ギリシャの「感染力」弱まる-チプラス首相に交渉切り札なし
2015/06/01 17:33 JST
(ブルームバーグ):ギリシャの財政破綻はユーロ圏にも破滅をもたらすというギリシャのチプラス首相の議論に、説得力がなくなりつつある。
救済資金の支払いをめぐるギリシャと債権者側の交渉は週末に進展しなかったが、週明けの市場でイタリア国債とスペイン国債のドイツ国債とのスプレッドはほぼ変わらず。過去1年の平均程度で推移しており、2012年の危機時に比べた影響の小ささが目立つ。
欧州中央銀行(ECB)の量的緩和(QE)が周辺国債の利回り上昇を防いでいる。就任以来、システム全体への危機のリスクに言及し債権者側に譲歩を迫ってきたチプラス首相には痛手だ。
ADMインベスター・サービシズ・インターナショナルのストラテジスト、マーク・オストワルド氏は5月29日のインタビューで、QEがなければギリシャの「交渉の切り札がもっとあったことは疑いない」と指摘した。
ロンドン時間6月1日午前8時29分(日本時間午後4時29分)現在、スペイン10年債利回り は1.86%。ドイツ債との利回り格差は136ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)で、過去1年の平均の122bpからそれほど大きく拡大していない。イタリア債のスプレッドは138bpで1年平均を1bp上回っているだけだ。
原題:Greek Contagion Contained May Weaken Tsipras Bargaining Position(抜粋)
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更新日時: 2015/06/01 17:33 JST