沖縄で2014年に新たに確認されたエイズウイルス(HIV)感染者とエイズ患者は計35人で、統計開始以来最多となった。感染者23人、エイズ患者12人はいずれも全国8番目の多さである。人口10万人当たりのエイズ患者報告数は全国で最も多かった。 感染増加は憂慮すべき事態である。HIV感染を防ぐことにこれまで以上に力を入れる必要がある。
併せて求められることは、感染者の発症予防とエイズ患者が当たり前に治療を受けられる環境づくりである。感染者らの健康と命を守るためには、私たち一人一人が偏見を捨て、差別をなくすように取り組む必要がある。
医療の進展によって、HIVに感染してもエイズの発症を服薬で抑えることが可能になっている。治療によって以前と変わらない生活を送っている感染者らは多い。早めに感染を知り、治療を始めることが肝要だ。感染した不安がある場合は、躊躇(ちゅうちょ)せずに保健所の無料匿名検査を受けてほしい。
HIVの感染力は弱い。手をつないだり、一緒にプールに入ったりするなどの日常的な接触で感染することはない。
感染者らへの社会的な理解は以前より深まったとはいえ、まだ十分とはいえない。高齢となり介護が必要になった県内の感染者が介護施設17カ所で受け入れを拒否されたとの報告もある。
いまだに無理解からくる偏見、差別で感染者が苦しむ状況がある。改善しなければならない。差別と偏見を乗り越えねばならないのは感染者ではなく、われわれの方だということを自覚したい。
治療法が進んだ今、脅威となっているのはウイルスよりも偏見の方だろう。感染などを知られることを恐れ、病院に行かずに治療が遅れるケースを生み出してはならない。
前向きに生きていこうとしている感染者は多い。私たちはそんな感染者を支えていく存在でなければならない。HIVを正しく理解することで、感染者の力になることができる。
本紙の取材に応じた50代男性は雇用主との最初の面談で感染を告げ、付き合いの長い職場の仲間にも伝えたことで「信頼関係ができた。感謝している」と話している。
HIVに対する正しい理解を社会の隅々まで行き渡らせていきたい。
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