また同じ27日に大田球場で行われた試合では、ビーンボール騒動が起こった。ハンファの投手、ペ・ヨンスが投げたボールが打者のイ・ボムホの左胸に当たったため、イ・ボムホはマウンドに向かいペ・ヨンスに詰め寄ろうとしたが、捕手と主審の静止を受けて事なきを得た。ちなみにその前の打者の崔希渉(チェ・ヒソプ)も死球で、さらにブレッド・フィールにも立て続けに内角にきわどいボールが投げられていた。これは前日(26日)の試合でハンファのキム・ギョンオンが死球で負傷退場し、全治4週間の診断を受けたことと、また27日の試合でイ・ボムホの死球騒動が起こる前、ハンファの李容圭(イ・ヨンギュ)が金炳賢(キム・ビョンヒョン)から死球を受けたことなどから、ペ・ヨンスは意図的にビーンボールを投げたとの疑惑が浮上した。イ・ボムホは肋骨(ろっこつ)の痛みを訴え途中交代し、病院で精密検査を受けた。
プロサッカーでもスポーツマンシップに反する行為が相次いだ。23日に全州で行われた全北現代モータースと仁川ユナイテッドFCとの試合で、全北のハン・ギョウォンが仁川のパク・テハンの肩と顔面を殴った。ディフェンス中の駆け引きの際に顔をビンタされて逆上したため、これに報復したものだったという。また24日には釜山アイパークのGK李範永(イ・ボムヨン)が、対戦相手の光州FCの選手がペナルティーキックを蹴る直前、ペナルティーマークの芝生をスパイクで荒らした。直後に蹴られたペナルティーキックはゴールを大きく外れた。
ファンがスポーツを愛する理由は、選手たちが勝利を目指すその一方で、相手を尊重し配慮するマナーを実践する様子を見せてくれることも大きな理由の一つだ。光云大学生活体育学科のイ・ギョンフン教授は「誰もが勝利至上主義に埋没した結果、指導者も選手もマナーを軽視する傾向が出始めた」「政治の不合理に嫌気がさした人たちが、精神的な癒やしを求めてスポーツを楽しんでいるわけだが、これまで純粋だと考えられてきたスポーツでも、今回のような現状を目の当たりにしてしまうと、政治と同じく幻滅を感じるようになるだろう」などと指摘した。