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女性登用に数値目標 政府、大企業に義務付け

2014/10/3 1:52
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 政府は、企業に対して女性登用に向けた数値目標を作り公表することを義務付ける方向で再調整に入った。義務付けの対象を大企業に限定し、企業が目標数値を自ら定める形とする。9月末の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)は数値目標に慎重な経営側の意見を踏まえ、義務付けを見送る報告書をまとめ塩崎恭久厚生労働相に提出していた。政府内で女性登用が進まないとの意見が根強いことから、一転して法律で義務付けることになった。

 今月7日に開く労政審で、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案」の要綱を示し、数値目標の義務付けを明記する方向だ。内閣官房で検討している公務員の女性登用策と合わせて、臨時国会に法案を出す。女性の活躍が進むまでの法律と位置づけ、2025年度まで10年間の時限立法とする。

 16年度をめどに、従業員301人以上の大企業が女性登用の方針や取り組みを「行動計画」として公表することを義務付ける。計画に盛り込む数値目標は企業が選べる仕組みにする案が有力で、管理職に占める女性比率などが候補になりそうだ。すべての企業に「女性管理職30%」など一律に同じ数値目標を課すことは見送る。中小企業の取り組みは努力義務にとどめる。

 厚労省や労働組合は企業の女性登用を進めるため、当初から数値目標の義務化を求めていた。経営者側から「数値目標をつくれば安易な数合わせの人事が行われる」「業種によって女性登用の状況が違う」といった意見が出ていったんは断念した。

 労政審が9月末にまとめた報告書は行動計画の作成・公表を義務付けたものの数値目標については、「進捗管理や取り組み効果の検証の観点からは望ましいが、各社の実情に配慮することが必要だ」とし事実上義務付けを見送る方針を示した。

 通例ならば労政審の報告書は、そのまま法案の原案となる。だが、今回の法案は、安倍晋三政権が掲げる女性登用策の柱の一つ。「20年に指導的地位に占める女性の割合を30%にする」という政府目標の達成に向けた目玉に位置づけている。厚労省首脳は2日までに「女性登用には数値目標が必要」と再検討を指示した。

 大企業では、義務付けに先行する形で女性登用の数値目標を設ける動きが広がっている。中小企業を対象から外し、自主的な目標を企業が設ける形ならば、義務付けは可能との見方が政府内で有力になった。

 法案では女性の登用が進んでいる企業を認定する仕組みも導入する。認定を取った企業は、公共工事や公共調達で受注機会を増やすなどの優遇策を設ける。義務付けと優遇策を併用して企業の背中を押す。

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塩崎恭久、女性登用、数値目標、安倍晋三、労働政策審議会

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