確固たる理由もなく、人にレッテルを貼る行為は非常に危険である。
それが過大評価であっても過小評価であっても
きちんとした情報もなくそうする事は、自分の目を曇らせ来る先に待ち受けるトラブルの原因にもなる。
(グリザイアの果実/風間雄二)
水温が安定的に20度を越えだす時期となってきた。
いよいよスポーニングシーズン全盛期へと突入する。
まぁ巷の情報ではそろそろ
『アフター』の大合唱が始まるだろうが
何度でも言おう。
7月まではプリとアフターは混在してるのだ。
結構前に出した画像
上記が一般的な認識かもしれないが、実際は下が本当 スポーニングとは期間で区切られているわけではない
まぁ7月までと言ったが正確には水温が27度を越えるまで。
プリとアフターはあくまでもポジションで判断する。
という事を誤解なきようお願いする。
あらゆるブログ、サイト、動画、SNS
そこで見られる『プリスポーンバス』
しかしその実態は
多くが全くもってプリスポーンではない場合が多い。
もちろん全てがプリじゃねぇよなんて言うつもりもないが
『お腹が大きい』からプリスポーン
というのは妊婦に向かって
お腹が大きいからあの人出産直前だね
と言ってるようなものなのだ。
プリスポーンとは『産卵直前』の魚だという事を忘れてはいけない。
当然アフターも同じだ。
アフタースポーンとは『産卵直後』の魚の事であり
決して『痩せている魚』をアフタースポーンなんて言わないのである。
あくまでもどこでどう釣れたのか?
それが判断材料になるのだ。
さてまずはこの時期どういった魚が釣れるのかを記していこう
・プリスポーンの魚
・アフタースポーンの魚
・ベッドの魚
・フィーディングの魚
・アクティブな魚
・ノンアクティブ、ニュートラルの魚
まぁ分けるとすればこういった感じになるだろうか。
下三つは一年中存在する魚であり
上三つは春特有の魚である。
それぞれを解説していこう。
まずはプリスポーンの魚だ。
この時期最も狙いたい魚でもある。
端的に言おう
プリスポーンの魚のポジションはどこなのか?
それは『コンタクトポイント』だ。
シャローの産卵エリアとディープの越冬エリアを繋ぐ待機場所。
もちろん例外もあるが、そういったバスの待機場所となりうるエリアにいる魚こそがまさにプリスポーンの魚なのである。
このコンタクトポイントに居着く魚が
新月満月が近づくにつれて徐々に徐々にシャローの産卵エリアに上ってくるのだ。
そう
新月満月の5日前。
これこそが、プリスポーンのバスがコンタクトポイントからシャローに上がってくる基準となるのである。
『コンタクトポイント』
『シャローの産卵エリア周辺』
『その二点を繋ぐ道』
ここで釣れる魚こそがプリスポーンの魚なのだ。
次にアフターの魚。
アフターの魚は産卵が終わったあと
2〜3日は産卵エリア周辺のシャローをクルーズする傾向がある。
なので新月満月の2日後ぐらいまででシャローで釣れる魚はアフターである可能性が高い。
その後アフターの魚は
『もと来た道を通りながらコンタクトポイントまで戻る』のだ。
つまりはプリスポーンが釣れる
『コンタクトポイントと産卵エリア、それを繋ぐ道』でもアフターが釣れるのだ。
産卵日を新月満月の日と仮定するからこその判断となる。
新月満月以前に『コンタクトポイントと産卵エリア、それを繋ぐ道』で釣れた魚はプリスポーンであり
新月満月以降に『コンタクトポイントと産卵エリア、それを繋ぐ道』で釣れた魚はアフタースポーンなのだ。
しかしそれだけではない。
例えばだ
新月満月が近づくにつれてシャローに上がってきたバスが
なんらかの理由によって産卵行為に至らなかった場合。
その魚はアフターではない(産卵してないわけだから)
そういった魚ももと来た道を通ってコンタクトポイントに戻るのだが
産卵行為に至らなかったバスはそのままコンタクトポイントに待機するようになる。
逆にアフターの魚はコンタクトポイントまで戻ったら
その後コンタクトポイントの沖延長線上にサスペンドするようになるのだ。
水深1m未満の産卵エリアから
水深2〜3.5mのコンタクトポイント
水深5m(仮)以深の越冬エリア
があったとすると
アフターの魚は水深5m以深の越冬エリアの中層2〜3.5mにサスペンドするということである。
だいたいコンタクトポイントから10mぐらい離れた位置までがそのサスペンドエリアだと思って欲しい。
プリとアフターが明確に違うポジションを取ることがお分かりいただけるだろうか?
コンタクトポイントを狙う限りアフターの魚は釣れないし
アフターの魚を狙うならばコンタクトポイントを狙う必要はない。
そしてどちらもコンタクトポイントという場所を知らなければ狙えないということだ。
例外的にアフターの魚がシャローのヘビーカバーに居残る場合もある。
特に水温が高くなってきた時期や、バンク沿いにヘビーカバーが多いフィールド
もしくは地形変化が少なく水深的にコンタクトポイントが存在し得ない場所
などの理由が重なるとその傾向が強くなる。
なので、シャローカバーを狙うということはアフターの魚を狙うということなのだ。
さぁベッドの魚だ。
この時期最も簡単に釣る事ができ
実はプリスポーンとかなんとか言ってる魚の一部がこのベッドの魚だったということも有り得る存在。
そしてこの時期最も狙うべきではない魚でもある。
ベッドの魚は100%オスだ。
ベッドを作ったりベッドの卵を護ったり稚魚を護ったりするのは全てオスバスの仕事である。
メスは関与しない。
このベッドの魚は近づくものを皆敵とみなして襲ってくる。
もしくは邪魔者として排除しようとする。
当然ルアーにも果敢にアタックしてくる。
何度も何度もストライクするのはこのベッドの魚だ。
『コイツ1回釣ったのにまた食ってきたよバカだね〜www』
って言ってるヤツがいたらそいつが馬鹿だ。
それはベッドの魚であり、頭が悪いから何度もルアーに襲い掛かってるわけではなく
己の身を犠牲にしてまでルアーを排除しようと戦っているのだ。
敬意を払う事はあっても侮蔑する事はアングラーとして恥ずべき行為だと思って欲しい。
ベッドを護っている魚がいたらどうかそっとしておいてくれると嬉しい。
なんせ日本は法律上自然繁殖に頼るしかバスが生き残る道はないのだから。
だが気付かずにベッドの魚を釣ってしまうこともあるかもしれない。
アフターの個体を狙おうとしてベッドの魚が釣れてしまうなんてこともあるだろう。
そういった場合に備え、釣った魚がベッドの魚なのかの見分け方を書き綴っておこう。
・何度もストライクしてくる
・なかなかフックアップしない
・ルアーに食いつくのではなく体当たりするように襲ってくる
・もしくは咥えたルアーを沖のほうに持って行って捨てる
・ルアーを咥えたら首を激しく左右に振る
・ファイトに関しても沖に向かって走る傾向がある
・体当たりするためかルアーのリアフックが外側からエラ付近に掛かる事が多い
・釣った魚から尿らしき水分を放出する
・リリース後にはもとの場所へ戻っていく
と言った感じだ。
特に赤文字で書いたところはもう確定事項と思ってもいいだろう。
こんな魚が釣れたらどうか速やかに釣れた場所に逃がしてやろう(リリ禁じゃないところはね)
トーナメンターならこういった魚をキープするなんて愚は犯さないで欲しい。
さぁ残りはさっと書いていこう。
フィーディングの魚は文字通り餌を食いにきてる魚に他ならない。
コンタクトポイントにいたバスもアフターのバスも
一日のほんの短い間餌を食べる為にシャローへと上がってくる。
食性がバリバリある個体だ。
タイミングさえあえば比較的簡単に釣れる。
好きなルアーを投げ込めばいい。
ペンシルポッパーとかがオススメだ。
アクティブな魚
これはフィーディングの為にシャローには上がってきてないけども
餌を食いたがって何かしらのカバー等のエッジ部分に陣取って、いつでも餌がきてもいいよう臨戦態勢を取っている魚だと私は区別している。
今の時期は捕食よりも産卵を優先するためこういった個体は少なく、いても何らかの要因(サイズとか)で産卵に関与しない魚がこういった行動をとるだろう。
春以外なら狙い目だ。
こういった魚はカバーの奥深くではなくエッジ部分に存在する。
食性も強いので比較的サーチする感じでエッジを狙っていくといいだろう。
今時期これで釣れる魚は多分小さい。
ノンアクティブ、ニュートラルな魚。
これは餌を食いたがってるわけでもなく、ただそこに存在しているだけの魚の事を指す。
特にニュートラルな魚はそういった感じだ。
厳密に言えばコンタクトポイントにいる魚もこのニュートラルな魚に分類される。
ニュートラルな魚はルアーを追いかけたりはしないので
よりスローに
もしくはより縦の動きを多めに入れてやる必要がある。
ノンアクティブ(イナクティブ)なバスと言うのは
ニュートラル以上に活性の低い魚だと言える。
こうなったらもうルアーのスピードは最下限、バーチカルな釣りでないと効果がでないことも多い。
また魚もカバーの奥深くにいる傾向がある。
春を除けば
バスフィッシングはまずアクティブ、ニュートラルな魚を探していき
それでも駄目ならノンアクティブの魚も狙っていくということを基軸と考える。
春の魚は基本食性が乏しい。
産卵に意識の向いている魚はホルモンバランスが崩れ食性が一切なくなるのだ。
そういった魚に食性に訴え掛けるような釣り(ライトリグとか)してもまず釣れない。
それで釣れるならそいつはフィーディングのバスかアクティブなバスか
もしくはベッドのバスだ。
食性の失われた魚に対して効果的なのは
リアクション要素の強いルアー、大きいルアー、派手なルアー、極ゆっくり動かせるルアー
などなどだ。
特に大きいルアーはかなり効果的だと思う。
春にスイムベイト等が爆発する理由の一つがこれかもしれない。
また大きめサイズのジャークベイト、クランクベイト
ブレードがデカイスピナーベイト
食性要素ゼロのバズベイト
などなどが比較的効果がある。
またアフターの魚は大体3段階に分かれる。
産卵直後は体力食性共になくルアーを全く追わない。
プリスポーンのバスと同レベルでスローな釣りが要求される。
ある程度の期間が経ったら徐々に食性も回復してくる。
そうするとルアーにも良く反応しだすようになる。
ペンシルポッパーやジャークベイトを使って浮かせて食わせる事も可能となってくるだろう。
アフターも終盤に差し掛かるとバスの状態は通常に戻る。
つまりは食性が完全に回復した状態だ(体力ではない)
これをアフター回復バスと言えるのかもしれない。
水温もバスにとって適水温であり、一年で一番釣れる時期でもある。
そうしてアフターの回復期間も終了した個体は
プリスポーンの状態へと戻るのだ。
そう、バスは何度もスポーニングを繰り返す。
これこそが、プリとアフターが混在する大きな理由なのである。
例えばだ
αバスとβバスがいたとしよう
産卵前後の感じとしては下記のようだと思って欲しい。
くっそ見づらくて申し訳ない。
もちろんα、βの他にもγもいればδもいる。
それぞれいつ何時産卵するかにもよるが
基本的に
一匹の個体で複数回産卵する。
全ての個体が一斉に産卵するわけではない。
産卵から次の産卵までは大体一ヶ月から一ヶ月半ほどの回復期間(アフター)を設ける。
ために、これが水温27度まではプリもアフターも混在する理由となるのだ。
この辺の知識はバスプロの人でも全く持っていなかったりする。
事実某メーカーサイトの有名プロが出演してる動画では
『明らかにベッドの魚を釣ってるのにプリスポーンバス』
と声高らかに叫んでいるシーンが配信されている。
スポーニングに関しての知識が乏しいと
ベッドの魚を知らず知らずのうちに釣ってしまうのだからこの辺はちゃんとして欲しいと思うのだが……
特にメディアに出るならばね。
この記事も『現時点』のものであり今後内容が変わる可能性も孕んでいるが
この記事を読んで何かお役に立てれたら本望である。
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この記事に
凄いですね(^.^)
必ず大潮に産むとは限らないとの事なので僕の昨日のアフターと思ったバス(多分違います)の予想です。
まず金曜に凄まじく食ってきました、僕のミスで釣れたのは1匹です。抱卵状態のフィーディングバス54でした。
土〜水まで釣れなくなりもしかしてスポーニング入ったのかな?と思ったのです。
僕の通う川は潮回りの関係で大潮は水が動かず、小潮がよく動きます。
それが関係してるのかたまたまかはわかりません。
その仮説でアフター狙いでワントゥイッチでお腹が凹んだバスでした。
どう思いますか?
今朝はプリ狙いでバズでフィーディングバス。笑
ラトリンログでアフター狙いでプリ?でした。笑
釣れたはいいですが良くわからない事が起きます。
[ kurodakouji ]
2015/5/1(金) 午前 6:22
<<コメントに返信する> kurodakoujiさん
まず産卵に水の動きはあまり重要ではありません
春以外ならば水の流れを読むことが鍵となりますが
産卵期は水の流れが安定した穏やかな場所を魚は好みます
流れがあっちゃ卵流されてしまうのでw
新月満月の影響は大潮とかの潮汐ではなく
引力や遠心力が強くなるからという部分ですね
水が動かなくなるとフィーディングの個体は少なくなります
(カレントがバスを刺激するから)
そういった意味で比較的イージーな個体が大潮で減ってきたのかもしれません
釣れた状況(水温、場所、釣り方等)がわからないのではっきりとはいえませんが
水温が20度を越えてからスポーニング全盛となるのは
卵が早く孵化するのにそれぐらいの水温が必要だからなんです
よくデカイ個体から産卵し始めるのは
早めに行動しないと産みきれないから
1回2回で済むような魚は
基本もっと水温が高くなって卵が孵化しやすい状況になってから産み出しますかね
アフター狙いでワントゥイッチ
お腹が凹んだバス
となるとベッドの魚の可能性はあります
[ sora__rara ]
2015/5/1(金) 午前 10:24
<<コメントに返信するタイダルリバーは理解するのが最も難しいと言われています
タイミングが重要ですね
[ sora__rara ]
2015/5/1(金) 午前 10:24
<<コメントに返信するとなると新月満月に産まずに過ぎるバスは居ても新月満月以外に産卵する事はまず考えれないのですね?
今やってるエリアは朝一で水温20℃です。
低いエリアは18℃です。
昨日釣れたのはオスですか?
オスの51って存在するんですか?
今朝のワントゥイッチで食ってきた抱卵状態の40はどうゆう状況なのでしょうか?
タイダルリバー難しいですね>_<
質問だらけですいません。
いろいろありがとうございます(^.^)
[ kurodakouji ]
2015/5/1(金) 午前 10:59
<<コメントに返信する> kurodakoujiさん
新月満月以外に産卵する個体がいないとは言い切れませんが
そういう奴の事を考えるよりかは新月満月に産卵するという個体を主軸にしたほうが効率的だという話しですかね
オスは大きくても40cmまでとは聞いたことありますが……
この時期にガリってると言う事は既に数回産卵を終えためっちゃ気の早いバスか
それともなんらかの要因で抱卵数が少ない(栄養状態が良くない)から痩せてたのか
まぁ色々考えられますね
ワントゥイッチで食ってきた魚はこれも色々考えられます
産卵の為にシャローに上がってきた魚か
それとも捕食の為にシャローに上がってきた魚か
または前回産卵を終えて回復期間に入ってるアフターか
これがリーリングで食ってきたというならフィーディングの魚かなと判断できますが
実際見てみないことには断定はちょっと難しいですねぇ
抱卵状態というだけではプリかアフターかフィーディングかは判断できませんしね
[ sora__rara ]
2015/5/1(金) 午後 0:41
<<コメントに返信するなるほどです。
一概にお腹の状態だけで判断するのは良くないのですね。
正確にはできないのかもですね。
勉強なりました(^.^)
とは言え答えをだすのは難しいです>_<
僕も四六時中バスが頭から離れない1人ですのでまた気になる事あれば質問します(^.^)笑
[ kurodakouji ]
2015/5/1(金) 午後 1:23
<<コメントに返信する> kurodakoujiさん
例えば
産卵日になんらかの理由で産卵に至らなかった個体が
通ってきた道を戻りながらコンタクトポイントまで行く過程で
釣り人側としてはアフターの個体を狙ったつもりでもこういった個体が釣れてしまう可能性はあります
そして釣り人側としては
それが産卵に至らなかった魚なのかアフターの魚なのか
正直判断ができないんですね
だから厳密にこれはプリだこれはアフターだと考えるよりかは
『自分はどの魚を狙っているのか』を基準に考えプロセスを組み立てるのが良いと思います。
[ sora__rara ]
2015/5/1(金) 午後 5:30
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