日本全国で揺れ、「異常震域」か…小笠原沖地震

写真拡大

 30日夜に小笠原諸島西方沖で起きた地震は、日本全国で広く揺れを観測した。気象庁によると、震源は太平洋プレートと呼ばれる巨大な岩板の内部だった。

 震源が約200キロ・メートルよりも深い深発地震と呼ばれるタイプの地震だ。関東で特に強い揺れを記録したのは、遠い地域に強い揺れが伝わる「異常震域」と呼ばれる現象が起きたためとみている。

 東京大地震研究所の古村孝志教授によると、日本列島やその周辺の海では、複数のプレートが複雑に重なり合っている。このうち最も深い位置にあるのが太平洋プレートだ。

 地震波はふつう、震源から遠くなるほど弱くなっていくが、地震波が固い岩盤を伝わっていく場合、弱まりにくい性質がある。太平洋プレートはフィリピン海プレートなどの下に沈み込み、日本列島の地下深くまで続いている。谷岡勇市郎・北海道大教授(地震学)は「海のプレートは陸のプレートに比べて固く、プレートの中を伝わる地震波が弱まりにくいため、広く揺れが伝わった」と指摘する。

 過去には、2013年9月に東京都の鳥島近海の深さ約450キロ・メートルでマグニチュード(M)6・8の地震が発生、北海道から関東にかけて広い範囲で最大震度4の揺れを記録した。また、07年7月に京都府沖の深さ約370キロ・メートルで発生したM6・7の地震でも広い範囲で揺れ、震源から離れた北海道で最大震度4が観測された。