仁川延寿警察署は28日、インターネットのチャットで知り合った女性と売買春を条件に会い、警察の身分証を見せて取り締まるように見せ掛け、モーテルに連れ込んで性的暴行を加えたとして、警察の警長(日本の巡査部長に相当)=33=を逮捕した。
警察によると、この警長は今月21日、仁川市延寿区のモーテルで、インターネットのチャットを通じて知り合った女性(33)に身分証を見せ、取り締まりを行うよう装って、同市富平区のモーテルに連れ込み、買春の費用として支払った10万ウォン(約1万1000円)を返させた後、解放の条件として2回にわたり性的暴行を加えた疑いが持たれている。
警察は112番(110番に相当)通報を受理し出動したが、女性が証言を拒否したため説得を続け、26日になって上記のような内容の供述を確保、28日に逮捕状の発行を受けて、午前11時45分に勤務中の警長を逮捕した。
警長は取り調べに対し売買春の事実を認めたが「女性がモーテルでメールを送るのを見て、ほかの相手が乱入するのではないかと恐れ、女性に恐怖を与えるため、売買春の場面を録音し追及した。だが、1億ウォン(約1120万円)を要求したのは冗談で、さらなる性的関係を求めたこともなかった」と供述した。
一方、女性は警察の調べに対し「売買春を条件に会った警長が『取り締まりを担当する警察官』と名乗って脅してきた。もみ消しの条件として金品を要求してきたが、金がないと言ったため、2回にわたって性的暴行を受けた」と証言した。
警察は29日、警長に対しポリグラフ(うそ発見器)による検査を行うほか、必要があれば対質尋問(事件当事者の供述が一致しない場合、両者を相対させて言い分を聞く形の尋問)などの補充捜査を行った後、逮捕状を請求するか否かを決める方針だ。
警察の調べで、警長はソウル地方警察庁に所属し、大統領府の周辺を警備する警備隊に勤務していたことが分かった。