夜雨のソウル、車線見えにくい理由は手抜き工事

手抜き工事で20億円の不当利得、施工業者ら検挙

 ソウル市内の道路の車線が、雨の日の夜に見えにくくなるのには理由があった。

 ソウル地方警察庁知能犯罪捜査隊は、ソウル市内の6カ所の道路事業所と25区役所が発注した車線の塗り直し工事を請け負い、手抜き工事をして不当な利益を得たとして、施工業者のL容疑者(48)ら137人を立件した、と28日発表した。警察はこのうち、施工業者が受注した工事をほかの業者にあっせんした建設ブローカーのP容疑者(43)に対する逮捕状を請求し、また車線の塗り直し工事を請け負って、手抜き工事をした下請け業者のY容疑者(49)を逮捕した。

 警察によると、マンションの外壁など一般的な塗装工事を行う会社を経営しているL容疑者は2010年から、車線の塗り直しに関する能力がないにもかかわらず工事を受注し、工事代金の25-30%を受け取って、実際の工事はP容疑者に丸投げした。P容疑者はL容疑者らから工事を受注する際、あっせん手数料として工事代金の5-10%を受け取り、車線を塗る工事を専門とする業者に工事をあっせんした疑いが持たれている。P容疑者はこのような手口で車線の塗り直し工事30件をあっせんし、1億4000万ウォン(約1560万円)を受け取っていたことが分かった。

 逮捕された下請け業者のY容疑者は、車線用の塗料にガラス粒を混ぜて一般道路に塗り、発注元には「特殊な塗料で施工した」と報告、7回にわたって16億5900万ウォン(約1億8500万円)の不当な利益を得ていた。立件されたJ容疑者(42)など施工業者8人も、32件の工事を行った際、特殊な塗料に一般的な塗料を混ぜて、工事代金73億4400万ウォン(約8億2050万円)を不正に受け取った疑いが持たれている。

 問題になったソウル市内の車線の塗り直し工事のうち、下請け業者が元請け業者の名義を借りて施工した工事は74件あり、これらの業者が手抜き工事をして不正に受け取った工事代金は183億ウォン(約20億4460万円)に達する、と警察は説明した。最終的な施工業者は、元請け業者やブローカーに手数料を取られたため、工事代金の6割程度に見合った工事をせざるを得なかった。そのため、特殊な塗料を使わず、質の悪い塗料を使用していたことが分かった。

ユ・ソヨン記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース