溝呂木佐季
2015年5月31日13時21分
捨てられるモノの素材を生かし、新たな用途で生き返らせる「アップサイクル」という商品づくりが、環境意識の高まりで注目されています。大量生産と廃棄を繰り返す消費社会にあらがう動きで、ブランドを立ち上げているのは30代の若者たちです。
「PATINA(パティーナ) JAPAN(ジャパン)」(奈良市)は、捨てられる消防ホースからカバンや財布をつくっている。小島忠将さん(36)と福井淳さん(35)が2010年に立ち上げた。経年変化しているものもあり、カバンは1点ずつ違う風合いを持つ。
広告制作会社に勤めていた堀池洋平さん(34)が同僚の中村亮太さん(35)と06年に設立したモンドデザイン(東京都)。「SEAL(シール)」のブランドで、タイヤのチューブからカバンや財布をつくる。タイヤは国内のほかタイなど東南アジアからも仕入れ、国内3店舗に加え台湾やイタリア、スイスでも販売する。水に強くて丈夫なのが人気だ。
阪神高速道路(大阪市)は、工事などを知らせる横断幕を再生したカバン「Re:ppi(リッピ)」をウェブサイトで売る。20~30代の女性社員3人が中心となり、交通安全に役立つ子ども用のカバンにすることを思いついた。主に黄色の生地を使い、イラストレーターのUChimura.(ウチムラ)さんが動物の絵を描いたカバンを13年に売り出し、これまでに約270個が売れたという。
「SALLYLABEL(サリーレーベル)」(名古屋市)はブランド「MODECO(モデコ)」を展開する。水野浩行社長(30)が廃棄物の活用を試行錯誤したすえ、フローリングの床材や消防服を使ったカバンにたどり着いた。水野さんは「ファストファッションとは違い制作に時間がかかるが、新しさを感じるデザインに挑戦したい」と話す。(溝呂木佐季)
■お店やオンラインショップは
【MODECO】 大丸京都店(1階ハンドバッグ売り場、電話075・211・8111)など。オンラインショップ(http://www.modeco-brand.com/)
【PATINA JAPAN】 事務所(奈良市大宮町、電話0742・35・7433、土日祝休み、訪問時は事前に電話連絡)など。オンラインショップ(http://patina-japan.com/)
【Re:ppi】 オンラインショップ(http://reloop.jp/)
【SEAL】 南堀江店(大阪市西区、電話06・6585・9700、火休み)など。オンラインショップ(http://www.seal-store.net/)
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