【ワシントン=川合智之】情報機関などがテロリストの捜査目的で一般市民の通話記録を収集する法の規定が5月末で失効することを受け、米議会上院は31日、日曜日に異例の緊急審議を開いたが期限の延長に失敗、法は失効した。当局の情報収集活動は一時停止に追い込まれる見通しだ。
上院多数派の野党・共和党執行部は、収集方法を見直した別の法案の採決を目指したが、2016年大統領選に出馬表明したランド・ポール上院議員(共和)が抵抗。採決は2日以降になるとみられる。
米中央情報局(CIA)のブレナン長官は31日の米CBSテレビの番組で「(情報収集は)国民生活にとって重要だ」と訴え、法律の延長を呼びかけた。ポール氏の反対についてブレナン氏は「政治的なスタンドプレーだ」と批判した。
01年の米同時テロを受けて成立した愛国者法の規定に基づき、米国家安全保障局(NSA)は一般市民の通話履歴を秘密裏に大量収集していた。しかし13年にCIA元職員スノーデン氏の暴露で発覚。オバマ米大統領は情報収集活動を見直す案をまとめ、案に基づき下院は新たな法案を可決した。
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