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【辛坊持論】政治家・橋下徹は完全に消えます

スポーツ報知 5月31日(日)16時41分配信

 橋下徹氏はこれからどうするのか? これについて、政界に詳しい識者の見解はほぼ同じです。来年の参院選か、その次の衆院選に出馬、あるいは安倍政権の民間閣僚の一人として、近々政界に復帰するだろうというものです。中には「次の市長選に出ないという発言も本当かどうか分からない」なんて声も聞こえてきます。

 断言します。少なくとも数年以内に彼がどんな形にせよ政界に復帰することはありません。なぜそう思うか? これについて別に本人と話したわけではありませんし、特別な根拠があるわけでもありません。でも、私には分かるんです。

 似たようなケースがありました。小泉純一郎首相が郵政選挙を制したものの、翌年の総裁任期満了で引退を明言していた頃、多くの識者は「これだけの人気を維持しながら引退するはずがない。さらなる長期政権を目指すだろう」と言っていました。この時も私は「この人の性格からしてそれはあり得ない。来年必ず辞める」と断言していました。私には分かるんです。

 今となっては懐かしい話ですが、橋下氏が「2万%大阪府知事選に出馬しない」とマスコミに向かって発言した翌日、読売テレビのメイク室で2人きりになりました。「ホントに出ないの?」と私が聞くと、彼は「出たいんです。でも今『出る』と言うと、収録済みの番組に迷惑がかかります。だから出ると言えないんです」と正直に答えてくれました。その後、各番組との調整が順調に進んで立候補宣言をすることになるんですが、あの時にはウソをつく理由があったんですね。しかし、今回そんな事情は全くありません。住民投票で敗れた後のすがすがしい笑顔は、もちろん負けたことの悔しさを隠す仮面であったことは間違いありませんが、さらにその仮面をめくると「政治家としてやれることは全部やった」という満足感あふれる顔があったのも確かでしょう。

 彼がもし政界復帰することがあるとするなら、それは何かの理由で安倍政権が崩壊し、なおかつ例えば首相公選制が導入されるなどして、一度の選挙で権力の頂点に立てる環境が整った時だけです。

 政治家・橋下徹は、今年の末、完全に消えます。それが大阪市民の判断だったのです。((株)大阪綜合研究所代表・辛坊 治郎)

最終更新:5月31日(日)16時42分

スポーツ報知