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【コラム 撃戦記】

スピードで圧倒 クリンチ許さず

2015年5月31日

 “中京の怪物”がその実力を証明する王者奪取だった。プロ5戦目の相手に世界挑戦経験のあるイエドラスの戦歴(24勝13KO1敗)は脅威だったが、田中はそんな不安を上回るスピードとスタミナで一蹴。最短世界王座奪取のプレッシャーをもはねのける快挙でファンの期待に応えた。

 勝因は、フルラウンド戦いながらほとんどクリンチが見られなかったことだ。それだけ田中のスピードと左右の動きが良かったということ。ガードを固めながらパンチを繰り出すイエドラスに対し、田中の動きは最後まで止まらなかった。2回には強烈な右でイエドラスのバランスを崩し、7回には右アッパーからの連打で棒立ちにさせるなど、随所で見せ場をつくったのも良かった。10回からはフェイントで相手をじらすなど、スタミナ面での余裕すら感じさせた。

 田中は高校アマ4冠。アマ7冠の井上尚弥(大橋)と比較されるが、同じスピードが武器の天才肌という意味では重なるが、攻防のタイプが違う。井上の背中を追う田中が持ち味のスピードとスタミナを武器に、今後いかにKO勝ちにつなげるかが名王者への課題になる。 (格闘技評論家)

 

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