中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

楽天がプロ7年目・中川のひと振りで延長10回サヨナラ勝ち

2015年6月1日 紙面から

楽天−巨人 10回裏無死、プロ初となるサヨナラ本塁打を放ち岩崎(左)らナインから手荒い祝福を受ける中川=コボスタ宮城で(岩本旭人撮影)

写真

◇楽天4−3巨人

 楽天は延長10回に中川のプロ7年目で初のサヨナラ本塁打で競り勝った。8回に3−3に追い付かれたが、9回から登板した松井裕が2イニング無失点と好救援して今季初勝利を挙げた。巨人は序盤に先制しながらリードを広げられなかった。

      ◇

 劇的な勝利を告げる打球が左翼席に一直線に飛び込んだ。延長10回、楽天・中川がプロ初のサヨナラ本塁打。「追い風で角度も良かった。打った瞬間にいったと思った」。巨人戦での9年ぶりの勝ち越しをもたらし、仲間の歓喜の輪に飛び込んだ。

 技と力、読みが凝縮された一撃だった。「ホームラン狙いでいったら差し込まれる。振り負けないように」と大振りは控えた。それでいて、マシソンの152キロの剛速球に力負けしないスイング。さらに「2ボールだったので、真っすぐ一本に絞って振った」。1球目にすっぽ抜けたスライダーは来ないという冷静な判断もできていた。

 愛知県豊橋市の桜丘高からドラフト2位で入団して7年目。当時2軍監督だった大久保監督の秘蔵っ子だ。昨季までの1軍出場はわずか11試合だったが、5月4日に今季初昇格すると21試合で打率3割3分8厘、3本塁打、13打点。ここ4試合連続で5番で打点を挙げ、指揮官の「オレがレギュラーをとったのは7年目の5月。おまえもそうなれ」というハッパを実現しそうな勢いだ。

 デーブ監督は「あいつがバットを振らないで帰ることはない」と、練習に取り組む姿勢を高く評価する。中川は試合の前後も必ず、チェックポイントを意識しながら素振りやティー打撃に取り組む。昨秋は志願して豪州のウインターリーグの武者修行。5月10日のプロ1号を含む3本塁打はすべて外国人投手からで、「ウインターリーグの成果? かもしれませんね」と笑った。

 1軍の舞台で活躍を続けても「まだまだ慣れない。試合前も緊張するし、打席でも緊張する。この緊張感を楽しむことができればいい」と初々しく話す7年目の24歳。伸び盛りの和製大砲は破竹の勢いで成長している。 (小林孝一郎)

 

この記事を印刷する

PR情報





中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ