AIIBが引き抜きを仕掛けている人材は一般職員だけじゃない。ナント、ADB総裁経験のある日銀の黒田東彦総裁のヘッドハンティングも画策していたという。
「初代総裁に就くとみられる金立群・設立準備事務局長が今年初めに極秘来日し、黒田総裁に首席副総裁ポストを打診したといわれています。中国財政部次官や世界銀行副執行理事を務めた金氏は国際感覚に優れて英語もペラペラ。英国やドイツなどの欧州各国が参加に転じたのも、金氏が水面下で説得に走り回ったからとみられています。金氏は黒田氏がADB総裁だった時に副総裁を務めた間柄で気心も知れていますからね」(経済ジャーナリスト)
金儲けのためなら何でもヤル中国だ。元トップから現場職員までゴッソリ引き抜かれたら、ADBのノウハウなんて“骨抜き”同然だろう。
黒田総裁はラブコールを蹴ったようだが、4月の参院財政金融委で金氏について問われると「英文学の大変な素養のある方で、シェークスピアのせりふを引用されたりする大変インターナショナルな方」とベタ褒めだった。
今は静観していても、日銀総裁の任期が切れる18年4月以降は分からない。日本はいつまでも「AIIBが失敗するのは時間の問題」なんてタカをくくっていると、いずれ手痛いしっぺ返しを食らうことになる。