北京=斎藤徳彦 聞き手=吉岡桂子
2015年5月31日02時07分
自ら主導してアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を急ぐ中国は、アジア開発銀行(ADB)の大口の借り手でもある。ADBも、そんな中国にお金を貸すメリットがあるという。ライバルにもみえる両者を結ぶカギを探ると、1966年設立のADBが蓄えた「強み」が浮かんだ。
中国西部の甘粛省。経済発展は遅れていたが、省都の蘭州は近年、急速な都市化を遂げつつある。市中心部に、専用レーンをバスが渋滞なしで走る「バス高速輸送システム(BRT)」が2012年12月に開通、一日約30万人を運ぶ。
BRTは、ADBの融資も使いながら整備された。渋滞や大気汚染が問題となるなか、道路網を拡大しようとする計画に対しADBは「交通渋滞の解決にならない」と助言した。同様の試みは、江西省や湖北省など他の省にも広がる。
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