい。香川はカップ戦の決勝で負けてしまったが、彼にとっては良い試合だった。最初の得点は彼のパスから生まれた。得点を決めるチャンスもあったが、残念ながら外してしまった。ちょっとデリケートなところはあるが、彼には良いパフォーマンスを発揮してもらいたい。かなり期待している。何日か休んでここに来ると思う。清武も良いシーズンを送った。最後にチームを(2部降格の危機から)救った。ヘディングで得点したし、テクニックのクオリティーも高い。パワーが少し足りないが、われわれの代表に力強さを与えてくれる。彼の経験が代表に良い影響をもたらしてくれると思う。
次にFWだが、7人選んだ。4人ほどはサイドで、3人は真ん中。少し前の選手が欲しいと思った。リーグ戦の後でかなり疲労もある。けががあれば代えたいと思うし、もしかしたらこの中の何人かは最後まで(メンバーに)入れないかもしれない。とにかく全員でトレーニングをしていきたいと思っているし、野心とモチベーションを持ってやっていってもらいたいと思う。本田はシーズン終盤にかなり良いチャンスを作っていた。チームとしては良いシーズンではなかったかもしれないが、彼にはかなり期待している。能力もあるし、違いも生み出せる選手。日本代表にもっともっと大きなものをもたらしてほしい。原口は少し新しい(メンバーの)選手で、サイドで使いたいと思っている。ほぼ全試合90分出ており、左でも右でも出場している。テクニックが高く、タクティクス(戦術)も能力がある。いろいろなゾーンで活躍できる選手だ。私は(今回)初めて彼に会うが、ポジションを奪ってほしいと思う。
宇佐美には非常に期待しており、彼とはたくさん話をした。私のスピーチを彼は受け入れてくれたし、良いシーズンも送った。得点王にもなりそうだし、能力がたくさんあるので今後もより向上していくと思う。武藤も同じく非常に能力がある。良い選手になるためにもう少し修正が必要なところもあるが、それは宇佐美もそう。かなり能力が高いし、話もよく聞いてくれ、向上していくと思う。岡崎は本当にたくさん走る選手だ。何試合か見たが、とにかく戦うし、人間性もポジティブなものをたくさん持っている選手だ。われわれのチームに力強さをもたらしてくれる選手だ。大迫もここ最近かなり活躍している。彼もかなり向上する。多くのディスカッションをしているし、良くなる選手だと思う。川又は他の選手と違ってパワー重視の選手だ。ペナルティーエリアの中でパワーで勝っていく選手にしたいと思う。国内で試合するときにもしかしたら使うかもしれない。彼もかなり向上すると思う。
以上が、私の選んだ25人の選手だ。23人にするにはまだ様子を見る。けががないことを祈っているが、われわれの目的は2試合勝つこと。W杯予選を野心を持って戦っていきたいと思う。
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2015年6月2日2時45分 更新
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