地震:岩手で震度5強 津波なし
毎日新聞 2015年05月13日 06時32分(最終更新 05月13日 12時08分)
13日午前6時12分ごろ、宮城県沖を震源とする地震があり、岩手県花巻市で震度5強を観測した。同県滝沢市や宮城県石巻市など8市町で5弱、北海道から東海の広い範囲で震度4〜1を記録した。気象庁によると、地震の規模を示すマグニチュードは6.8と推定される。この地震による津波はなかった。同庁は2011年3月11日の東日本大震災の余震とみている。
気象庁によると、震源は宮城県気仙沼市の東約30キロの沖合で、深さは46キロ。海側と陸側のプレート(岩板)の境界付近で起き、北上川流域など地盤が比較的軟らかい場所で強く揺れた可能性がある。今後1週間程度は最大で震度5弱の余震の恐れがあるという。
東日本大震災の余震で震度5強を観測したのは、今年2月17日に岩手県沖を震源とし、青森県階上(はしかみ)町で5強を観測した地震以来。余震の回数は減少傾向にあるが、11年の震災の発生前と比べて活発な状態は続いている。気象庁地震津波監視課の長谷川洋平課長は記者会見で「震災の本震の影響は当分の間は続く見込みで、注意が必要だ」と述べた。
警察などによると、岩手、宮城両県で人身被害はない。甚大な建物被害も確認されていない。
JR東日本によると、東北新幹線で一時停電が発生し、仙台−新青森間の上下線で運転を見合わせた。午前8時までに再開したが、上下6本が運休し、最大123分の遅れが出て、約3万2000人に影響した。上越新幹線でも停電が発生し最大20分の遅れが出た。
原子力規制庁によると、今回の地震で東北電力女川(宮城県)、東通(青森県)、東京電力福島第1、2(福島県)の各原発や日本原燃の使用済み核燃料サイクル施設(青森県)で異常はない。
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主な各地の震度は次の通り。
震度5強=岩手県花巻市
震度5弱=岩手県遠野市、一関市、滝沢市、宮城県気仙沼市、石巻市
震度4=岩手県宮古市、久慈市、大船渡市、盛岡市、宮城県大崎市、仙台市、青森県八戸市、秋田市
震度3=北海道函館市、岩手県雫石町、宮城県多賀城市、青森市、秋田県能代市、山形県鶴岡市、福島市、茨城県日立市、栃木県大田原市、群馬県明和町、埼玉県春日部市、横浜市、新潟県村上市【狩野智彦】