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■山田太郎・日本を元気にする会政策調査会長

 集団的自衛権の問題は、ホルムズ海峡の機雷掃海がどうであるとかいう議論ではない。議論が矮小(わいしょう)化されている。非軍事ブランド、平和ブランドでやってきた日本のやり方を、米国との軍事アコード(協定)を強化していこうというのが集団的自衛権の本質だ。これを本当に国民が理解して、どちらを選ぶのか。平和的非軍事ブランドが日本の平和を維持してきたということが問われている。

 もう一つは、戦争をしないという規定から、戦争ができる規定をいま議論している。つまり、なんだったら戦争ができるというように、要は専守防衛からはみ出すのか、個別的自衛権からはみ出すのかという議論をしないといけない。そうでないと、ホルムズ海峡の話が突破口として次は米中の衝突が可能性としてある南シナ海の話にすぐいっちゃう。この問題に歯止めがなくなってくる。そういう意味で、集団的自衛権の議論は軸を立て直す必要がある。

 後方支援の問題は、自衛隊のリスクばかりでない。国内のリスクについても真剣に議論する必要がある。今回の後方支援が、実質的には戦争参加だと他国に広く見なされれば、国内でのテロの危険性もあるのではいか。日本の平和ブランドが失われるコストも総合的に議論する必要がある。(NHKの番組で)