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 「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産への登録に韓国が反発している問題で、韓国政府高官は30日までに日本メディアの記者団に対し、朝鮮半島出身者の強制労働があったとする7資産の除外を求める基本的立場は変わらないとしつつも、「日本が我々の憂慮を解消する誠意ある方策を示せば、いくらでも検討できる」と述べ、妥協案を模索する考えを示した。

 日本が申請し、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関が登録を勧告した23資産のうち、韓国政府は7資産で朝鮮半島出身者計5万7900人が「強制労働させられた」として登録に反対している。

 高官は、ユネスコの諮問機関が登録勧告の際に「歴史全体についても理解できる計画」にすることを求めたのは、「韓国側の立場を反映したものだ」と主張。「強制労働」に関する歴史を何らかの形で反映させる方向で、日本側と合意点を見いだしたい考えをにじませた。

 この問題をめぐって日韓は22日に初の事務レベル会合を開き、今後も協議を続ける。同高官は「日本が推進している登録を無条件に阻止しようというのではなく、強制労働に関連する我々の憂慮を解消するのが目標だ」と強調した。(ソウル=貝瀬秋彦)