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京都市の砂防ダム内に集落 60年にわたり“不法占拠” 京都府、退去求めて本格対策へ

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京都市の砂防ダム内に集落 60年にわたり“不法占拠” 京都府、退去求めて本格対策へ

紙屋川の砂防ダム内に建てられた集落=京都市北区(本社ヘリから)

 府は新年度予算に空き家の撤去費用を計上。まずは空き家となっている建物の撤去を行い、不法占拠となっている状態の解決に向けて着手していくとしている。しかし、長年にわたって居住してきた実態もあることから、即座に強制撤去を行うなどの強硬策は考えていないという。担当者は「すぐに解決できる問題ではないかもしれないが、話し合いの中で解決策を見いだしたい」としている。

行政放置…豪雨災害でクローズアップ、住民と交渉難航

 京都府は、なぜ国有地の不法占拠状態を放置してきたのだろうか。

 府の担当者は「何も対策を取ってこなかったわけではない」と話す。集落には老朽化した物件も多く、改築や増築している家屋には、建設中止の指導や是正指示などをしていた、としている。しかし、ある府関係者は「集落の人数が少なかったこともあり、府政の課題としてクローズアップされにくかったのではないか」と打ち明ける。

 方針を転換するきっかけとなったのは、平成24年夏に起きた豪雨災害だった。浸水被害時にゴムボートで救出される住民が報道されるなどして注目を集め、対策を進めることになったという。当初は集落の居住者数も把握できておらず、まずは現場の調査を実施し、そのうえで対策に乗り出すことになった。

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