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米国防長官、中国を名指し批判=南シナ海問題「関与は当然」―行動規範、年内策定を

時事通信 5月30日(土)10時38分配信

 【シンガポール時事】カーター米国防長官は30日、当地で開催中のアジア安全保障会議で演説し、南シナ海で例のない大規模な岩礁の埋め立てを進めていると中国を名指しで非難し、その速度や規模、紛争の危険を「深く懸念している」と強調した。長官はまた「米国が関与するのは当然だ」と表明。南シナ海を自由に航行する権利の行使を「思いとどまることはない」と宣言した。
 アジア太平洋各国の国防相が集う安保会議で、中国の活動と権利の主張を認めないとの姿勢を明確にし、懸念解消へ主体的に取り組むと公約した形だ。中国は一段と反発を強めるとみられる。
 長官は埋め立てについて「ある国が他国に比べあまりに速く、行き過ぎている。中国だ」と明言。「域内各国や世界も大規模な拠点を建設する中国の意図に疑念の声を上げてきた」と語り、埋め立てを即時・長期的に停止すべきだと求めた。
 長官はその上で「南シナ海の争いに軍事的解決はあり得ない」として、係争中の岩礁の軍事拠点化に反対する立場を改めて示し、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国に対し、年内に紛争防止に向けた行動規範を策定するよう促した。 

最終更新:5月30日(土)15時13分

時事通信