追い込み漁で畠尻湾内に駆り立てられたバンドウイルカの群れ=2013年9月、和歌山県太地町【拡大】
ただ、「そもそも、動物園や水族館には、行楽施設としての機能に加え、希少種の保存や繁殖、教育や研究の場としての役割が期待されている」とする毎日の視点は傾聴に値する。「希少種の繁殖では国内外の施設が協力し合っており、イルカの入手を野生に頼っていたこと自体は見直されて当然」とも主張している。その通りだろう。
警戒すべきは「世界協会の要求には、追い込み漁を批判する反捕鯨団体などの主張が色濃く反映されている」(読売)ことである。
産経は、このまま手をこまぬけば「イルカの食用漁法、さらには商業捕鯨が禁じられていない小型鯨類対象の沿岸捕鯨の規制などへの要求拡大」につながると懸念する。「とりわけ過激な活動家たちは実力行使で日本を封じ込めようとしかねない」とも指摘している。
「鯨類に関する日本の伝統文化について、国際社会の理解を得る努力を続けていかねばならない」(読売)のは当然だ。(毎月1回程度掲載します)