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バス釣りと共に
バス釣りに人生を掛けた名も無き愚か者の話し

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短すぎる人生に対して
料理というのはあまりに深くて広い

一生かけて歩き続けたとしてもとても極められない
(食激のソーマ/遠月十傑第一席 司瑛士)



今回は竿のお話。
最近竿に対する大きな変革が私の中であったので、備忘録的にココに記そうと思う。
一応前編後編の二部構成にする予定。


このお話で登場する竿は2本。
1本は
バスプロショップス グラファイトシリーズ60M
もう1本は
シマノ スコーピオンXT15101F-2


グラファイトシリーズに関してはこのブログでも頻繁に登場する、現在私が使用している(していた)主力ロッドだ。

元はジャーキング用として購入したのだが、弾性率の低いそのブランクスは非常に幅が広く
5gクラスのショットから1ozクラスのペンシルポッパーまでごり押しできている。

ジャーキングからクランクベイトまで使え、まさに私の右腕的存在となっていた。


このグラファイトシリーズのロッドを持ったときに多くの人か感じるであろうことは
その先重り感である。
実に重たい。
しかしその重さを感じさせず、むしろ活かすことこそが釣り人側に求められる技量であるという考えを私は持っており、その考え自体は未だに変わっていない。

例え多少先重り感があったとしても、私はこのロッドでジャーキングをこなし、シングルハンドでペンシルポッパーを投げたおし、長い間使い続けてきた。


その結果どうなったか。

































腱鞘炎になりました\(^o^)/









ロッドを保持する際に最も負担のかかる(私の場合)左手薬指が連日のジャーキングによりばね指ってしまったのだ。
またその当時自作スピナーベイト(とバズベイト)の製作も進めており
夜な夜なペンチでワイヤーを曲げていたのだが、そのワイヤーが1.4mm径とアホみたいに太いワイヤーだったので
ペンチを握っていた右手の平がマメだらけになってしまった。
その為右手の握力が極端に低下するという二重苦まで発生。


私の両手の力は女子供にも劣るレベルまで凋落してしまった。


そんな中私が心掛けていたのは
より力のない流麗かつ効率的な動作。
まるで武道の世界だ。


キャスティング、ジャーキング
共に今よりももっと力をいれずに効率的にパワーを伝える。

『力はいらない』
常にそれを心掛けていた私だったが、両手の怪我を境により一層意識するようになった。


結果として飛躍的にジャーキングとキャスティングの技術が向上したのだ。
怪我の功名といったところか。
それまでも充分力を抜いているつもりではあったのだが、まだまだ無駄な力が入っていたという証でもある。
両方とも力ではなくやはり技術なのだ。

それを教えてくれたのも、このグラファイトシリーズである。




スコーピオンXT(以後スコXT)はこのブログ開始時によくごり押しタックルとして使用していたロッドだ。


元来は国産のジャーキング向けロッドとしてクロナークと共に購入したのだが、当時まだまだ未熟だった私にはその良さが全く分からず
むしろ『グリップ長すぎてジャークし辛い』とレッテルを貼り
結局グラファイトシリーズを追加購入したという経緯がある。
しばらくはグラファイトシリーズを使っていたのだが、やはり未熟だった私はグラファイトシリーズが担う先重り感というのに嫌気がさした事もあり
冬時期は軽いスコXTを使っていた。
しかしまぁただなんとなく軽いというだけの感覚しか当時はなかったものだが。


そしてしばらくスコXTを使用した後
ジャーキングにはグリップ長すぎやっぱクソ使い辛いということでまたグラファイトシリーズに戻り今に至るという感じだ。





腱鞘炎になってより力の必要としないキャスト&ジャークを心掛けていた私は
ふと久方ぶりにスコXTを使ってみようと思いたんすの肥やしになっていた竿を引っ張り出してきた。


腱鞘炎になってからというもの(もう少し前からだが)
私の感覚、技術、経験ともに爆発的な進歩を見せており
もしかしたら何か新しい発見があるのではないかと思いスコXTを釣り場で使ってみたのだ。





前から薄々は感じてたはずだった。
しかし、進歩した私がグラファイトシリーズを使い込み
なおかつ両手が未だ回復しきってない状態の今スコXTを使った私は驚嘆の声をあげた。


『なんだこの軽さは・・・・・・!?


確かにはじめからなんとなくは感じていた。
スコXTの方が軽いというのを。

だが、両手が破壊されわずかな負荷にも鋭敏に反応するように磨き上げた感覚からは
このスコXTの有している圧倒的軽さ、いわばキャスト時の振り抜け感は
恐怖すら感じるレベルの快感を私にもたらした。



確かに多少先重りしたロッドであろうが釣り人の技術次第で軽く扱う事は可能である。
その考えは今も変わっていない。
しかし、そんな竿を軽く扱えるような人間が
もともと軽い竿を扱ったらもっと楽に使いこなせるという超当たり前の事に今更ながら痛感してしまったのだ。


グラファイトシリーズは確かに幅が広い竿だ。
だが、ブランクス自体の幅が広くても
ロッドのバランスが先にある分適合ウェイト外のルアーを使用した際のキャスト負荷はどうしても技術では補えないところがある。

重たいルアーなら重たい物が先端にあるせいでロッドを保持する為に力を必要とし
軽いルアーならルアーの重さで竿が曲がらない以上力を入れてロッドを振ってやる必要がもあり
いかに軽く、効率的にロッドを操作したとしても
それ相応の腕力が求められてしまうのだ。
健常者ならなんの苦もなく出せる力ではあるが、今の私ではそれすら重労働なのだ。

これは常日頃からダブルハンドで投げている人間では感じる事の出来ない違いかもしれない。
いやシングルハンドでも正常な人間なら気付かなかっただろう。

だが、手が弱体化しそれでもなおシングルハンドで投げ続ける私だからこそ
・・・・・・とは言わないが
やはりグラファイトシリーズに比べるとスコXTの振り抜けの軽さは異常だったのだ。




ジャーキングにおいても同様に違いが生じた。

もちろん竿のブランクス差によってルアーの動きが変わるのは当たり前だ。
本来であれば、複数の竿を使い分けてこそのジャーキングなのだが
スコXTを使用した際に最も感じたメリットは
やはりその軽さだ。


軽い分ジャークしても疲れない。
より早く動かしても腕に掛かる負荷が少ない。


こんな単純な事に
今やっと気が付けたのだ。
もちろんグリップが長いことは完全にデメリットだが。



キャスト時、ジャーク時
共に感じる圧倒的軽さ。
またML(よりちょっと強め)というパワーが
ラトリンログARB、ARAといったルアーに最適だったのだ。

グラファイトシリーズを使い込んでいくと、どうしてもARBでも軽いかなと感じる時があった。
それが、より柔らかいスコXTを使う事により気持ちよくルアーのウェイトが竿に乗るようになったのだ。


ジャーキングには6フィートMパワーが基本。
それは変わらない。
だがそもそもMパワーを基準とする理由は、MLパワーのラインナップが極端に少ない為
という前提が存在していた。

複数本の竿を使い分けるスタンスだからこその配慮ではあるが、実際のところARBクラスのジャークベイトを扱うならばMLパワーの方が絶対的にベストマッチだと私は感じている。


まさにスコXTはARBにより適合する個体だったのだ。







スコXTの軽さに感動した私は、すぐさま測りを使い2本の重さを比べてみた。
さぞスコXTは軽いんだろうなとわくわくしたものだ。

しかし結果はというと実に意外なものだった。


グラファイトシリーズが約128g
なのに対し
スコXTが約127g

その差僅か1g前後しかなかったのだ。
むしろロッドレングスを考えるとどちらかといえばスコXTの方が重たいのではないかというぐらいだ。

これには驚いた。
なんせ2本には感覚的に大きな違いがあったのだから。

グラファイトシリーズがボールペンだとするならば
スコXTはシャー芯だ。
それぐらい違った(個人差あり)のだから、ロッド自体の重さも大きく変わるのだろうと思っていた。
しかしそれは違った。


大きく違ったのはバランスだったのだ。
イメージ 1

グラファイトシリーズの重心はフォアグリップを楽に越えバッド部分にまでずれ込んでいる。
それに対してスコXTはフォアグリップの真中近くに重心が存在する。

圧倒的にスコXTの方が先重り感が少ないのがこれだけでもわかるだろう。


ちなみにこの2本にクロナークを装着すると
グラファイトシリーズはフォアグリップの真中付近に
スコXTはリールの真中ちょい先らへんに重心がくるようになる。

キャスティングの際ロッドを振った時に感じる振りぬけの軽さは
やはりこのバランスがからくるところも大きいだろう。





このことがあってから私は
『軽くバランスの良い竿』という物に対して強い関心を抱くようになった。


ロッドなんて軽けりゃ軽いほうが良い。
だけど絶対的に軽い竿が良い竿と言われないのは、軽さを追求した際に犠牲にするものがあるからだという事実が存在するからだ。

だがそれでも、一日ロッドを振り続けていくとわかる。
軽い竿は正義だと。

ゴリゴリマッチョな普段重たいグラスロッドとか使ってるアメリカ人でも
日本製の軽い竿を使ったらずっとそれを使い続けて返してくれなくなる。
とヒロ内藤氏も言っていた。

やはり力があろうがなかろうが、軽い・軽く感じる竿はいいものなのだ。

それでも国産の竿が世界からクソ扱いされてるのは
軽さだけを追求して強度を度外視にしてる部分があるからだろう。




だが技術とは年々進歩している。
今の技術なら高い強度を保ちつつ、軽さという要素を両立することもできるんではないだろうか。

と私は期待しているのだ。
(それでいて安く作ってくれれば最高)






バランスという美酒に酔いしれたそんな私に
ある事故が起こる。











イメージ 2
グラファイトシリーズ、スコXTの破損である。






言葉を失った。
絶望した。
不幸のどん底だと感じたものだ。












だがこの事故がきっかけで
私のロッドに対する考え方に変革がもたらされるとは
この時は想像もしていなかった。




続く

この記事に

「タックル」書庫の記事一覧

  • はじめまして。

    偶然にも貴方の記事
    を拝見いたしました。

    かつての零式戦闘機
    と米軍の
    戦闘機のような

    大きな設計思想の
    違いが有る
    ご様子です。

    [ 39819 ]

    2015/5/29(金) 午前 1:59

    <<コメントに返信する
  • 顔アイコン

    > 39819さん
    コメントありがとうございます

    紙装甲であれ神機動力を持たせようとした機体と
    頑丈な事はいいことだというメリケン思考では
    やはり作り上げられる作品には大きな違いが生じますね

    ただ零戦も圧倒的物量の前では対処しきれない状況があったと同じように

    全てにおいて軽ければいいということもない様子です


    鈍重であれ最硬でもあったティーガー戦車が化物扱いされた背景もあるように
    重くとも頑丈であることは良いことだという状況もあるようで

    [ sora__rara ]

    2015/5/29(金) 午前 2:18

    <<コメントに返信する
  • 腱鞘炎大丈夫ですか?
    僕もほぼ毎日使用してるので不安になります。笑

    最近トップやスピナベの使用頻度が多くなったせいか、ジャークベイトに全く反応無くなりました(^_^;)

    何があったか知りませんが、2本一気に折れるなんて災難ですね>_<

    [ kurodakouji ]

    2015/5/29(金) 午前 4:08

    <<コメントに返信する
  • 続きがめっさ気になる
    お仕事してきまーす

    雅猿

    2015/5/29(金) 午前 7:50

    <<コメントに返信する
  • 顔アイコン

    > kurodakoujiさん
    今のところ引っかかり感が生じるだけで痛みが強いわけではありませんね
    さすがに日常生活にまで支障がでだしたら病院にいきますが
    今のところなるべく指を曲げないようにして自然治癒にかけていますw
    まぁばね指は治り難い分進行も比較的ゆっくりらしいので
    しばらくは大丈夫でしょう

    こっちもジャークベイトに反応が少ない時がありますねぇ
    日に日にクランクが良かったりトップが良かったりと変動がありますから
    状況によってジャークベイトが合う時ってのにあわせていく必要がるみたいです

    完全にこっちの不注意ですね
    泣きましたよ
    まぁ今では良い勉強になったと思ってますが

    [ sora__rara ]

    2015/5/29(金) 午前 10:19

    <<コメントに返信する
  • 顔アイコン

    > 雅猿さん
    近いうちに更新します
    まぁ当たり前の事に気付いただけですけどねw


    お仕事頑張ってください

    [ sora__rara ]

    2015/5/29(金) 午前 10:20

    <<コメントに返信する

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