米国では、この20年間で12歳未満の子どもの全体的な自殺率は変わらないにもかかわらず、黒人の子どもでほぼ倍増していたと分かった。
白人の子どもでは半減していた。
米国のネイションワイド小児病院を含む研究グループが、有力医学誌の小児科版、ジャマ(JAMA)ペディアトリクス誌のオンライン版で2015年5月18日に報告した。
若者の自殺、1993〜2012年の変化を調査
米国では、若者の自殺は公衆衛生上の主要な問題の1つとなっている。
研究グループによると、2012年には、自殺は12歳〜19歳の若者の死亡原因の2位。この年齢層では、がん、心臓病、インフルエンザ、肺炎、糖尿病、HIV、脳卒中を合わせたよりも多くなるという。
5歳〜11歳の低い年齢層では死亡原因としては11位となっている。原因としては一定の割合を占めており、その状況についてはほとんど分かっていない。「家族にとって破滅的な影響を及ぼす」と問題を説明している。
研究グループは、米国の1993〜2012年の全国死亡率データから5〜11歳の子どもの自殺件数を調べ、1993〜97年と2008〜2012年の各5年間で自殺率を比較。トレンドを調査した。
首を吊る自殺が増加。
その結果、1993年〜1997年と2008年〜2012年の間に5歳〜11歳の子どもは657人が自殺した。自殺した子どものうち、553人(84%)が男の子で、104人(16%)が女の子だった。
総数657人の全体的な自殺率は両5年間でほぼ同じだった。2つの期間における全体的な自殺率は、100万人あたり1.18人と1.09人で大きな差はなかった。
黒人の子どもでは100万人当たり1.36人から2.54人へと2倍近く増加。白人の子どもでは100万人当たり1.14人から0.77人へとほぼ半減していた。
銃をはじめ火器による自殺率は全体的にも白人の子どもでも約30%低下した。
他の自殺の方法ごとの自殺率は20年間で変わっていないものの、黒人の子どもで首を吊る/窒息による自殺率が35%増加していた(米国の10代から20代前半で首吊り自殺が増加)。
小学生の全体的な自殺率は変わらなくても人種間差が見られる。この年齢層におけるトレンド、アイデンティティ・リスク、自殺のきっかけなどをモニターするためにも、さらに研究が必要と研究グループは指摘する。
日本の人口動態統計によると、日本では10代の死因の1位は自殺。日本でも低年齢での自殺が報道されることもある。海外の報告も参考になるかもしれない。
文献情報
Bridge JA et al. Suicide Trends Among Elementary School-Aged Children in the United States From 1993 to 2012. JAMA Pediatr. 2015 May 18. [Epub ahead of print]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25984947
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