改正道交法:福岡で1時間に警告の自転車90人

毎日新聞 2015年06月01日 11時27分(最終更新 06月01日 11時51分)

通行方法について警察官から注意を受ける自転車利用者(左)=福岡市南区の南区役所前交差点で2015年6月1日午前8時、吉川雄策撮影
通行方法について警察官から注意を受ける自転車利用者(左)=福岡市南区の南区役所前交差点で2015年6月1日午前8時、吉川雄策撮影

 自転車で違反行為を繰り返した人に安全講習を義務付ける改正道路交通法が1日、施行された。福岡市南区の西鉄大橋駅周辺では、福岡県警の警察官が取り締まりにあたった。通勤通学などで自転車を利用する人への啓発活動も実施したが、法改正を知らない人も目立った。

 歩行者の妨害や酒酔い運転、一時不停止などの違反やスマートフォンを使用しながら起こした事故など14項目の「危険行為」を3年間に2回すると受講を命じられる。14歳以上が対象で、受講命令に違反した場合は5万円以下の罰金が課される可能性がある。

 この日は、福岡市の南区役所前交差点などで福岡・南署員ら約70人が危険な運転を取り締まった。イヤホンを付けて音楽を聴きながらの運転や、自転車走行帯でなく歩道での走行、信号無視の運転者らに黄色の警告票を渡して注意。1時間で90人が警告を受け、うち69人がイヤホンを付けての運転だった。

 一方、自転車利用者には戸惑いも見られた。南区のパート女性(52)は「今日の施行を知らなかった。ルール違反をしてから講習を受けるのではなく、普段からルールを学べるようにしてほしい」。男性会社員(44)も「自転車が走っていい場所や赤信号での停止場所がわかりにくい」と話していた。

 昨年、福岡県内で起きた自転車の人身事故は6324件で前年より493件減った。しかし、自転車と歩行者の事故は7件多い115件に上り、今年1〜4月も前年同期より10件多い41件の事故が発生した。自転車での通勤通学が多い10〜20代の事故が目立つという。【吉川雄策】

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