針抜き忘れ医者、不起訴ってどうなの
針抜き忘れ死亡、2医師が不起訴に…石巻の病院
宮城県石巻市の石巻赤十字病院で2011年8月、心臓を包む心嚢(しんのう)に刺した針を抜き忘れたことが原因で、同県美里町の女性(当時53歳)が死亡した医療事故で、業務上過失致死容疑と医師法違反(異状死の届け出義務違反)容疑で、それぞれ書類送検された当時の勤務医2人を仙台地検が不起訴としていたことが26日、わかった。
2人が書類送検されたのは昨年9月。1人は11年8月13日、救急搬送された末期がんの女性を救命措置後、心嚢にたまった液を抜き取った際、針を抜き忘れ、翌14日早朝に針が心臓に刺さって女性を死亡させた疑いがもたれた。別の1人は、女性の死亡に不審な点があることを認識しながら、医師法で定める24時間以内の警察への届け出を怠った疑いだった。
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針の抜き忘れ死亡事故に関するその後です・・・
前回のはここ↓
で、書類送検されていたのが今回検察で
不起訴とされていた・・・
これがニュースになったということですな・・・
で、簡単に紹介すると
末期がん患者が運ばれてきた
間もなく心肺停止になった・・・
で、
蘇生したら蘇生できたのでいろいろ調べてみたら
心嚢液が溜まってるよ・・・
じゃ、抜こうかな・・・
で、抜いた
までは良かったが
内針という堅い針を抜き忘れて、それが心臓に
刺さっていて死亡した・・・
一人は針を抜き忘れた医者
ともう一人は
死体の検案をして不審な点があることを認識しながら
届け出をしなかったというもの・・・
震災後のバタバタで職員全員が疲れ切っていた時に
起きた事故ですね・・・
この問題は末期がんの患者に対する医療問題が有りますが
今回はちょっと置いておいて・・・
普通針がちゃんと刺さったら内針を抜きます・・・
ところが何が起きたのか・・・
或いは別のことで話しかけられたりしたのか・・・
そんなことは良くありますからね・・・
それでそのままチューブに繋いでしまった・・・
で、そのままテープで胸に固定した・・・
これで針はそのまま心嚢液は順調に抜けてくる
こんな状態はしばらくは続いたでしょう・・・
で結局は心筋を貫いた・・・
針を抜き忘れたのは医療ミスですね・・・
民事訴訟なら単純な抜き忘れですから
死亡との因果関係が認められるかどうかは微妙ですが
少なくとも期待権の侵害が認められそうですね・・・
一方、異状死の届け出違反のもう一人の医者はどうなのか・・・
これは微妙ですね・・・
死亡後にテープを剥がしてみたら内針が残っていた
ただ、内針が残っているっていうのは異状死の届け出基準から
みると、どうなのか・・・
異状死の届け出基準は外表の異常です・・・
針が刺さっていることは心嚢穿刺をしたのだから、それ自体は
ミスであろうが外表の異常と言えるのか・・・
ただ、内針が残っていたのが外表の異常になるのかどうか・・・
これは微妙としか言いようが有りませんね・・・
勿論義務がある場合は届け出なければなりませんが
外表に異状がなければ届け出義務は有りません・・・
今回は心嚢穿刺の内針を抜き忘れていたものの
それ自体は心嚢穿刺をすれば有り得ますから
外表の異常と言えるのか・・・???
検察の判断がどうだったのか分かりませんが
今回の針の抜き忘れは震災後のごたごたと
患者さんが末期だったこと
悪質ではないこと・・・
外表の異常とは断定できないこと・・・
これが結論ではないかと思います・・・
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