オスプレイ:横田基地、21年までに10機配備 日米発表
毎日新聞 2015年05月12日 11時27分(最終更新 05月18日 10時39分)
日米両政府は12日、米空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイを米軍横田基地(東京都福生市など)に配備すると正式発表した。2017年後半に3機、21年までに追加で7機配備する。菅義偉官房長官は12日午前の記者会見で、米側から配備を通告する「接受国通報」があったと明らかにした上で「高い機動力、広範な活動範囲を持つオスプレイの配備は、日米同盟の抑止力を向上させ、アジア太平洋地域の安定にも資する」と意義を強調した。
米軍は既に普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)で海兵隊仕様のMV22オスプレイ24機を運用している。日米安保条約では部隊配備は一義的に米政府の権限で、オスプレイの本土配備は横田基地が初めてとなる。
CV22は特殊作戦に使用され、MV22と比べて事故率の高さが指摘されている。中谷元防衛相は記者会見で「国外での事故の調査結果を分析・評価し、機体の安全性を確認した」と問題ないとの認識を強調。「地元の理解をいただけるよう、今後とも誠意をもって対応したい」と理解を求めた。外務、防衛両省は同日、配備計画を説明するため、横田基地の周辺自治体に担当者を派遣した。
米国防総省は11日(日本時間12日)の声明で、「米軍特殊部隊の作戦能力が向上し、日本やアジア太平洋地域で自然災害などに迅速に対処できるようになる」と意義を説明。オスプレイ導入を計画している自衛隊との相互運用を高める考えで、「CV22は優れた能力を備えた航空機で、安全な飛行記録を持っている」と安全性を強調した。
米軍は当初、普天間飛行場に近い嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)への配備を検討していた。これに対して日本側は、基地負担増となるオスプレイの追加配備が沖縄の県民感情を刺激することに懸念を表明。米軍も協議の結果、在日米軍司令部があり、極東地域全体の輸送・補給拠点である横田基地が適切と判断した。【飼手勇介、ワシントン西田進一郎】