お知らせ
5/15~6/29 本荘ひさこさん原画展&サイン会、山梨・小淵沢にて開催 - 2015.05.15
小人同士の争いで滅んでしまった世界に残された小人たちは、仲間を求めて旅立ちます。
双子の小人の「はなはな」と「みんみ」の愛と勇気をえがいた『はなはなみんみ物語』(わたりむつこ・作/産経児童出版文化賞受賞)の表紙・挿絵を手がけた、本荘ひさ子さんの原画展が、山梨県の「えほん村」さんにて開催されます。
会期中には、サイン会も予定されています。
ぜひお気軽にお越しください。
◆「小さなようせい原画展」
【会 期】2015年5月15日(金)~6月29日(月)
【会 場】えほん村(公式HP)
山梨県北杜市小淵沢町3332-426 TEL:0551-36-3139
【入場料】500円
◆本荘ひさ子さんサイン会
【日 時】2015年6月6日(土)
【本原画展・サイン会お問合せ】えほん村 TEL:0551-36-3139
5/12~6/8 『パパのしごとはわるものです』原画展、丸善丸の内本店にて開催 - 2015.05.12
6月21日は父の日。この時期にぴったりな『パパのしごとはわるものです』と『パパはわるものチャンピオン』の
ミニ原画展が、東京の丸善 丸の内本店さんにて開催されます。
◆吉田尚令さん『パパのしごとはわるものです』『パパはわるものチャンピオン』原画展
【会 期】2015年5月12日(火)~6月8日(月)
【会 場】MARUZEN 丸の内本店3階 児童書コーナー ギャラリーウォーク
東京都千代田区丸の内1-6-4 丸の内オアゾショップ&レストラン1~4階
TEL:03-5288-8881
【時 間】9:00~21:00
【入場料】無料
第62回 産経児童出版文化賞 受賞作2作品 - 2015.05.05
第62回 産経児童出版文化賞にて、岩崎書店の『ニワシドリのひみつ』(鈴木まもる・文・絵)がJR賞を、『すがたをかえる たべものしゃしんえほん かまぼこができるまで』(宮崎祥子・構成・文/白松清之・写真)がニッポン放送賞を受賞いたしました!
ニワシドリのひみつ
庭師鳥は、オスが「あずまや」と呼ばれる造形物を作り、ものを集めて美しく飾る、ユニークな習性がある鳥です。巣は、メスが別に作ります。では、オスは何のために「あずまや」を作るのか? なぜ、そんな習性になったのか?
この疑問を、長年、鳥の巣研究をしてきた著者が解き明かしていきます。そのふしぎな習性のひみつを探る絵本。
この本を描く為、著者の鈴木まもる先生はニワシドリが生息しているニューギニアとオーストラリアに赴き、取材行程6万Kmにおよぶ現地取材を敢行。細密に描かれた美しい鳥たちや様々なデザインの「あずまや」の絵は必見です。
●著者について
【鈴木まもる・文・絵】
1952年、東京に生まれる。東京藝術大学美術学部工芸科中退。画家・絵本作家・鳥の巣研究家。
1995年「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さし絵賞受賞。2006年「ぼくの鳥の巣絵日記」で講談社出版文化賞絵本賞受賞。
主な絵本に「ピンポンバス」(偕成社)、「せんろはつづく」(金の星社)、「いのちのふね」(講談社)、「みんなあかちゃんだった」(小峰書店)「おじいさんとヤマガラ」(小学館)、「だんろのまえで」(教育画劇)など。
絵画活動のかたわら、鳥の巣の造形的魅力にとりつかれて収集と研究を始め、上野動物園、大阪市立自然史博物館、東京武蔵野市立吉祥寺美術館、香川県坂出市美術館など全国で「鳥の巣展覧会と原画展」を開催している。
国内だけでなく2002年、ニューヨークのギャラリーAnnexにて初の海外展「NESTS」を開催。
NHK「プレミアム8―ワイルドライフ、群れで生き抜く―シャカイハタオリ」(ナミビアで撮影)に出演。アルベール国際動物映像祭 特別審査員賞受賞。
鳥の巣を扱った絵本に「鳥の巣の本」「世界の鳥の巣の本」「ぼくの鳥の巣コレクション」 (岩崎書店)、「鳥の巣みつけた」「鳥の巣研究ノート①②」(あすなろ書房)、「ぼくの鳥の巣絵日記」「鳥の巣いろいろ」「ふしぎな鳥の巣」「鳥の巣ものがたり」「ツバメのたび」
「日本の鳥の巣図鑑、全259」(偕成社)、「ぼくの鳥の巣探検」「世界の鳥の巣をもとめて」(小峰書店)、
「世界655種、鳥と卵と巣大図鑑」(ブックマン社)。
2013年「世界の鳥の巣の本」 の英訳版が米国のWestern Foundation of Vertebrate Zoologyから出版された。
すがたをかえる たべものしゃしんえほん3 かまぼこができるまで
身近な食べものについて興味を持ち、楽しみながら学べるシリーズの3巻目。
魚からかまぼこができるまでの変化を、大画面の写真とたのしい文でおいかける写真絵本です。
「かまぼこができるまで」では、小田原のかまぼこ工房を取材。
魚のすり身を板にもりつける、「板付け」の作業は、熟練の職人の技を必要とします。
その技は国家資格となっていて、10年以上の修行をしないと身につかない程難易度の高い技能だそう。
その作業の様子も含め、どんな工程をへて、魚がかまぼこに生まれ変わるのか見ていきます。
●著者について
【宮崎祥子・構成・文】
茨城県水戸市生まれ。こどもが読むものを軸に活動するライター。『さくさくぱんだ1・2』(岩崎書店)『どうぶつのからだ全6巻』(偕成社)、『ハローキティのおしごとかるた』(サンリオ)、著書に『「センスのいい子」の育て方』(双葉社)など。
【白松清之・写真】
1968年山口県生まれ。スタジオ勤務を経て、写真家安齋吉三郎氏に師事する。独立後フリーランスのカメラマンとして活動する傍ら、何気ない日常を写真集にするなどの制作を手がける会社ブランコを立ち上げ、代表写真家を務めている。
6/12~7/26 「滝平二郎の世界」展、周南市にて開催 - 2015.05.01
日本児童文学の名作として親しまれている『花さき山』や『モチモチの木』などの「きりえ」作品をはじめ、
懐かしい農村風景や四季折々の暮らしを詩情豊に描いた滝平二郎。
物語の中に人間の奥深さを表現しています。
2012年~2013年にかけて開催された「滝平二郎」展から2年、4月18日からの丹波市立植野記念美術館を
皮切りに始まった、新たな滝平二郎展。
本展では、初期の木版画や絵本原画、朝日新聞連載の原画に加え、デッサンや下絵など約150点を紹介します。
滝平二郎の描いた心のふるさとを訪ねてみませんか。
◆周南市美術博物館開館20周年記念 「滝平二郎の世界」展
【会 期】2015年6月12日(金)~7月26日(日)
【会 場】周南市美術博物館
山口県周南市花畠町10-16 TEL:0834-22-8880
(公式HPはこちら)
【開館時間】午前9時30分~午後17時(入館は午後16時30分迄)
【休館日】月曜休館 ただし7月20日(月・祝)は開館、翌21日(火)休館
【観覧料】一般1,000円(800円)/大学生800円(600円)
※( )内は前売および20名以上の団体
※18歳以下無料
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳等をご持参の方とその介護の方は無料
※本展をご鑑賞の際は、常設展も無料でご覧いただけます。
◆加根さんのギャラリートーク
【日 時】①6月12日(金) 開会式終了後/②6月13日(土) 11:00~
※12日は9:30より開会式のため、終了後ギャラリートークを行います。
◆学芸員によるギャラリートーク
【日 時】①6月27日(土)14:00~/②7月11日(土)14:00~
◆Music in Museum by 出光 2015
本展覧会とコラボしたコンサートです。 (美術)と(音楽)の素敵な出会いをお楽しみください。
【日 時】7月4日(土) 14:00開演予定
【会 場】周南市文化会館
◆巡回予定
●2015年9月19日(土)~11月23日(月・祝) 秋田県立近代美術館(公式HP)
【特別協力】滝平二郎事務所
【協 力】岩崎書店、福音館書店
【企画・運営協力】株式会社キュレイターズ
今月の新刊★これでカンペキ!声に出して マンガでおぼえる 1年生の漢字 - 2015.05.01
「これでカンペキ!マンガでおぼえる四字熟語」や「これでカンペキ!マンガでおぼえる敬語」など、齋藤孝先生による「これでカンペキ!」シリーズに、今度は「漢字」が登場です。
「すべての学力の基本には、母国語能力がある」と言う齋藤先生。漢字を徹底的に覚え、使えるようになることで、すべての学力が向上する。そして、「国語は体育だ」と齋藤メソッドで提唱するように、身体と言葉を同時に鍛えるのはかなり効果が高いそうです。
本書も、声に出して、指でなぞって、マンガを楽しんで漢字を覚えてもらおう、というもの。音読み、訓読みなどの区別もせず、あまり理屈も書かず、漢字を丸ごとおぼえられるように工夫しています。
小学1年生で学ぶすべての漢字を掲載。
自分の体を使って覚えた漢字は忘れません!まさに、「漢字を使い倒せるようになる」ための本です。
★発売日:2015年5月20日頃発売!
今月の新刊★しろとくろ - 2015.05.01
赤ちゃんの目線で作られた、おどろきの絵本!
しろとくろが「ぐにゃー」とのびたり、ちぢんだり。
ぼん!とはじけて、しーん…となって、ぽつぽつ、ざーざー。
最後は、お顔がならんでぽん!
白と黒、という色は究極のコントラスト。大人の目には色がないのは地味に見えるかもしれませんが、実はこれは赤ちゃんが大好きな世界を表した絵本です。
赤ちゃん自身が楽しめるのはもちろんのこと、赤ちゃんの世界の楽しみを大人にも教えてくれる、まったく新しいおどろきの赤ちゃん絵本です。
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<中央大学文学部心理学研究室 赤ちゃん学の専門家 山口真美教授よりご推薦の言葉> 赤ちゃんの世界の謎解きをしてみませんか? これは赤ちゃんの目線で作られた絵本です。そして大人にとっては、赤ちゃん世界を知る、謎解き絵本でもあります。この絵本には、赤ちゃんの好きなものがいっぱいあります。 大人の目には、この本は地味に映るかもしれません。赤ちゃんの好きなものは、大人とは違うのです。 赤ちゃんは、コントラストのはっきりしたものが大好きです。しろとくろは大好き。顔も大好きです。どうぞこの絵本から、赤ちゃんの好きなものを探し出してみてください。 |
★発売日:2015年5月14日頃発売!
今月の新刊★くんくんくん これはどなたのわすれもの? - 2015.05.01
忘れもの預かり所の担当者の犬のところには、色々な忘れ物が集まってきます。
くん くん くん。おや おや おや。
これは どなたの わすれもの?
動物たちが自分が忘れた物を引き取りにやってきます。
ふわふわのセーターは…だれのわすれもの?
広がっているマントは…だれのものでしょう?
だんだんと意外な忘れものや、動物などが出て来て、想像が広がってくるのが面白い、あてっこ絵本。
親子で一緒にあてっこしながら、読み聞かせ会でみんなで想像しながらでも、盛り上がること間違いなし!
★発売日:2015年5月20日頃発売!
★2015年5月「今月のプレゼント」★
5月のプレゼント本として、『くんくんくん これはどなたのわすれもの?』を抽選で3名様にプレゼントいたします!
ご応募はこちらから!
今月の新刊★風のヒルクライム - 2015.05.01
山や丘陵の上り坂に設置されたコースを走る自転車ロードレース=ヒルクライム。
13歳の誕生日に突然、ロードバイクを医師の父親から贈られ戸惑う少年・涼太。その一方的なやり方に反抗心を覚えたことから、勢いでレースに出ることに。
両親に夢を託されている涼太の同級生、ママチャリに乗って学生服のままで激走する高校生、涼太の父親の元患者だった少女とその父親、ママチャリ高校生が気になるボランティアスタッフの女子高生など、さまざまな人々の思いをレースの過程でつなぎ、それが偶然交錯したり、アクシデントが起こったりと、息もつかせぬ展開が続きます。
ひとつのゴールに思いを託して走りきるラストは圧巻!
更にエピローグでは、「その後」も語られます。さわやかな自転車疾走小説!
★発売日:2015年5月14日頃発売!
今月の新刊★お~しまい!…かな? - 2015.05.01
おいらドーナッツ。たったいっぱつ、ゲップしただけでお~しまい!っていわれたよ。
せっかくお話を始めようとしたのに、「お~しまい!」と言われてしまったクマのドーナッツくん。
なんとか話を始めようとドーナッツくんは知恵をしぼります。
変装してみたり、みんなには見えていないように装ってみたり…でも、何をやってもすぐにドーナッツくんだとバレてしまいます。
ようやくお話をさせてもらえる事になりますが…?
絵本の向こうで語り手とドーナッツくんが繰り広げるやりとりがゆかいな絵本。
ちょっとオヤジギャグ!?も入って、大勢の読み聞かせなどで爆笑必至の、ユーモア絵本。
★発売日:2015年5月18日頃発売!
今月の新刊★んふんふ なめこ絵本 うみのそこのひみつ - 2015.05.01
大好評のなめこ絵本 第4弾! 今度はなめこが海に!
海でつりをしてくらすなめこ。魚がつれなくなって困っていたある日、とつぜん大きなうずにのみこまれてしまいました。
海の底にあるぶきみなおしろにはいっていくと、まっていたのはちょっとかわったおもてなし。
なめこはぶじに帰ってこれるのでしょうか? そして海のなめこたちのおもてなしにこめられたメッセージとは?
うしろの見返しには、「海のおしろ」めいろも。
この本で初めて登場するなめこもいます!どのなめこかはおたのしみに!
★発売日:2015年5月29日頃発売!
「新版 日本の伝統芸能はおもしろい」&「和の食文化」 - 2015.05.01
新版 日本の伝統芸能はおもしろい(全6)
学習指導要領で奨励している「子どもが優れた伝統芸能に触れること」に対応。2002年刊行版の写真や内容を大幅刷新して、「能」の新刊を加えて全6巻で刊行。人気実力ともに成長した監修者が、基礎知識や型、演目、鑑賞の仕方などをビジュアルでわかりやすく解説します。
「新版 日本の伝統芸能はおもしろい(全6)」
観世清和と能を観よう/市川染五郎と歌舞伎を観よう/柳家花緑と落語を観よう/野村萬斎と狂言を観よう/東儀秀樹と雅楽を観よう/桐竹勘十郎と文楽を観よう
和の食文化 長く伝えよう! 世界に広めよう!(全4)
「和食」が無形文化遺産に登録され、世界的に関心が高まっている今、その文化的な特色をいろいろな角度から紹介するシリーズ。郷土料理や保存食など、地域の特徴や和食の魅力と奥深さを再発見できる。外国の人たちに紹介するときに役立つ英語付き。
第1巻:郷土料理に見る日本人の知恵
第2巻:食べ物を保存するということ
第3巻:和食づくりの基本とは?
第4巻:だしのひみつ「うま味」
5/14~20 安島太佳由さん『平和を考える 戦争遺産図鑑』写真展、新宿にて開催 - 2015.04.15
アジア・太平洋戦争から70年。遺跡となった建造物、いまもそのままの遺物。
「戦争遺産」とも呼ばれる色褪せたものたちが、写真を通してわたしたちに語りかけ、
戦争の実相と平和の意味について考えるきっかけとなる一冊『平和を考える 戦争遺産図鑑』。
本書の写真と文章を手がけた安島太佳由さんの写真展が、5月14日(木)より、
東京・新宿のアイデムフォトギャラリー「シリウス」にて開催されます。
忘れてはならないアジア・太平洋戦争の姿を、日本国内・太平洋・東アジアに残る「声なき証人」の写真の数々
が教えてくれます。どうぞご覧ください。
~戦後70年企画~
◆安島 太佳由 児童書写真集出版記念写真展
「平和を考える 戦争遺産図鑑」
【会 期】2015年5月14日(木)~20日(水)
【時 間】午前10時~午後6時(最終日は午後3時まで)
【会 場】アイデムフォトギャラリー「シリウス」(公式HPはこちら)
〒160-0022 東京都新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル2F
TEL:03-3350-1211 FAX:03-3350-1240
【アクセス】東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前」駅 新宿門方面出口より徒歩2分/大木戸門方面出口より徒歩2分/
新宿一丁目方面出口より徒歩2分
【入場料】無料
【休館日】5月17日(日)
【お問合せ】アイデムフォトギャラリー「シリウス」 TEL:03-3350-1211
◆ギャラリートーク
写真展会期中の5月16日(土)、安島太佳由さんと本書の編集担当者によるギャラリートークが開催されます。
入場無料ですので、お気軽にご参加ください。
【日 時】2015年5月16日(土)午前11時~12時
【定 員】40名(先着順)
【お問合せ】アイデムフォトギャラリー「シリウス」 TEL:03-3350-1211
怪談えほん特設サイト 5月刊行『はこ』 詳細ページUPしました! - 2015.04.14
恩田陸、岩井志麻子、綾辻行人、高橋克彦、小野不由美と、第一期に続きこれ以上はない顔ぶれの方々に御参集
いただきスタートした「怪談えほん」シリーズ第二期。
鏡の怖さを描いた恩田陸さんの『かがみのなか』、ひたひたと歩み寄る恐怖が背筋を震わせる岩井志麻子さんの
『おんなのしろいあし』に続き、小野不由美さんが手がける『はこ』の紹介ページが出来上がりました。
◆怪談えほん特設サイト 小野不由美×nakaban『はこ』書籍紹介ページ
「はこ」と「女の子」をめぐる、静かな恐怖のものがたり。
小野不由美とnakabanが、あなたを恐怖の世界へとじこめます。
4/11~5/17 佐竹美保さん『春の苑 紅にほふ』原画展、東京にて開催 - 2015.04.08
万葉集の代表的歌人であり、編者ともされる大伴家持は、越中国の守として、現在の富山県に
5年間赴任しました。その間に詠んだ歌は「越中万葉」として知られています。
家持の富山で過ごした5年間を、富山出身の佐竹美保さんの美しい絵でたどる原画展です。
佐竹美保さんが描く、美しい日本の景色をご堪能ください。
会期中、数量限定でサイン本も販売予定です。
また、絵本のポストカードやクリアファイルも販売いたします。
◆佐竹美保『春の苑 紅にほふ はじめての越中万葉』原画展
【会 期】2015年4月11日(土)~5月17日(日)
【会 場】教文館6階 ナルニアホール
東京都中央区銀座4-5-1 TEL:03-3563-0730
【入場料】無料
※会期中、イベント開催のため展示をご覧いただけない時間がございます。詳しくは教文館ナルニア国
までお問合せください。
★原画展の様子が教文館ナルニア国さんのHPに掲載されています!こちらの記事をごらんください。
★同時開催!「ファンタジーを描く 佐竹美保のダイアナ・ウィン・ジョーンズの世界」(4/17~5/17)
ファンタジー作品の挿絵の第一人者である佐竹美保さんが、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品に
描いた100点を超す表紙画や挿絵を一挙公開。細密に描かれた美しい原画をはじめ、ラフ画や実際に
使用した画材なども展示、画家・佐竹美保の魅力に迫る、初の大展覧会です。
【会 期】2015年4月17日(金)~5月17日(日) 11時~19時(会期中無休)
【会 場】教文館9階 ウェンライトホール
【入場料】大人800円/大・専門学校生500円/高校生以下100円
【主 催】徳間書店 【協 力】東京創元社/教文館
本展覧会の詳細、会期中のイベント情報などについては、
●徳間書店様HP(イベント情報はこちら)
●教文館様HP(イベント情報はこちら)
をご覧ください。
「MOE 2015年5月号」掲載『妖怪えほん』『ふくしまからきた子 そつぎょう』 - 2015.04.03
「MOE 2015年5月号」の、「広松由希子のおすすめ新刊絵本」にて、『ふくしまからきた子 そつぎょう』と
妖怪えほん『あずきとぎ』『とうふこぞう』『ことりぞ』の4作品が紹介されました。
妖怪えほん3点は、「今月のテーマ」コーナーにて取り上げられています。
5/30 京極夏彦先生もご登壇!妖怪えほん座談会 金沢にて開催 - 2015.04.02
妖怪えほん原画展開催を記念し、絵を担当された画家お三方と、シリーズ監修者である東雅夫氏、
そして作者である京極夏彦氏をお招きし、お話をうかがいます。
「妖怪えほん」シリーズ全五作品は、京極氏の妖怪観の下、それぞれに違ったテーマで紡がれ、
個性豊かな五人の画家の手によって肉付けされることで、多面的な妖怪の姿が描き出されています。
今回は、シリーズ製作に携わった五人にお集まりいただき、製作の裏話や、完結を迎えての思いなど、
様々なお話を語っていただきます。
◆トークイベント「妖怪えほん座談会」
【日 時】2015年5月30日(土)14時~16時(予定)
【会 場】石川四高記念文化交流館 多目的利用室
【定 員】70名
※要事前申込
【お申込】2015年5月1日(金)朝9時より、電話(TEL:076-262-5464)にて受付開始(先着順)
【参加費】無料
【出 演】
京極夏彦(小説家・「妖怪えほん」シリーズ作者)・東雅夫(文芸評論家・「妖怪えほん」シリーズ監修者)・
町田尚子(『あずきとぎ』画)・石黒亜矢子(『とうふこぞう』画)・山科理絵(『ことりぞ』画)
【主 催】公益財団法人石川近代文学館 TEL:076-262-5464
◆妖怪・怪談えほん原画展
「前期/妖怪えほん原画展」
【会 期】2015年4月18日(土)~6月21日(日) 9時~17時(入館は16時30分まで)
【展示作品】妖怪えほん『あずきとぎ』(町田尚子・絵)/『とうふこぞう』(石黒亜矢子・絵)/
『ことりぞ』(山科理絵・絵)
「後期/怪談えほん原画展」
【会 期】2015年6月25日(木)~8月23日(日) 9時~17時(入館は16時30分まで)
【展示作品】怪談えほん『かがみのなか』(樋口佳絵・絵)/『おんなのしろいあし』(寺門孝之・絵)/
『はこ』(nakaban・絵)
【会 場】石川近代文学館 2階企画展示室(石川四高記念文化交流館内)
〒920-0962 石川県金沢市広坂2-2-5 TEL:076-262-5464
【観覧料】一般:360円(290円)/大学生:290円(230円)
※高校生以下無料・常設展を含む
※( )内は20名以上の団体料金
【休館日】会期中無休
【お問合せ】公益財団法人石川近代文学館 TEL:076-262-5464
●「前期/妖怪えほん原画展(4/18~6/21)」の詳細につきましては、こちらをご覧ください。
●「後期/怪談えほん原画展(6/25~8/23)」の詳細につきましては、こちらをご覧ください。
4/25~5/17 山本孝さん『かっぱのこいのぼり』原画展 愛知にて開催 - 2015.04.01
こいのぼりがはためく季節。かっぱたちが集まってきました。かっぱの世界なのに、何故かそこは
愛知県の風景が広がっていて…?
人気の絵本作家・山本孝さんが描く、ユーモアあふれる楽しい絵本『かっぱのこいのぼり』の原画展が、
愛知県の西尾市立図書館にて開催されます。
◆山本孝さん『かっぱのこいのぼり』原画展
【日 時】2015年4月25日(土)~5月17日(日) 9:00~18:00
【会 場】愛知県西尾市立図書館
〒444-0423 愛知県西尾市一色町一色東前新田8 TEL:0563-72-3880
【休館日】毎週月曜(ただし月曜日が祝日の場合は開館)
【入場料】無料
【お問合せ】西尾市立図書館 TEL:0563-72-3880
第32回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2015.04.01
大賞 「おばけ道工事中」 草野あきこ
佳作 「サンシチ、しあわせのペット」 吉田桃子
受賞の言葉
『おばけ道工事中』 草野あきこ
数十年たち、ようやく公募に挑戦してみて気づいたのは、入賞の常連さんの多さと自分の才能のなさです。
しぼみかけた心に、後藤みわこ先生の「大賞です」の言葉が、新たに息を吹き込んで下さいました。感激のあまり電話口で泣き、「大賞ですか?」と聞き返してしまいました。
夢のような賞を頂けて、心より感謝しております。
<2015年夏刊行予定>
『サンシチ、しあわせのペット』 吉田桃子
思い出の本を生んだ福島正実記念SF童話賞で、このたび佳作に選んでいただき、とても嬉しく思っています。ありがとうございました!
第32回選考経過、選評 - 2015.04.01
第32回を迎える福島正実記念SF童話賞に、今年は225篇の応募があった。昨年と同数の歴代5位の総数となる。
毎年のことだが、高齢の方のご応募が多い。60代が「若い」と思えるほどだ。もちろん円熟期を迎えた方々からの人生の示唆にとんだ物語をお送りいただけるのはありがたいが、勢いのある若い世代の、荒削りでも見たことのない世界を描いたお話も期待したいと思う。
今年の傾向としては、宇宙人ものやパラレルワールドを扱った物語がわりと多かった。
なかには毎年少しずつ改良を加えた同じ作品を送ってくる方がいらっしゃるが、これは「新人賞」、受賞すれば作家デビューが約束されているのだ。新作を次々と書いていける力があるかどうかも、今後の作家人生を左右する。大賞受賞が「人生の記念」に終わらないためにも、「その先」を見据えて書くことに励んでほしい。
第一次選考を通過したのは以下の16篇だった。
「サンシチ、しあわせのペット」 吉田桃子
「昔ウィルス」 村上ときみ
「おばあちゃんとロボットビーグル」 野田ゆり子
「あたしがふたり!?」 藍沢羽衣
「鏡、旅にでる」 緒方明美
「ゾンビ予報」 太月よう
「ぼくは宇宙人」 竹内弘子
「ばあいの国」 神山小恵子
「ぞくぞくじゃんけん」 辻 貴司
「お化けのなやみ聞きます!」 深山まき
「おばけ道工事中」 草野あきこ
「なんとかなるさのご先祖さま」 うちだちえ
「もよもよハンター斉藤」 いくらまさき
「暑い夏は、むしむし虫」 遠山裕子
「シロタマを追いかけて」 宇都木ちはる
「ボンド?ボンド!ボンド☆」 高木剛
賞の冠にふさわしい宇宙人もの、パラレルワールドの作品もあったが、いささか消化不良で終わって
しまっていた。難しい理屈をどうやって小学校中学年の子どもたちに伝えていくのか、
力が問われるところである。文章表現、構成も含めて、「この作品を読むのはだれか」を意識してほしい。
もしそれがどうしてもフィットしないのであれば、別の賞に応募したほうが無駄がない。また、タイトルのおもしろさと中身のギャップを指摘する声もあった。「読ませる」入り口としてタイトルは重要で、そこでひきつけた期待を最後まで持続させる力も問われている。
最終選考に残ったのは、次の6作品である。
「サンシチ、しあわせのペット」 吉田桃子
「ぼくは宇宙人」 竹内弘子
「ぞくぞくじゃんけん」 辻 貴司
「おばけ道工事中」 草野あきこ
「暑い夏は、むしむし虫」 遠山裕子
「ボンド?ボンド!ボンド☆」 高木剛
「サンシチ、しあわせのペット」 やや高学年向きの表現もあるが、文章がうまく、読ませる力がある。好感度の持てる話だが、ほのぼの一辺倒ではなく、両親が離婚して母子家庭で育つ主人公の心の推移、リアルないじめなどもたくみに描かれている。ただ、「青い鳥」「ふしぎなお店に行ってみたら……」「女子のいじめ」など、ややパターン化された設定であることは確か。もう少し新味がほしい。「サンシチ」の名前の由来もはっきりしていないのは残念。
「ぼくは宇宙人」 導入はうまく引きつけるが、話が進むにつれて、道徳的、教条主義的になってしまった。主人公が実は宇宙人だったからなのか、言葉自体の小四の子とは思えない硬さも気になる。設定自体はおもしろいので、残念。地球人のすばらしさを避難所で見つけるなども無理がある。全体的に理屈っぽい。もっと子どもが共感し、自然に読んでいけるものにしてほしい。
「ぞくぞくじゃんけん」 一読しただけでは内容がすんなり入ってこないのは致命的。ただ、話の運び方はおもしろく、スピード感もあり、軽快。「心の声が漏れていた」というノリもいい。しかし、終始作者目線。作者の中では整合性がついているかもしれないが、読者の理解を超えていることが多い。
パターンを踏むなら堂々と踏んで、中身で新しさ、おもしろさ、オリジナリティを出せればよかった。
「おばけ道工事中」 人間が化けて出るのは「幽霊」であって「おばけ」ではないのでは? という指摘があったが、かつて柳田國男がその区別を記したのはそれだけ混乱しがちだから、ということで実際は混じっていてもいいという見解になった。妖怪も通過していれば、おばけ道でもかまわないのかもしれない。SF的要素がないのはネックだが、広い範囲でいえばこれも含まれる類といえる。文章がやさしく、読みやすい。時間経過の描写もたくみ。王道な話だが、書きすぎず、うまい。泣かせるオチだが、パターンといわせない何かがある。
「暑い夏は、むしむし虫」 イモムシの姿をした宇宙人。イモムシならば変態するはずで、そこに期待を持たせるわりにふつうだったのが残念。全体的に破綻はないが、新鮮味がない。書き慣れた文章というのは、時に古く思われてしまうので気をつけたい。また、偶然であろうが、かつての福島賞、ジュニア冒険小説大賞作品に登場するモチーフがいくつか使われているのは惜しい。タイトルと中身が全く一致しないのにも首をひねった。タイトルから文章の末尾まで気を遣ってもらいたい。
「ボンド?ボンド!ボンド☆」 通販で誤配があり、交換品が送られてきたら、三種類のふしぎなボンドだった……というこの作品は、最終選考会の席上で約十年前にも最終選考に残った作品だということが判明した。何箇所か修正されて送られてきているが、「同じもの」といっていい。電話で注文する通販、時限爆弾など古さを感じさせる点はそのままになっている。楽しい作品なので今回も最終に残ったのだろう。冒頭にも書いたが、次回はぜひ新作で楽しませてほしい。
今年の最終候補作品のなかで好印象だったのは、「おばけ道工事中」。対象学年向きなわかりやすさ、親近感もある。ということで、満場一致でこの作品が大賞となることが決まった。
また、佳作には「サンシチ、しあわせのペット」となることがこれもまた満場一致で決まった。リアルな部分も含みながら、好感度は高く、読ませきる力がある。今後もますます精進してほしい。
受賞作品は次のとおりである。
大賞 「おばけ道工事中」 草野あきこ
佳作 「サンシチ、しあわせのペット」 吉田桃子
2015年3月
福島正実記念SF童話賞選考委員会
選考委員の選評
選評 石崎洋司
おそらく現代の日本の児童図書の世界で、「SF」という冠をつけた童話賞は、本賞だけである。「SF」自体はいうまでもなく、文芸ジャンルのひとつとして確立されているし、またその定義も、とても一つには決められないほど多様な作品が長い年月をかけて世に送り出されてきた。が、これに「童話」がつくとどうなるのか。正直、私自身にもよくわからないのだが、ただ、少なくとも「日常」に破れ目ができて、作中人物にも、作者自身にも、どうにもならないような広がりを見せてくれるものでなければ「SF童話」とはいえないのではないか、そんな気がしている。
そんな点から考えると、今回、最終選考に残った作品どれにも、私は満足することができなかった。たとえば「ぼくは宇宙人」。宇宙人側からの視点で書かれたこの作品には、前半こそ「新しさ」を感じた。何か、思いも寄らない世界が広がるのではないか、そんな期待も抱いた。が、後半はその正反対だった。
まるで道徳の教科書のような、お行儀のよい世界観を作者が語って終わってしまうのだ。「暑い夏はむしむし虫」も宇宙人もので、文章も構成も実にきちんとしているが、中身は古い童話、それも私が子どものころに読んだお話のような古さで、おさまってしまう。たまたま題材が宇宙人、というだけのことである。
童話であるから、起承転結があり、後味もさわやかなものであってほしいが、それでも「SF」という冠がついている以上、読者を驚かせ、目を見開かせるようなシーンを繰り広げる、少なくともそういう工夫をする努力は、最低限してほしい。
そういう意味では大賞の「おばけ道工事中」は、主人公の背後に走る、あの世への道をときおり幽霊が通り過ぎるシーンなどに、おもしろみと新しさがあった。話の運びも巧みで、大賞を授与することに異論はない。だが、それでも、私個人としてはSF的な要素が足りないことに、危惧を感じてはいる。別に狭い意味での「空想科学」的な要素を加えろといっているわけではない。ただ、驚かせては欲しい。おもしろくて、楽しい話を上手に書けばいいのなら、ほかに童話賞はいくらもある。
わざわざ「SF童話」の賞に応募する以上は、自分にとっての「SF」を、うんうんうなって見つけてほしい。
選評 後藤みわこ
一次選考の時点から、「児童文学の勉強」って何だろう……と考えさせられました。
長く勉強している方の作品は、読むとわかります。文章や構成が安定しているからです。破綻がないので、一次、二次……と選考を通ってきます。
が、大賞を獲るとは限りません。
今回も、一読して以来「これが大賞かも」と期待した高得点の作品が、最終選考会で意見を交わすうちに選外になってしまいました。
この現象はほぼ毎年起きますから、「わたしの方がたくさん書いてきたのに」「教室でも評判がいいのに」と、結果を見て悔しい思いをされた応募者さんも多いでしょう。
書き続ける努力は素晴らしいです。でも、長く勉強してきた人に染み込んだ「書き慣れ感」はキケンかもしれません。今後何を書いてもこんな感じなのでは? と思わせてしまうから。新人作家としての、いわゆる「伸びしろ」の有無を疑わせてしまうからです。
創作の勉強をしながら新人賞への挑戦を続けてきた真面目で熱心な人ほどデビューから遠ざかるなんて……理不尽ですよね。けれど、(多少の傷はあっても)新鮮な作品にかなわない場合は本当に多いのです。
「じゃあ、どうすればいい?」
わたしにもわかりません。創作の勉強があなたのデビューのために有効ではないのなら、教室や合評会をお休みしてみますか?
それもいいかもしれないですね。どのみち、デビューしたら「ひとり」です。目を向ける相手は読者。仕事のパートナーは編集者。先生や仲間の意見を聞きながら書くことはできませんから。
ひとりになり、初心に帰って、好きな物語(児童文学ではないかもしれませんよ)を自由に書いてみてはいかがでしょうか。
書くことそのものが楽しく思えない、ひとりでいることがつらくてたまらない、そんな人はたぶんプロ作家に向きません。
選評 廣田衣世
今回の応募総数は225編。第一次選考から読んでいくのですが、「応募先を間違えているのでは?」という作品が毎年必ずあります。テーマがSFとは全くかけはなれている、漢字を多用したり、表現が大人向けで難解すぎる、明らかに枚数オーバー等々。応募規定を守るのはもちろん、過去の大賞受賞作もよく読み、ターゲットである読者年齢をきちんと意識して書くということが大切なのだと思います。
大賞の「おばけ道工事中」は、自分の部屋に突然「おばけ道」が通ることになった少年の不思議なお話。やさしい文章でとても読みやすく、伏線の張り方も巧妙です。おばけの世界で使えるクーポンが、ややご都合主義な感じはありますが、ストーリーの小道具として、上手く使われています。おばけ協会も面白い。おばけ道案内役のサトが主人公の友人の妹として生まれ変わる、というラストの展開は、読んでいて「多分そうなるだろうな」と予想できてしまい、「よくあるパターン」で終わりそうなのですが、それでもホロリと泣けてしまうのは、それまでのところで確実に読者の心を引きずり込み、深く感情移入させている証拠なのだと思いました。
佳作の「サンシチ、しあわせのペット」は、青い鳥と悪魔のコウモリのハーフという、不気味な鳥を手に入れた少女の物語。学校でのいじめや、両親の離婚によって激しく揺れ動く彼女の心情、葛藤が、サンシチの体の変化とリンクし、巧みに描かれています。些細な事から発生するいじめの様子なども、とてもリアル。家を出て行った父親が、最後には彼女の元に戻って来るのかと思いきや、これからも母親と二人でがんばる、という力強いラストも好感が持てました。ただ、タイトルにもなっているのに、「サンシチ」というワードが中途半端なままで、もう少し突っ込んで欲しかったかな、というのと、主人公の言動が小4にしては少し大人すぎるのが気になりました。
今回は、タイトルとストーリーがうまくかみ合っていない作品が多かったような印象を持ちました。「サンシチ、しあわせのペット」もそうですが、「暑い夏は、むしむし虫」、「ぞくぞくじゃんけん」などもそうです。読み終えた時、その内容とタイトルがしっくりこない作品は、どうしても消化不良な感じが残ってしまいます。
選評 南山 宏
福島賞作『おばけ道工事中』は、「生者には見えないが死者があの世に行くとき通る『おばけ道』が世界中に通っている」というユニークな発想が秀逸。その道の修復工事の期間だけ、主人公の少年の部屋の片隅に臨時の回り道を通させてほしいと、枕辺に立って懇願するユーレイ少女――舞台設定はホラー風ながら、展開される物語はコメディタッチの人情話。それを軽妙に読ませる文章力もオーバーすぎずふざけすぎず、基本的には死者の話なのにオチがめでたしめでたしで終わるので読後感もいい。
私の世代はお化けと幽霊を区別することが多いので、その点だけ多少気になったが、若い世代ほどお化けも幽霊も妖怪も似たような空想上の化け物と見なすようなので、対象年齢の小学生読者は違和感なく、楽しんでくれるだろう。
佳作『サンシチ、しあわせのペット』は、「幸運の青い鳥と悪魔の使いのコウモリとの禁断の恋」から生まれたハイブリッド鳥と、幸運を願って飼い主になったのはいいが案に相違して不運続きに見舞われる少女の、それでも挫けずママを助けて元気に成長していく物語。お伽話の幻想的世界と母子家庭や学校生活の現実的世界とを無理なく融合させたところに、作者の力量を感じる。
ほかの四作品は残念ながら完成度の点で受賞作に及ばなかったが、そのうち『ボンド?ボンド!ボンド☆』についてひとこと申し上げたいことがある。
じつはこの作品は同題・同内容で第18回福島賞に応募し、最終選考まで残った旧作の改訂版である。応募規定はべつに改作での再応募を禁じていないし、実際、過去に前例が何度もあり、今回も一次予選の段階で落ちた別の例がある。旧作は直接参照のしようがないので、もちろん推測の域を出ないが、当然キャラの描写や物語の展開には改善の工夫が施されているだろう。(最年長の私をのぞき)メンバーが一新された選考委員会による公平な審査の結果、再び最終選考まで残ったのだから、作品としてはそれなりのレベルまで達していることはまちがいないが、13年の懸隔があるとはいえ、事実上同一に近い作品で応募するのはいかがなものか。
作者がこの作品にそれほど自信と愛着があることは理解できるし、プロ作家が過去の自作を改稿して再発表することはままある。だが、この作者はまだデビュー前であり、そのデビューを目指して新人賞に応募したのだから、同じ執念と情熱を完全な新作のほうに振り向けてほしかった。作者にはぜひとも今後の一層の精進を期待したい。
選評 島岡理恵子(岩崎書店)
今年の最終選考会は例年になく、すんなりと短時間で決まりました。それだけ審査員の先生方の意見がほぼ同じだったので、議論が紛糾するということにはなりませんでした。
二次選考に残らなかった作品には、残念ながらそれだけの理由があります。タイトルがおもしろくても、実際読んでみたら、期待はずれであったり、構成が破綻していたり、このくらいの枚数のわりに構成が
複雑になりすぎたり、全体的な印象では、宇宙人ネタが多い印象でした。SFだから宇宙人になってしまうのは、単純すぎますし、既視感が強くなります。SFという要素を宇宙だけでなく、もっと広い視野から考えてみてはいかがでしょうか?
最終選考の中で印象的だった作品は大賞に選ばれた「おばけ道工事中」でした。一週間だけ自分の部屋をおばけが通るということで、特別なクーポンまで出てきて、さまざまな人間とかかわるのですが、最後にはほろりとさせます。
それだけ読む者に共感をもたらしているわけで、文章力、ストーリー構成なども上手にまとまっていました。
全員一致でこの作品が大賞に決まり、佳作のほうも「サンシチ、しあわせのペット」に決まりました。
書店に行くと、ますます児童書売り場は縮小傾向にあります。特に読み物については、夏休みのすいせん図書以外は定番のものしか置かれていないのが現状です。新人の方には過去の実績がないだけに取次も書店もとてもシビアです。そういう中でいかに書店に置いてもらうか。非常に厳しい現実は確かにあります。それでも作品を書いていくならば、相当な覚悟で取り組んでいただきたいと思います。有名な作家さんでもだれもがはじめの一冊目がありました。読み物はなかなか厳しいと言われて久しいですが、一方で子どもたちが大好きなシリーズも生まれています。そんな作品が生まれることを私たちも願っています。
第32回 福島正実記念SF童話賞 受賞発表! - 2015.04.01
第32回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品が発表となりました。受賞作品、受賞者など詳細は下記ページをご覧ください。
今月の新刊★『世界一のパティシエになる! ケーキ職人 辻口博啓ものがたり』 - 2015.04.01
世界一のパティシエをめざした、ある少年の物語
友だちの誕生日会で初めて食べたショートケーキ。それが全ての始まりでした。
スタートはケーキ屋に住み込んでの修行。そこからどうやって世界一になったのでしょう?
パティシエ・辻口博啓さんの生い立ちから世界一になるまでを、低学年からでも読めるお話にしました。
トップに立った今も世界大会という舞台に挑み続ける辻口さんは、現状に甘んじることがありません。そのガッツの源は、だれにも負けたくないという強さと向上心。
そんな辻口さんがどんな子ども時代を送り、どうやって修行してきたのかを、息もつかせぬ物語で読ませます。
逆境に負けない強さ、夢を追い続けるガッツなど、圧巻の情熱が伝わる手に汗握る物語です!
★好評発売中!
★辻口さんが製菓指導を担当!NHK連続テレビ小説「まれ」 3月30日(月)より放送中!★
今月の新刊★だいじなおとしもの - 2015.04.01
ある日クマくんは、森の中でウサギのぬいぐるみをみつけました。
持ち主をさがしてあげなくちゃ!
クマくんはぬいぐるみのウサちゃんの持ち主をみつけようと、「おとしもの」のちらしをたくさん作り、森じゅうの木に貼り付けたり、高い木のてっぺんから、池のなかまでさがします。でも、ウサちゃんの持ち主はあらわれません。
「このまま ウサちゃんと いっしょに いられたら いいのにな」
ウサちゃんの持ち主はあらわれるのでしょうか。
そしてクマくんはその時、どうするでしょう?
すべての落し物のおもちゃたちが、どうか無事に落とし主にみつけてもらえますように。
そんな願いで作られた『だいじなおとしもの』は、いつくしむ心、大事にする心を育てる心温まる作品です。
★発売日:2015年4月10日頃発売!
★2015年4月「今月のプレゼント」★
4月のプレゼント本として、『だいじなおとしもの』を抽選で3名様にプレゼントいたします!
ご応募はこちらから!
今月の新刊★D・ウォーカーのかわいいこいぬ、こねこの絵本 - 2015.04.01
『おすわりくまちゃん』や『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』で大人気の、デイヴィッド・ウォーカーの絵本、最新刊!
こいぬがいっぱい わんわんわん!
たくさんのこいぬが遊んでいるよ。白いの黒いの茶色いの。とんだりはねたりお散歩したり、みんないっしょに、ころころ、わんわん!こいぬと遊ぶ楽しさいっぱいの絵本!
こねこがいっぱい にゃんにゃんにゃん!
たくさんのこねこが遊んでいるよ。ふくろをかさかさ、毛糸玉ところころ、ごはんをむしゃむしゃ、ベッドでくうくう。こねこたちの世界がたまらなくかわいい絵本!
デイヴィッド・ウォーカーさんの描く「どうぶつのかわいらしさ」がこれでもか!とつめ込まれた、かわいいこいぬ、こねこたちが、絵本の中を所狭しと駆けまわっています。
こいぬ、こねこを飼ったことがある人なら、誰でも「あっ、うちのコと同じことしてる!」といった仕草や様子を一つは見つけられるのでは?
お子さんだけでなく、いぬ好き、ねこ好きの人へのプレゼントにも喜ばれそうな、こいぬ、こねこが満載の絵本です。
★発売日:2015年4月8日頃 2冊同時発売!
今月の新刊★『アナと雪の女王』『シンデレラ』豪華愛蔵版絵本 - 2015.04.01
ウォルト・ディズニー・スタジオのアーティストが新たに描き起こした、美しいイラストとこだわりの豪華装丁で、
『アナと雪の女王』と『シンデレラ』の2冊が同時刊行!
充実の全72ページで、子どもだけでなく、大人も楽しめる愛蔵版ディズニー絵本です。
★ディズニー名作ムービーコレクション1『アナと雪の女王』
★ディズニー名作ムービーコレクション2『シンデレラ』
©Disney
**以下映画情報**
2015年4月25日(土)公開!映画「シンデレラ」
★発売日:2015年4月9日頃 2冊同時発売!
今月の新刊★ちっちゃな サリーは みていたよ - 2015.04.01
世界はいつでも変えられる。ちいさな女の子の、おおきな勇気のお話。
サリーは1年生で一番小さいの女の子です。学校でも、教室でも、小さいサリーは目立ちません。
けれど、サリーは見ていました。
トミーが誰かに足をひっかけられて転んだこと。
ケビンが、誰かにすべり台で突き飛ばされて、でも、涙を隠そうとしていたこと。
ビリーが、お父さんに無理矢理手をひかれて連れて行かれたこと。
誰かが誰かに言ったわるぐち。誰かの悲しい顔。
でもみんなしらんぷり。
ほんとうに、それでいいのかな?
ある日、サリーは手を上げました。勇気を出して。
サリーは声を上げました。みんなに聞こえるように、大きな声で。
「みんな なかよくしよう! だれかが泣いてるの、もうみたくないよ」
小さな女の子サリーが上げた声は、やがて…。
小さなサリーが、ほんのすこしの勇気と声が、やがてとてつもなく大きな力となる事を教えてくれます。
★発売日:2015年4月13日頃発売!
今月の新刊★だいすき ほっとけーき - 2015.04.01
あかちゃんもにっこり!みんなでホットケーキをつくろう!
まずはなが~いおみみの動物が登場。だれの耳かな? 卵を持ってきました。
ぺったん、ぺったん歩いてくる動物。だれかな? ミルクを持ってきました。
ぽんぽこ、おなかをたたいてやってきた動物、だあれ? 粉を持ってきました。
ぶーぶーぶー、大きなお鼻の動物、だれかな? 砂糖を持ってきました。
さあさあ、4ひきそろって、材料をぜんぶ混ぜ合わせます。
フライパンに流しいれて、プツプツあながあいて、焼けてきた!
みんな大好きなほっとけーき!
いただきまーす!!
リズミカルな文章がたのしい、あかちゃんえほんです。
いろんな動物たちが、それぞれ材料を持って集まってきます。おいしいホットケーキ、やけるかな?
耳や足、お鼻から、どんな動物かあてっこしながら読むのも楽しい、あかちゃんにぴったりの読み聞かせ絵本。
★発売日:2015年4月13日頃発売!
「日本の米づくり」&「すがたをかえる たべものしゃしんえほん〈第2期〉」 - 2015.04.01
日本の米づくり(全4)
他に類のない、専門家によるわかりやすく、くわしい「お米」の解説書。
『日本の林業』(第10回学校図書館出版賞)、『日本の農業』に続く、岩崎書店の農業シリーズ!
「日本の米づくり(全4)」
第1巻:お米って、なんだろう?
第2巻:日本各地の米づくり
第3巻:イネ・米・田んぼの歴史
第4巻:お米の研究最前線 付録:世界の米づくり
すがたをかえる たべものしゃしんえほん〈第2期〉(全5)
大豆から「しょうゆ」、茶の葉から「お茶」、ぶた肉から「ソーセージ」、こんにゃくいもから「こんにゃく」、カカオから「チョコレート」ができるまでを迫力のしゃしんで追いかけます。昔ながらの製法を守り、丁寧に仕上げる職人技は見ごたえたっぷり。
第1巻:しょうゆができるまで
第2巻:お茶ができるまで
第3巻:ソーセージができるまで
第4巻:こんにゃくができるまで
第5巻:チョコレートができるまで
今月の新刊★『キャンディハンター マルカとクーピー シュガーランドの魔法つかい』 - 2015.04.01
おかしがいっぱい☆魔法の世界へようこそ!
絵本『ちいさなちいさな ふしぎなおみせ』(教育画劇)などの「ポコポコシリーズ」で大人気の、さかいさちえ先生が贈る、小学校低学年向けの女の子に向けた、可愛くてすてきな魔法物語が登場です!
主人公のマルカは、魔法学校に通う女の子。友達のルナちゃんがもっている「ゆめの子」がうらやましくてたまりません。
「ゆめの子」とは、魔法使いが夢をかなえると誓ったとき、その想いが空にとどいて雲から生まれる、フワフワした可愛い相棒。夢をかなえるお手伝いをしてくれるのです。
マルカは、自分の夢が何なのかよくわかりませんでした。
ところがある日――
魔法学校に通う主人公のマルカは元気いっぱい。友達のルナちゃんは、お菓子作りが上手な、青い髪のキレイな女の子。
魅力溢れるキャラクターと、お菓子&魔法がいっぱいの、女の子が大好きなものがぎゅっぎゅっ!とつまった、素敵な世界に引き込まれちゃうこと間違いなし!
★発売日:2015年4月8日頃発売!
5/15~7/14 「戦争を描いた日本の絵本展」、安曇野ちひろ美術館にて開催 - 2015.03.27
ヨーロッパとアジアの交差する黒海沿岸の地域を舞台に、戦火から逃れながら弟と二人、強く生きていく兄弟を描いた小林豊さんの絵本『ぼくと弟はあるきつづける』の原画が、安曇野ちひろ美術館で開催される「<戦後70年特別企画>Ⅱ 戦争を描いた日本の絵本展」にて展示されます。
◆<戦後70年特別企画>「Ⅱ 戦争を描いた日本の絵本展」
【日 時】2015年5月15日(金)~7月14日(火)
【会 場】安曇野ちひろ美術館
〒399-8501 長野県北安曇郡松川村西原3358-24
TEL:0261-62-0772 / テレフォンガイド:0261-62-0777
【開館時間】9:00~17:00(GW・お盆期間は18:00まで)
【休館日】第2・4水曜日(祝休日は開館、翌平日休館)
【入場料】大人800円 高校生以下無料
【お問合せ】安曇野ちひろ美術館 TEL:0261-62-0772
4/26 道傳愛子さん講演会&交流会 東京にて開催 - 2015.03.17
4月23日~5月12日は「こどもの読書週間」です。
史上最年少者の17歳でノーベル賞を受賞したマララ・ユスフザイさんが、若い読者に向けて書きおろした本
『マララ 教育のために立ち上がり、世界を変えた少女』。
この本の翻訳をされた道傳愛子さんをお招きして、シャンティ国際ボランティア会が主催の講演会と
交流会が、東京・麹町にて開催されます。
講演では、イスラム圏の女子教育についてや、パキスタンに訪問した際のことなどについてお話しいただきます。
第二部では、道傳さんの翻訳書2点の販売とサイン会、そして交流会を行います。
報道や女子教育についてご関心のある方は、ぜひご参加ください(要申込)。
◆イスラム圏の女の子たちに教育を 道傳愛子さん講演会&交流会
【日 時】2015年4月26日(日) 14:00~17:00(開場13:30)
13:30 開場、受付開始
14:00 第一部 講演会
15:35 第二部 サイン会&交流会
【定 員】130名
【会 場】C&Rグループビル2階
〒102-0083 東京都千代田区麹町2丁目10番9号 C&Rグループビル
東京メトロ半蔵門線 半蔵門駅より徒歩2分
東京メトロ有楽町線 麹町駅より徒歩5分
【参加費】3,000円/学生:2,000円(税込) ※ドリンク、軽食付
※飲食代等の実費を差し引いた金額は全て、アフガニスタンで建設する校舎への寄付に充てさせていただきます。
【申 込】シャンティ国際ボランティア会公式サイト内イベントページより、オンラインにてお申込ください。
http://sva.or.jp/wp/?p=12532
4/18~6/21 妖怪えほん原画展 金沢・石川近代文学館にて開催 - 2015.03.16
日本の風土の中に培われた「妖怪」に新しい姿を与えて立ち上がらせた「妖怪えほん」と、
人間の感情の中で最も原始的なものの一つである「恐怖」を描く「怪談えほん」。
平成25年・26年度にそれぞれ金沢の石川近代文学館にて原画展を行い、好評いただきましたが、
今回は「妖怪えほん」、「怪談えほん」各シリーズより、前回の展示ではご紹介できなかった新作の原画を、
全編にわたり展示いたします。
それぞれ違ったコンセプトのもと作られた二つの「怪」なる異色の絵本シリーズに触れてください。
◆妖怪・怪談えほん原画展「前期/妖怪えほん原画展」
【会 期】2015年4月18日(土)~6月21日(日) 9時~17時(入館は16時30分まで)
【会 場】石川近代文学館 2階企画展示室(石川四高記念文化交流館内)
〒920-0962 石川県金沢市広坂2-2-5 TEL:076-262-5464
【観覧料】一般:360円(290円)/大学生:290円(230円)
※高校生以下無料・常設展を含む
※( )内は20名以上の団体料金
【休館日】会期中無休
【展示作品】妖怪えほん『あずきとぎ』(町田尚子・絵)/『とうふこぞう』(石黒亜矢子・絵)/
『ことりぞ』(山科理絵・絵)
【お問合せ】公益財団法人石川近代文学館 TEL:076-262-5464
●「後期/怪談えほん原画展(6/25~8/23)」の詳細につきましては、こちらをご覧ください。
◆トークイベント「妖怪えほん座談会」
妖怪えほん原画展開催を記念し、絵を担当された画家お三方と、シリーズ監修者である東雅夫氏、
そして作者である京極夏彦氏をお招きし、お話をうかがいます。
「妖怪えほん」シリーズ全五作品は、京極氏の妖怪観の下、それぞれに違ったテーマで紡がれ、
個性豊かな五人の画家の手によって肉付けされることで、多面的な妖怪の姿が描き出されています。
今回は、シリーズ製作に携わった五人にお集まりいただき、製作の裏話や、完結を迎えての思いなど、
様々なお話を語っていただきます。
【日 時】2015年5月30日(土)14時~16時(予定)
【会 場】石川四高記念文化交流館 多目的利用室
【定 員】70名
※要事前申込
【お申込】2015年5月1日(金)朝9時より、電話(TEL:076-262-5464)にて受付開始(先着順)
【参加費】無料
【出 演】
京極夏彦(小説家・「妖怪えほん」シリーズ作者)・東雅夫(文芸評論家・「妖怪えほん」シリーズ監修者)・
町田尚子(『あずきとぎ』画)・石黒亜矢子(『とうふこぞう』画)・山科理絵(『ことりぞ』画)
【主 催】公益財団法人石川近代文学館 TEL:076-262-5464
6/25~8/23 怪談えほん原画展 金沢・石川近代文学館にて開催 - 2015.03.16
日本の風土の中に培われた「妖怪」に新しい姿を与えて立ち上がらせた「妖怪えほん」と、
人間の感情の中で最も原始的なものの一つである「恐怖」を描く「怪談えほん」。
平成25年・26年度にそれぞれ金沢の石川近代文学館にて原画展を行い、好評いただきましたが、
今回は「妖怪えほん」、「怪談えほん」各シリーズより、前回の展示ではご紹介できなかった新作の原画を、
全編にわたり展示いたします。
それぞれ違ったコンセプトのもと作られた二つの「怪」なる異色の絵本シリーズに触れてください。
◆妖怪・怪談えほん原画展「後期/怪談えほん原画展」
【会 期】2015年6月25日(木)~8月23日(日) 9時~17時(入館は16時30分まで)
【会 場】石川近代文学館 2階企画展示室(石川四高記念文化交流館内)
〒920-0962 石川県金沢市広坂2-2-5 TEL:076-262-5464
【観覧料】一般:360円(290円)/大学生:290円(230円)
※高校生以下無料・常設展を含む
※( )内は20名以上の団体料金
【休館日】会期中無休
【展示作品】怪談えほん『かがみのなか』(樋口佳絵・絵)/『おんなのしろいあし』(寺門孝之・絵)/
『はこ』(nakaban・絵)
【お問合せ】(公財)石川近代文学館 TEL:076-262-5464
●「前期/妖怪えほん原画展(4/18~6/21)」の詳細につきましては、こちらをご覧ください。
3/22 永幡嘉之さん×里見喜久夫さんトークイベント 世田谷にて開催 - 2015.03.10
震災後、原発事故によって人が住めなくなった里山に通って、生きものたちの姿を丹念に見つめた写真絵本
『原発事故で、生きものたちに何がおこったか。』、東北地方の津波跡地をつぶさに歩き、
そこに生きる生きものたちの様子を捉えた『大津波のあとの生きものたち』(少年写真新聞社)の2冊を刊行した、
自然生態系の研究家であり、写真家の永幡嘉之さんと、障がいを持つ方の「働く」をテーマに、働く障がい者のこと、
施設でつくられる良品、福祉の世界で活躍している人たちを紹介する季刊誌『コトノネ』の発行人、編集長の
里見喜久夫さんのトークショーが、3月22日、東京・世田谷区にある「本屋B×B」にて開催されます。
『コトノネ』13号、『原発事故で、生きものたちに何がおこったか。』『大津波のあとの生きものたち』刊行記念
◆永幡嘉之 ×里見喜久夫「『3.11』から4年。生きものたちは、どうなった?」
トークイベント
【日 時】2015年3月22日(日) 19時~21時(18時30分開場)
【会 場】本屋B&B 東京都世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤマビル2F
【出 演】永幡嘉之(自然写真家)/里見喜久夫(季刊誌『コトノネ』発行人/編集長)
【入場料】前売(席確保)1,500円+ワンドリンク500円
【予 約】
(1)本屋B&B ホームページよりオンラインにて申込
http://bookandbeer.com/blog/event/20150322b_kotonone3/
(2)お電話にて申込 TEL:03-6450-8272
【お問合せ】本屋B&B TEL:03-6450-8272
2015年5月 HPプレゼント - 2015.03.01
◎応募期間:2015年5月31日(日)23:59まで
◎応募資格:どなたでもご応募いただけます(以前応募いただいた方も毎月ご応募いただけます)
◎発表方法:当選の発表は、翌月1日に当ページにてお知らせいたします
★4月のプレゼント 当選者★
平素より、小社ホームページをご高覧いただき、誠にありがとうございます。
当ホームページ上で実施しております、
「今月のプレゼント」に、毎月多数のご応募をいただき、ありがとうございます。
厳正なる抽選の結果、4月分の当選者は次の3名様となりました。
おめでとうございます!
4月のプレゼント本
『だいじなおとしもの』
三重県四日市市 I.Hさま
東京都江戸川区 N.Mさま
東京都東久留米市 M.Jさま
また、ご応募の際にご記入いただいた、本のご感想やホームページに対するご意見は、
いつも楽しく拝読させていただいております。
ご意見・感想のお書き込みも、お待ちしております。
今月の新刊★『しずくちゃん24 すてきな日曜日♪』 - 2015.03.01
大人気の「しずくちゃん」シリーズ、最新刊です。
今日は日曜日。学校もお休み。しずくちゃんたち、しずくの森のみんなは何をしているのかな?
マラソン大会や、カフェどろっぷではトランプやコーヒー占いをして盛り上がったよ。
しずくちゃんのペットボトルハウスのプールもオープンにしたら、みんなが遊びに来てくれたよ~。
のんびり、ゆったり、しずくの森の楽しさを満きつしてみよう!
★発売日:2015年3月17日頃発売!
今月の新刊★『まねしんぼう』 - 2015.03.01
1999年からのロングセラーえほんが、リニューアルして登場!
おにいちゃんのすることは、なんでもかんでもまねしたいいもうと。
いっしょうけんめいまねっこしてみるけれど、どこかとんちんかんな様子がおかしくて、思わず笑ってしまいます。
「おとうさんはウルトラマン」シリーズや「ティラノサウルス」シリーズで大人気の宮西達也先生が、1999年に
手がけた絵本。
なんでもお兄ちゃんのまねをしたがる「まねしんぼう」の妹をお兄ちゃんの目線から描きます。
妹・弟を持つ人なら「あるある!」と言ってしまいそうな、ほほえましい兄弟の様子が描かれた、思わず
にっこりしてしまう絵本です。
今回このロングセラー絵本が、判型を大きくし、表紙を新たにして、リニューアル版として刊行されます。
★発売日:2015年3月11日頃発売!
★2015年3月「今月のプレゼント」★
3月のプレゼント本として、『まねしんぼう』を抽選で3名様にプレゼントいたします!
ご応募はこちらから!
<イベント情報>
今月の新刊★『マララとイクバル パキスタンのゆうかんな子どもたち』 - 2015.03.01
2014年、ノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんと、児童労働問題を世界中に訴え、
12歳で殺されたイクバル・マシーくん。
ともに、不正に声をあげる勇気を持ち、行動した子どもたちです。
パキスタンで自由のために闘ったふたりが命がけで訴えたメッセージが心に迫ります。
女の子が学校に通う権利を訴え、武装勢力に銃撃され、奇跡の回復を遂げたマララさん
(2014年ノーベル平和賞を受賞)。
4歳の時、わずか12ドルの借金のために、絨毯工場で債務労働に従事させられることになったイクバルくん。
10歳で解放されてからは、児童労働の不当性を世界中に訴え、12歳のときに銃で撃たれ命を落としました。
パキスタンの勇敢なふたりの子どもたちは、何者も恐れず、不正に対して声をあげ続けました。
美しい絵とシンプルで力強い言葉の絵本から、外の世界にはこんな現実があって、けれどそれに負けることなく
自ら行動した子どもたちがいたんだ…ということが、日本の子どもたちにも伝ればと思います。
★発売日:3月12日頃発売!
ホーキング博士の物語 映画化!3/13より全国公開! - 2015.03.01
「車椅子の天才物理学者」スティーヴン・ホーキング博士。
ニュートンやアインシュタインに並ぶ天才と称される博士は、難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)のハンデを
負いながらも、今なお倫理物理学者として研究に励み、現代宇宙論に多大な影響を与えています。
そんなホーキング博士の知られざる愛の物語―実話を元にした、博士とその妻・ジェーンの物語が映画になりました。
ホーキング博士役には、大ヒット映画『レ・ミゼラブル』のマリウス役を演じたエディ・レッドメイン。
妻のジェーン・ホーキング役は、『アメイジング・スパイダーマン2』のフェリシティ・ジョーンズが演じます。
◆映画『博士と彼女のセオリー』(映画公式サイトはこちら)
2013年3月13日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ他で全国ロードショー
★ホーキング博士の本 好評発売中!★
「決定版 新幹線大百科」&「生産・環境・福祉 日本の自動車工業」 - 2015.03.01
決定版 新幹線大百科(全4)
開業50週年を迎える新幹線。
長い歴史のなかでつちかわれてきた全国路線や最新車両のくふう、世界に誇る安全のシステム、新幹線の車体製造、
運搬作業に関わる人びとの現場など、あらゆる角度から新幹線を見つめる注目のシリーズ!
「決定版 新幹線大百科(全4)」
第1巻:新幹線の全国路線と車両
第2巻:新幹線のしくみと安全のシステム
第3巻:新幹線の歴史と未来
第4巻:新幹線ではたらく人びと
生産・環境・福祉 日本の自動車工業(全5)
基幹産業として発展した自動車工業のすべてがわかるシリーズ。
総合産業としての生産としくみ、世界とのかかわり、最先端をゆく安全技術、環境にやさしい次世代の自動車づくり、
そして新しい自動車社会のあり方を考える福祉車両まで、はばひろく解説しました。
「生産・環境・福祉 日本の自動車工業(全5)」
第1巻:日本の自動車の生産としくみ
第2巻:世界とつながる自動車
第3巻:命を守る安全技術
第4巻:環境にやさしい自動車づくり
第5巻:福祉車両とバリアフリー
3/18~3/30 「宮西達也ワンダーランド展」横浜にて開催 - 2015.02.23
絵本を描き続けて、まもなく30年を迎えられる宮西達也さん。
カラフルな色彩と大胆でありながら繊細でやさしいタッチにあふれた数々の作品は、
心温まるストーリー展開とあいまって、子どもから大人まで多くの人々を魅了してやみません。
そんな宮西達也さんの本格的な展覧会が、2015年3月の横浜髙島屋ギャラリーを
皮切りに、日本全国で開催されます。
本展覧会では、初めて文も絵も手がけた絵本『どうしたのぶたくん』(1987年)の原画を
はじめ、200万部を超える大ヒット作「ティラノサウルスシリーズ」(ポプラ社)や、
正義の味方がお父さんとして奮闘する「おとうさんはウルトラマンシリーズ」(学研教育出版)
などの代表作を中心に、初期作品や秘蔵のラフスケッチなどを加え、250余点を展示します。
岩崎書店からは、3月にリニューアル版が刊行される『まねしんぼう』の複製原画が展示されます。
また、展覧会のスペシャル企画として、「ティラノサウルスシリーズ」と
「おとうさんはウルトラマンシリーズ」の初コラボ作も登場!
ヘンテコリンでユニークな「宮西達也のワンダーランド」をまるごと体験できる貴重な機会を、
どうぞ心ゆくまでお楽しみください。
◆宮西達也ワンダーランド展 ヘンテコリンな絵本の仲間たち
【会 期】2015年3月18日(水)~3月30日(月)
【時 間】午前10時~午後7時30分(午後8時閉場)
最終日3月30日(月)は午後5時30分まで(午後6時閉場)
【会 場】横浜髙島屋ギャラリー 8階
神奈川県横浜市西区南幸1丁目6番31 TEL:045-311-5111
【入場料】一般800円(600円)、大学・高校生600円(400円)、中学生以下無料
※( )内は前売り及び10名様以上の団体割引料金。
※前売券は髙島屋7階商品券サロンにて、3月17日(火)までお求めいただけます。
※「障がい者手帳」をご提示いただいたご本人様、ならびに、ご同伴者1名様まで入場無料。
【お問合せ】横浜高島屋 TEL:045-311-5111
【主 催】朝日新聞社、神奈川新聞社
【協 賛】野崎印刷紙業
【後 援】神奈川県教育委員会、横浜市教育委員会
【協 力】アリス館、岩崎書店、えほんの杜、学研教育出版、教育画劇、金の星社、
講談社、鈴木出版、チャイルド本社、ひさかたチャイルド、ポプラ社、ほるぷ出版、
メイト、円谷プロダクション
【企画協力】TATSU屋CORPORATION、渋谷出版企画
★宮西達也さんがやってくる!絵本読み聞かせ★
【開催日】2015年3月26日(木)、27日(金)、28日(土)
【時 間】各日午前11時、午後2時の2回(30分程度)
※イベント参加には本展の入場券が必要です。
※予定は変更になる場合があります。
<巡回スケジュール>
●2015年4月25日(土)~6月7日(日) 愛知・刈谷市美術館
●2015年6月12日(金)~7月20日(月・祝) 山形・天童市美術館
●2015年7月25日(土)~9月23日(水・祝) 東京・世田谷文学館
●2015年10月3日(土)~11月23日(月・祝)静岡・佐野美術館
宮西達也さんの作品はこちら
横浜髙島屋イベントページの詳細情報はこちら
3/20~4/22 『希望の牧場』&『悪い本』 吉田尚令さん原画展、京都にて開催 - 2015.02.23
「この世のどこかに存在する悪い本。あなたにいちばん悪いことをおしえてくれるでしょう。」
刊行以降、話題を呼び続けている怪談えほんシリーズ『悪い本』。
震災による原発事故で、立ち入り禁止区域に指定された福島県の浪江町。
住民が避難した後もそこに留まり、牛たちの世話を続ける牧場主の姿を描いた
絵本『希望の牧場』。
この2つの作品の絵を手がけた吉田尚令さんの原画展が、京都の恵文社バンビオ店
さんで開催されます。
会期を前半・後半に分け、『希望の牧場』と『悪い本』それぞれの原画を展示いたします。
◆吉田尚令さん『希望の牧場』『悪い本』原画展
【会 期】『希望の牧場』原画展:2015年3月20日(金)~4月8日(水)
『悪い本』原画展:2015年4月10日(金)~4月22日(水)
※4/9(木)は13時より作品入れ替え
【時 間】9:30~22:00
【会 場】恵文社バンビオ店
京都府長岡京市神足2-21 バンビオ2番館2F TEL:075-952-3421
【入場料】無料
【問合せ】恵文社バンビオ店 TEL:075-952-3421
2/28~3/20 『妖怪えほん』最新刊3点の原画展、東京・青山にて開催 - 2015.02.23
怪談えほん『いるの いないの』で衝撃の絵本デビューを果たした京極夏彦先生。
その京極先生が、最大得意分野である妖怪をテーマに、あらたな絵本シリーズを
立ち上げた「妖怪えほん」シリーズ。
2013年に第1巻『うぶめ』、第2巻『つくもがみ』が発売されてから2年の時を経て、
2015年2月に待望の第3巻『あずきとぎ』、第4巻『とうふこぞう』、第5巻『ことりぞ』
の3点同時刊行され、「妖怪えほん」シリーズがついに完結します。
その『あずきとぎ』、『とうふこぞう』、『ことりぞ』の原画展が、2/28より青山ブックセンター本店にて
早くも開催される事が決定しました。
また、本シリーズ完結を記念した記念トークショーも開催されます。
(トークショーの開催日時・詳細等につきましてはこちらの記事をご覧ください。)
◆妖怪えほん『あずきとぎ』『とうふこぞう』『ことりぞ』 原画展
【会 期】2015年2月28日(土)~3月20日(金)
【会 場】青山ブックセンター 本店
東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山ガーデンフロア (B2F)
TEL:03-5485-5511
【入場料】無料
【お問合せ】青山ブックセンター 本店 03-5485-5511(10:00~22:00/無休)
「妖怪えほん」シリーズ特設サイトはこちら
3/14 「東雅夫と3人の妖怪絵師」トークイベントの詳細はこちら
青山ブックセンターのHPはこちら
3/14 「東雅夫と3人の妖怪絵師」トークイベント、東京・青山にて開催 - 2015.02.23
京極夏彦さんが5巻にわたって作を手がけ、大きな話題となった「京極夏彦の妖怪えほん」シリーズ。
個性豊かな妖怪とともに、人々の喜怒哀楽や心の機微を描く質の高い作品が揃いました。
このたび、シリーズ完結を記念し、同シリーズの企画監修をつとめた東雅夫さんと3人の妖怪絵師を迎え、
それぞれの絵本の創作エピソードをお話いただきます。
鮮烈な京極ワールドにいかに挑み、いかに描いたか、三者三様の妖怪絵師たちの声をお楽しみください。
トーク終了後、サイン会を行います。
【サイン会対象書籍】『とうふこぞう』『あずきとぎ』『ことりぞ』及び、当日お買い上げ
いただいた著者の作品が対象となります。
また2/28~3/20まで、同じく青山ブックセンター本店にて、上記3作品の原画展も開催されます。
◆京極夏彦の妖怪えほん 完結記念「東雅夫と3人の妖怪絵師」
【日 時】2015年3月14日(土)18:00~19:30(開場17:30~)
【会 場】青山ブックセンター 本店内 大教室
【定 員】100名様
【入場料】1,080円(税込)
【出 演】東雅夫、石黒亜矢子、町田尚子、山科理絵
【参加方法】
(1)青山ブックセンターWebサイトの「オンライン予約」にて受付
(2)本店店頭にてチケット引換券を販売
※電話予約は行っておりません。
【受付開始】2015年2月23日(月)10:00~
【受付時間】10:00~22:00
※受付時間は、お問合せ店舗の営業時間内となります。ご注意ください。
※先着順のため、定員になり次第、締め切らせていただきます。ご了承ください。
【お問合せ・お申込み】青山ブックセンター 本店 TEL:03-5485-5511 (10:00~22:00)
「妖怪えほん」シリーズ特設サイトはこちら
2/28~3/20 原画展のお知らせはこちら
青山ブックセンター本店のイベント詳細・オンライン申込ページはこちら
3/22 あんびる先生サイン会、ブックファースト阪急西宮店にて開催 - 2015.02.21
心あたたまるお話と、簡単で可愛い手芸のアイデアが、女の子に大人気のあんびる先生の
「なんでも魔女商会」シリーズ。
その「なんでも魔女商会」シリーズの累計100万部突破記念サイン会が、
神戸のブックファースト阪急西宮ガーデンズ店にて開催される事が決定しました!
ご参加の方には、オリジナルポストカードのプレゼントも。
あこがれのあんびるやすこ先生に会える貴重なサイン会、ぜひご参加ください♪
◆「なんでも魔女商会」100万部突破記念 あんびるやすこ先生サイン会
【日 時】2015年3月22日(日)13:30~
【会 場】ブックファースト阪急西宮ガーデンズ店 店内特設会場
兵庫県西宮市高松町14-2-405 阪急西宮ガーデンズ4階
TEL:0798-62-6103
【定 員】100名様(要整理券)
【お申込】「なんでも魔女商会」「ルルとララ」「アンティークFUGA」のシリーズいずれかの本
(新刊・既刊ともに可)を、ブックファースト阪急西宮ガーデンズ店にてご購入いただいた方に、
レジカウンターで整理券をお配りします。お電話でのご予約も承ります。
【整理券配布開始日】2015年2月21日(土)10:00より
※お電話でのご予約も同様に2月21日(土)10時から受け付けます。
※先着順のため、定員になり次第、締め切らせていただきます。ご了承ください。
【お問合せ】ブックファースト阪急西宮ガーデンズ店 TEL:0798-62-6103
ルルとララ特設サイトはこちら
なんでも魔女商会特設サイトはこちら
あんびる先生のHPはこちら
3/9~14 『希望の牧場』原画展、青山にて開催 - 2015.02.17
震災による原発事故で、立ち入り禁止区域に指定された福島県の浪江町。
住民が避難した後もそこに留まり、牛たちの世話を続ける
牧場主の姿を描いた絵本『希望の牧場』の原画展が、
東京・北青山の「ギャラリーMAYA」にて開催されます。
放射能汚染によって「売り物」にならなくなった肉牛たちを
事故後も変わらず世話をし続け、エサをやる。
“売れない牛を生かしつづける。
意味がないかな。バカみたいかな。
いっぱい考えたよ。
「オレ、牛飼いだからさ」”
それでも牧場主はそこに留まり、更には迷子になった牛や
飼い主に捨てられた牛たちを引き取り、世話をする。
おはなしを手がけた作家の森絵都先生は、自らこの牧場に趣き、
実際にそこで牧場の仕事を手伝いながらこの話を書きました。
吉田尚令先生が、原発事故後もそこで生きる牛たちと、その命を
守る為に今も懸命に働く人達の姿を描きます。
原画展では、『希望の牧場』の原画展示および、本展覧会用に描いた絵の展示をいたします。
◆吉田尚令展「希望の牧場」
【会 期】2015年3月9日(月)〜3月14日(土)
【会 場】ギャラリーハウスMAYA
東京都港区北青山2-10-26
TEL:03-3402-9849 FAX:03-3423-8622
【開館時間】11:30~19:00(土曜日は17:00まで)
【休廊日】日曜日
吉田尚令先生のHPはこちら
ギャラリーハウスMAYAのHPはこちら
『まばたき』が『ダ・ヴィンチ 2015年3月号』のひとめ惚れ大賞に! - 2015.02.06
ちょうちょが飛ぶ瞬間、鳩時計が12時を告げる瞬間、猫が動き出す瞬間、
角砂糖が紅茶に溶ける瞬間、そして少女に呼びかける瞬間――
短いようで長い、長いようで短い、「瞬間」という感覚を絵本にした『まばたき』。
刊行以来、様々な所で取り上げられ、話題を呼んでいる『まばたき』が、
「ダ・ヴィンチ 2015年3月号」の「この本にひとめ惚れ」コーナーにて、ひとめ惚れ大賞
を受賞いたしました。
穂村さん、酒井さんの対談も掲載されています。
どんな内容なのか、ぜひ実際にお手に取ってお確かめください!
3/11 「ポスト3.11 子どもたちの未来、子どもの本の未来」青山にて開催 - 2015.02.02
<吉沢正己さん(希望の牧場・ふくしま代表)×作家・森絵都さん 対談>
2011 年3 月11 日、巨大地震と津波、そして原発事故をきっかけに、
多くの人々が自分たちのこれまでを省みて、「変わらなければ」と考えました。
そして、子どもたちのためによりよい未来を作るべく「変えなければ」とも考えたはずです。
憲法の解釈を変更することにより、戦争に加わることを可能にしました。
子どもたちに伝えればよいのでしょうか。
子どもの本に関わる人々は、今、何を考えているのでしょう。
3/6 『ひまわりの おか』朗読会、日暮里にて開催 - 2015.01.27
2011年3月11日―東日本大震災で発生した大津波により、宮城県石巻市の大川小学校では大きな被害を受けました。児童・教職員80名が犠牲となり、現在もまだ見つかっていない児童がいます。
絵本「ひまわりのおか」は、小学校のそば、子どもたちが避難しようと目指した丘に、
ひまわりを植えはじめた、わが子を亡くした8人のお母さんたちが、わが子へ宛てた手紙やお話をもとに
つくられた絵本です。
間もなく、東日本大震災から4年。
この朗読会を通し、「命の大切さ」「親の愛」「親子の絆」を改めて感じていただくとともに、震災を忘れず、
伝えていくことの大切さや災害への意識を高め、その備えについて考える機会にしていただければと
思います。
◆語りつぐ東日本大震災 絵本『ひまわりの おか』朗読会
【日 時】平成27年3月6日(金)午後6時30分〜8時30分(開場午後6時)
【会 場】日暮里サニーホール
東京都荒川区東日暮里5-50-5
JR・京成 日暮里駅前より徒歩2分 ホテルラングウッド4階
【対 象】300人(小学生以上)
【参加費】無料 ※要事前申し込み/応募多数の場合は抽選
【申込方法】往復はがきにて申込み
代表者の住所・人数・全員の氏名・年齢・電話番号を明記し、下記住所までお申込みください。
〒116-0003 東京都荒川区南千住6-63-1 南千住図書館
【応募期間】2015年1月21日(水)~2月15日(日) ※当日消印有効
【問合せ】南千住図書館 TEL:03-3807-9221
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<プログラム>
○絵本『ひまわりの おか』朗読:木村 まさ子
○合唱:東京荒川少年少女合唱隊
○演奏:小松 真知子(ピアノ)、小島 りち子(ヴォーカル)、吉田 篤(ヴァイオリン)、北村 聡(バンドネオン)、田中 伸司(コントラバス)
○画文集『ふるさとはフクシマ・子どもたちの3.11』 朗読:佐籐 智恵、牛田 裕子
○司会:濱田 典子
【主 催】ひまわりのたね実行委員会
【共 催】荒川区 荒川区教育委員会
1/25(日)東海テレビにて「じゃがいもコロコロ~被災救助犬への長い旅~」放送 - 2015.01.24
2015年1月25日(日)午後4時30分~5時30分まで、東海テレビにて『めざせ!災害救助犬 被災犬「じゃがいも」の挑戦』の主人公・じゃがいものドキュメンタリー番組が放送されます!
「じゃがいもコロコロ~被災救助犬への長い旅~」
◆放送日:2015年1月25日(日)午後4時30分~5時30分
◆放送局:東海テレビ
<番組内容(東海テレビ公式サイトより)>
『じゃがいも』は、災害救助犬になれるか…。
番組は4回目の認定試験から始まります。
2011年、『じゃがいも』は、福島県飯館村から岐阜県富加町の犬の訓練所に引き取られてきました。
東日本大震災の直後、避難所で飼い主たちは犬のことで困っていました。岐阜の訓練所の山口常夫さん(63)は、現地に入り、45頭を預かることになりました。そのうちの一頭が、生まれたばかりの真っ黒な子犬でした。山口さんは、その子犬を『じゃがいも』と名付け、災害救助犬にしたいと考えます。しかし、訓練士の上村智恵子さんとトレーニングを続けていますが、『じゃがいも』は、なかなか試験を突破できません。がんばれ、じゃがいも!
番組では、岐阜に預けられたコーギーの『マリ』、ブリタニースパニエルの『カール』、捨て犬だった『フー』など45頭の犬たちから見えるこの国の姿をドキュメントしていきます。
この番組は、名優・天野鎮雄さんのナレーションをミナコ・ムーキー・オバタさんの音楽が支えます。テレビドキュメンタリーでは珍しいスキャット(アカペラ多重録音)だけで、楽器は一つも使っていません。さて、犬たちとナレーションと音楽、どんな番組に仕上がっているでしょう…。どうぞ、ご覧ください。
3/21 あんびる先生講演会、大阪・和泉市にて開催 - 2015.01.23
女の子に大人気のシリーズ「ルルとララ」、「なんでも魔女商会」を手がけるあんびるやすこ先生の講演会が、大阪府の和泉市で開催されます!
「ルルとララ」シリーズや「なんでも魔女商会」シリーズの物語はどうやって生まれたの?作者・あんびるやすこ先生に、本ができあがるまでの“とっておきのおはなし”が聞ける貴重な機会です!
講演会の後には、サイン会も予定されています!
親子そろって、仲良しのお友達と一緒に、ご参加ください♪
◆あんびるやすこ先生『とっておきのおはなし』
【日 時】2015年3月21日(土・祝)午後1時30分〜2時30分
【会 場】和泉市立和泉図書館集会室1・2
大阪府和泉市府中町1丁目20番1号
TEL:0725-44-8687
【対 象】小学生の親子(子どものみの参加も可)
【定 員】50組
【申込み】
往復はがき、もしくはE-mailにて、
●住所
●参加者全員の氏名(子どもは学年も)
●連絡先
を明記の上、下記宛にご送付ください。
<往復はがきあて先>
〒594-0071 大阪府和泉市府中町1丁目20番1号
和泉市立和泉図書館 読書振興課「あんびるやすこ先生講演会」係
<E-mailあて先>
book★city.osaka-izumi.lg.jp(送信時に★を@に変更してください)
※はがきは1枚につき1組のみ
※2015年3月3日(火)必着
※和泉市在住の方優先。応募者多数の場合、抽選となります。
【サイン会】講演会終了後、サイン会を予定しています。
<対象書籍>
『ルルとララのコットンのマカロン』
『ルルとララのフレンチトースト』
『なんでも魔女商会21 おきゃくさまはルルとララ』
『なんでも魔女商会22』(2015年3月刊行予定)
のいずれかが対象となります。
当日、会場にて上記書籍の販売もいたします。
2/15~3/15 山本孝さん『おばけの花見』原画展、大阪にて開催 - 2015.01.16
たっぷりな絵が大人気の絵本作家・山本孝さんの『おばけの花見』原画展が、大阪の喜久屋書店あべの子ども館にて開催されます。
人気絵本作家の貴重な原画全15点が展示されます。
ぜひご覧ください!
◆山本孝さん『おばけの花見』原画展
【期 間】2015年2月15日(日)〜3月15日(日)10時〜21時
【会 場】喜久屋書店 阿倍野店子ども館
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-5-1 ルシアスビル西棟2F
TEL:06-6634-8139
【入場料】無料
【お問合せ】喜久屋書店 阿倍野店子ども館
TEL:06-6634-8139(10:00〜21:00)
3/9 永幡嘉之さんトークセッション、ジュンク堂池袋にて開催 - 2015.01.16
福島第一原発事故以降、人がすめなくなった山村に、生きものの調査で通い続けている写真家が見たのは、人の手が加わらなくなって滅びゆく里山の姿でした。
その里山がどうなったのか、そして今後どうなるのか。
さらに、人々の懸念の的である放射線による影響は、どのように起こってくるのか……。
モンシロチョウ、セイタカアワダチソウ、アキアカネ、イノシシなど、生き物たちの姿を通して自然とは何かを考えます。
◆JUNKU トークセッション「原発事故で、生きものたちに何がおこったか。」
【日 時】2015年3月9日(月)19:30〜
【会 場】ジュンク堂書店 池袋本店
東京都豊島区南池袋2-15-5
TEL:03-5956-6111
【入場料】1,000円(ドリンク付/当日、会場の4F喫茶受付にてお支払い)
【定 員】40名様
【申込方法】1階サービスコーナーもしくはお電話(TEL:03-5956-6111)にてお申込ください。
※トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願い致します。
(TEL:03-5956-6111)
2/10~3/10 ジュンク堂池袋店『点字つき絵本・さわる絵本』フェア&イベント - 2015.01.16
2月10日(火)~3月10日(火)、ジュンク堂書店池袋本店において、『点字つき絵本・さわる絵本フェア』が開催されます。
岩崎書店から、バリアフリー絵本「さわってごらん だれのかお?」「サワッテ ゴラン ナンノハナ?」「さわってごらん いまなんじ?」3冊の復刻版と、小学館から『さわるめいろ2』の発売が予定され、その「2社同時発売」を中心に行われます。
期 間中、2月25日(水)夜には、トークセッション「見えない子も見える子も、 いっしょに楽しめる絵本の世界」が開催され、元横浜盲特別支援学校の石井みどり先生のトークを中心に、新刊担当編集者が語る経験談やゲームなど、楽しさ満 載のイベントを予定しています(事前予約制です)。
お誘いあわせの上、ぜひご来場ください!
◆点字つきさわる絵本『さわるめいろ2』(小学館)、バリアフリー絵本『さわってごらんだれのかお?』
『サワッテゴランナンノハナ?』『さわってごらんいまなんじ?』復刻版(岩崎書店)
同時発売記念トーク
【日 時】2015年2月25日(水)19:30~
【会 場】ジュンク堂書店 池袋本店
【入場料】1,000円(ドリンク付)
【申込方法】当日、会場の4F喫茶受付でお支払い
※トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願い致します。(電話:03-5956-6111)
【内 容】
第一部:19:30~20:15
石井みどり(元横浜市立盲特別支援学校図書館司書)
第二部:20:15~20:45
板谷ひさ子(岩崎書店編集者)
北川吉隆(小学館編集者)
第三部:20:45~21:00 質疑応答
司会:関谷裕子(こぐま社編集者)、千葉美香(偕成社編集者)
【お問合せ】ジュンク堂書店池袋本店
東京都豊島区南池袋2-15-5
TEL:03-5956-6111
ジュニア冒険小説大賞 - 2015.01.01
福島正実記念SF童話賞 - 2015.01.01
ジュニア冒険小説大賞とは&先輩からのメッセージ - 2015.01.01
ジュニア冒険小説大賞とは
海外ファンタジーばかりが持て囃される傾向にあった2001年、現代の子どもたちがワクワクするような日本オリジナルの冒険物語を子どもたちに届けようとして創設されたのがジュニア冒険小説大賞です。
賞を主催する創作集団プロミネンスは、SFを核としながら長く児童向けエンターテインメントの創作と普及に努めてきた作家・翻訳者・画家の団体。岩崎書店は、コナン・ドイル、H・G・ウェルズ、ジュール・ベルヌなどの冒険小説を早くから子どもたちに紹介してきた児童図書出版社です。
長編の児童読み物が刊行しにくい出版状況のなかにあって、書き下ろしの児童向け冒険小説を出版し、児童読み物をめざす新しい書き手の登場を応援しようとする、作家集団と出版社の挑戦でもありました。
「小学校高学年から読め、冒険心に満ち溢れた長編小説」という難しい条件から応募数こそ多くはありませんが、送られてくる作品の質は高く、大賞を得て刊行された作品はいずれも版を重ねて発行部数も1万部2万部を超えるか1万部に迫っています。
先輩からのメッセージ|廣嶋玲子(第4回大賞受賞)
「挑戦すれば、どんなに低くても勝率はある。逆に挑戦しなければ、勝つ確率はゼロだ」
これは私がいつも自分に言い聞かせている言葉です。この言葉を信じて、私は第4回ジュニア冒険小説大賞に作品を送りました。それから4カ月後の2005年10月、岩崎書店さんから「あなたの作品が大賞ですよ」とお電話をいただいたのです。その時のことは、正直よく覚えていません。「大賞」と聞いたとたん、頭がまっ白になってしまって、ただただ飛びあがるほど嬉しかったのをおぼえています。
私にとって、「ジュニア冒険小説大賞」はまさに運命の賞です。この賞のおかげで、私はたくさんのどきどきや喜びを味わうことができました。この賞をいただけたから今の自分があるんだと感謝しながら、現在、「もっといい作品を書きたい!」と、励む毎日です。
どうか、これから応募される皆さんにも、たくさんのどきどきと喜びが訪れますように。
<プロフィール>
横浜生まれ。第4回ジュニア冒険小説大賞受賞。これまでの作品に『水妖の森』、『盗角妖伝』(岩崎書店)、「はんぴらりシリーズ」(童心社)、『鬼ヶ辻にあやかしあり』(ポプラ社)がある。
福島正実記念SF童話賞とは&先輩からのメッセージ - 2015.01.01
福島正実記念SF童話賞は、1983年、児童向けのSFエンターテインメント作品を書ける新人作家の発掘を目的として、少年文芸作家クラブ(創作集団プロミネンスの前身)と岩崎書店が、SF童話の懸賞募集として設立したものです。
日本のSF界育成に多大な貢献をし、児童向けSFの翻訳家・作家としても活躍しながら1976年に47歳で早世した元早川書房SFマガジン編集長福島正実氏の名を冠したのは、少年文芸作家クラブを結成し子ども向けSFエンターテインメントの隆盛を願った福島氏の思いを継承してのものでした。
当初は大賞に相応しい作品の得られない年度もありましたが、大賞作が単行本として出版され課題図書やベストセラーが生まれるにつれて応募数も増え、次第に児童文学作家をめざす新人の登竜門のひとつとなっていきました。
その後、小説・映画・コミック・ゲームの世界での広がりとともにSFのジャンルとしての境界が曖昧になってきたため、第16回以降の募集ジャンルは、SFに限ることなくSF的な諸ジャンルにまで広げられています。
先輩からのメッセージ|服部千春(第19回大賞受賞)
私が福島正実記念SF童話賞(福島賞)をいただいたのは、2002年、第19回のときです。実はその前年の18回には佳作になっています。そのとき佳作の副賞は、賞から出版された既刊の本が20冊でした。実際これがとても参考になり、翌年の大賞に結びついたのだと思っています。大賞受賞の連絡を受けたときの嬉しさは忘れられません。正に狂喜乱舞、部屋中跳び回りましたもん。
福島賞の大賞作品は、必ず出版され書店に並びます。並み居る有名作家さんの作品に交じってです。それだけの出版に値する作品であることが求められるわけです。中学年以上の子どもたちが喜んで手にする娯楽性の強いSF童話作品。これはなかなかにハードルの高いものだと思います。自分の作品がそれに相応しいかなんて、全く自信がありません。
けれども福島賞をきっかけに児童文学作家としてヨチヨチ歩き始めたことだけは確かです。作品次第、本人の情熱次第で、道は開かれます。あきらめないこと、明るく前向きであること、それが大事です。今は改めて福島賞出身である喜びをかみしめている私です。
福島賞受賞作品の『グッバイ! グランパ』(岩崎書店)が単独出版第一作。その後は「四年一組ミラクル教室」シリーズ、『卒業うどん』(講談社)。共著作品は「平成うわさの怪談」「初恋コレクション」「動物だいすき」各シリーズ(岩崎書店)など十数冊。京都市在住で家族五人分の家事をこなしながら創作を続けている。
第14回 ジュニア冒険小説作品 募集要項 - 2015.01.01
| ジャンル | ファンタジー、SF、ミステリー、ホラー、ナンセンスなど、どんな内容でもかまいません。冒険心に満ちあふれた物語であること。 |
| グレード | 小学校高学年から読めて楽しめるもの。 |
| 原稿枚数 | 400字詰めで150枚から200枚(枚数厳守)、ワープロ可、梗概(800字)を添付すること。 ※字詰め、行数は自由。ただし、400字で換算した枚数を明記すること。 |
| 書き方など | 本文とは別に〈ジュニア冒険小説大賞応募〉と朱記、次にタイトル、筆名と本名、住所、電話、性別、年齢、職業を明記。原稿は縦書き、頁数=通し番号をつける。袋綴じ禁止。応募原稿は返却しません。一人一点に限ります。 |
| 資格 | 創作児童文学の作品を商業出版していない方。 |
| 二重応募の禁止など | 他の公募に応じたことのある作品、応募中の作品は選考対象外。なお、全応募作品について、賞の発表(授賞式)後6カ月間は岩崎書店にオプションを設定します。 |
| 選考委員 | 南山宏、眉村卓、後藤みわこ、岩崎書店 |
| 送り先 | 〒112-0005 東京都文京区水道1-9-2 岩崎書店内ジュニア冒険小説大賞選考委員会 |
| 応募締切り | 2015年6月末日。当日消印有効。 |
| 発表 | 2015年12月、雑誌「日本児童文学」等に発表。12月1日岩崎書店ホームページにて発表。 |
| 賞 | 大賞は賞状と賞金20万円。佳作には副賞。 |
| 出版 | 大賞作品は岩崎書店から出版。規定の部数以上について印税を支払います。 |
応募について、くわしくは岩崎書店編集部まで
TEL.03-3813-5526 FAX.03-3812-1381
メールでのお問い合わせはe-mail:info@iwasakishoten.co.jp
までお気軽にお問い合わせください。
主催=創作集団プロミネンス・岩崎書店
よくある質問 - 2015.01.01
- Q,何点まで応募できますか。
- A,お一人様一点でおねがいします。
- Q,アンソロジー(短編集)を商業出版したことがあるのですが、応募できますか。
A,アンソロジーなどでしたら、問題ありません。過去の受賞者にもいらっしゃいます。
- Q,以前ほかの公募に応募した作品はそのまま応募できますか。
A,応募できません。
- Q,自費出版で出したことのある作品を応募できますか。
A,応募できません。お送りいただく作品は、未発表のものに限らせていただきます。
- Q,商業出版していたが、版元が倒産した作品を応募できますか。
A,一度でも商業出版したものは、ご遠慮いただいております。
- Q,原稿用紙でなくてもいいですか。
A,原稿は、手書き、ワープロ、ワード原稿などなんでも構いません。
- Q,同人誌で評判の良かった作品を応募できますか。
A,可能です。但し、どの同人誌にいつ出されたのかは明記してください。
- Q,フォーマットは400字詰めに合わせなくても、総ワード数があっていればいいですか。
- A,字詰めは、400字詰めでなくてもかまいません。最後に「400字詰換算○○枚」と記してください。
- Q,自分のブログに発表した作品を送ってもいいですか。
A,昨今のブログの利用状況には種々心配される面がありますので、ブログ発表後の応募は不可とさせていただきます。選にもれた後に発表される分には問題ありません。
- Q,子どもが主人公ではないのですが、応募してもいいですか?
- A,読者対象が福島賞(中学年)、ジュニア冒険小説(高学年)になりますが、作品の主人公については特に限定していません。
- Q,オプションとはなんですか。
- A,優先出版権です。
その他応募の詳細については、応募要項をご覧ください。
ご不明な点は、下記お問合せフォームよりお問合せください。
主催=創作集団プロミネンス・岩崎書店
第31回選考経過 - 2014.12.25
第31回を迎える福島正実記念SF童話賞に、今年は225篇、応募があった。歴代5位の総数となる。ここ数年、安定した数のご応募をいただいているのは、非常にありがたい。
しかし、毎年のように書いているが、応募者全体の高年齢化が今年も顕著であった。開封するごとに、65歳以上の方ばかりで、たまに50代の方が出てくると「若い」と思うほどだった。
児童文学でなく、一般文芸の応募者、受賞者も最近は高年齢層が目立つ。人生の円熟期を迎えた方々が落ち着いた心境で筆を執ってみたいと思われるのか、若い世代が生活するのに精一杯で物語に向かえないのか、いろいろな事情はあると思われるが、ともかく応募者には福島賞のグレード(対象学年)、内容にふさわしい応募作品を期待したい。過去の受賞作品を読むことはもちろんだが、それを読んでなお、「これぞ」という新しい作品を書いていただきたい。新人賞を長い間主催してきた意義をそこに置いている。
第一次選考を通過したのは以下の16篇だった。
「ぶんしんガム」 定金千佳
「そう音発電機」 成瀬 晶
「まもれ にじいろ商店街」 大枝 葉
「12月32日」 尾崎 光
「まほうのスプーンはあげないよ!」 土舘 恵
「幽霊なのに、なんでやねん!」 あいのすけ
「ブルームーンにだかれて」 竹内弘子
「ブッキルボー一家の地球人なりきり旅行」 ふたみさき
「鳥のうかぶ空」 水凪紅美子
「じだらくなぼくのジダラク」 春間美幸
「何者? 便利屋のおじさん」 相川郁子
「ぼくらは、ホシになっていく」 尾崎 潤
「天才えんぴつ」 畠山真佐子
「お下がりランドセルのまど」 やまおか・いつき
「新郷小のふしぎ図書館」 ちえちひろ
「ぼくの一番星」 白矢三恵
賞の冠に「SF」がついているが、SFらしいSFが最後まで残らないのが毎年残念なところである。「パラレルワールド」を要素として出してきた作品もあったが、やや消化不良だった。近年、大人のSFに力があるものが出てきているので、これが子どもの世界にもいい影響を与えていくことを期待したい。
ほかには、よけいなおしゃべりが多かったり、枚数の関係で尻切れトンボだったものもあった。限られた枚数のなかで独自の世界をきちんと描ききれるように精進していただきたい。
最終選考に残ったのは、次の6作品である。
「まもれ にじいろ商店街」 大枝 葉
「幽霊なのに、なんでやねん!」 あいのすけ
「じだらくなぼくのジダラク」 春間美幸
「天才えんぴつ」 畠山真佐子
「お下がりランドセルのまど」 やまおか・いつき
「ぼくの一番星」 白矢三恵
「まもれ にじいろ商店街」 大枝 葉 設定、ネーミング、「ギャング」の二人組、「ズッコケ」、兄貴…もろもろ、すべての要素が古すぎる。地元から愛される商店街が地上げの危機にさらされているが、今回の手法である「脅迫」で立ち退かせるのは明らかに違法。また、現在において、商店街で困っているのは地上げではない、むしろシャッター商店街。だったら、お店の人がみんな宇宙人だったとか、突飛な発想をしてもよかっただろう。タイムマシンなど、一応SF設定にはなっているので惜しい。まじめに考えすぎているふうにも見える。もっと遊んで楽しんで書いてもらえたらよかったのかもしれない。
「幽霊なのに、なんでやねん!」あいのすけ 作者の居住地は関西ではないが、登場するのは流暢な関西弁である。漫才もの、病気ものの児童文学は既に多数あり、新味が出せるかが勝負だったが、突き抜けたところはない。最後にひとりで漫才をする場面などは泣かせどころだが、新しいわけではない。主人公のお母さんは変人でおもしろい。対照的なお母さんが出てくるところもよかった。ただ、まだまだ原稿の書き方そのものがたどたどしく、慣れていない感じが目立った。今後の精進を期待したい。
「じだらくなぼくのジダラク」 春間美幸 大人なら吹き出す箇所がいくつかあっても、子どもにとっては理解が難しいのではないか。まずタイトルからしても、「自堕落」は大人でもふだん使う言葉ではない。文字遊び、言葉遊びが子どもは本来大好きで、非常に古典的なものを好む傾向がある。だじゃれの方向に落としていけばよかったのかもしれない。文章は丁寧で読みやすく、ラストもさわやか。似たようなテーマが多かったなかで、新味を伴う作品としては惜しかった。「言葉遊び」するならもっと徹底する、また、文字の大切さ、美しい文字とは何か、が出ているとよかった。
「天才えんぴつ」 畠山真佐子 ある日知らない店ができていて、不思議なものを買って、最初はうまくいって…というのは創作のパターンのひとつではあるが、ありがちなきっかけとは裏腹に、独特のはちゃめちゃさがあった。通常、後ろめたいことなら一生懸命隠すのに、それをせず、結果的にあっという間に広がるところなどだ。書き慣れていて、コンパクトにうまくまとまっている。決定的な欠損はないが、既視感があるのが残念だった。
「お下がりランドセルのまど」 やまおか・いつき タブレットとランドセルの窓をどうやって連動させたのかが「?」だった。いつも先を読めるお姉さんの謎も明らかにされず、ここまで弟を助けたがる理由も最後までわからない。いわゆる「ランドセルもの」は、ぐっとさせるものがあるが、いろんなところに無理があったのが残念。やはりお姉さんが主人公を応援する理由がほしい。彼女が小学生時代のものを残している意味があればよかったのかもしれない。結果的に、表現として、作者がいいたかったことがそれほど伝わらなかった。
「ぼくの一番星」 白矢三恵 人間のライバル同士は、流れ星もライバル。そして、尊敬しあい、対決しようとしている。二重構造になっているところがよく考えられている。全体的にまとまっており、児童文学らしい作品。「あきらめずに頑張る」「団結心」「好きという気持ちがいちばんの才能」など道徳的な価値観が盛り込まれているところに既視感を覚えるが、くりかえし子どもたちに伝えていくのも児童文学の意義であり、これらも大事な要素だろう。文章を書き、まとめていく能力は非常に高く、最初に出てくる猫を伏線として最後に回収しているところなど、技術もある。
今年の最終候補作品は、強烈に新しさが目立つものはなかった。そのなかで、「ぼくの一番星」は、主人公の願いを叶える流れ星が現れて、ライバルにもまたライバルの星がつく、という設定は斬新だったといえる。文章がまとまっているのも評価に値する。よって、「ぼくの一番星」を満場一致で大賞とすることになった。また、作品のはちゃめちゃさを買いたい「天才えんぴつ」を佳作とすることも、これも満場一致で決定した。次はぜひはちゃめちゃ度を進化させながら、設定自体は新味のある作品で挑戦していただきたい。
受賞作品は次のとおりである。
大賞 「ぼくの一番星」 白矢三恵
佳作 「天才えんぴつ」 畠山真佐子
2014年3月
福島正実記念SF童話賞選考委員会
選考委員の選評
選評 石崎洋司
最終選考に残った6作品は、いずれも「読ませる」という点では、一定のレベルに達していたと思う。が、それは、アマチュアとしては「上手に」書けているという意味。大賞作品は商業出版される、つまりプロデビューにつながるという前提に立てば、「上手」以上の「何か」が必要とされる。その「何か」には、いろいろな意味があると思うが、個人的には、なんといっても「パンチ力」、あるいは「強いフック」だろうと思う。その点から、各作品をかんたんに評価してみたい。
『まもれ にじいろ商店街』は、良質な童話である。が、それが大きな欠点でもある。文章が上手なことが、かえって、あまりにも無難な設定、展開の安易さを際立たせてしまっている。作者は、「古い童話観」から脱して、もっともっと「つきぬける」こと。
『お下がりランドセルのまど』も、同様に、良質な童話であるところが傷。ランドセルの窓に出るメッセージが、なんらかのネット通信になっているところもつまらない。この程度のことは、現在でも十分可能な技術だから、SF的醍醐味にも欠ける。むしろ、これを、ランドセルメーカーなり教育関係者が、なぜやらないかを、物語の出発点にしたら、おもしろくなったかもしれない。
『幽霊なのに、なんでやねん!』の、「漫才ネタ」と「病気の友人」は、あまりにもありがちな設定。そもそも「漫才ネタ」の作品は、すでにプロ作家がいくらもやっている。それと自作を比較して「これが私の作品の売り!」といえるものを出さないといけない。
『じだらくなぼくのジダラク』には、ある程度の「パンチ力」があった。特に、あやしげな書道教室は楽しい。だが、私なら、物語が破綻しそうになるまで、そこをぐいぐい押すだろう。物語をまとめることを考えるのは、それからでいいと思う。
一方、『天才えんぴつ』には、ありがちな展開をひっくり返す試みが感じられた。特に、天才えんぴつで楽をする主人公を、両親がいさめるどころか、一家でのっかってしまうところ、あっという間に天才えんぴつが世の中に広まって、価値が消えるところが面白かった。が、この手の作品はもっとハチャメチャに展開しないと、魅力が出てこない。そのうえで「あっと驚く着地」を見せてもらわないと、こちらとしても、プロとして送り出すことは難しい。それゆえの「佳作」である。
『ぼくの一番星』が大賞となったのは、「良質な童話」と「パンチ力」のバランスが、いちばんとれていたからだろう。子どもの願いをかなえるために、流れ星がトレーナー役になるところ、しかも、その流れ星自体が「ダメなやつ」であるうえ、彼にもライバルがいて、競争をしなければならないところなどは「新しさ」を感じさせた。とはいえ、きれいにまとめてしまった印象は否めない。出版レベルには、なんとか達しているとは思うものの、今後の作品が、本作以上の「輝き」を得られるかどうかは、作者が「古い童話観」から自由になれるかにかかっていると思う。
選評 後藤みわこ
苦しい選考になりました。これもよかったけど……あれも楽しめたけど……と応募作を並べて途方に暮れました。それはつまり「どれにも欠点があった」「強く推したい作品がなかった」という意味でもあります。「これ、きっと入選よ」と涙を拭きながら読み終える作品に出会う年も多いのに……不思議です。
冒頭から引き込まれ、ワクワクする設定なのに「尻切れトンボ」のもの。破綻はないけれど、どこにも新味がない作品。「この人は書き慣れているな。そのせいで7割くらいの力で流しちゃったのかな」と感じる「そこそこ」の応募作もありました。
受賞作は「デビュー作」になるのです。その後しばらくは「名刺代わり」でもあります。「これがわたしの本です」と胸を張って差し出せますか? 新聞や雑誌の取材に応えられますか? そこまで見通すようにイメージしてみてください。「そこそこ」の作品じゃ、あなた自身が満足できないはずです。
応募作はSFに限定していませんが、「SF童話賞」なのにSFらしい作品が少なめなのも気になっています。
SFはむずかしくて……といわれることがありますが、そうでしょうか。わたし以下の世代なら、幼いころから超能力も宇宙人も時間旅行も「身近」だったのでは? 「もしも、こんなことができたら」とか「未来の地球はどうなってるんだろう」とか考えたことはありませんか? SF童話の種は、そんな記憶の中にも転がっているかもしれません。
SFらしい作品としては、パラレルワールドを描く試みが新鮮な「12月32日」、破滅後の世界を静かに描いた「ブルームーンにだかれて」、(文は成立しているけれど)絵にも描けないぶっとんだ宇宙人ものの「ブッキルボー一家の地球人なりきり旅行」が、票は伸びませんでしたが、心意気を買いたい応募作でした。新作で、次回も挑戦してくださるといいなと思っています。
選評 廣田衣世
二次選考に進んだ16編は、得点数に明確な差がありました。いつもでしたら、ほんの1~1.5点の差で最終に行くか、落選するか、というドキドキの展開なのですが、今回はその当落ラインに4点以上の開きが。それだけ明暗がはっきり分かれていました。
かくして最終選考に残った六編は、どれもストーリー的にはあまり新鮮味がなく、ありがちな印象でしたが、テーマがしっかりしており、安心して一気に読み進められる作品でした。主人公の頑張りや、たくましい成長ぶりを強く感じられるものが多かったように思います。反面、そうなるとどうしてもSF色がやや薄れがちで、それをいかに両立させられるかが、受賞への大きなポイントになるのではないでしょうか。
その点で、「天才えんぴつ」は、SFテイストの面白さがよく出ている作品でした。地球征服をたくらんで作ったはずのアイテムで、最後には逆に退治されてしまう宇宙人がとても愉快・痛快です。ただ、主人公がこうした魔法のアイテムを手に入れる手段や、テレビのクイズ番組の設定などには、やはり既視感があり、もうひとつ新しい工夫あったらよかったかな、と思いました。
「ぼくの一番星」は、主人公の少年とそのライバルの少年だけではなく、二人をそれぞれ背後で応援する流れ星同士もまたライバル関係という、ダブルの設定がユニーク。弱気になったり強気になったり、揺れ動く主人公の心情も上手く表現され、ラストもすっきりまとめられています。良くも悪くも、いわゆる王道の成長物語ですが、10本ノックのうち1本しか取れなかったのに、たちまち十本全部取れるようになったり、ライバルの少年の転校が都合よすぎるなど、ややリアリティーに欠ける部分が気になりました。
これは「まもれ にじいろ商店街」や「お下がりランドセルのまど」にも言えることで、SFだから何でもアリ、ではないということです。そこにきちんとリアル感があり、子どもの読者がちゃんと納得、共感できるかどうか。SF童話だからこそのリアリティーが大切なのだと思います。
選評 南山 宏
今回の最終候補6作品は、発想度・物語性・文章力ともそろってSF童話の合格ラインに達していて、大賞の選び甲斐があった。とりわけ文章はどの作品も子ども目線がしっかり守られ、安心して読ませてくれる。とはいえ、完成度にはそれぞれに違いがあった。
『まもれ にじいろ商店街』は、未来から商店街の危機を救いにくるタイムトラベルものだが、もっと現代らしく「客のこないシャッター商店街」に設定した物語なら、さらに魅力的になったはず。
『幽霊なのに、なんでやねん!』は、引っ込み思案の内気な少年が関西弁の子ども幽霊(じつは生き霊)とむりやり漫才コンビを組まされそうになるという発想が奇抜でいい。ただ見えない幽霊相手の漫才のやりとりを活字で表現するのは、ちょっと無理を感じた。
『じだらくなぼくのジダラク』は、漢字も習字も大嫌いな少年が、むりやり奇想天外な書道教室に通わされる設定が面白い。ただ最初から最後まで展開される「自堕落→字堕落」などの小難かしいコトバ遊びに、はたして子どもたちがどこまでついていけるか疑問だ。
『お下がりランドセルのまど』は、気の弱い弟が姉のお下がりランドセルの「予言まど」通りに行動したら、あらゆる教科がクラス一に――という発想はいいが、姉の予知力?と今どきのタブレットを使う通信手段が最後まで説明なしなので、話を腰砕けにした。
佳作『天才えんぴつ』は、どんな難問にも正解を出す不思議な「えんぴつ」がじつは地球征服の最終兵器、という風変わりな宇宙人侵略もの。追いつめられた「ぼく」が最後につぶやいた質問が、征服されかけた世界をドンデン返し的に救うという結末が秀逸。
大賞作『ぼくの一番星』は、野球チームのレギュラーをめざす補欠少年が流れ星の精霊少年に願いをかけるが、あいにく願をかけたほうもかけられたほうも、それぞれの世界でライバルにバカにされるような?さえない劣等生で――伏線もキャラ描出も「好きっていうのが一番の才能」というキーワードを効かせた結末も清々しく、少年たちの友情と成長の物語として、文句なく大賞にふさわしい。
選評 島岡理恵子(岩崎書店)
最終選考に残った作品と残念ながら残らなかった作品との合計点数にはかなり差がありました。発想はおもしろいのに、構成力がない。長編の始まりで終わっている。この賞の対象読者を意識しないでグレードが高くなっている。似たような話が以前にあって、それを越えていないなど。そうして最終選考に残った作品でいくつか感じたことを書きたいと思います。
「幽霊なのに」―関西弁のテンポのよさが心地よかったです。ただ、漫才イコール関西弁というのがかえって定番のイメージになってしまい、目立たないかもしれません。
「じだらく」―きれいな文字に焦点をあてているのは、新味がありました。書道の先生のキャラクターも面白いし、ぞうきんがぞうさんになるような書き間違えも笑えましたが、「じだらく」と言う言葉は大人でもあまり使わないので、もっと子供目線で書けたらよかったと思います。
「お下がりランドセル」―なんでもすべてがうまくいきすぎて、逆に物足りない。もう少し意外性があってもいいし、お姉さんがいつも新品同様に小学生時代のものを持っているのも不自然だし、なんでもお見通しなところも都合が良すぎる気がしました。ほのぼのした雰囲気は印象に残りました。
「ぼくの一番星」―全体の構成もまとまりがあり、テーマもわかりやすいです。ある意味児童文学の王道で新味さには少々欠けますが、安定感がありました。
原稿用紙50枚で中学年のグレードというのは、なかなか難しいです。書き込みすぎれば紙数が足りないし、シンプルすぎても盛り上がりに欠けるし、ありがちな内容だと新味が出しにくい。そういった意味ではこのグレードでインパクトが出せれば、いろいろな可能性がより広がると思いますので、ぜひみなさんにがんばっていただきたいです。
第30回選考経過 - 2014.12.25
第30回を迎える福島正実記念SF童話賞に、今年293篇もの応募があった。この数字は歴代第1位という多さである。第2位の第28回の時より30篇も増えている。福島賞の世間への認知度が少しずつ高まってきているのだろうか。
応募が増えていても、入賞は厳しいとひと目でわかる作品が混じる割合はそれほど変わらない。毎年お願いしていることだが、グレード(小学校中学年向き)、枚数、傾向(過去の受賞作品などから)を正確につかんで、福島賞にふさわしい作品をご応募いただきたい。
ただ、選考の対象となった作品群は、明らかに過去のものより平均的なレベルが上がっている。それぞれ細かな欠点はあるものの、基本的に読んでいて楽しく、最初から最後までその世界に入ることができるものが多かった。選考委員からも「作家として刺激を受ける」という声が聞かれ、30回を迎えたこの賞の、総合的なレベルアップは本当にうれしい限りである。
その背景には、応募者全体の高年齢化も影響していると思われる。社会経験を積んだ方々の書き慣れた文章は、物語としての完成度も高めている。それはそれでたいへんありがたいが、やはり、若い世代でおもしろい話を書く人も増えてほしい。特に応募者自体が少ない20代後半~30代にがんばってほしい。有名大学に創作コースが設立されるなど、作家を志す人は相変わらず多いと聞く。若くみずみずしい感性を持った若者に、ぜひ児童書の分野に入ってきてほしい。読んだことのない、驚くほど新鮮な物語を書いてくれる人に、さしあげるべく存在しているのが「新人賞」なのだから。
第一次選考を通過したのは以下の15篇だった。
「あったりなかったり島の冒険」 久次律子
「ロボット観察日記」 定金千佳
「サン太ダルマの大修行」 花田しゅー子
「声蛍」 万乃華 れん
「新月に舞うUFO」 まいゆみこ
「ぼくの家は宇宙を翔けた」 小笠原よしか
「おじいちゃんのスーパーパワー補聴器」 七海富久子
「猫を、尾行」 太月よう
「まあいいか、アリだし」 みとみ とみ
「なんでも消しゴム」 うつぎ ちはる
「うさぎのアリス」 藤谷クミコ
「つぼ落ち妖怪つかまえます」 横宣ヒロト
「着ぐるみ宇宙人 空へ帰る」 大枝良子
「ロボットがんばります」 田辺公一
「石器人にカンパイ!」 石川純子
二次選考まで辿り着けても、最終選考に残るまでにはまだ越えなくてはいけない壁がある。「文章がうまい人はネタがつまらなく、ネタがおもしろい人は文章力が足りない」という声が聞かれた。研鑽を積んで、再びチャンレジしてほしい。また、長編の最初の部分で終わっているような作品もあり、この福島賞の分量(50枚~60枚)の中できちんと展開して、書ききるようにお願いしたい。
最終選考に残るべくして残ったのは、次の六作品である。
「声蛍」 万乃華 れん
「猫を、尾行」 太月よう
「まあいいか、アリだし」 みとみ とみ
「なんでも消しゴム」 うつぎ ちはる
「つぼ落ち妖怪つかまえます」 横宣ヒロト
「着ぐるみ宇宙人 空へ帰る」 大枝良子
「声蛍」 万乃華 れん まずタイトルが美しく、引きつけられる。ヤンキースの帽子の件がやや長い感もあるが、雰囲気、空気感が独特で個性を際立たせている。ゆったり時間が流れており、動きがないようで、ある。そこで子どもが修行するようすも新鮮でおもしろい。内面に語りかけてくる表現も好感度が高い。子どもが積極的に手に取るタイプではなく、大人受けする話なので少し心配だという声もあった。ただ独自の世界をまとめる力はある。新鮮なアイデアと文章力が欠点を補う。大人たちが思う以上に子どもは理解力もあるだろう。エンタメだが文学性があり、「言霊」に心を寄せる内容を、今のような時代だからこそ高く評価したい。
「猫を、尾行」 太月よう 文章はリズム感もあり、光るものがある。キャラクターの書き分けもうまく、一気に読めてとてもおもしろい。学校の階段、踊り場での告白など子どもの世界のツボもよくおさえている。しかし悲しいかな、ネタに新鮮味がない。宮沢賢治やジブリ映画などによく似た展開、場面、セリフがあった。また、タイトルも微妙に違うのではないか。「猫のゴンザレス」でもよかったのでは。この勢いは捨てがたいものがあるので、次は抜群のアイデアで勝負をしてもらいたい。
「まあいいか、アリだし」 みとみ とみ 冒頭の「つかみ」がとてもうまく、大いに期待を高めたが、その分、読後の残念な感じも大きかった。テーマである「不幸からの脱出=他人からの感謝」自体が説教臭く、読者をしらけさせる。アリを殺してしまった償いを、どうしてアリとは無関係の人間からの感謝にするのか、いじめ問題との絡みも中途半端。いろいろなトピックが散らばって、収束していない。一貫して大人目線であり、道徳の教科書的な台詞も多かった。「つかみ」で見せた技術を活かして、子どもが素直に入り込める、心躍る作品を書いてほしい。
「なんでも消しゴム」 うつぎ ちはる いきいきとした子どもらしさ、リアルな小学校の生活がよく描けている。子どもにとっては、すんなりと世界に入り込み、おもしろく読んでいける作品だろう。ただ展開がまるで「ドラえもん」的で、冒頭からある程度予測できてしまう。また、子どもの本には必ず何らかの形で「成長」がほしいが、この作品では主人公は最初から最後まで変わらない。細々としたおもしろさ、妙なおかしさは評価されるところなので、今後も文章修行をしていただきたい。
「つぼ落ち妖怪つかまえます」 横宣ヒロト 雰囲気がよい。文章力もあり、キャラクターの心情もよく伝わる。ネーミングも、妖怪退治のスタイルもおもしろい。しかし、話としては読ませるのに、なぜかこの「続き」の方が気になる。これは明らかに長編(連作)向きの作品であり、福島賞とは応募先が異なるように思える。マンガ的なイラストがよく似合いそうだし、年齢を上げたらラノベ風にもなりそうだ。おもしろいだけに残念。来年は福島賞にフィットする作品でご応募いただきたい。
「着ぐるみ宇宙人 空へ帰る」 大枝良子 ぐっと内容に引きこまれる物語だった。「テキオー(適応)スーツ」という発想もおもしろいし、読後感もいい。ただ、タイトルでネタバレするなど、細かいところの詰めが甘い。肝心のスーツが、そのままイスにかけても人間のように見えるという設定は厳しいし、ラストもそれでどうなるのか……という暗示がほしい。また全体的に平板な印象だった。いろいろな意味で惜しい。総合力を上げて、また挑戦してほしい。
受賞作品であるが、最初から評価の高かった「声蛍」が満場一致で大賞受賞作品となった。昨年は大賞該当作がなかった分、選考委員一同、うれしさもひとしおの決定だった。いい本に仕上げて世に問うてもらいたい。佳作については、文章力でキラリと光るものを見せてくれた「猫を、尾行」にすることを、これも満場一致で決定した。次はぜひネタの新鮮な作品の応募を、という期待を込めたい。
受賞作品は次のとおりである。
大賞 「声蛍」 万乃華 れん
佳作 「猫を、尾行」 太月よう
2013年3月
福島正実記念SF童話賞選考委員会
選考委員の選評
選評 石崎洋司
毎年、この欄に書いているように、ぼくは選考の基準を「今後、プロとしてやっていける力があるかどうか」においている。ほんとうにプロとしてやっていけるか否かは、「運」によるところも大きいのだけれど、児童向け作品をコンスタントに生み出すための「最低条件」は、やはりあると思う。その条件とは、ひとつは「技術」、もうひとつは「素材を見つける目」だろう。そして、今回、最終選考に残った作品レベルの高さは、「技術」の方にだけかたよっていたと、個人的には思う。
その最たる例が、佳作の「猫を、尾行」。ぼくはこの作品を一次選考から通算3度も読んだのだが、何度読んでも感想は「ありきたりの内容、でも、書き方は上手」だった。およそ「新人賞」らしくない作品なのだ。けれど、物語を運んでいく達者さには「別のネタでもういちど読んでみたい」と思わせるだけの力があったのも事実。だから、次回のチャレンジに期待、という意味の佳作である。
これと同じく、「なんでも消しゴム」も、文章は上手で内容はありきたり、だった。が、そのありきたりも、選考委員のほぼ全員が「ドラえもん」ネタを想起してしまったとなれば、さすがに技術ではカバーしきれなかった。新しい素材のあつかいに苦労することで、技術が上げるということもある。素材選びの段階でもっとチャレンジしてほしい。 「着ぐるみ宇宙人 空へ変える」は、作品の体裁は整っていた。「ここがダメ!」という欠点がない。でも、そこが欠点。「思いがけないネタ」とか「思わずひきこまれる文」などの長所もないのだ。ちゃんとしているけど、児童読み物の書き方としては古いということ。「現在」に迎合する必要はないが、少なくとも、いまの子どもたちが何を読んで、どう反応するのかも考えてほしい。
「まあいいか、アリだし」にも同じ「古さ」を感じた。実は、タイトルと書きだしには、かなり心ひかれるものがあったのだ。なのに、主人公に課せられたハードルが、いかにも古き良き児童文学的で、とてもがっかりした。デビュー間もない作家たちが、いま、どんなふうに作品で「冒険」しているか、少し研究してみるといいと思う。
意外におしかったのが「つぼ落ち妖怪つかまえます」。キャラもいいし、書きだし、そして物語の運びにリズムがあって、思わずひきこまれる。が、いよいよ本格的に物語が起動するべきところで、紙幅がつきてしまう。50枚だからできること、300枚だからできること、この見極めは経験だと思う。素質を感じるので、ぜひ経験を積んでほしい。
というわけで、満場一致ですんなりと「声蛍」が大賞に輝いた。とくに派手なところもないのに物語的には動きがあるという、不思議な魅力がある。タイトルもいいし、それが中身とつり合っているのもいい。ただ、小3、4向けかどうかには、若干の疑問がある。今後、想定読者と内容のバランスをとれる作品を書けるかどうかが、課題だろう。
選評 後藤みわこ
「猫ブーム?」とわたしの選考メモに書いてあります。最終6作品の半数以上に猫(猫的妖怪を含む)が登場するからです(カラスが重要な役の作品も複数)。それどころか6作品すべて、主人公が男の子で作者が女性。こんなふうに揃うなんて、珍しい年でした。
一次を通過した作品は、どれが上がってきてもおかしくない出来でした。二次を通った6作品は、選考会でどんな結果になっても異議はないと思えるおもしろさでした。
それでも受賞に至らないものは、その理由となるだけの弱点があったわけですが……弱点は魅力を増やすうちに消えていく、あるいは、あっても目立たなくなるんじゃないか。そう信じ、受賞を逃した作品について、印象的な部分、評価した要素を書いてみます。
「まあいいか、アリだし」……異常事態のゾワゾワ感。虫嫌いの子は泣くかも?
「なんでも消しゴム」……小学生男子の生活のリアルさ。読者が楽しめそうです。
「つぼ落ち妖怪つかまえます」……登場人物の心情の掬い方。渋さも好きでした。
「着ぐるみ宇宙人、空へ帰る」……端正な文体。語り口に安定感があります。
魅力をどんどん増やして、ぜひ次回、再挑戦してください。期待しています。
大賞の「声蛍」に関しては他の委員にお譲りするとして、佳作に留まった「猫を、尾行」について、少しお話ししますね。
おもしろい作品です。心地いいくらいノレました。でも、「猫と話が通じる」「猫の集会」「猫たちに紛れ込んだら自分も猫に」などの要素だけ抜き出したら、すでに世に出ている作品にいくつも見つかりそう……。
このノリで、違うネタなら!
好きな作品でも推せず、「もったいなさ№1」でした。選考メモにも、つい「どうすりゃいいんだ」と書いてしまったほどです。
「こんなの見たことない!」と読者が驚くような世界を、楽しく書いてほしいです。
選評 廣田衣世
今回の応募総数は歴代1位。前回、大賞作が出なかっただけに、応募者が減るのではと心配していましたが、300近い作品が集まり、とても嬉しく思いました。
「声蛍」は、まずそのタイトルに惹かれます。口には出せないけれど、胸の中にはしまっておけない、誰かに聞いてほしい、という強い気持ちが「声蛍」となって浮遊する、という幻想的なストーリーが魅力的。一種の言霊のようでもあり、それらを心で感じ取れるようになろうと、一生懸命に精神修行する主人公たちもかわいらしく、ほのぼのと描かれています。物語全体に流れる時間がゆったりと優しく感じられ、独特の雰囲気が伝わってきました。冒頭のヤンキースの帽子云々の部分をもう少し整理し、その分ラストに厚みをもたせるともっとよかったかな、とも思いましたが、最終選考に残った中で、一番好きな作品でした。大賞受賞、おめでとうございました。
「猫を尾行」は、猫集会に出かける飼い猫をそっと尾行しているうちに、自分たちも猫の姿になってしまい、集会に紛れ込んでしまう、という不思議なお話。どこかのアニメ映画で見たような感もありましたが、文章のリズムもセリフもテンポよく、キャラもそれぞれしっかりしていて、とても楽しく読めました。最終選考会の5日前、我が家に迷子の子猫がやってきたこともあり、(現在、うちで飼っています)一読後、思わず愛猫がもっと愛おしくなる作品でした。ただ、タイトルには一考の余地がありそうです。
タイトルという視点でいうと、毎回「ストーリーは面白いのに、タイトルが……」という作品がよくあります。今回の中では「着ぐるみ宇宙人 空へ帰る」などもそうで、要はネタバレ的だったり、ストーリーと全くつり合っていなかったりするものです。タイトルは、読者を引きつける重要なポイントの一つです。その点、「声蛍」や「まあいいか、アリだし」は、成功していると言えるのではないでしょうか。
選評 南山 宏
応募総数がまたもや記録更新されたのはまことに喜ばしい。それ以上に嬉しいのは、選者として長年本賞に携わってきた私から見て、応募作品の質的レベルが全体的に10年前20年前よりかなり上がったように感じられることだ。その証拠に一次・二次・最終選考を通じて、各段階で篩い落とし難い作品の割合が年々増えている。
だが、SF童話の新人賞という本賞の性格上何より重要なのは、アイディアの独創性、エンターテインメント性の充実度、そしてプロ作家としての将来性の3点だと思う。
大賞作『声蛍』は、以上の3要件を申し分なく兼ね備え、その点で全6作の中で一頭地を抜いている。最初に読んだ時点でこれぞ本命と感じさせ、その通りの結果になったのは個人的にも嬉しい。
まず人間でも動物でも「心の声」が「声蛍」という喜びの赤や悲しみの青に光る玉の形で現れ、見える人には見え、聞こえる人には聞こえるという独創性あふれる設定がすばらしい。いわゆる「言霊信仰」思想だが、そのような難解な用語は一切使わずに終始子ども目線に立ちながら、会話と改行を多用するシンプルで短いリズム感のある文体で、テンポよく物語を進めていく。
エンタメ性と文学性をほどよくミックスさせ、押しつけがましくない程度にさりげなく倫理的テーマ性も含ませた作者の力量は瞠目に値しよう。受賞後の仕事に大いに期待したい。
佳作『猫を、尾行』も、作品のエンタメ性と作家としての将来性の2点では、大賞作に引けをとらないものを感じさせる。拾ってきたドラ猫が「猫人間」かもしれないと悩む飼い主の小学生という話はかなり定石的とはいえ、私のような猫好きにはけっこうグッとくる化け猫ユーモアファンタジーだ。
「人語をしゃべる猫」と「猫の集会」という基本設定に前例が幾通りもあるのが残念だが、完成度という一点だけからすれば、過去の大賞作ともほとんど甲乙つけがたい出来栄えと言える。
『つぼ落ち妖怪つかまえます』はタイトル通りの現代妖怪捕り物ファンタジー。普通人には見えない妖怪が見えるため、江戸時代から先祖代々妖怪退治の使命を負わされた少年が、助手の善玉妖怪と協力してこの世の悪玉妖怪を次々につぼに封印して浄化させるというアイディアは秀逸。ただ全体的にグレードが高いので、長編に書き直して本賞の兄貴分のジュニア冒険大賞に挑戦してほしい。
『着ぐるみ宇宙人 空へ帰る』もタイトルそのままのSF冒険譚。丘の上のレンガ屋敷に住むおじいさんと大きなシロネコときれいなおねえさんが、宇宙人の一人三役であることを少年が突き止めてしまう。発見のきっかけが背中のファスナーというアイディアを面白いと思うか、なあんだと失望するかが評価の分かれ目だ。
『まあいいか、アリだし』はアリをうっかり踏み潰した少年が、兄弟アリの大軍団にリベンジを宣告され、助かるためには一週間以内にだれかに感謝される善行をしなければならなくなる。
また『なんでも消しゴム』は魔法のコンビニで「なんでも消しゴム」を買った少年が、大嫌いなサラダや漢字テストの時間などを次々に消していき、ついには親友や自分まで消しそうになる。
どちらの話も最初の設定が平凡すぎ、そこから引き起こされる騒動も予想がついたり、論理のつじつまが合わなかったり、話のピントがぼやけたり、どこかで見たような展開だったりで、残念ながら筆力以外には全体的にあまり魅力が感じられなかった。
蛇足ながら、最終選考の六作品の書き手がそろって女性で、話の主人公のジェンダーがそろって少年(「ぼく」か三人称の男児)だったのは、記憶のかぎりでは前例がない。たんなる偶然か、それともユング流にシンクロニシティーと解すべきだろうか?
第29回選考経過 - 2014.12.25
第29回を迎える福島正実記念SF童話賞に、今年は247篇の応募があった。この数字は歴代2位(1位は昨年の263篇)という多さである。
今年度の特徴としては、同じようなモチーフやテーマが多かったことが挙げられる。サッカー、星、生命についてなどがよく見受けられた。女子サッカー「なでしこ」の活躍や探査機「はやぶさ」の地球帰還、昨年の東日本大震災の影響を大きく受けていると考えられる。
内容についていえば、わるくはないが、際立つもののない作品も多かった。たくさんのご応募をいただけるのはとてもありがたいが、やはり数ではなく、質の高いものが望ましい。想定外の驚きをもたらすような新しい書き手が現れることを願ってやまない。
第一次選考を通過した作品は、以下の16篇だった。
『親切ポイント』 小田良一
『アルファタケハの小びん』 七妻 実
『不思議商店街の時計おじさん』 城上黄名
『流れ星は友だち』 遠山裕子
『ホウキ星からきたセイ』 葉山わたる
『過去と未来の守りびとたち』 こうまるみずほ
『満・満~今、ヒーローになる時!~』 ひらやままこと
『ゆうれいトカゲ』 吉田誠一
『ざしきわらしノート』 太月よう
『人相占いマシン』 たかぎなまこ
『なにかが起こりそうな夏休み』 七海冨久子
『ルビーの指輪をさがしていたら』 はながた れい
『ちょっとだけエスパーに』 いわきたろう
『わたしのスケルトン』 すみ のり
『跳べ! 正義の疾風少女ライチ』 てり
『ぼくらのエネルギー革命』もりいずみ
例年と同じく、文章力、発想(アイデア)、ストーリー展開が必要な要素として、満遍なく満たされていないといけない。二次選考までたどり着けなかった作品はどれも、アイデアはよくても展開がもたもたしていたり、出だしはよくても終わりがあっけなかったりと、残念なものが多かった。
二次選考を突破して、最終選考ラインに並んだのは、以下の5作品である。
『アルファタケハの小びん』 七妻 実
『不思議商店街の時計おじさん』 城上黄名
『ホウキ星からきたセイ』 葉山わたる
『ゆうれいトカゲ』 吉田誠一
『わたしのスケルトン』 すみ のり
『アルファタケハの小びん』 七妻 実 グレードが高めの印象だった。何年生(何歳)なのかがわからない。児童書なので、わりと早いうちに読者に主人公のプロフィールがわかったほうがよい。物語自体は、おもしろく、タイトルもいい。ただ、設定がやや強引であることと、全体的に昭和30年代のような匂いが漂うのは意図したものなのだろうか。また、明らかに恋愛の描写もあり、福島賞としてどうなのかを改めて考えさせられるものがあった。肝心の「星を売る男」のキャラクターが最初から最後まで共感を呼ぶタイプでないことも気になった。甕のなかに星空があるところなど、うまさを感じさせられるところもあったので、その長所を活かして、また別のモチーフをうまく料理してほしい。
『不思議商店街の時計おじさん』 城上黄名 まずタイトルの「不思議商店街」だが、どこが「不思議」なのかがわからない。時計屋以外の店で「不思議」を感じさせる場面はない。「商店街の不思議な時計屋」といったほうが正しいのでは。タイトルは重要なので慎重につけてほしい。こうした些細なミスが多かった。全体の印象でいえば、いろいろな時計がずらっと並んだ場面や、うさぎの目覚まし時計が大活躍するなど、おもしろくなるところはおもしろい。絵にもなるだろう。だからこそきっちりと世界観を構築してほしい。ファンタジーであっても、リアリティがないといけない。時計が絡んだ「時間」の概念に関する物語と少年少女とのやりとりがうまく書けておらず、どっちつかずな印象があり、作品全体としてのまとまりに欠けていた。でも伸びていく力を感じさせるものはある。次作はぜひ細かいところから丁寧に作り上げてほしい。
『ホウキ星からきたセイ』 葉山わたる SFとしてもファンタジーとしてもやや乱暴な設定だった。隕石とコメットを混同しているところがある。また、「魔法でなんでもできてしまう」というのがご都合主義な感じを与える。ただ、いきなり主人公と星からやってきた少女が双子になったりと、おもしろさはある。それに勢いもあるので、読ませるし、いいお話という印象は残す。最大の難点は、「生命の進化」というテーマが去年の大賞作品と全く同じだということ。やはり毎年の大賞作品にはバラエティを求めたい。公募の新人賞だから新しさに驚かせてもらいたいという気持ちがあるので、読んだことのない物語をぜひお願いしたい。
『ゆうれいトカゲ』 吉田誠一 大人が少年時代を回想する、という内容だが、これもグレードを上げている印象がある。トカゲが影を切ったり、くっつけたりする仕組みについても、嘘でもいいから理屈がほしかった。この作品も細かいところに神経が行き届いていない場面が多くあって、残念だった。「壁抜け」のシーンはとてもおもしろい。読者が絶対できないことを、主人公が体験する。その描写を追うことで読者が自分がしているような気分になるのは物語ならではの醍醐味なのだ。そこは楽しめた。「人を死なせてはいけない」今年だからこそ描きたかったテーマなのだろうか。全体的にトーンの暗いのが気になったので、新しい作品はぜひ明るく描いてほしい。
『わたしのスケルトン』 すみ のり ばかばかしいながらも、おもしろさのある作品だった。女の子の心情もよく書けている。しかし、この作品も主人公のプロフィール(名前、年齢)などがなかなか出てこない。全体的に技術点は高いが、芸術点は低そうだ。出てくるネタ、展開は古く、パターンもなじみのものである。文章が上手か、下手かも選考委員のなかで意見がわかれた。盛りこまれている材料がたくさんあり、一読して理解するのがなかなか難しい。新鮮な要素は、従来、「幽霊」として出てくるものが骸骨になったということだけだが、これもそのまま「幽霊」だったら、どうだろうかということになった。数年前の「きもだめし☆攻略作戦」とモチーフが似ているのも気になる点だった。一読して「おもしろい」と思わせる力はあるので、新鮮な味付けをしてほしい。
受賞作品をどれにするかでおおいに悩んだ。例年の流れからすると、どれかが必ず大賞をとり、大賞受賞作品は岩崎書店のラインナップに乗り、刊行の運びとなる。しかし、今年の最終候補のなかで、今までの受賞作品と並び、また、多少の改稿を加えたとしても自信を持って世の中に出せる作品はあるだろうか…という点で議論となった。受賞作品は来年からの基準となることも踏まえ、厳しく審査をしたい。満場一致でひとつの作品を出せないという事実を重視して、今年は大賞受賞作なし、という結果となった。そして、今後の期待を込めて、『不思議商店街の時計おじさん』と『わたしのスケルトン』が佳作に選ばれた。
受賞作品は次のとおりである。
大賞 該当作なし
佳作『不思議商店街の時計おじさん』 城上黄名
『わたしのスケルトン』 すみ のり
2012年3月
福島正実記念SF童話賞選考委員会
第28回選考経過 - 2014.12.25
第28回を迎える福島正実記念SF童話賞に、今年は263篇の応募があった。この数字は昨年に引き続き、過去最高を更新するものである。全体的な傾向としては、応募者の平均年齢が高くなったように思われる。反面、20代が少ないのが気になるところである。数が多いからといって、レベルが上がったということも一概に言えず、また例年と同じく、グレード、内容が明らかに福島賞と違うものがあった。福島賞自体をよく理解して、応募していただくことを願う。
第一次選考を通過した作品は、以下の18篇だった。
「ケイチャンとバキューム・ワールド」 渡邊禎子
「バルーの風船レター」 西村洋子
「エイキュウ・キカン」 藍沢羽衣
「おふくろの味」 はちべえ
「クリームシチューにとびこまないで」 在上水悠
「ピッチはタイムトラベラー」 里 洋子
「実れ! 希望のタネ」 奈月俐都
「じいちゃんの研究所」 佐藤卓郎
「人魚研究所」 星 大悟
「サンタの不思議なおくりもの」 もりいずみ
「子どもワールド・パニック」 安藤邦緒
「昆虫Gがやってきた!」 こうまる みずほ
「対決! おもちゃ大決戦」 大野順子
「ヒュルルイー ホイッスルが鳴って」 吉田美香
「ぼくらと虫と神様と」 嘉瀬陽介
「ひと夏の友だち」 庭野 雫
「じいちゃん、どこ行くんや」 文月奈津美
「進化する夢の中で」桜井まどか
二次選考過程では文章力、発想(アイデア)、ストーリー展開など、必要な要素が一応満遍なく満たされていないといけない。一生懸命書いている姿勢を、なんとか選考委員に読み取らせようとするような努力はあまり役に立たない。
二次選考を突破して、最終選考ラインに並んだのは、以下の5作品である。全員女性の作品で、二次選考の採点に、あまり高低がなかった。
「実れ! 希望のタネ」 奈月俐都
「サンタの不思議なおくりもの」 もりいずみ
「昆虫Gがやってきた!」 こうまる みずほ
「じいちゃん、どこ行くんや」 文月奈津美
「進化する夢の中で」 桜井まどか
「実れ! 希望のタネ」 奈月俐都 子どもはかわいく、話も楽しいことは楽しいが、ラストが盛り上がっていないのが一番残念な点だろう。昨年の受賞作に影響を受けて、女子のSFにしたのだろうか。うさぎは今年の干支で、絵にしてもかわいいだろうし、キャラクターとしていけるだろう。話もアイドル志望のライバルがいたりして、わかりやすい。でも、それ以上ではない。隕石が落ちてくるにも関わらず、パニックにもならず、ふつうに授業をしている不思議さ。ともかく全体にドキドキ感がないのは、詰めの甘さだろう。文章はグレードにぴったりで、福島賞らしい作品だった。
「サンタの不思議なおくりもの」 もりいずみ 文章は、かなり書きなれている。ストーリーもきれいにまとまっているようだが、気になるところが見えかくれする。まず母子家庭の状況は展開不足のままで終わっている。また特定の固有名詞(商品名、メーカー名)を出しすぎる。必然性もないので慎重に扱ってほしい。全体的にせっかくの筆力を十分に生かしきれていないのが残念だった。
「昆虫Gがやってきた!」 こうまる みずほ ゴキブリを「G」とする表現がおもしろい。そして中盤ぐらいまでおもしろく読める。ところが冒頭を上手に書けるとそれ以上のラストを求められる。この作品では、ラストが物足らなかった。Gがなにもしないで自分の世界に帰ってしまう。消える前に「くらげ」に似ているという本当の姿を見せたりする工夫が必要だ。ゴキブリを手のひらに乗せるような、絶対にいやなことを山場にして盛り上げなければいけない。文章はAクラス。
「じいちゃん、どこ行くんや」 文月奈津美 関西弁はいいが、文章がやや荒っぽく、類型的で、方言のおもしろさや新鮮さが足りない。変換ミスも多すぎてマイナスになっている。送る前に出力したものを確認するのは大前提だろう。物語ではポイント、ポイントのアイデアはいいが、まとめきれていない。思いついたアイデアを本人自身が楽しんでいる感じがないので、こちらにも伝わってくるものがない。場面、場面だけだと一瞬おもしろいが、それを物語にうまく織り込めないと作品全体のおもしろさが盛り上がってこない。ラストの「殺される」という表現はいかがだろうか。全体的に言葉そのものに神経が行き届いていない。もっと丁寧に書かないと作者の実力が出にくいだろう。
「進化する夢の中で」 桜井まどか いちばんおもしろいと意見が審査員内で一致した。進化論を使って、わかりやすくしている。アイデア、志の高さを評価したい。大人にもズキッとくるところがさりげなく書かれている。細かいところにも目が届き、実がぎっしり詰まっている。個々のキャラクターにそれなりの役割を持たせ、読み応えがあり、場面展開がおもしろい。ほかの作品と比べても異色である。夢から夢へ続くストーリーは、飽きることが多いが、飽きさせずに読まされた。今までの福島賞にない、重さ、深みがある。作者の気持ちが読者の内面に入ってくる。気持ちの熱さがうまく表現されている。文章はおとなしいが、奥底に力強いメッセージがある。本にするときのタイトルには、再考の余地あるだろう。
こうして議論を踏まえたあとに、今年の受賞作品を決定した。審査委員が満場一致で推した「進化する夢の中で」が大賞に、「昆虫Gがやってきた!」が佳作に選ばれた。なお、大賞作品の内容、グレードにあわせて、今年度から福島賞受賞作品の判型をB五変型判からA五判にすることもあわせて決定した。判型、版面作りを変えていくことで、福島賞そのものにも新風を吹き込みたい。
受賞作品は次のとおりである。
大賞 「進化する夢の中で」 桜井まどか
佳作 「昆虫Gがやってきた!」 こうまる みずほ
2011年3月 福島正実記念SF童話賞選考委員会
第27回選考経過 - 2014.12.25
第27回を迎える福島正実記念SF童話賞に、今年は234篇の応募があった。この数字は過去最多である。なかには、およそ童話でもSFでもないような応募作品があり、また対象とするグレードがあまりにも違うものもあった。本数(量)が増えるのはありがたいことだが、同時に質もあげたい。そして何より、「福島賞をとりたい」という熱意が見える作品をぜひお待ちしたい。また、今回は応募者の年齢の高さが目立ったが、時代をリードする若者の挑戦が増えることもぜひ期待したい。
第一選考を通過した作品は、以下の16作品だった。
「あべこべロボット」 宮野あきら
「ガミガミママをイメチェンしよう!」 小日向 誠
「宇宙の船のその向こう」 藤岡かよ
「こどものツバサ」 佐知川由柾
「アーシー」 白矢三恵
「悪魔のカバカバ、地球に落ちてネコになる」 李巳明代
「春をくれたユキノハナ」 水無月星夜
「いたずら小人、大あばれ!」 柚木原 凛
「歯が抜け候」 尾木直子
「エレベーターは秘密のとびら」 三野誠子
「ヨルの森の真ん中の石」 小谷 由
「夏の約束〜ジェルの贈り物〜」 玉田千鶴子
「ぼくらの方舟」 星 奏生
「スキなら青?キライなら赤?」 三宅久美
「たくさんの月曜日」 田辺公一
「あすは火星におひっこし」 西川由起子
二次選考を通過して、最終選考に残ったのは、以下の5作品である。
「アーシー」 白矢三恵
「エレベーターは秘密のとびら」 三野誠子
「ヨルの森の真ん中の石」 小谷 由
「たくさんの月曜日」 田辺公一
「あすは火星におひっこし」 西川由起子
2月10日、岩崎書店で最終選考会が開かれ、この5作の評価をめぐって熱い討議がおこなわれた。
「アーシー」 白矢三恵 好感の持てる作品だ。登場人物のキャラクター設定もよい。少年少女の友情や現代の家庭問題なども絡めてひきつけるものがある。関西弁での丁々発止のやりとりも楽しくおもしろく読んでいけるのに、ストーリーが先細りになってしまっているのが残念。また、謎解き(SF的要素)がないのは、この福島賞では致命的だった。粘土で作ったアシカがどうしてしゃべるのかが未解決のままなのである。アイデアをもっとうまく活かして、もうひとひねり山場がほしい。それには主人公にもっと行動力が必要だ。大事なアシカを少女に託さず、自分で解決していく方法をとれば展開もちがってきただろう。ドキドキワクワク感も若干薄く、新人賞を狙うには損である。
「エレベーターは秘密のとびら」 三野誠子 エレベーターから各フロアに飛び出すごとに、世界が変わってしまうというアイデアがまず評価された。また、独自の文体を持っている点でも高評価だった。読み手である子どもをきちんと意識して書いてあるのが好ましい。子どもの目線が確立されており、テンポよく子どもの日常に沿って、違和感なく生活を描いている。作者は昨年も最終選考に残っているが、この1年ですごく力をつけたことを実感させられる。昨年惜しかったポイントがクリアされている。ただ、謎解きの部分は子どもたちが自力で気づいてほしかったという声があがった。まだまだアイデアの展開、伏線の張り方に甘いところがある。このマンションは何階までなのかが明らかにされていない。それが知りたいところであるのに、最後まで明かされない。ただ、前回にくらべてさらに読みやすく、工夫のあとがみられる作品である。
「ヨルの森の真ん中の石」 小谷 由 いきなり最初の5行で心を鷲づかみにされた、とほぼ全員の選考委員の意見が一致した作品。ストーリーも名前を呼ばれると虜にされてしまうので、主人公が13ページ目(応募原稿)でやっと名前を名乗るという異色ぶりだ。しかし、残念なのは後半がまとまらなかったこと。前半がアイデアも含めてすばらしかっただけに大変惜しい。また、登場人物もややごちゃごちゃしており、すっきりしないまま終わっている。それは気味悪さ、怖さの書き方にこだわりすぎたせいかもしれない。
「たくさんの月曜日」 田辺公一 この作品には、類例・類型がすでに世の中に多くあるのが残念なポイントである。また、タイトルをどうして「毎日が月曜日」にしなかったのか不思議だという声も聞かれた。途中、哲学的な考察があるのが、それがよくもあり、悪くもあった。読者は子どもということをもっと意識しないといけない。最初はひきこまれたし、ラストもまとまっているので、この中盤が問題である。そこには、もっと物語としての醍醐味を感じさせるものがないといけない。また、キャラ設定は最初からしたほうがいいだろう。せりふをただ言っているのではなく、意味をもたせたい。
「あすは火星におひっこし」 西川由起子 小見出しから、きちんと計算をしており、好感がもてる。SFについて勉強してきたことが、随所に活かされているのがおもしろい。SFらしいSF、という高評価だった。しかし、全体が場面の変化にとぼしく、本になった場合、イラストが似てくるのではないか。文章の行替えがないのも気になる。さらに大きな議論になったのは、主人公たちが公園のホームレスと仲良しという点。今、子どもはホームレスに関わらないよう指導される。いきなり冒頭から仲良しでは不自然。子ども観がやや古いといえる。今、子どもの本はどんな読まれ方をするかわからないので、こういうポイントも注意しなくてはいけない。
こうして議論を踏まえたあとに、今年の受賞作品を決定した。決定的な欠点がなく、明るいファンタジー作品である「エレベーターは秘密のとびら」を大賞に、冒頭部分で選考委員の気持ちを強烈にひきつけた「ヨルの森の真ん中の石」を佳作に、また、SF的アイデアで群を抜いていた「あすは火星におひっこし」も佳作に選ばれた。
受賞作品は次のとおりである。
大賞 「エレベーターは秘密のとびら」 三野誠子
佳作 「ヨルの森の真ん中の石」 小谷 由
佳作 「あすは火星におひっこし」 西川由起子
2010年3月 福島正実記念SF童話賞選考委員会
第26回選考経過 - 2014.12.25
第26回を迎える福島正実記念SF童話賞に、今年度は合計194編の応募があった。前回に比べると50編以上もの増加ということになる。創作集団プロミネンスと岩崎書店が同じく懸賞公募しているジュニア冒険小説大賞の応募数も今年は飛躍的に増加した。
今年の特徴は、応募者数の増加のほかには、SF仕立ての作品が多いことだった。何年か周期でめぐってくる「SF豊作年」に当たったのだろうか。また、SFは景気が悪くなったり、戦争が間近になったりすると多く読まれるという俗説もあるそうだが、それも当てはまるのだろうか。
第一次選考を通過した作品は、以下の17作品である。
〜ひみつものがたり〜『健太の冒険』 遠山裕子
ミミズ・掃除屋・ダンゴムシ さえぐさふゆめ
下校のチャイムがひびいたら 奥深 行
きもだめし☆攻略作戦 野泉マヤ
妖精ピリリとの三日間 西 美音
担任ロボッ太 夏神うをすけ
五年一組、バレンタインは七夕やります 三宅久美
トモダチは死神見習い 佐野由美子
ティントーヌウガーミ 藤 あさや
天の川から舞い降りてきた七夕竜 小林志鳳
台風のタマゴ むなかたわたる
遺伝子組みかえ引き受けます 横田明子
ルイシャンマイシャン大騒動 三野誠子
とうめい人間のクスリ!? おおのさとみ
ワーズワースの詩 天城れい
お願い、カメ様 上木千尋
UFOを目撃しよう そして宇宙人を見つけよう 文月奈津美
二次選考を通過して、最終選考に残ったのは、以下の6作品である。
〜ひみつものがたり〜『健太の冒険』 遠山裕子
下校のチャイムがひびいたら 奥深 行
きもだめし☆攻略作戦 野泉マヤ
妖精ピリリとの三日間 西 美音
担任ロボッ太 夏神うをすけ
ルイシャンマイシャン大騒動 三野誠子
2月6日、岩崎書店で最終選考会が開かれ、この6作の評価をめぐって熱い討議がおこなわれた。
〜ひみつものがたり〜『健太の冒険』 遠山裕子 健太のおばさんは作家だが、スランプに陥り、新しいアイデアを求めて、甥っ子の健太を「本」の世界へ送り出す。そこで健太はいやいや冒険の旅に出る。ところがこの物語は、おばさんの作家の視点で描かれており、主人公の健太はすべてにおいて受動的だ。子どもが手にする物語で「冒険」というタイトルをつけるならば、主人公である少年の主体性、人間的成長は絶対不可欠であり、何もしないで物語が解決してしまうのはいただけない。また「どきどき・わくわく」感がないことも致命的だ。物語がはじまってから肝心の冒険に入るまでが、無駄にだらだらと長い。50枚という制限があるのだから、主人公が最初から動いて、枚数を精一杯有効に使ってほしい。
下校のチャイムがひびいたら 奥深 行 放課後の学校で、また夜間の学校で3人の少年が顔を合わせる出だしが、怪しいできごとを予感させて読者を物語に引きこむ。ストーリーは宮沢賢治の「注文の多い料理店」をパロディ化した面がある。昆虫型宇宙人が皮をぬいで出てくるあたりはおもしろい。ただ状況がイマイチはっきりしない。SFなら空想科学的理くつがほしい。ホラーにするなら荒唐無稽を前面に押し出し、C級の怪獣映画なみに羽目をはずしたほうがよい。中途半端が一番いけない。「夜の学校」という場を生かして、もっとホラーっぽくした方が読後感もよくなるだろう。
きもだめし☆攻略作戦 野泉マヤ こわがりやの主人公が、一人で暗い道を歩く練習をしていて、高校生と知り合う。そのお兄さんが「きもだめし」の強力な助っ人になってくれて……という物語の運びがうまい。いじめっ子がいたり、怪談っぽいところがあったり、そのバランスがよく、なかなかのテクニシャンだ。好感度も高い。一読後泣けるムードもある。SFとしては「幽霊は電磁波の一種」という幽霊観が出てくるが、幽霊探知機や除霊機はこけおどしで、うまく使いこなせていないようだ。勉強してほしい。
妖精ピリリとの三日間 西 美音 これはSFのようでもあるし、ファンタジーのようでもあるが、どちらかといえばファンタジーの色合いが強い作品だ。SFファンタジーとしておけばどちらの顔も立つ。この作品で注目したいのはこれまでSF童話で、あまりとり上げなかったテーマに挑戦しているところだ。妖精ピリリは、主人公の少女には大型のセミにしか見えないが、母や町の人間たちには、背中に羽の生えた15センチくらいの美しい妖精に見える。セミなのか妖精なのか? 写真にとってみると、丸いぼんやりした光しかうつらない。このあたりにSFファンタジーとしてのリアリティがある。そしてこの作家の将来性を示している。
担任ロボッ太 文部科学省から送られてきた担任の先生はなんとロボットだった。クラスの生とたちはみんな破天荒なロボット教師に振り回されるが、なんとなく憎めない。そういう設定はよくできているが、発想、言葉づかい、ネーミングなどが全体的にやや古い感じがする。内容もドタバタの域を出ていないが、わかりやすく、ロボットもの独特なおもしろさがある。ただ今のロボットはもっと進化しているはずだ。この物語を生かすなら、古いDVDを見ていて、その中に入ってしまうことか、40年前の文部省で作られたということにしたらどうだろうか。もう一つ注文をつけたい。登場人物たちに個性がないことが気になる。勢いだけで読ませるのは限度がある。とにかくSF童話にとってロボットものは、もっと充実させたい分野だ。新しいロボットSF童話の世界を作り上げてほしい。
ルイシャンマイシャン大騒動 三野誠子 テレビの上で飼う「ルイシャンマイシャン」という不思議なペットが大流行する物語だ。かつて現実に流行した「ケセランパサラン」のパロディだろうか? 「ルイシャン〜」は宇宙人が地球人を支配するために仕掛けたものだが、このオチが意外にあっさり明かされてしまう。宇宙人の地球侵略SFでナンセンスものといえば、第12回の大賞「ボンベ星人がやってきた」(竹内宏通)がなかなかの秀作だ。宇宙人のおとぼけぶりとその風刺性を参考にしてほしい。
議論のあとに、受賞作品候補として「きもだめし☆攻略作戦」と「妖精ピリリとの三日間」の2作品に絞って討議が続けられた。「きもだめしー」には、読みやすさ、安定感、優しさと暖かさがある。仕掛けに疑問が残る箇所があるので、そこさえクリアされればぜひ残したい。「妖精ピリリ」については、ユニークさ、SFらしさ、未開のジャンルに目をつけて書いていく力を評価したいということになり、2つの作品を書いた作者それぞれの将来性に賭ける意味で、2作品同時大賞受賞ということになった。
受賞作は次のとおりである。
大賞 「きもだめし☆攻略作戦」野泉マヤ
大賞 「妖精ピリリとの三日間」西 美音
2009年3月 福島正実記念SF童話賞選考委員会
第25回選考経過 - 2014.12.25
第25回福島賞——第1回は1984年だから、この間に世の中は学校も家庭も子どもの遊びも随分と変わってきている。映像化の急激な進歩によって、わたしたちの〈不思議なことに目をみはる感性〉も弱められているかに見える。しかし、手前味噌のようだが、この賞から生まれたSF童話の数々は、いま読み返してもそのおもしろさに古さが感じられない。「サイエンスフィクションで装いながら普遍的な子どもの世界を描く」というSF童話の特性によるものだろうと思う。
今回もそんな作品が得られるだろうか。期待しながら選考に入っていった。
今回の応募総数は139編だった。いつものように全作品を対象に第一次選考をおこない、つぎの19編を通過作品とした。
「月のしずくのペンダント」加藤英津子
「ぼくは、アンテナ星人だい!」白川みこと
「ゴッド・レゴリスを取りもどせ」佐藤伊津子
「スパイ許可証」田辺公一
「変身ママ」おおぎやなぎちか
「井戸」小竹守道子
「とうめい人間になっちゃった!」おおのさとみ
「ガガーリンは眠い、野球やるぞ」佐々木 晋
「はけんにおまかせ」希巳明代
「僕はロボット?」吉田 宏
「ママはばら色のにおい」森川和香
「ぼくらのタイムマシン・カプセル」友乃 雪
「さる記憶—さるところより、サルが、さる」井上恵子
「星すくい」七野悠己
「おかっぱ川子」三木聖子
「ロードサイン・ストッパー」塚原由紀子
「鏡の中のオレ」ふらみ 加容
「めざめよ、ねぼすけ吸血鬼!」星 洋子
「ふしぎなスノードーム」西 美音
この19編について、第二次選考をおこなう。その結果、次の6編が最終選考候補作品として残った。
「ガガーリンは眠い、野球やるぞ」佐々木晋
「ぼくらのタイムマシン・カプセル」友乃 雪
「星すくい」七野悠己
「おかっぱ川子」三木聖子
「ふしぎなスノードーム」西 美音
2月6日、岩崎書店において最終選考会が開かれ、この6作の評価をめぐって熱心に討議がおこなわれた。
「変身ママ」おおぎやなぎちか 死んだママの代わりにやってきたのは、どんな風にも姿を変えられる宇宙人のママだったというお話。ユニークな設定だったが、読者を引っ張っていくおもしろさがもうひとつ。読む者をドキドキさせるような工夫がもっと欲しかった。終わり方には味わいがあってよかっただけに残念。
「ガガーリンは眠い、野球やるぞ」佐々木晋 意味不明なことばばかりを発し続けるおじいちゃん。でもその行動はしっかりしている。どういうことなんだろうという興味が主人公の少年とともに読者を物語に引き込んでいく。発想もよく読みやすい文章でリアリティも感じられた。ただし、最後に社会的なテーマを生なままに出されて一度に興が醒めてしまった。
「ぼくらのタイムマシン・カプセル」友乃 雪 タイムトラベルものだが、時間の理屈に走らず、過去・現在・未来のじぶんが一堂に会して問題の解決に力をあわせるといったわかりやすい物語。SF的処理にこだわりすぎなかったのはよいのだが、問題解決のストーリーがやや単純すぎるように思われた。話のあちらこちらにキズもみられたが、全体的にまとまっていた。
「星すくい」七野悠己 夏祭りのある日、神社の境内の一角でひっそりと店をひろげる金魚すくいならぬ星すくいの屋台に出会った話。遊び仲間と飛び回る夕暮れの夏祭り、小さなプールのなかで泳ぎ回る星雲たち、見知らぬ女の子。神秘的な雰囲気が魅力で読ませるが、不思議なものに出会っただけで、ストーリー展開がない。グレードも高くなっていて、中学年の子どもたちが楽しむ物語にはなっていなかった。
「おかっぱ川子」三木聖子 スイミングに通う男の子が、川で溺れかけていたその女の子(河童)を助けたところからはじまる河童と少年との友情の物語。定番の設定と現代っ子らしい河童の女の子の存在が、古風さと新しさの両方を感じさせる。まとまっていてキズもなく完成度は高いのだが、ワクワクさせてくれる要素がない。新しい河童物語と言えないところが不満だった。
「ふしぎなスノードーム」西 美音 ずっと以前に亡くなったおじいちゃんが、自分の若い頃のいたずらの後始末をたのみに、孫の夢の中に現れる話。スノードーム(水のつまったガラスの器。球形などをしていて逆さにしてから戻すと中の粉が白い雪のように降って見える玩具)が、おじいちゃんと孫をつなぐアイテムとなる。ミステリー的な味わいがあり、スノードームもうまく使われていて、完成度は高い。ただし、読者を引きつけるおもしろさの点では弱すぎた。「水が情報を記憶する」ということをストーリー上にもっと生かせたらよかったのだが。
残念ながら、これで決まりでしょうと推選の声が一点に収束していくような強力な作品は見られなかった。いずれの作品を大賞にすべきかと討議をかさねるなかで、二次選考終了時の得点では上位につけていなかった「ぼくらのタイムマシン・カプセル」が大賞に決まった。読者となる子どもたちが一番楽しめる作品という評価がこの作品を大賞にした。
賞の選考では、みてきたようにさまざまな側面から作品評価が行われる。ほとんどの作品が高く評価される点とマイナスとみなされる弱点や疵を合わせもっている。文学的完成度の高さはもちろん求めるもののひとつに違いないが、読者の子どもたちをドキドキワクワクさせる読み物であってほしい。読者を楽しませる作品でなければ、出版を前提とするこの賞で大賞を獲得するのは難しいとご理解いただきたい。
受賞作は次の通りとなった。
大賞 「ぼくらのタイムマシン・カプセル」友乃 雪
佳作 「ふしぎなスノードーム」西 美音
佳作 「おかっぱ川子」三木聖子
2008年3月 福島正実記念SF童話賞選考委員会
第24回選考経過 - 2014.12.25
昨年(第23回)は、「ヌルロン星人をすくえ!」「恋するトンザエモン」の2作が同時に大賞に選ばれるという華やかな年であった。タイプの異なる二作は、どちらも年末に出版され、それぞれに好評を得ている。
毎年同じように募集をしていても、その年によって応募総数も違えば、作品の粒の揃い方も違う。今回の応募総数は、149編。作品数はここ十年の平均的な数であるが、さて質のほうは如何であろうと楽しみにしながら、いつもの通りに全作品を対象にして一次選考をおこなった。その結果、以下の15編を通過作品とした。
「究極のそうじきイチコロン」 柴野理奈子
「ノンちゃんの未来日記」 下村文春
「年輪つむぎの店」 古野孝子
「ウルトラマンはだれだ」 あんどうあつこ
「一発逆転ガブとぼく」 おおぎやなぎちか
「アイスクリームを食べたロボット」いしもりくにお
「ぼくとギーリのガチャガチャマシーン」 関美和子
「となりの吸血鬼」 加藤英津子
「お化け屋敷九階屋」 なかじょうゆき
「ポケットに、風」 西 美音
「音の見える国」 井嶋敦子
「落とした宇宙と拾った冒険」 奥深由紀恵
「めざせ よりよい生活」 石井ゆみ
「地球にひっこし大作戦」 松井 智
「ぼくがもれちゃった」 安藤邦緒
この15編について第二次選考をおこなう。この時点では飛びぬけて高い評価の声は聞かれなかった。最終選考候補作品として残ったのは、例年よりやや少ない5編のみとなった。
「となりの吸血鬼」 加藤英津子
「ポケットに、風」 西 美音
「音の見える国」 井嶋敦子
「落とした宇宙と拾った冒険」 奥深由紀恵
「めざせ よりよい生活」 石井ゆみ
2月7日、岩崎書店において最終選考会が開かれ、この5作の評価をめぐって長時間熱い討議がおこなわれた。
「となりの吸血鬼」加藤英津子 亡き妻の面影のある女性を追って、ルーマニアから日本にやってきた吸血鬼のロクさん。彼と主人公の少年の交流が、読みやすい素直な筆致でほのぼのとつづられている。ただ、ファンタジーとしての盛り上がりが弱く、その点を惜しむ声が相次いだ。
「ポケットに、風」西 美音 読みやすく、ハートウォーミングな作品だが、ポケットの中の〈風〉がイメージしにくい。しかも主人公がそれを使いこなせないため、他の登場人物に事件を解決してもらう話になってしまった。読者にとって主人公が活躍してくれない不満は大きい。
「音の見える国」井嶋敦子 音を聞くと色が見えるという感覚を扱い、設定としては興味深かったが、主人公(子ども)の目線ではなく、作者の(大人の)視点で話が展開されているのが残念。ラストも中途半端に思え、爽快感に乏しいようだ。作者の筆力がアイデアに追いつけなかったのかもしれない。
「落とした宇宙と拾った冒険」奥深由紀恵 戦隊もの、ブラックホール、恐竜など、読者にアピールしそうな要素をそろえ、人物配置にも工夫が見える。だが、それがマイナスにも働いて、わかりにくいところが出てきた。この作品は五〇枚で書く中学年対象の福島賞ではなく、長編のジュニア冒険小説大賞向けだったのでは、という意見も出た。
「めざせ よりよい生活」石井ゆみ 家族のためを思っているのよ、と通信販売で買い物をしつづける母親。それにふりまわされつつ、従っている父親と息子。風変わりなホームドラマだが、意外に読者の共感は得られそうだ。ありえないと思いながら楽しく読んでしまう。その風刺性には納得できるものがある。グレードはやや高めであった。
今回は、「これこそ大賞!」と積極的に作品を推す選考委員の声がなかった。候補作の評価は割れ、一時は「該当作なしか」の声も上がった。
福島賞の作品は基本的に小学生で読みこなせて、SFあるいはSF的なおもしろさが表現されていなければならない。この賞を獲ることのむずかしさが、改めて確認された選考会であった。
討議を重ねた結果、風刺SFというここ数年の受賞作にはなかったタイプの作品で、その突き抜けたおもしろさが魅力の「めざせよりよい生活」を大賞と決定した。また、今後への期待を込めて「となりの吸血鬼」と「落とした宇宙と拾った冒険」の2作品を佳作とした。
受賞作は次のとおり。
大賞 「めざせ よりよい生活」 石井ゆみ
佳作 「となりの吸血鬼」 加藤英津子
佳作 「落とした宇宙と拾った冒険」奥深由紀恵
なお、第10回以来長く選考委員を務めてこられた木暮正夫氏が、選考期間中の1月に逝去された。木暮氏は、児童文学者として、また児童文学者団体の要職にあって、超多忙な毎日を送りながらも、児童文学をめざす若い人たちへの応援には力を惜しまない人であった。今回も、病床にあって、1次選考を済ませ、2次選考の作品を読んでおられた。長年この賞のために尽力された木暮氏の姿が選考会になかったことを、選考委員一同心から残念に思った。心よりご冥福をお祈りする。 2007年4月
福島正実記念SF童話賞選考委員会
第23回選考経過 - 2014.12.25
今回の応募総数は189編、昨年をわずかながら下回った。いつものように全作品を対象に第一次選考をおこない、つぎの16編を通過作品とした。
「タイムチケット」 藤江じゅん
「カラクリウム」 駒井洋子
「ご近所の神さま」 佐藤佳代
「七月七日まで七日」 おおぎやなぎ ちか
「筆よさらば」 後藤隆之介
「ヌルロン星人をすくえ!」 麻木まり子
「メガネの中にジジイがいる」祭コズエモン
「プリンス・ハエタロウ」 鈴木尚巳
「漬物石と鬼の夜」 廣嶋玲子
「USO銀行」 木村ひろみ
「恋するトンザエモン」 小野靖子
「どこでもタクシー、走る!」 関美和子
「ぼくのばく」 森 夏月
「ビー玉観察日記」 増寺ゆき
「幽界飛行船」 青上 井
「悪夢いただきます」 新月あうる
この16編について、第二次選考をおこなう。その結果、次の8編が最終選考候補作品として残った。
「タイムチケット」 藤江じゅん
「カラクリウム」 駒井洋子
「ご近所の神さま」 佐藤佳代
「七月七日まで七日」 おおぎやなぎ ちか
「ヌルロン星人をすくえ!」 麻木まり子
「恋するトンザエモン」 小野靖子
「ビー玉観察日記」 増寺ゆき
「悪夢いただきます」 新月あうる
2月1日、岩崎書店において最終選考会が開かれ、8作の評価をめぐって熱心に討議がおこなわれた。
「タイムチケット」藤江じゅん 古いキップの欲しかった主人公が、時間旅行のチケットを手に入れ過去へタイムスリップ、父親のひみつを知るという物語。破綻なくうまくまとめられ、温かさも感じられた。ただ、三十数年前の世界の描写など、大人は喜びそうだが子どもの目線になっていないところに難がある。物語の動き出しも遅かった。
「カラクリウム」駒井洋子 裏通りにある、からくりだらけの不思議なお店が舞台となったファンタジー。宮沢賢治の童話を連想させるような印象深さをもっているのだが、作品世界が小さく、物語性が乏しい。話をもっとふくらませる工夫がほしかった。
「ご近所の神さま」佐藤佳代 処は東京・神田、時は正月。じいちゃんと祠の神さまが登場して、お屠蘇・お神酒の香りがただよう物語だが、子犬を飼いたいという主人公の思いを軸に、動物の命の重さを訴えた作品。感動的で終わり方もよい。ややグレードが高く、テンポの遅いことが気になった。
「七月七日まで七日」おおぎやなぎ ちか 江戸時代のお姫様がタイムトンネルをくぐって現代へやってきたお話。テンポもよく、読んでいて微笑ましい。過去へもどったお姫様が、タイムトラベルの体験をもとに書いた「昔話」が、劇中劇のように盛り込まれているが、おもしろいという意見と退屈とする意見に分かれた。せりふづかいなど、もう少し文章に気遣いがほしかった。
「ヌルロン星人をすくえ!」麻木まり子 校外学習で、滅亡の危機にある星をすくいにいく三十一世紀の小学四年生のお話。低学年にもわかりやすい。物語自体はやや単調だが、ワクワクさせてくれそうなスペースオペラだ。便利さの行き過ぎが星人を怠惰にしたことが危機の原因になっているなど、SFの常道ともいえる文明批評の側面をもち、SF童話らしい作品に仕上がっている。
「恋するトンザエモン」小野靖子 おかあさんの日記帳の守り神が姿をあらわし、一目ぼれした女の子のために神通力を乱発してさまざまな事件を巻き起こす物語。アイデアに見合った無理のないスケールにうまくまとめられ、おもしろい作品となっている。構成、テンポ、文章とも文句ない仕上がりだった。
「ビー玉観察日記」増寺ゆき ビー玉はいつか知らぬまに数が減っていく。その謎を解明しようとビー玉観察を夏休みの自由研究に選んだ二人の少年の観察日記。発想のおもしろさととぼけた味わいは群をぬいているのだが、物語としての整理が悪い。前半と後半の印象に差があるなど、全体の構成にもっと配慮がほしかった。
「悪夢いただきます」新月あうる 夢を食べる動物バクをネタに友情と混乱を描いた物語。読みやすい文章でおもしろく読ませたが、グレードが高かった。また「夢を食べるバク」を素材にしたとしても、物語としてはもっと幅をひろげてほしい。工夫次第でもっとたのしい読み物になりそうだ。
各選考委員の第二次選考の結果が集まったときに、最終選考会はもめるだろうと予想された。どの作品も二次選考での評価が分かれていたからだ。
予想通り選考会ではすべての作品について賛否二通りの意見がだされた。つねならば全作品にわたって一当たりの意見交換を終えたところで大方絞られてくるのだが、今回はまだその段階では大賞作のゆくえが見えなかった。消去法でいくつかの作品が大賞候補から外され、さらに討議がつづけられた。
最終的に、わかりやすさとSF本来のワクワク感を買われて麻木まり子さんの「ヌルロン星人をすくえ!」が、また総合的な完成度の高さから小野靖子さんの「恋するトンザエモン」が大賞となった。第九回以来の二点大賞授賞となるが、二作とも魅力にあふれていることでは全員の意見が一致し、タイプの異なる作品であることからも二点同時授賞が決まった。なお小野靖子さんには単行本の著作があるが、絵本であることから、応募規定の資格条項とは抵触しないことが確認された。
結果、受賞作は次の通りとなった。
大賞 「ヌルロン星人をすくえ!」麻木まり子
大賞 「恋するトンザエモン」小野靖子
佳作 「ご近所の神さま」佐藤佳代
佳作 「七月七日まで七日」おおぎやなぎ ちか
今回の8作は、賢治風のファンタジーからスペースオペラまで、またテーマ性を明確にしたものからナンセンスまで、バラエティーに富んでいた。そして、それぞれが違った味わいで選考委員を楽しませてくれた。応募要項は、求める作品のジャンルを「SFおよび、SF的なファンタジー、冒険、ミステリー、ホラー、ナンセンスなどの空想物語」としている。どのジャンルが賞を得やすいということはない。要は、幼い読者たちにページをめくる喜びを味わわせ、新しい世界を体験した感動と満足感を残してくれればよいのである。
応募要項でご承知かとは思うが、今回から後藤みわこ、廣田衣世の2名が、久米穣、浜田けい子に代わって選考委員をつとめた。ともにこの賞から歩みはじめた活躍中の児童文学作家である。選考委員会も大幅に若返った。ぜひとも新しい時代を感じさせる新鮮な作品をお寄せ願いたい。
なお、選考途次の本年1月、長く本賞の選考委員をつとめてきた久米穣氏が逝去された。SFにとどまらず数多くの海外児童図書を紹介されてきた翻訳家であった。本賞の選考では、「この作品はたのしいですね」を連発される心優しい選者でもあった。ご冥福をお祈りする。
2006年4月
福島正実記念SF童話賞選考委員会
第22回選考経過 - 2014.12.25
最近は、映画のコピーでも小説の帯でも、SFの二文字を見かけることが少なくなった。SFという言葉がいつ頃から呪力をもたなくなったのかはわからないが、SFXと呼ばれていた特殊映像技術が特別視されなくなり、CGによってどんな世界も可視になってくるのにしたがって減ってきたような気がする。
本賞が設けられた1983年当時は、まだSFという言葉に子どもたちを引きつける魅力があった。子どもたちの想像力をかきたてる物語、日常の生活空間を超えた物語を楽しんでもらいたい。そんな作品と作家の登場を願って設けられたこの賞は、名称をSF童話賞とした。そして、日本のSF界の先駆者福島正実氏の名前を冠した。
20年以上が経ち、SFという言葉のもつ呪力はうすれ、福島正実の名を知らない世代もふえた。第16回からは募集ジャンルを、「SF」から「SF的な空想物語」へと広げた。しかし、この賞が求めているものの本質に変わりはない。もっともっと、子どもたちをワクワクさせ、不思議な思いに引きずり込んでくれる読み物がほしいのだ。
そんなことを思いながら選考にのぞんだ。今年は、日本にSFを根づかせることに力を尽くし、SF童話というジャンルを切り拓いた福島正実氏が亡くなられて、30年の節目にあたる。
今回の応募総数は197編だった。いつものように全作品を対象に第一次選考をおこない、つぎの一五編を通過作品とした。
「気分はとってもカッパ巻き」 藤咲みど
「運命にねらわれた!」 山本ひろし
「地獄におちた!!」 麻生かづこ
「からかさおばけのぴょん太」 さとうあゆみ
「ぼくが地球をすくうのだ」 石井 清
「宇宙からきたセールスマン」 きむらよしえ
「月面ボランティア」 村瀬継弥
「ムッシーとぼく」 水野さゆり
「やまがみさん」 希巳明代
「魔法使いメルクと砂の魔人」さくらの・はる
「あやかし姫の鏡」 西村さとみ
「光線が来る夜」 増寺ゆき
「鉛筆の魔法」 國方浩子
「ぼくらのリサイクル携帯電話」ゆききよとし
「2月29日のたずねびと」 関美和子
この15編について、第二次選考をおこなう。その結果、次の7編が最終選考候補作品として残った。
「気分はとってもカッパ巻き」
「地獄におちた!!」
「からかさおばけのぴょん太」
「ぼくが地球をすくうのだ」
「あやかし姫の鏡」
「光線が来る夜」
「2月29日のたずねびと」
2月21日、岩崎書店において最終選考会が開かれ、この7作の評価をめぐって熱心に討議がおこなわれた。
「気分はとってもカッパ巻き」 かっぱ型宇宙人を登場させた物語。軽い語り口調が達者で読ませたが、いまひとつ工夫が足りない。いじめの扱い方への疑問など、物語づくりに不満の声があがった。
「地獄におちた!!」 頭をぶつけた主人公たちが地獄にまよいこむナンセンスで楽しい話。ただし地獄を舞台に選び、えんま大王や赤鬼などの役者を揃えたのなら、話はもっと面白くふくらませられるだろうというのが一致した意見となった。
「からかさおばけのぴょん太」 唐傘のおばけが、数十年という長い時間の中で、つぎつぎと女の子や男の子と友だちになっていく。可愛らしい話で印象は悪くないのだが、そのぶん強く訴えるものがなかった。
「ぼくが地球をすくうのだ」 宇宙人から、このままでは地球が爆発するといわれ、こわれたUFOのかけらを探してまわる話。とくに新鮮味のある話というわけではないが、SF的な工夫が感じられた。文章、ストーリーとも軽く、ばかばかしいけれど、それなりの面白さがある。
「あやかし姫の鏡」 古い鏡台に棲むあやかし姫によって、ちがう世界に引きずり込まれそうになる物語。ふたつの顔をもつあやかし姫など、キャラクターづくり、ストーリーづくりとも悪くはないが、いずれもありがちなファンタジー仕立てで、もうひとつ魅力が足りなかった。
「光線が来る夜」 正体不明の光線が鉄塔や工場の煙突を切り倒すところから話がはじまり、SF的に工夫された作品。ただし物語の展開よりも、あやしげな男たちを登場させて雰囲気づくりに傾いてしまったため、子ども向きの童話から離れてしまった。
「2月29日のたずねびと」 うるう年の2月29日に生まれたおばあちゃん。誕生日に年齢が四分の一になって……という物語。話としてはまとまっているのだが、先が読めてしまう。アイデアをもう少しひねってもらいたかった。
選考委員に対する強烈なアッピールという点では、どれもいまひとつであった。最終選考に残った作品であるから、それぞれに評価できる点はあるのだが、それぞれに弱点も感じられる。飛びぬけた作品がなかったため、討議は難航したが、最終的にSF童話らしい素直な作品ということで、「ぼくが地球をすくうのだ」が大賞に決まった。
受賞作は次の通りである。
佳作 「地獄におちた!!」 麻生かづこ
佳作 「からかさおばけのぴょん太」さとうあゆみ
佳作 「あやかし姫の鏡」 西村さとみ
着想を面白く感じても、手垢のついていないアイデアなどというのは、ないと考えたほうが良い。選考委員会が求める新鮮さとは、アイデアを物語にどう生かすかにかかっているのである。
2005年3月
福島正実記念SF童話賞選考委員会
第21回選考経過 - 2014.12.25
福島賞を主催している創作集団プロミネンスと岩崎書店では、一昨年から、高学年以上向きのエンターテインメント作品(及び作家)の発掘を目指して、福島賞の兄貴分ともいえる「ジュニア冒険小説大賞」の公募をはじめた。そちらの第二回の最終選考会が昨年末に行われたのだが、そこで大賞を獲得したのは、昨年4月の第20回福島賞で佳作受賞をした藤野恵美さんだった。
本賞の受賞者が別の賞でまた受賞を果たすのは、格別にうれしいことだ。過去には、本賞の大賞作が本になってから他の賞に輝いたこともある。第6回の八起正道作『ぼくのじしんえにっき』(サンケイ児童出版文化賞/全国読書感想文コンクール課題図書)、第16回の神季佑多作『わらいゴマまわれ!』(ひろすけ童話賞)などである。福島賞の出身者が次々と活躍し、「福島賞での受賞はこの世界で活躍できることの証」と認識されるようになってくれたらありがたいかぎりだ。
今回の応募総数は170編だった。いつものように全作品を対象に第一次選考をおこない、つぎの15編を通過作品とした。
「さかさませかい」 ごとうあつこ
「雨への祈り」 中井有造
「ポットニックスの夢騎士」 中澤康介
「ゴーストの配達屋」 今村沙羅
「ぼくは怪人リス男」 後藤 剛
「おかず天国からの手紙」 上野由紀
「デカゼミくん」 熱田ミハル
「苦しいときのカメだのみ」 中崎千枝
「ノーズダートきょうじゅ」 大橋小恵子
「ゆうれいレンタル株式会社」 山田陽美
「ぼくたちのカッコわりい夏」 荒井寛子
「万華鏡の丘」 望月 舞
「怪奇! サボテン男」 青葉けむし
「オバッケン」 不動坊多喜
「ここがあたしの家」 大浦佐紀子
この十五編について、第二次選考をおこない、つぎの九編を通過作品とした。
「さかさませかい」 ごとうあつこ
「ぼくは怪人リス男」 後藤 剛
「おかず天国からの手紙」 上野由紀
「ゆうれいレンタル株式会社」 山田陽美
「ぼくたちのカッコわりい夏」 荒井寛子
「万華鏡の丘」 望月 舞
「怪奇! サボテン男」 青葉けむし
「オバッケン」 不動坊多喜
「ここがあたしの家」 大浦佐紀子
2月3日、最終選考会が開かれ、最終選考に残った9作品について、活発な討論が開始された。
「さかさませかい」 喘息で入院中のサトルが、さかさまになって天井を歩けるようになった物語。電線を伝ってさかさま世界を楽しむ発想はおもしろいが、それをいかしきっていないところが残念 だった。絵をつけたら楽しそうな作品なので、もっと話をふくらませて欲しかった。
「ぼくは怪人リス男」 主人公が、リスの能力をもつ薬を飲んだことからはじまるナンセンス・ストーリーだ。ジャンプ力を身につけ、怪盗コウモリ男やネズミ男と対決するのは、変身物の常道過ぎや しないだろうか。作者は、前回も佳作を受賞した力のある書き手だけに、もっと常識をつきぬけたバカバカしい展開で、楽しませてほしかった。
「おかず天国からの手紙」 給食や夕御飯のおかずから手紙がとどいた。おかずたちにも天国があるらしい。そしてあつしも『豚肉あつし』となって、おかず天国学校の残り物クラスへ……。おもしろいアイデアなのだが、救いがないままに終わってしまうのは、ブラックユーモアのつもりなのだろうか。読後感がさわやかになるように仕上げてもらいたかった。
「ゆうれいレンタル株式会社」 優真は、部屋にあらわれた男の子のゆうれいを利用してひともうけを企む。しかし、物語の展開とともに、ゆうれいになった男の子と病弱な優真の弟の姿が重なってくる。楽し そうなタイトルだが、読者はしんみりした気分にさせられる。構成やテンポはよい。散見される乱暴な言葉づかいにやや問題ありとされた。
「ぼくたちのカッコわりい夏」 教室にいたマコトとシンの二人は大地震でタイムスリップ、行き着いた先は二人の父親たちがいる数十年前の教室だったという物語。作品はうまくまとまっているのだが、いかんせん書き古されたパターンで、ラストの予想がついてしまうところが難点。筆力があるだけに、惜しい気がした。
「万華鏡の丘」 おじさんからもらったハンカチで涙をふくと、奈奈子は行きたいところへ連れていってくれるエレベーターの中に。次に涙をふいたときには、深心の里という異界にいた……。 作品が観念的で本賞が読者対象とする三・四年生には難しそうだ。しかし、情感をだいじにしながら描かれたファンタジーという点で印象は良かった。
「怪奇! サボテン男」 転んだひょうしにトゲを刺したことから、トシオは左手がサボテン化しはじめる。本気 で心配してくれない両親、珍しい病気の発見に舞い上がる医者など、ナンセンス風にテンポよく話は進むのだが、ドタバタに終始して話がふくらまない。梅干しを食べたら治って しまうという結末にも、もう一工夫が欲しかった。
「オバッケン」 お化けの学校からやってきた落ちこぼれお化けの話。第十八回の選考でも最終選考まで 残った作品。手を入れての再チャレンジだ。キャラクターには魅力があるのだが、残念ながらまだストーリーがしっくりこない。そろそろ新しい作品でトライして欲しい。
「ここがあたしの家」 老人介護用の少女ロボットが、人間の少女にとってかけがいのない親友になっていく物語。記憶を失ってしまったはずのロボットが、思い出を取り戻しつつ再会する結末にはジーンとさせられる。素直で印象の良い作品だが、その分だけインパクトが弱い。ロボットの少女と人間の少女の性格づけにも工夫が欲しかった。
福島賞の選考でキイポイントになるのは、センス・オブ・ワンダーに満ちたアイデア、スリルとサスペンスに富む物語のおもしろさ、あっとおどろくラストの意外性である。今回は特に傑出した作品がなく、選考委員の票も割れたが、さらに討議をつづけた結果、アイデアと物語で、それぞれ一歩抜け出た「ゆうれいレンタル株式会社」が全員の支持を得て大賞と決定した。
以下、受賞作は次の通り。
大賞「ゆうれいレンタル株式会社」 山田陽美
佳作「さかさませかい」 ごとうあつこ
佳作「ぼくたちのカッコわりい夏」 荒井寛子
2004年2月
福島正実記念SF童話賞選考委員会
第31回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
大賞 「ぼくの一番星」 白矢三恵
佳作 「天才えんぴつ」 畠山真佐子
受賞の言葉
『流れ星☆ぼくらの願いがかなうとき』(大賞受賞時タイトル「ぼくの一番星」)白矢三恵
それが私の夢でした。主人公の「ぼく」は、私だったのかもしれません。
流れ星を見つけるために、夜空をながめたこともあります。悔し涙は、何度流したことでしょう。
夢を叶えるということは、決して簡単なことではありません。でも、私はこれからもずっと、夢をもち続けたいと思っています。
この度は本当にありがとうございました。
『天才えんぴつ』 畠山真佐子
でもそれは、たくさんのお話の種がちりばめられた宝石箱のような日々でもあります。
今回、佳作にえらんでいただいたことで、もっともっと宝石を掘り起こしていこうと思いました。
いつか、お母さんが子どもたちの想像を超えるお話を書いてみせるからね!
第30回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
大賞 「声蛍」 万乃華 れん
佳作 「猫を、尾行」太月 よう
受賞の言葉
『声蛍』 万乃華 れん
第27回の選考経過にある言葉です。
「ならば、私は、最初の2行で」
勇んで考え抜いた冒頭は、─きっけは、カラスのフンだった─。フンが命中するのは、ニューヨーク・ヤンキースの野球帽。
これで決まり! と意気込み書きはじめたものの、展開のもたつきに苛立ち、実は、しばらく筆を休めていました。
そこへ飛びこんできたのが、「イチロー選手、ヤンキースに移籍」。
書くしかない! そう、奮起しました。
46年の人生。悲しいこともたくさんありました。そんなとき、話を聞いてくれる人の存在に、どれほど救われたことでしょう。
この作品に込めた願いが、ひとりでも多くの子どもたちに届きますように。
『猫を、尾行』 太月 よう
時代や年齢、性別、種族…。全てを超越して、自分がなりたいものになれる。また、何者でもない存在になれる。
想像の中では、自由です。
だから、私は『物語』を書きます。
自分が楽しんで書いた物を、評価して頂ける…。こんなに嬉しいことはありません。
この度は、有難うございました。
第29回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
佳作 「不思議商店街の時計おじさん」城上黄名
佳作 「わたしのスケルトン」すみ のり
受賞の言葉
『不思議商店街の時計おじさん』城上黄名
私は一生、文章で食べていくのが目標なのでこの初めての受賞はこれからの私を支えてくれる大切な、心強い一歩だと思います。
まだスタートラインにすら立てていない私ですが確実に進んでいると実感できたことが嬉しいです。
もっと勉強して、本を読んで、いろんな人に会って、面白い話を書いて、早く両親に家を建ててあげたいです。
岩崎書店の皆様、私の話を読んでくださった全ての方々に感謝しています。本当にありがとうございました。
『わたしのスケルトン』すみ のり
思えば、初めて書いた10枚の童話が某コンクールで入選してから、2匹目のドジョウを狙って投稿するたびに、選外を繰り返していました。「もしかしたら、もう少し長い童話の方が合っているかも…」と思ってチャレンジしたのが、今回の作品です。
「もうちょっと続けてみなさい」というエールをいただいたように思います。選考委員の先生方、岩崎書店の皆様に、心から感謝します。
第28回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
大賞 「とどけ! 夢へのストライク」(「大賞受賞時タイトル「進化する夢の中で」)桜井まどか
佳作 「昆虫Gがやってきた!」 こうまる みずほ
受賞の言葉
「とどけ! 夢へのストライク」(「大賞受賞時タイトル「進化する夢の中で」) 桜井まどか
「この子は必死に生まれてきたんだ。」
そう思うと、息子の仕草一つ一つを愛おしいと思えるようになりました。そして、この物語を思いつきました。それからはネット検索の時間が創作の時間に。
大賞に選んでいただき、本当に嬉しいです。選考委員の先生方、岩崎書店の皆様、どうもありがとうございました。
『昆虫Gがやってきた!』 こうまる みずほ
受賞を伝えてくださった電話を切るなり、家中に響く大声で「ヤッター」と叫びました。
「背表紙に自分の名前が書かれた本を書店に並べ、子どもたちに取ってもらう」ことが目標です。夢は遠く、めげていた私の背中を今回、ポンと押してくださった選者の先生方、岩崎書店の皆様、ありがとうございました。そして、今後ともよろしくお願いいたします。
第27回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
大賞 「エレベーターは秘密のとびら」三野誠子
佳作 「ヨルの森の真ん中の石」小谷 有
佳作 「あすは火星におひっこし」西川由起子
受賞の言葉
『エレベーターは秘密のとびら』 三野 誠子
「泣ける話」が歓迎される昨今のようです。けれども私は、笑える話を書きたいと思い続けてきました。
泣ける話は、既に現実の中に溢れているように感じます。たとえば寝る前に手に取った本でふっと笑い、柔らかな表情のまま眠りに就けたら素敵です。
お陰様で、ようやくスタートラインに立つことが出来ました。手に取った子どもが笑顔になれるような物語を書けるよう、臆せず弛まず努力していきたいと思います。
『あすは火星のおひっこし』 西川由起子
長らく生活や闘病に追われ遠のいていたその夢を、また引き寄せることが出来た喜びを噛みしめています。
佳作をいただいたということは、なんとか読むに耐える基準に達したということでしょうか。
ようやく。でもまだまだ。
投函後に間違いに気づくなど、至らぬ作品を読んでくださった先生方並びに関係者の皆様に、心から感謝いたします。ありがとうございました。
『ヨルの森の真ん中の石』 小谷 有
自分の中に理想の物語があるのに、ちっともそれに追いつかない。
辛くて書くのをやめても、書きたくてたまらなくなって、また、せっせとキーボードを叩く。
今回の賞は、こんな私に勇気を与えてくれました。
私の物語が、くっきりと形をとれるように、これからも、がんばっていこうと思います。
選考委員の先生方、岩崎書店の皆様、本当にありがとうございました。
第26回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
大賞 「きもだめし☆攻略作戦」野泉マヤ
大賞 「妖精ピリリとの三日間」西 美音
受賞の言葉
『妖精ピリリとの三日間』 西 美音
『きもだめし☆攻略作戦』 野泉マヤ
マスターズの招待状を手にした石川遼クンのように、これ(岩崎書店からの通知)があれば、すぐ笑顔になれます。
今まで箸にも棒にもひっかからなくて、でも諦めずに書き続け、奇特な人を見つけては感想をいただいていました。
昨年やっと、読んでくれる人のことを考えながら書くという、基本中の基本に気づくことができました。初めての御伊勢参りが功を奏したのでしょうか。気づかせてくれた八百万の神様に感謝!
それから、書くことの楽しさを教えてくれた祖母と、励ましてくれた家族や知人、作品を丁寧に読んでくださった選考委員の皆様に、深く感謝しています。 ありがとうございました。
第25回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
大賞 「とんだトラブル!? タイムトラベル」友乃 雪
佳作 「ふしぎなスノードーム」西 美音
佳作 「おかっぱ川子」三木聖子
受賞の言葉
『とんだトラブル!? タイムトラベル』 友乃 雪
つねに意識している理想です。容易に実現できません。いくつ書いても、理想どおりにいきません。結果、落選がつづきました。
けれど、私はこまかく考えることは苦手です。何度応募したって、苦労した力作がさらっと落ちたって、当日消印と必着をまちがえるという凡ミスをしたって、意識は変わりませんでした。「なんかおもしろかこつなかやか(何かおもしろいことないかな)」と妄想するのが、楽しくてしかたがない。某お菓子のように「やめられない、とまらない」という衝動が、指(執筆はパソコン派)を動かしているのでしょう。
結果として、今回この名誉ある賞をいただけたこと、大変うれしく思っています。
選考委員の先生方、岩崎書店の方々、この賞にたずさわったすべての方々には、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。今後も、おごらず、冒頭の理想をわすれず、妄想力をふくらませて、「おもしろかこつ」を描いていきます。
最後に、これもわすれるわけにはいきません。これまで書いてこられたのは、第一読者である、大切な人の存在があったから。書くものすべてに感想をそえてくれる、奇特な……いえ、すてきな人がいたから、ここまでくることができました。一瞬たりとも疑わず、どの賞でも「受賞できる」と信じてくれた心には、どれだけすくわれたかわかりません。受賞の場を借りて。「ありがとう、名相方」
『ふしぎなスノードーム』 西 美音
福島賞第17回で初めて応募したときに一次選考に選んで戴いてから、ときにはペンネームを変えて何度も応募してきました。しかしその後は全く駄目で、去年初めて二次選考に選んで戴きました。そのとき気がつきました。「二次まで残れば、著名な先生方の評が戴ける!」と。温かいお言葉も厳しいお言葉も、全てが嬉しくてなりませんでした。次回も二次選考まで残って作品への評を戴きたいという思いが、あんな夢を見せたのでしょう。
先日、岩崎書店の方からお電話を戴いたとき、真っ先に思い出したのはその夢のことでした。「佳作に…」という声を聞きながら、夢どころかついに妄想にまで発展したか? という疑いを持ち、こうして受賞の言葉を書いている今も疑いを捨て切れません。
「まだ応募資格が残っていますから、来年もチャレンジしてください」という温かい(?)お言葉がリアルだったから、現実だとは思うのですが。ありがとうございました。
『おかっぱ川子』 三木聖子
まさか、自分の名前を覚えていてくださるとは!
ずいぶん前、童話賞に応募してみようと初めて考えたのが、この福島正実記念SF童話賞でした。
しかし、その童話は完成することなく、応募を断念。
今は、あのとき作品を応募しなくて良かったと、つくづくそう感じています。万一、あの作品の作者だと記憶されていたなら、どんなに深い穴を掘って入ってみたところで、羞恥心がおさまりそうにありません。
恥をかくたび、これからはもっともっと全力投球を——と決意しつづけています。何より、作者自身が後悔しない創作活動を心がけていきたいと思っています。
今回は、この「おかっぱ川子」で入賞させていただいたことに、いっそうの喜びを感じています。まことにありがとうございました。
第24回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
「めざせ よりよい生活」 石井ゆみ
思いがけず、大賞に選ばれたとの電話。
エー! その夜はパニック。もしかしたらキャンセルになるかも知れないと、親類縁者にしばらくは報告できませんでした。
選考委員の先生方、岩崎書店の皆様、選んで下さって本当にありがとうございました。
「となりの吸血鬼」 加藤英津子
【受賞の言葉】
学生時代から愛用してきたワープロで書いた最後のお話が、今回佳作に選んでいただいたものとなりました。今から読み返すと欠点ばかりが目立つ作品で はありますが、大切に使ってきたワープロからの、最後の大きな贈り物のように感じられます。
この受賞を励みにして、よりよいものを書き続けていきたいと思います。選考委員の先生方、関係者の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
「落とした宇宙と拾った冒険」 奥深由紀恵
【受賞の言葉】
子供と私は、寝る前の本読みタイムが大好きです。佳作受賞の電話を頂いた時は、二人で竜退治の冒険に出ていました。
応募作品は、子供に読み聞かせて、おもしろいよ、と言ってくれたので投稿させて頂きました。選んで下さいました、選考委員の先生、岩崎書店編集部の皆様、ありがとうございました。この度の嬉しい賞は、とても励みになります。子供たちが楽しめる物語を、もっと上手く表現できるように、これからも頑張りたいと思います。
第23回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
「ヌルロン星人をすくえ!」 千東正子
《略歴》1958年、鳥取市に生まれる。同志社大学文学部英文科卒業。障害をもつ長女のために童話を書きはじめる。子どもとともに児童文学賞(愛知県教育振興会主催)で、最優秀賞、優秀賞を受賞。愛知県在住。
「恋するトンザエモン」 小野 靖子
《略歴》1973年、神奈川県に生まれる。横浜市立大学文理学部を卒業後、童話創作をはじめる。日本児童文学者協会会員。「きいろいたんぽぽ童話の会」同人。絵本に『(か)ってなんだ?』(BL出版)、共著にごちそう大集合5『今日はびっくりハンバーガー』(偕成社)がある。岡山市在住。
「ご近所の神さま」 佐藤 佳代
「七月七日まで七日」 おおぎやなぎ ちか
第22回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
「ぼくが地球をすくうのだ」 石井 清
突然の受賞の電話にはじめは何がなんだかわからない状態でした。しかも大賞だというではないですか。自分がどんな受け答えをしたのかも思いだせないほどでした。後の編集者の方からの電話で「本当だったんだあ」とあらためて喜びを実感したしだいです。
作品は「おもしろいもの」を第一に考えて書きました。子どもたちに笑顔で読んでもらえるように工夫したつもりです。なにより本人が楽しく書くことができたのが良かったのかなって思っております。
選考委員の先生方、関係者の皆様には何とお礼を言ったらよいのかわかりません。今後もさらに努力をし、創作を続けることでお返しになればと考えております。
本当にありがとうございました。
《略歴》1968年、東京都生まれ。東京都在住。日本児童文学者協会「第31期日本児童文学学校」最優秀賞。
「地獄におちた!!」 麻生かづこ
「からかさおばけのぴょん太」 さとうあゆみ
「あやかし姫の鏡」 西村さとみ
第21回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
「ゆうれいレンタル株式会社」山田陽美
私は、今年の恵方である東北東をむき、丸かぶり寿司にかぶりついていました。
その後、「厄よけ饅頭」という、これまた御利益がありそうな饅頭もほおばり、「これで、きっと福が来るはず」と、幸せな気分でくつろいでいると、電話が鳴りました。
てっきり旦那さんからの帰るコールだと思ってのんびりとでてみると、なんと中尾先生からのお電話でした。わ、わ、私が大賞!?
それから先のことは、舞い上がってしまいあまり覚えていません。ただ、受話器を持つ手が緊張のため異常に冷たくなってしまったことだけは、はっきりと覚えています。
やっぱり、丸かぶり寿司と厄除け饅頭を食べたおかげでしょうか。いえ、私の拙作を選んでくださった選考の先生方のおかげです。
本当にありがとうございました。これからも、自分らしさを追い求めながら書き続けていきたいと思います。
「さかさませかい」 ごとうあつこ
「ぼくたちのカッコわりい夏」 荒井寛子
第20回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第19回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第18回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第17回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第16回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第15回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第14回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第13回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第12回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第11回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第10回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第9回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第8回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第7回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第6回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第5回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第4回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第3回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
第1回 福島正実記念SF童話賞 受賞作品 - 2014.12.25
福島正実記念SF童話賞受賞作品 - 2014.12.25
| 実施回数 | 受賞作 | 応募総数 | 選考経過 |
|---|---|---|---|
| 第32回 | 『おばけ道工事中』 草野あきこ | 225編 | |
| 第31回 | 『ぼくの一番星』 白矢三恵 | 225編 | |
| 第30回 | 『声蛍』 万乃華 れん | 293編 | |
| 第29回 | 大賞作なし | 247編 | |
| 第28回 | 『進化する夢の中で』 桜井まどか |
263編 | |
| 第27回 | 『エレベーターは秘密のとびら』三野誠子 |
234編 | |
| 第26回 | 『きもだめし☆攻略作戦』野泉マヤ 『妖精ピリリとの三日間』西 美音 |
194編 | |
| 第25回 | 『とんだトラブル!? タイムトラベル』友乃 雪 | 139編 | |
| 第24回 | 『めざせ よりよい生活』石井ゆみ | 149編 | |
| 第23回 | 『ヌルロン星人をすくえ!』千東正子 『恋するトンザエモン』小野靖子 |
189編 | |
| 第22回 | 『ぼくが地球をすくうのだ!』 石井キヨシ | 197編 | |
| 第21回 | 『ゆうれいレンタル株式会社』 山田陽美 | 170編 | |
| 第20回 | 『宇宙ダコ ミシェール』ながたみかこ | 164編 | |
| 第19回 | 『グッバイ!グランパ』服部千春 | 105編 | |
| 第18回 | 『ぼくらの縁むすび大作戦』廣田衣世 | 112編 | |
| 第17回 | 『ママがこわれた』後藤みわこ | 210編 | |
| 第16回 | 『わらいゴマまわれ!』神季佑多 | 152編 | |
| 第15回 | 『100年目のハッピーバースデー』石田ゆう子 | 89編 | |
| 第14回 | 『お手本ロボット51号』中松まるは | 126編 | |
| 第13回 | 『ぼくのわがまま電池』大塚菜生 | 94編 | |
| 第12回 | 『ボンベ星人がやってきた』竹内宏通 | 191編 | |
| 第11回 | 『未来からきたカメときょうりゅう』藤本たか子 | 198編 | |
| 第10回 | 『気まぐれなカミさま』黒田けい | 204編 | |
| 第9回 | 『パパがワニになった日』馬場真理子 『めいたんていワープくん』武馬美恵子 |
92編 | |
| 第8回 | 『天才えりちゃん金魚を食べた』竹下龍之介 | 157編 | |
| 第7回 | 『ママはドラキュラ?』丸岡和子 | 154編 | |
| 第6回 | 『ぼくのじしんえにっき』八起正道 | 67編 | |
| 第5回 | 大賞作なし | 100編 | |
| 第4回 | 『地球をかいにきたゾウ宇宙人』オカダヨシエ | 57編 | |
| 第3回 | 大賞作なし | 75編 | |
| 第2回 | 大賞作なし | 54編 | |
| 第1回 | 大賞作なし | 48編 |
第33回 福島正実記念SF童話賞作品 募集要項 - 2014.12.25
| ジャンル | SFおよび、SF的なファンタジー、冒険、ミステリー、ホラー、ナンセンスなどの空想物語で単行本になりうるもの。 |
| グレード | 小学校3・4年から読め高学年でも楽しめるもの。 |
| 原稿枚数 | 400字詰めで50〜60枚(枚数厳守)。 ※字詰め、行数は自由。ただし、400字で換算した枚数を明記すること。 |
| 書き方など | 本文とは別に〈福島賞応募〉と朱記、次にタイトル、筆名と本名、住所、電話、性別、年齢、職業を明記。原稿は縦書き、頁数=通し番号をつける。袋綴じ禁止。応募原稿は返却しません。一人一点に限ります。 |
| 資格 | 創作児童文学の作品を商業出版していない方。 |
| 二重応募の禁止など | 他の公募に応じたことのある作品、応募中の作品は選考対象外。なお、全応募作品について、賞の発表(授賞式)後6カ月間は岩崎書店にオプションを設定します。 |
| 選考委員 | 南山宏、石崎洋司、後藤みわこ、廣田衣世、岩崎書店 |
| 送り先 | 〒112-0005 東京都文京区水道1-9-2 岩崎書店内福島正実記念SF童話賞選考委員会 |
| 応募締切り | 2015年9月末日。当日消印有効。 |
| 発表 | 2016年4月、雑誌「日本児童文学」等に発表。4月1日岩崎書店ホームページにて発表。 |
| 賞 | 大賞は賞状と賞金20万円。佳作には副賞。 |
| 出版 | 大賞作品は岩崎書店から出版。規定の部数以上について印税を支払います。 |
応募について、くわしくは岩崎書店編集部まで
TEL.03-3813-5526 FAX.03-3812-1381
までお気軽にお問い合わせください。
主催=創作集団プロミネンス・岩崎書店
よくある質問 - 2014.12.25
- Q,何点まで応募できますか。
- A,お一人様一点でおねがいします。
- Q,アンソロジー(短編集)を商業出版したことがあるのですが、応募できますか。
A,アンソロジーなどでしたら、問題ありません。過去の受賞者にもいらっしゃいます。
- Q,以前ほかの公募に応募した作品はそのまま応募できますか。
A,応募できません。
- Q,自費出版で出したことのある作品を応募できますか。
A,応募できません。お送りいただく作品は、未発表のものに限らせていただきます。
- Q,商業出版していたが、版元が倒産した作品を応募できますか。
A,一度でも商業出版したものは、ご遠慮いただいております。
- Q,原稿用紙でなくてもいいですか。
A,原稿は、手書き、ワープロ、ワード原稿などなんでも構いません。
- Q,同人誌で評判の良かった作品を応募できますか。
A,可能です。但し、どの同人誌にいつ出されたのかは明記してください。
- Q,フォーマットは400字詰めに合わせなくても、総ワード数があっていればいいですか。
- A,字詰めは、400字詰めでなくてもかまいません。最後に「400字詰換算○○枚」と記してください。
- Q,自分のブログに発表した作品を送ってもいいですか。
A,昨今のブログの利用状況には種々心配される面がありますので、ブログ発表後の応募は不可とさせていただきます。選にもれた後に発表される分には問題ありません。
- Q,子どもが主人公ではないのですが、応募してもいいですか?
- A,読者対象が福島賞(中学年)、ジュニア冒険小説(高学年)になりますが、作品の主人公については特に限定していません。
- Q,オプションとはなんですか。
- A,優先出版権です。
その他応募の詳細については、応募要項をご覧ください。
ご不明な点は、下記お問合せフォームよりお問合せください。
主催=創作集団プロミネンス・岩崎書店
第13回選考経過 - 2014.12.24
ジュニア冒険小説大賞」は、今年で13回目を迎えた。応募総数は、歴代第一位の137篇である。昨年は大賞が出なかったのにも関わらず、数多くの応募はたいへんありがたく、応募者に感謝したい。今後ますますこの賞が認知されるとともに、受賞者にはプロの作家として着実に歩んでいってほしい。
今年の応募作品の傾向としては、和風ファンタジーが少なくなったことが挙げられる。受賞作品が「和」テイストのものが多かったせいか、応募作品も妖怪がらみなものなどがこれまで目立っていた。ここ数年、選考経過ではそうした傾向を指摘し、「ぜひ新しい風を吹かせてくれる作品を」と訴え続けていたことが届き始めたのだろうか。
第一次選考は、例年通りすべての作品を対象に行われ、次の11作品が通過した。
「ユメビト救出大作戦」 石丸桂子
「オナラよ 永遠に」 おりべ まこと
「ぼくと宇宙船と自由研究の方程式」 諸隈ひとみ
「サマー・ブレイク」 川崎恵
「さがし屋のタマゴと謎の落し物」 戸田瑞紀
「海賊船の料理見習い」 太月よう
「最後の絹の子」 真風月花
「砂のささやき」 羽角曜
「ぼくの不思議なアルバイト」 村上雅郁
「万福寺の若坊さん」 七海富久子
「カナイと八色の宝石」 朝羽 岬
この11作品を対象に第二次選考を行った。
前述のように、題材がバラエティに富んできたのはうれしい限りだが、グレード(=対象学年。この賞なら小学校5、6年)や方向性、テーマがこの賞に沿わない、ということで最終選考までいかないものがあった。また、完成度という面でも厳しいものがあった。
カルチャーセンターではうまい部類でも、入選するにはまだ力が必要なこともある。最後まで読ませる面白さ、魅力的な書き出し、独創的な構想とまとめる力がほしい。今後の精進を期待したい。
結果、次の5作品が残り、最終選考会が行われた。
「ぼくと宇宙船と自由研究の方程式」 諸隈ひとみ
「サマー・ブレイク」 川崎恵
「さがし屋のタマゴと謎の落し物」 戸田瑞紀
「海賊船の料理見習い」 太月よう
「ぼくの不思議なアルバイト」 村上雅郁
「ぼくと宇宙船と自由研究の方程式」 おもしろく書けているが、宇宙を感じないのが最も残念なところである。これが車、海、陸上に置き換えても成立する。重力があるのだから、野球ひとつ取ってみても、地球でするのとはぜんぜん違うはずで、それが具体的に描写できれば物語も面白くできたはずだ。肝である宇宙エレベーターの仕組みも読者には伝わらない。作者はわかっていても、読者が感じられず、想像できなければ、物語にはならない。また、主人公の少年たちは事件に巻き込まれただけで活躍しておらず、女性の宇宙船パイロットのほうが印象に残る。作者が本当に書きたかったのは彼女なのではないか。宇宙での追いかけっこの場面も映画「スターウォーズ」を彷彿とさせ、オリジナリティがほしいという声があった。いちばん書きたいものをまとめて、うまく物語にして仕上げてほしい。
「サマー・ブレイク」 SFのタイムループがテーマになっている。書く力、読ませる力はあり、評価も高かったのだが、いくつか残念なことが重なった。まず、小説や映画で「ループもの」はいくつもあること。最近では「オール・ユー・ニード・イズ・キル」が話題になった。また、日付変更線を利用した解決は、古い作品だが古田足日の「まちがいカレンダー」(11月が31まであり12月1日が消える)でも使われている。やはり新人賞らしい、膝を打つようなオリジナリティがほしい。SFのトリック的にも矛盾や難点も指摘された。前の部分が長く、最後の部分も駆け足なことが惜しまれる。重要な場面はもっと書き込むなど、全体的なバランスを見て、シンプルに書いていけばよかったのかもしれない。
「さがし屋のタマゴと謎の落し物」 主人公の女の子の超能力者の宿命や直観力がありきたりなのが残念。だんだんと真相を探り当てていく、段階的に迫っていく過程はうまい。ただ、現実として、超能力者の子どもがいたら、騒ぎはクラスのなかではおさまらないだろう。新聞やテレビ、社会的な広がりを書くのは難しいが、そこに工夫が必要なのではないだろうか。友だちの叔父さんが刑事なのも、若干都合がよく、緊迫した事件に子どもが同行するのも不自然。シリーズを想定しているのだろうか。テレビドラマのイメージもある。シナリオライターが書いたような物語だが、ドラマと物語(読み物)は違う。文章とせりふは書き慣れており、読みやすい。そのぶん、惜しまれる。
「海賊船の料理見習い」 海賊の風体をしており中世風だが、時代設定が不明確。IHを使っていて冷蔵庫、冷凍庫があり、鶏を飼っている海賊船。ラストは、少年が大人になって、未来から時代をさかのぼって過去にいくとして、どうしてそれが可能だったのか。面白く書けているので、いくつかの理解不能なポイントが惜しい。宇宙船でもよかったのではないか。また海賊船、理想の国を目指しているところがマンガの「ワンピース」をどうしても思い起こさせる。海賊はほかに映画でも有名なものがあるから、オリジナリティを出すのが難しいのでは。料理の場面など、読者を引き込み、読ませる力はある。
「ぼくの不思議なアルバイト」 日常の世界に非日常をぶちこむ力がある。アホらしくておもしろい、このタッチと語り口。ちゃらんぽらんのようであり、きちっとおさえている。22歳の作者には、将来性を感じさせられる。しかし、選考会では、評価が二分された。主人公が大学生であり、特に冒険もない。主人公が話の始まりと終わりとでは何かが変わっており、成長が約束されるのが児童書だが、そのカテゴリーにはまる作品ではない。才能は確かに感じさせるが、2年前に最終選考に残ったのと同様に、短編を集めた作品というのも応募要項の規定から外れているのではないか、作者本人は明確に児童書作家を目指しているのだろうか、というのも議論となった。
以上、最終選考会では、各作品について討議を重ねた。特に最後の作品である「ぼくの不思議なアルバイト」については、評価が分かれたこともあり、時間をかけた。
昨年も「大賞」が出なかったなかで、改めてジュニア冒険小説大賞とは何なのか、考える時間でもあった。この賞は、小学校高学年を読者対象年齢としており、なんらかの「冒険」のなかで主人公(子ども)は成長をしていく。テイストは異なるが、歴代のどの作品にもそれは貫かれている。受賞作は、この賞の今後の基準ともなるものだ。大きく外すことはできない。
結果として、大賞は今年もなく、佳作に「ぼくの不思議なアルバイト」にすることが決まった。村上さんにはぜひ、子どもを主人公にした長編で挑戦していただきたい。
2年連続大賞作なし、という予想外の結果に終わったが、出版不況が続くなかで、あえて新人を出していく重みは以前よりもさらに増している。それはやはり満場一致で自信をもって行いたい。来年こそは、と心から願う。
2014年 12月
ジュニア冒険小説大賞選考委員会
選考委員の選評
選評 後藤みわこ
これまで「え、また?」と溜め息が出るほど続いた異世界、特に和風のファンタジーがほとんどなくて、最終選考に残った作品世界は多種多様でした。「目新しい設定」「扱いのむずかしい題材」もあり、原稿を手に取るのが楽しかったのですが、どこかがよくても何かが足らず、とうとう「これこそ大賞だ!」と思えるものに出会えませんでした。
今回の選考では、「ジュニア冒険小説大賞」という賞の意味、児童書として売られることの意味について考えさせられました。
ネット公開とか同人誌即売会のためなら、何を書いてもいいでしょう。一般向けの賞に挑戦された方が「合う」応募者さんもあるかもしれません。
受賞作は『大賞』の帯をつけ、児童書として商業出版されます。それにふさわしくなければ、賞を差し上げることができません(今回だって、読んで笑った作品、涙ぐんだ作品はあるのです。それでも大賞に推せません)。
上位に残ったみなさんは、その想像力を駆使して、ご自身の応募作の未来……つまり「書いている作品が受賞後どうなるか」をイメージしてみてはいかがでしょうか。
挿絵がつき、製本され、書店の棚に置かれているところを。どんな子が手に取るか、誰がレジでお金を払うか、最後まで読まれるか、友達に勧めたくなるか……そんなことも。
受賞された方には、2作目以降も「書店に並ぶ作品」を書いていただかねばなりません。子どもたちに届けられるものを創ろう、読者をわくわくさせようという気持ちがあるか、ご自身に確かめてください。
賞への応募がいわゆる「自己実現」のためという方もあるでしょうし、認められればうれしいのはよくわかります(デビュー当時のわたしがそうでしたから)。けれども、それだけが目標では、児童書作家の仕事を続けていくのはむずかしい……これが、デビュー15年目を迎えるわたしの実感です。
選評 眉村卓
最終候補5作品について述べる。
◎ぼくと宇宙船と自由研究の方程式=宇宙を舞台の冒険物語――という感じをいろいろ工夫して出そうとしているが、私には、その舞台設定に整合性がないのが、気になった。悪い言い方をすれば、現代の日本の状況にいろいろ未来的な概念や道具を持ち込んで、話を作り、登場人物を動かそうとしているので、組み合わせの違和感が先に立って、素直についていけないのである。
◎さがし屋のタマゴと謎の落とし物=超能力者の自意識、周囲とのかかわり方という点での作者の感覚というのが、どうも狭すぎるように思った。もっともそのことが全体の軸になっているのなら、個性的な作品になるのではあろうが……。それと、この話の中心が誰で何がテーマか、よくわからない。もう少しすっきりしていれば、と思う。また、この話自体、何となくシリーズものの第一話みたいなところがある。最初からシリーズ化のつもりで書くと、作者の内部のすべてを出し切らないで終わりになる場合が多い。次の機会なんてないという覚悟で物語を書くほうが、成功率は高いのだ。
◎海賊船の料理見習い=大SFになる可能性があるけれども、正直よくわからん、というのが私の感想である。なぜみんな日本語なのか、限定された場に居ながらなぜ料理なのか、そもそも海賊船についての作者のイメージは、単に物語的だということで、海賊船にしたのか? そうしたすべてを、いっそ滅茶苦茶にしてどうにでもなれという格好で出して来られたら、うーんと唸ったのではないか、と考えたりした。
◎サマー・ブレイク=割によくあるテーマだし、話の運びがいささか強引、やたらに山を作ろうとし、サービス過剰の気味もあり、終わりに近づくにつれて、だんだん走りはじめる、といったいくつもの問題があるのは否めない。しかし読ませようとし、それなりにうまくいっているのは事実なのだ。これで、なぜこれがこの子供たちに起こったのか、いささかありふれた観のあるこのテーマを、もっと輝かせる方法はないものか、なかんずく、おしまいの最も重要な部分を、ごく手早く、どたどたばたんと片付けてしまっているのを、もっとがっちりしっかり書くことはできないのか、などがみごとに処理されていれば、よかったのになあ、と思う。
◎ぼくの不思議なアルバイト=これも、難点列挙からはじめると、対象年齢が違うのではないか、短編あるいは連作に近いのではないか、これは夢なのか? アホらしいのではないか? 登場人物たちのやることは、これで許されるのか? 主人公の名が作者の名前だなんて、ふざけているのか? など、いろいろと言っていい。だがこの手際のよさ、トリッキーな終わり方は、へえと思わせる。とりわけこの中での「独りブツブツ」は、私には新鮮であった。似たようなタッチが世上にあろうとも、これは自己主張できるレベルではあるまいか。全体として、正直、こんな感じの作品は、これまで出て来なかった。その意味では、これが大賞でいいのではないか、と思ったのである。
けれども議論の末、「ぼくの不思議なアルバイト」は、これまでなかった可能性を持っているとはいえ、ジュニア冒険小説大賞というものの性格とは必ずしも合わないのではないか、合わないが、捨てるには惜しい、との方向へ、みんなの話が進んでゆき、結果、「ぼくの不思議なアルバイト」を、佳作と位置づけたら、となった。それでやむを得ないのかな、と思っている。
選評 南山 宏
残念というか口惜しいというか、2年連続で大賞受賞作なしという結果になった。応募総数が歴代最多にもかかわらずである。前回の選評でわれわれが、異世界的な日本の過去と現在を交錯させる、いわゆる「和風」テイストの応募作ばかりと嘆いたせいか、最終選考まで残った5作品は打って変わって、宇宙SF、時間SF、超能力ミステリー、近未来海洋冒険、現代魔法ファンタジーとバラエティに富んでいて、その限りでは大いに期待を持たせてくれた。
だが、期待は裏切られた。いずれも書き出しは巧みだし、文章力はあるし、物語の展開も堂に入っている。自分の作品に対する作者の意気込みも思い入れも手に取るようにわかるが、残念ながらどれも大賞受賞にふさわしい作品になっているとは言えなかった。
『ぼくと宇宙船と自由研究の方程式』は重力環境が地球とはまったく違う宇宙空間が描けていない(例えば野球や宇宙エレベーター)。この物語は舞台を海と船に置き換えても簡単に成立してしまう。
『サマーブレイク』は大ヒット映画が記憶に新しいタイムループものだが、この種のSFに必要な論理的整合性が破綻している(時間の環に閉じ込められた人間がそうでない人間に理解させるなど)。逆にファンタジーとすれば論理的な展開の部分がくどすぎる。
『さがし屋のタマゴと謎の落し物』はサイコメトリー能力(触った物品の持ち主に関わる断片情報が「視える」)持つ少女が、資産家老女の真の孫探しに奮闘するミステリー。文章力で読ませるが、人物配置や物語の展開、最後の謎解きまで、予定調和的過ぎた。
『海賊船の料理見習い』は現代の小学生が記憶喪失したまま異世界の海賊船にテレポートして体験する奇想天外な冒険譚だが、下敷きにした大人気アニメが透けて見え過ぎる。せめて『宝島』やホーンブロワー海軍士官ものなど古今の名作をもっと参考にしてほしい。
佳作『ぼくの不思議なアルバイト』は、作者が住む鎌倉付近で日常的に生活するあまりホラーっぽくない魔女や悪魔や怪獣と、一人称の作者自身がアルバイトで交流するという奇抜な設定のノンホラーファンタジー。軽やかな文体も先の読めない展開もキャラのみごとな描出力も、作者の燦めくような才気を感じさせる。
ここまでは大賞に十分値する出来栄えと思ったが、選考の最終段階で、連作短篇形式で書かれていること(最後に全体を通した謎が解かれて決着はつくが)、主人公が大学生の設定で年少者の成長物語として書かれていないことなどのマイナス点が指摘された。暗黙ながら本賞の性格はたしかに中学生以下の読者を対象とする長篇小説賞であり、従来の受賞作がすべて長篇で、せいぜい十代半ばまでの主人公の成長物語として描かれている。そこで眉村さんと私は特別賞ではどうかとも提案したが、前例がないということで結局は前例の多い佳作という枠に落ち着いた。
しかし、作者はまだ22歳と非常に若く、加えて前々回の本賞でも最終選考まで残った実績があり、わずか2年で順当に「成長」して、再び非凡な才能の持ち主であることを証明してくれた。ぜひとも次回こそは、本格的な長篇作品で大賞受賞に再挑戦することを期待したい。
選評 島岡理恵子(岩崎書店)
今年は今までの最高応募数でしたが、残念ながら今年も大賞になるまでは至らず、とても残念な結果となってしまいました。審査員の方々も書かれているように、和風ファンタジーにこだわることはありません。現代でも、もちろんワクワクドキドキの冒険小説はあると思います。
この賞があえて長編小説となっているのは、一定の長さを書くということが、単なるアイデアだけでなく、構成や全体の流れ、文章力、登場人物の特徴などいくつもの評価するべき点があるからです。アイデアはおもしろいが、前半が長すぎて、おしまいが駆け足になったり、読みにくかったり、どこかで聞いたことがあるような部分ばかりが目立ち、個性が出てこなかったり、主人公の存在感が薄いなど、指摘されることは多々ありました。何度も応募されていて、惜しいところまで来ている方ももちろんいらっしゃいます。そのような方々は審査員の声を参考にして、ぜひとも次回にトライしていていただきたいと思います。
今年の最終選考の作品についても一点一点を審査員の先生方が丁寧に議論され、かなり厳しい意見も出ていました。私は版元の代表として、この選考会に参加させていただきますが、昨年に引き続き、これは本にして出したいという作品が残念ながらありませんでした。
以前からもすでに指摘されていますが、書店での読み物の厳しい状況は、読み物を刊行する機会を減らさざるをえない状況にあります。それでもこの賞を受賞された方々がその後もどんどん活躍されて、あの賞を受賞した人ならと思えるくらいになるには、やはり大賞となる作品にかかってきます。幸い受賞後は作家としてさまざまな分野で活躍されている方々も多く、そういう意味では、この賞の役割はとても重大です。それだけにそうそう簡単には大賞になることは難しいのです。2年続けて大賞候補が選ばれなかったのは非常に残念ですが、来年こそは誰もがこれならいけると太鼓判を押せるような作品を期待したいと思います。
第12回選考経過 - 2014.12.24
「ジュニア冒険小説大賞」は今年で第12回を迎えた。応募原稿総数は、歴代2位の105編。ある程度、世間に認知されてきたと考えてもよいのだろうか。大賞受賞者、佳作受賞者からも児童文学、一般文芸で活躍されている方が出ており、それはとても心強い。
近年、新設される新人賞もあるが、一方でなくなっているものも多い。受賞作が出ない場合もあり、新人賞の数だけ作家が生まれるとは限らない。そんな中でも、この「ジュニア」から受賞者が巣立ち、力強くプロの世界へと羽ばたいていってほしいと願ってやまない。
さて、昨年は初めてSFらしいSFが大賞となり(『宇宙犬ハッチー』)、応募者が大賞受賞作品を参考にしてくるのかと予想していたが、概していえばそれほどSFらしいものはなかった。相変わらずファンタジー、それも和風の作品が多かった。同じテイストのものでなく、新しい風を吹かせてくれるものがほしい。
また、応募者の年齢層が明らかにシルバー世代に傾いている。キャリアを積んだ先輩方にご応募いただけるのはたいへんありがたいが、その一方、働き盛り伸び盛りの年代にも奮ってご応募いただきたいと心から思う。そうした応募者へのアピールも主催者側の課題だろう。
書ける人が、以前に比べると多くなったとはいえる。しかし、最終選考に残らなかった作品にも共通することとして、発想に一本、筋が見えない人が増えたという意見が聞かれた。毎年言われていることだが、グレード(=対象学年。この賞なら小学校5・6年)無視、自分の知識・教養のひけらかし、押し付けは論外である。抽象的、観念的でも困る。やはり「子どもの本」であることを意識してほしい。「子どもの本」だからこそできることもたくさんあるはず。まだわたしたちが知らない世界、読んだこともない物語をぜひ届けてほしい。
さて、第一次選考は、例年通りすべての作品を対象に行われた。そして、次の9作品が通過した。
「海の羽衣」 波多野たき
「さいはての図書館」 清水さゆる
「水晶のかけはし」 篠原 彰
「マジック・シーガル号の冒険 ~さかさ王国へ~」 ハガチ一廣
「リリー」 笹嶋友晴
「くらやみ坂の魂盗人」 戸田瑞紀
「アキラとオリビエ・レジスタンスの扉」 稲田吹穂
「ぼくとばあちゃんと桜の精」 藍沢羽衣
「菜々とカリュウの魔法使い」 間宮絵美
この九作品を対象に第二次選考を行った。結果、次の5作品が残り、最終選考会で討議された。
「海の羽衣」 波多野たき
「リリー」 笹嶋友晴
「くらやみ坂の魂盗人」 戸田瑞紀
「ぼくとばあちゃんと桜の精」 藍沢羽衣
「菜々とカリュウの魔法使い」 間宮絵美
「海の羽衣」 「浦島太郎」「かぐや姫」ふたつの昔話をベースにしたパロディ。パロディなら元の作品を超えてほしいが、そこまでにはなっていない。話がふたつに分かれたままになっており、全体として芯が通っていないところも残念。また、主人公に感情移入するのが難しい。告白、嫉妬、三角関係など、恋愛感情は小6女子でもあるだろうが、ここまでドロドロしているだろうか。乙姫が結果的に悪人になるのだが、冗談のようなストーリー展開がされている。いくつかの場面では描写が足りず、幼稚な印象を受けるところもあった。たとえば羽衣がずっと物置に置いてあった(変質しないのか)、一晩で天の香具山や富士山へ飛んで往復する(主人公はどこに住んでいるのか)など、細かいが、そうしたところを詰めていないとリアルな感覚が持てない。たとえファンタジーでも重要なところである。ただ作者には書く力はある。もっと書けるはず。今後に期待したい。
「リリー」 外国の物語を思わせるこの作品はややグレードが低い(主人公も十歳である)。悪人は出てこず、全員いい人なのも物足りない印象を与える。しかし、一方でリアリティはなかなかうまく出している。宇宙論、物理学を勉強しているのではないかと思わせる描写があったが、押し付けがましくないのがよい。教養深さ、感性を活かしてもっと書いてほしい。文章はうまく、崩れない語り口調も評価は高い。しかし、2箇所ほど不用意な視点移動があるのは気になる。食べ物の記述もいまひとつ伝わらない。話がうますぎて型どおりにさらりと進む、予定調和な点は評価できなかった。主人公も話を回しているだけで、平凡な印象だ。やはりこの賞には名のとおり、主人公が冒険をし、成長していく作品がほしい。
「くらやみ坂の魂盗人」 タイトルからわかるように「魂」の話である。つまり「人には魂がある」ということが前提で、そこをうまく読者に認識させないとご都合主義になる。白ネコが導いてお膳立てする筋立てであり、「リリー」と同様、主人公に努力と苦労がない。むしろ、ネコを主人公のほうがよかったのではないか。昨年は「オサキ狩り」が佳作になったが、そのオサキと同じように、実際にある伝承をうまく使っている。知識があるのはわかる。しかし、よくある「転校生パターン」の物語であり、妖怪がすぐに改心してしまうところもやや安易だった。子どもたちが互いの能力の違いを認め合いながら行動していく点はよく書けているので残念。もうちょっとおもしろくできたのではないか。
「ぼくとばあちゃんと桜の精」 後味がとてもいい。「美少女になりたい」という男子の変身願望を実現しているが、その変身がよかったのか悪かったのかは書いてほしかった気がする。リズム感のある会話や行間に感じられるユーモアもよい。書きっぷりに安定感があり、読んでいてホッとできた。キャラクターの数の絞り方や書き分け方を見ても、うまく作品をコントロールしていると感じる。ただ、咲野・桜の精・おばあちゃんのことなど、キャラクター同士の係わり合いは一読ではわかりにくいところがあった。現代から過去の時代へ舞台を移す後半は特に、移動の「仕組み」の説明、なぜ巫女が水干を着ているのか(水干はもとは男子の装束、作中では白拍子姿だったということか?)など、読者が混乱しないよう細心の注意を払ってほしい。しかし、概して印象がよい作品だった。
「菜々とカリュウの魔法使い」 まだ若い作者が若さを活かして書いているが、足りないところがある。うまさと雑さが入り混じる。恋愛観は他の作品に比べてはわかりやすいが、もう少し小学生らしいさわやかさもほしい。主人公を「女」としてライバル視するお母さんの記述も同様である。火龍/カリュウ(下流)の表現も伝わりにくい。本が嫌いな主人公設定はよいが、感想文ひとつでこれほど冒険しなくてはいけないのか疑問に残る。闘いもゲームを彷彿とさせる。龍にもいろいろな種類がある。その知識が背景にあるのかどうかも不明確。調べるべきことは調べて書かないと、全体的に浅い印象になってしまう。勢いある書きっぷりはとてもいいので、今後を期待したい。
以上、最終選考会で各作品についての討議を重ねた。今年は「大賞」を決めることに予想外の時間がかかった。積極的に「これを」と思う作品がなかったからである。この賞はプロへの登竜門であり、大賞受賞者はデビューする。受賞作(応募作)=デビュー作である。それが今回の作品でいいのか。どの作品も過去の受賞作品と比べて、文章力やオリジナリティ、インパクトなどあらゆる点が不足している。デビュー作にふさわしい強さがあるとはいえず、第12回ジュニア冒険小説大賞は大賞なし、という結果になった。
佳作については、後味もよく、うまくまとめている「ぼくとばあちゃんと桜の精」にすることが決まった。
大賞が出なかったことは初めてだが、現在の出版不況の中であえて新人を出していく重さと厳しさを応募者同様、主催者側も噛みしめていきたい。来年こそは満場一致で大賞を選べることを願う。
2013年 12月
ジュニア冒険小説大賞選考委員会
選考委員の選評
選評 後藤 みわこ
応募作を書く前に、この賞のことをどのくらい調べましたか? 過去の受賞作は、あらすじだけでもご存じですか?
そのうえで「この作品なら受賞できる!」と思われたでしょうか。
わたしは昨年から選考委員を務めています。選考会でも話題になりますが、今年も、ファンタジーの応募作が多いことが不思議でなりませんでした。応募要項には「どんな内容でもかまいません」とありますのに。
もちろん「冒険心に満ちあふれた物語であること」という規定ははずさないでほしいのですが、「冒険=架空の世界」ではないですよね。リアリズムでもいいはずです。それなのに、候補に上がってくる中にほとんど見当たりません。どうしてでしょう。
ファンタジーを書きたい方が多いのだろうとは思いますが……。他の新人賞よりこの賞の方がファンタジーの受賞率が高そうだと思って応募されたのでしょうか。それなら、これまでの受賞作とはかけ離れたタイプのファンタジーで挑戦する方がいいのでは? 同種のファンタジーは、過去の受賞作を確実に越えない限り、受賞はむずかしいのです。
ファンタジーにこだわらない場合は、「別ジャンルのものを書けば目立って有利かも」という作戦も「あり」では?(昨年の大賞は「初めての」SFでしたよ)
デビューを目指すなら、すでにあるもの、ありそうなものではなく、「こういうのは見たことがないでしょ!」と『ドヤ顔』ができるくらいの作品で勝負しませんか?
デビュー後だって同じだと思います。既存の作品と似た内容、似たスタイルでいくら書いても、「このテの作品はもう要りません」といわれてしまうでしょう。
ぜひ作品のジャンルでも「冒険」していただきたいのです。
子どもたちの現実の世界にだって、冒険的なできごとは起こりますよね?
選評 眉村 卓
おしまいまで残った5作品についての感想と意見を述べる。
◎海の羽衣=おとぎ話を下敷きにして、いろいろ変化をつけ、頑張っているなという感じだ。乙姫が悪役であったり、乙に対する甲の姫がかぐや姫だったり、富士山や天香具山が出てきたり……しかし、すべてが主人公中心のつくりで、主人公に共感できなければさっぱり面白くない。何よりも、ベースの違う背景のどちらが主でどちらが従か、読むほうが戸惑うのである。
◎リリー=私は好感を持った。興味を持って読み進められるし、設定やなりゆきに(作者がそのつもりかどうか知らないが)含意・示唆といったものが感じられたのだ。とはいえ視点の扱い方、話中のちょっとした矛盾、物語が型通りでうまく行き過ぎる、などの難点は否定できない。
◎くらやみ坂の魂盗人=怖がる者がいなければ妖怪も存在できない、という大きなテーマと取り組んだのは買う。それをどう構築するかが、簡単ではないのだろう。動物が化けたり魂のことが出てきたり、というのは、それらをひっくるめた世界も展望しなければならない。必要なところだけ使う、というわけにはいかないのである。
◎ぼくとばあちゃんと桜の精=ともかく飽きずに終わりまで読ませてもらった。問題はいくつかあるにせよ、それが大事なことなのだ。
◎菜々とカリュウの魔法使い=私には、こういうのが好きな人にはいいのだろうな、という感じであった。本とか読書感想文についての意識も、正直針小棒大で、これが魔法の世界につながってゆくのは……ストーリーテリングがもう何段か上だったら、私もとりこになっていたに違いない。
大賞というのは、やはり、通り一遍の水準作から抜きん出ていて欲しい。比較すれば「ぼくとばあちゃんと桜の精」が一番いいだろうが、大賞には届かない気がする。
選評 南山 宏
今回は応募総数が歴代2位というのに、編集部における第一次選考では例年必ず10数編は選ばれるところを、わずか9編にとどまったことに、正直イヤな予感がした。その9編に目を通して、イヤな予感はさらに強まった。9編のうち4編は、わざわざ最終選考まで残す必要もないレベルの出来だったからだ。
残る5編の出来栄えは、例年通り最終選考まで残っておかしくない平均的レベルにまでは達していたと思う。だが、問題はそこから先だ。各編を読み比べた結果、不幸にも予感は的中し、ついに大賞に推せるだけの作品を見つけ出せなかった。本賞に初回から関わってきた者の一人として、非常に残念でならない。
残念な理由のひとつは5編のうち3編までが、物語世界の設定が日本の過去と現在を交錯させるいわゆる「和風」路線だったことにもある。応募者が過去の受賞作を研究して安全路線を取ろうとする心情はわからぬでもないが、今さら言うまでもなく本賞は新人賞である。「冒険」の二文字から外れぬかぎり、どんな小説ジャンルのどんな路線でもいいし、誰も従来試みたことのない、たとえばメタ小説のたぐいを引っさげて応募したところで一向構わないのだ。
もっと広くて深い世界観・宇宙観に立って、空間・時間を柔軟自在に操り、飛び越えるような壮大な冒険物語の構築に挑戦することにこそ、新人が本賞に応募する最大の意義があると私は信じる。
その点では『リリー』は、夢の世界に墜ちた主人公の少女が、消えた弟を現実の世界に連れ戻すため、心を持った木の人形の助けを借りて、さまざまなファンタジー世界を冒険するという設定に新鮮味がある。世界や次元が時空を超えて無限に存在し、生命はどこでも繋がり合っているという作者の哲学は、現代最先端の量子物理学的宇宙論にも通底しそうだが、いかんせん登場人物が魔女でさえ善人ばかりで、物語を面白くさせる「毒」がなさすぎた。
『海の羽衣』は、天女の血を引く現代の少女の手助けで、竜宮の乙姫が姉の甲姫(かぐや姫)の力を借りて天界へ帰ろうとするパロディお伽話。じつは乙姫が自己チューの悪女だったというオチはいいが、そこまで行き着く展開があまりにユルすぎる。どうせパロるなら「丙姫」も登場させるなどハチャメチャに徹するべきだった。
『くらやみ坂の魂盗人』は、小5児童の「民話伝説班」が級友たちの魂を抜き取る謎の黒妖怪の陰謀と闘うお話。竜神、化けネコ、化けギツネ、ひとつ目小僧に箕借り婆と、おなじみの妖怪たちが賑やかに絡むが、筋立てと展開の仕方があまりに平凡すぎた。
『菜々とカリュウの魔法使い』は、読書が大嫌いな空手少女が、人間に変身した魔法使いの「火龍」に惹かれ、読書感想文対象書の世界に連れて行ってもらうが、火龍を目の敵にする上司の「木龍」の策略に嵌まって本の世界に閉じ込められ、火龍と力を合わせて木龍の奸計を打ち破る。キャラ描写が抜群で少女の恋心の描出もうまいが、ときどき筆が滑りすぎてか、空手の「バッド割り」(バットや瓦などの試し割りのこと? 3か所に繰り返し出てくる)など、雑な記述になったのが惜しい。
佳作に推された『ぼくとばあちゃんと桜の精』は、小6の男児が祖父の頼みでいやいや女の子に化け、桜祭りの「くのいちトーナメント」に出場登録したことから、桜の神木の精が象徴するこの世の平和を護る「魂」(陽の気)を宿した人たちと、その結界に侵入して災厄をもたらそうとする「魄」(陰の気)に取り憑かれた者たちとの、命を賭した死闘に巻き込まれる。
じつは祖母でもある桜の精が宿って本物の美少女に変身した小6男児が、前世と現代が二重写しになる大人の世界でよく理解できないまま奮闘する設定と展開は、会話も含めて文章力・描写力があるのでつい読まされてしまうが、桜の精の祖母と人間の祖父がなぜどのように結ばれ、父母を介してなぜ〝ぼく〟が生まれ、また現代での登場人物が容貌容姿も苗字も同じ前世の登場人物にどう繋がるのか、きちんと書き込まれていない点も評価を下げた要因だろう。
選評 島岡 理恵子(岩崎書店)
応募総数が歴代2位ではあったものの、残念ながら通過した作品の中に特別に印象に残り、これを本にしたいと思う作品が今回は見受けられなかった。
どの作品も既存の作品を超えるようなところまでにはいたらず、既視感のある作品が多いのだ。
ここ最近は他の児童文学賞をみても大賞受賞作を選ばないことが多くなっている。作品の質についてだけでなく、創作児童文学の出版事情にもかかわってくることが大きいのではないか。書店の店頭で元気なのは児童文庫のエリアで、ハードカバーの読み物はなかなか置いてもらえない。出版社と書店の間にある取次会社が返品を危惧して、確実に売れるものしか取らなくなっている。図書館が購入したり、各地のすいせん図書に選ばれて平積みになれば、多くの人の目につくが、そうでなければ、ほとんどだれにも知られないことになってしまう。データが重視され、過去の作品の売れ行きがよくないと配本部数を減らされてしまう。そうなると、ますます新人の生まれるチャンスは狭まってくる。
いま活躍されている大御所の方々にも新人時代はあったわけで、新人を生み出すきっかけになる新人賞はとても重要である。今回大賞を該当なしとしたのも、あえて厳しい目でもう一度賞の意味を確認し、今後に期待を寄せたかったからに他ならない。惜しくも最終に残りながら受賞にいたらなかった方々もこれをバネにしていっそう奮起していただきたい。
せっかくデビューしてもその後2作目が出にくい状況は、先にあげた出版事情も大きいが、作家自身の努力も関係してくる。とにかく書き続ける。経験が作品のレベルをあげていくことにもなる。なかなか本になりにくいという今の厳しい条件があっても、それでもあきらめずに書くことにこだわって、既存の作品を超えるものを生み出してほしい。
今回は残念ながら佳作のみにとどまったが、来年は審査員一同が納得して大賞となるような作品を期待したい。そのためにも私たち出版社もきちんと新人の方々によりそって、共に歩んでいきたい。
第11回選考経過 - 2014.12.24
「ジュニア冒険小説大賞」は今年で第11回を迎えた。応募原稿総数は、昨年の歴代最高を上回り118篇。「ジュニア」の世間への認知度がより広まったと考えられ、非常にありがたい。
今年度だけの傾向とは言い切れないが、応募者の年齢層の高さと和風ファンタジーの多さが目立った。これまでの10回までの間に「和」のテイストを持つものが大賞となってきたことは事実だが、それが応募のための「傾向と対策」に加わり、あえてそうした作品が送られてくるのかもしれない。ただ選考委員会としては、あらゆるジャンルから新味のあるおもしろい物語を求めているので、そのギャップに戸惑うことも確かである。ひとつの傾向に流れるのは、先行きを考えてもあまりよいものではない。新しい風を吹き込んでくれる作品をお待ちしたい。
作品は総じて粒揃いだった。書き手が書くべきものを把握しているのがすばらしい。作者の年齢が作品に投影されることもなく、若い人もしっかりと書いており、選考会では、予選の段階から楽しませてもらった、選び甲斐があったという声も聞かれた。
また、少しずつではあるが、「和」以外のものも見受けられ、違う方向性のものが来ている点にも今後の楽しみが見出された。
選考の基準は選考委員各自に任されているが、ひとりの選考委員は、自分なりの「冒険の基準」を考えて採点したという。そして、書き続けることができる力量があるかどうかも加味したとのことだった。このジュニア冒険小説大賞は新人賞である。受賞すればその作品でデビューすることになるが、その先、ボツが続いても書いていけるかどうか、その厳しさに耐えて作家になれるかどうかも作品から判断している。
さて、第一次選考は、例年どおり全ての作品を対象に行われた。そして、次の14作品が通過した。
「禁じの森 ~忘れられない夏休み~」 戸田瑞紀
「自分の色の見つけかた」 津川有香子
「階段っ子」 七海富久子
「宇宙犬ハッチー」 かわせ ひろし
「オサキ狩り」 泉田もと
「コロリヴン」 下山辰季
「ホームスイートホーム」 小林栗奈
「影の館と錬金術師」 里 洋子
「月男」 太月よう
「枕屋まくらがえし」 樹多ゆたか
「宿妖の竹林」 霧島伊緒
「星がおちてくる」 友木里見
「サウンドホールのその中で」 村上雅郁
「クリスマス島小学校 宇宙ステーション分校物語 奈美樹、宇宙(そら へ」 真北泰充
この14作品を対象に第二次選考を行った。結果、次の7作品が残り、最終選考会で討議された。
「禁じの森 ~忘れられない夏休み~」 戸田瑞紀
「宇宙犬ハッチー」 かわせ ひろし
「オサキ狩り」 泉田もと
「ホームスイートホーム」 小林栗奈
「影の館と錬金術師」 里 洋子
「宿妖の竹林」 霧島伊緒
「サウンドホールのその中で」 村上雅郁
「禁じの森 ~忘れられない夏休み~」 物語をつくるときに必要なこと、すなわちアイデア、展開の仕方、キャラの造形、文章力、独自な文体などのポイントは全てクリアしている。つまりよく書けている作品といえる。しかし異世界ものとしては、よくあるパターンである。新味がほしい。また、テーマに環境問題が含まれた時点でおもしろさが欠けてしまったことも残念である。主人公の女の子が特別な能力に悩んでいることについてとことん突き詰める・彼女の初恋物語にするなどの方向性もあったのではないか。「ゴミ拾い」に走る場面などはもったいない。作品としての作戦をよく立てて、次回、別の作品でがんばってもらいたい。
「宇宙犬ハッチー」 応募作として珍しいSFであるが、よくがんばっている。一貫して子ども目線で書かれているので、SFを読み始める、または興味を持ち始める小学五、六年生あたりなら「おっ」と感じてくれる作品ではないか。犬そっくりの宇宙人というキャラクターは、大人のSFでは今はもうない。だが、子ども向けでならありえる。とっつきやすさ、導入、伏線、構成もなかなかうまい。天文学的なこともよく理解しているのに、それを押し付けずに説明していることや、一見ちゃらんぽらんな文章なのにツボを押さえていることも好感度が高い。ただ、グレード(対象年齢)が低めなことが気がかり。しかし男子向けと考えるのならば、女子に比べてやや幼いのでクリアできるだろうか。友情の部分は非常にいい。両親があっさり宇宙人を信じて歓待するところは、こんなに単純でいいのかとも思うが、面白くもある。そんな明るさもまた、この作品の魅力だろう。
「オサキ狩り」 文章が導入から抜群にうまい。ストーリー展開も結末のおさめ方も巧みだ。だが、いかんせんグレードが高い。小学校高学年では「八百屋お七」を敷いていることはわからないだろうし、お色気描写ともいえる個所も気になった。中高生、どちらかというと大人向けの物語なのかもしれない。また、「オサキ」は関東地方の伝説だが、江戸時代に江戸には入れなかった。「王子のキツネが支配していたから」という説がある。そこをクリアしてほしかった。さらに、他社ですでに「オサキシリーズ」がある点も考慮された。ストーリーの本筋はいいので、残念だ。「ジュニア」の対象となる小学校五、六年生に向け、彼らが心躍らせる「冒険」を書いて、また応募してもらいたい。その筆力は十分にあるし、楽しみな書き手であることは確かである。
「ホームスイートホーム」 語り手は「猫」だが、猫である意味があまりない。また、細部が非常にうまく表現されているが、そこまで書かなくてもいいのではないかと思われるところがある。結果的にテンポが遅くなってしまっているのが惜しい。しゃべる猫やおばけという児童文学らしい要素で構成されているが、テーマ・内容はおとなの物語。歌舞伎町ややくざの抗争といったワードも子ども目線ではない。また、この半分の量で書けるストーリーではないだろうか。順序よく書きすぎて、枚数を感じさせるのも残念な点である。
「影の館と錬金術師」 魔術はおもしろい。内容もよくできていると思うが、ややくどく、なかなかストーリーが動かない。すっきりと終わってくれないのも残念だ。設定が強引に見えるのは、伏線が足りないからだろうか。時にマンガっぽい点も気になった。絵の変化を文章でわからせるのは難しく、おそろしげな感じが伝わりにくい。能動的でない主人公ももどかしかった。「冒険」とは諸説あるだろうが、主人公が自分の頭で考え、判断して、行動するということは最低条件ではないだろうか。自分から何かしていくことのない主人公に、読者が感情移入するのは難しいだろう。
「宿妖の竹林」 独自な世界を創り出そうとしている一生懸命さは感じるが、詰め込み過ぎのきらいがある。小道具も多く、読者の混乱を招くだろう。絵にしないとわかりにくい場面もある。アニメやゲームにすればすんなりと理解できて、俄然おもしろくなるかもしれない。書き手の頭の中にはこの世界がちゃんと見えているはず。読者に伝えるために、もっと枝葉を削いでほしい。文章の工夫も必要だ。特に最後は、説明過多で残念だった。まだまだ若い書き手なので、精進して新しい作品をつくってほしい。
「サウンドホールのその中で」 珍しいオムニバス形式のふしぎなお話で、意欲作であった。ただ、最後の1篇については評価がわかれた。それがストーリー全体を見事に1本にまとめているという評価と、説明をされてしまって興ざめだという評価である。小学生の双子のかけあいが中学生ぐらいのグレードに思えるという意見もあった。また、スナフキンのように自由なイメージのノゾミさんが実は世界の境界を司る人と自ら言うことに少しがっかりした、とも。最後の一篇を除いては、リズム感もあり、おもしろいことは確か。新しいことをやろうとする姿勢、新鮮さもある。まだ20歳の書き手の今後が非常に楽しみである。ぜひ来年も新しい作品を応募してほしい。
以上、最終選考会で各作品についての討議を重ねた結果、発表のとおり、満場一致で「宇宙犬ハッチー」が大賞を、「オサキ狩り」が佳作を受賞することに決まった。
第11回にして、SFがテーマの新しい作品が大賞となり、今後のジュニア冒険小説大賞がますます楽しみになった。明るく大胆な作品の応募が増えてくることを期待したい。
2012年 12月
ジュニア冒険小説大賞選考委員会
第10回選考経過 - 2014.12.24
「ジュニア冒険大賞」は今年で第10回を迎えた。この記念すべき最初の節目の年に、応募原稿が創設以来最高の百通に達したことは誠によろこばしい。
だが応募原稿の急激な増加は別の不安を招きやすい。賞の傾向が見えてくるということだ。初心者は無理だが、応募慣れした人たちは、過去の受賞作品をよく研究した上で応募してくる。そのため、なんとなくまとまって、そこそこに面白い、つまりマンネリ気味の作品が多くなる。今回も選考委員たちから「もう少し実験的な、新人らしい迫力に満ちた作品が欲しい」「荒削りでもいいので『新しいものを書いてやる』という気概に満ちた作品がぜひ読みたい」という声が聞かれた。
さて、第一次選考は、例年どおり全ての作品を対象に行われた。そして、次の11作品が通過した。
「鏡ガニの伝説」 矢代稔
「風・魔」 市川正純
「ライオンは泣かない」 桂木九十九
「天狗爪」 綵川青夏
「さよならシュレッダー」 林けんじろう
「蛟竜の壁」 清水さゆる
「凸凹霊感トリオおまけつき」 白川みこと
「水と風の調べ」 水下瑞香
「ドアの向こうは魔女の城」 水越かおり
「転校生は忍びのつかい」 加部鈴子
「ペペ&ケルル どろぼう大作戦!」 緒昵吉乃
この11作品を対象に第二次選考を行った。その結果、次の3作品が残り、最終選考会で討議された。
「天狗爪」 綵川青夏
「転校生は忍びのつかい」 加部鈴子
「ペペ&ケルル どろぼう大作戦!」 緒昵吉乃
最終選考に入る前に、二次選考を通過できなかった八作品についての検証を行った。
ほとんどの作品に共通することだが、今時のライトノベル、アニメ、マンガなどを読み込んでいるせいか、会話文がなかなかうまい。しかし、本筋がうまく描けていない。状況が変わったりする転換の場面を描く際などにおかしくなる。いつでもリアリティを持って場面を書きこめる力を持ってほしい。単なるおしゃべりで全体を成り立たせては物語にはならない。
キャラ設定、ドラマとしてはおもしろいものもあった。しかし、「冒険」が案外たわいなく、肩透かしのものもあった。
観念的で、頭で処理しているものも多かった。机の上の発想だけでは読者の心は動かないことを理解してほしい。知識のひけらかし、中途半端なうんちく話もうるさい。特に子ども向けの物語は断定すべきではないことを肝に銘じたほうがいい。
物語には、アイデア、文章、展開、キャラ設定が必要不可欠な要素だが、最終選考に残らなかった作品は、どれかがひどく欠けている場合が多くて残念だった。
最終選考に入る前に、昨年に引き続き、文章量オーバーの問題が話し合われた。最終選考に残った作品でも、明らかに規定枚数の200枚を越えていると思われているものがあった。残念だが、決められた枚数のなかで書くのも審査の対象であることを応募者の方々に今一度お伝えしたい。
「天狗爪」綵川青夏 成長物語がきっちり書かれている。メッセージ性がはっきりしていて、わかりやすい。だがグレードの点で問題となった。読者対象が低く、福島賞の長編版に過ぎないのではという厳しい意見もあった。また物語がもたもたしていて、刈り込める要素があるのではないだろうか。海の村と山の村が対立しているが、元々は山も海の中にあったことが化石からわかるというエピソードは、今時の小学生なら早い段階でわかっているのではということだった。江戸時代の設定だが、現代的な用語も出てきており、徹底されていないことも残念だった。児童文学とはいえ、基本的な時代考証をおさえてほしい。会話文で地の文のような表現もあり、ちぐはぐな感がある箇所もあった。非常にうまく描けていて唸る場面もあったが、物語としてまとめる面で、全体的に力不足さが見受けられた。「人に読ませるものなのだ」という意識で仕上げていく力を養うべく、精進してほしい。
「転校生は忍びのつかい」 加部鈴子 200枚ぐらいだろうか。ちょうどよい長さで物語の過程を楽しませてくれる。場面ごとの演出がいい。忍者の修行の描き方もとてもうまい。最後に主人公の記憶が消されてしまうことで、いい余韻を残している。欠点をいえば、親友の男の子の役割がいまひとつ明確ではなかったところだ。いてもいなくても同じになってしまったのが残念だ。ほかには、伏線の張り方がうまい。子ども向けとしてよく作られているといえる。子どもたちのやりとりもいい。おもしろくつながっていく、読ませる内容になっている。
「ペペ&ケルル どろぼう大作戦!」 緒昵吉乃 とてもうまい書き手で、導入部分など、おもしろいのだが、心に残るものが少ない。枚数も200枚はオーバーしているのも問題だろう。一見洒落ている文章なのだが、長さのせいか、くどさを感じさせる。キャラ設定でも、鬼警部エレクトラが意外と活躍しないなど詰めが甘い。金髪の天使が出てきて、いつも地面すれすれを飛ぶところなど、海外ドラマのようなおもしろさはある。舞台設定も特別な世界を作り上げている。各所におもしろい描写もあり、新鮮な感じはした。要するに才気がありすぎて、才気負けしているのがいちばん残念なところだ。
以上、最終選考会で各作品についての討議を重ねた結果、発表のとおり、満場一致で「転校生は忍びのつかい」が大賞を、「ペペ&ケルル どろぼう大作戦!」が佳作を受賞することになった。
来年から二ケタ台の歴史を刻むこの賞をさらに大きなものにしていくためにも、既存の枠にとらわれない大胆な新人が現れることを期待している。
2011年 12月
ジュニア冒険小説大賞選考委員会
第9回選考経過 - 2014.12.24
第9回を迎えたジュニア冒険大賞に、今年は85通の応募原稿が寄せられた。歴代第3位となる多くの応募数に感謝したい。
今年の最終選考会で何度か聞かれた特徴的な事柄がある。それは、「場面・場面のつなぎだけで一本筋の通った物語がない」ということ。
例年に比べて、比較的年齢層の高かった応募者たちだが、それでも、アニメ・ゲームの影響を多大に受けていることがわかった。アニメ・ゲームの映像がもたらすおもしろさと、文章を通じて感じるおもしろさは根本的に違う。そこが物語を作る難しさであるが、悪戦苦闘を超えたときに、見たことのない世界へ読者を誘い、心底からどきどき・わくわくの醍醐味を体験させるのだ。そうした傑作が出てくることを選考委員は期待している。
さて、第一次選考は、例年どおり全ての作品を対象に行われた。次の9作品が通過した。
「風・魔」 市川正純
「ペンギンの水平線」 山木麗子
「飛翔の村」 西村友里
「サルガミ」 泉田もと
「夢渡り」 天城れい
「カッパの詫び状」 七海富久子
「夏至祭」 鷺坂ひなこ
「龍の赤ん坊にフカシギの花を」 可西氷穏
「百花怪談あやしの火」 三木聖子
この9作品を対象に第二次選考を行った。その結果、次の6作品が最終選考に残り、最終選考会で討議された。
「ペンギンの水平線」 山木麗子
「飛翔の村」 西村友里
「カッパの詫び状」 七海富久子
「夏至祭」 鷺坂ひなこ
「龍の赤ん坊にフカシギの花を」 可西氷穏
「百花怪談あやしの火」 三木聖子
最終選考に入る前に、二次選考を通過できなかった3作品について、一つずつ作品を検証した。
全体的に「オリジナリティのなさ」を突かれるものが多かった。似たようなアニメや、既存の読み物を想起させるものが目立った。この段階までくる応募者たちは、一般的には「書ける」「うまい」部類に入る人たちだろう。でも、厳しいようだが、それだけでは最終選考に残ることはできない。ましてや単行本として世に出すことはできない。もう一山超えないと一人前の「作品」と認めることができないのである。もう一段飛躍するために必要なことは何か。それは、読者の期待をいい意味で裏切るようなものを書くこと。「思ったとおりの結末」では読者は納得しない。そのためには、子どもたちが熱中するような本を5、6冊読んで、その感じを自分で掴むことをお勧めする。既存のアイデアを使う場合は、自分なりのオリジナリティをつけ加える意識が必須である。また、「これはだれもやっていない」というアイデアを積極的に見つけてほしい。残念ながら、最近の応募者には、その点でルーズな人が多いように思う。
最終選考開始の前に、「夏至祭」についてのある問題が話し合われた。ここまで勝ち残った作品ではあるが、応募規定枚数の200枚を大幅にオーバーしているし、読者対象グレードも応募規定よりはるかに高い。残念だが、最終選考の議論から外すということになった。
「ペンギンの水平線」 山木麗子 ペンギンがユニークだが、冒険性が弱い。ストーリーもありきたりという評価だった。
ペンギンも含めて、出てくる登場人物は皆よく理屈を言うが、その場限りだ。もっと一貫した構造、ルールがほしい。場面、場面は胸に迫るところもある。ペンギンの話しかたもポイントは高い。しかし、いわば鉄筋コンクリートの中に鉄筋が入っていない状態なのである。一見それらしいが、実際は住めない映画のセットのように思える。読みやすい文章で、よく書けているので非常に惜しい。
「飛翔の村」 西村友里 物語としてわかりやすいし、主人公の女の子が一生懸命戦うあたりは好感度が高そうだ。本来弱い人間が変身するあたりもカタルシスがある。ストーリーも展開が速くて快い。作者は小学校の先生をされているらしいが、職業で培われたような説得力がある。ただ気になるのは、主人公の育ての母といってもいいほど大事な叔母が退院したのに、二ヶ月も会いにいっていなかったというところ。冷たすぎないだろうか。それがずっと気になった。またあの世とこの世の境にある狭間村の存在にやや無理がある。そうした細かいところは目につくが、全体的にはよくできているといえる。
「カッパの詫び状」 七海富久子 ストーリーが単純で饒舌すぎる感がある。無意味なドタバタが延々と続いていく。ただ笑わせるだけでなく、いろいろと深化させてほしい。河童もこれまでの常識的なイメージどおりである。もっとオリジナリティを加えてほしい。そして、場面を増やし、全体的にバラエティを持たせたい。また、ドタバタの料理の仕方も古典的過ぎる。一考を要するだろう。
「龍の赤ん坊にフカシギの花を」 可西氷穏 オリジナリティがある作品だ。これぞ「フィクション」という異世界を描いている。しかし構築は見事でよくできているが、若干、入りにくい難がある。この異世界は異世界のなかにもう一つの異世界が現れるタイプである。ややゲーム的で、場面・場面をつなげている感じを受ける。いわば独創的なアイデアを積み重ねた作品だが、成功しているとはいいにくい。もう少し場面と場面をなめらかにつなげ、一つの物語として昇華させられればよかっただろう。
「百花怪談あやしの火」 三木聖子 高度な霊能者なのに弱虫で、運動も苦手の主人公は、等身大で親近感がある。多くの読者が共感を覚えるだろう。日本的な雰囲気、土着な匂いがいい。概して、妖怪を扱った作品は、好きな人にはわかるけど、そうでもない人にはピンとこないことが多かった。しかし、この作品は、読者を主人公と一緒に学ばせるフォローをしているのが好ましい。ともかくメリハリが利いて読みやすいところが好感度を高めている。
以上、最終選考会で各作品について討議を重ねた結果、発表のとおり、満場一致で「百花怪談あやしの火」が大賞を、「ペンギンの水平線」「飛翔の村」「龍の赤ん坊にフカシギの花を」の3作品が佳作を受賞することになった。
来年でこの賞も丸10年を迎える。すでに、大賞・佳作受賞者からは、現在、作家として大活躍している人も出ているのがなにより心強い。読者を心からわくわくさせる冒険心あふれる作品を生み出す書き手が続々と現れてくるのを願ってやまない。
2010年 12月
ジュニア冒険小説大賞選考委員会
第8回選考経過 - 2014.12.24
第8回を迎えたジュニア冒険大賞に、今年は99通の応募原稿が寄せられた。これは過去最高の第3回とならぶ数である。今年の特徴としては、学校怪談や妖怪などをテーマとして扱ったものが多く見受けられたことである。毎年そういったジャンルの応募作品はやってくるが、今年とくに目立つのは昨年の大賞受賞作品の影響かとも思われる。 また、今までになかった異色の作品が残ってきており、多様さを実感する年となった。そして毛色が変わった作品を読んでいくにつれ、この賞にふさわしい作品とは一体何か、という根本的な問いが出てきた。まず「冒険」について議論のなかから導き出されたのは、SFやファンタジーなどの空想や未知の世界だけでなく日常の生活にも「冒険」の世界が存在するという認識だった。つまり日常から一歩飛躍したところに、新しい冒険が見つかる可能性があるのだ。冒険の世界は広く深く未知の部分が多い。そこから「驚いてひっくり返るような作品」が生まれてくることを、選考委員は期待している。
さて、第一次選考は、例年どおり全ての作品を対象に行われた。次の11作品が通過した。
「タイム・ツーリスト ヒロの流され王伝説」 七篠評三
「ネコ神社においでよ!」 遠山裕子
「さばいばる タケル」 朱雀 遥
「海へ」 岸田 啓
「コクリの子」 深月ともみ
「ムームとモーモと仲間たち」 成美雄介
「とろけるジュースの秘密」 脇本博美
「SOS! 宇宙の迷子探しています」 廣瀬郁美
「グリーゼ宇宙学校」 森川成美
「ドロップ」 水越かおり
「妖気な五レンジャーと夏休み!」 高森美由紀
この11作品を対象に第二次選考を行った。その結果、次の五作品が最終選考に残り、最終選考会で討議された。
「ネコ神社においでよ!」 遠山裕子
「さばいばる タケル」 朱雀 遥
「コクリの子」 深月ともみ
「ムームとモーモと仲間たち」 成美雄介
「妖気な五レンジャーと夏休み!」 高森美由紀
最終選考に入る前に、二次選考を通過できなかった6作品について、一つずつ作品を検証した。
全体的に物語が定型的で、詰めの甘さが目立った。キャラクターの魅力不足も致命的だ。グレードの無視も困る。ジュニア冒険小説の場合、対象読者年齢を小学校高学年としている。それより極端に上だったり、下過ぎたりしたものがあった。
ともかく二百枚の物語の中に、一貫した流れがあり、キャラクターが光っているかどうかが、最終選考に残れるか残れないかの分れ道になる。今回は、どの作品も一応読者をひきつけて読ませる筆力はあるし、さらに専門的な知識を感じさせるものもあった。次のチャンレジを期待したい。
最終選考の対象となった五作品について、熱い議論がくりひろげられた。いわゆるジュニア冒険らしいものから、異色の作品まで、以下が各作品についての講評である。
「ネコ神社においでよ!」 遠山裕子
昨年、一次選考を通過した遠山裕子氏の作品。物語は連作短編のような構成となっている。各編が続いているものもあれば、がらっと内容が変わるものもある。そのせいかわかりにくいところがある。全体をもう一度組み立てなおす必要があるだろう。キャラクターについても、中途半端なところがある。しかし、ネコの描き方は非常にうまく、ネコがからむと登場人物もいきいきとしている。また話にハートがあるのもよく、骨太なところも評価できる。来年またぜひがんばってほしい。
「さばいばる タケル」 朱雀 遥
SF的要素、戦い、遠征など、いわゆる冒険的要素が全くない異色の作品。両親が突然家を出ていってしまい、とり残された子どもが孤軍奮闘する様子が「日常を生き抜く冒険」のつもりなのだろうか。文章が達者でぐいぐいと読ませていくが、日常生活の描写が若干詳しすぎる。また、説明が多すぎる。設定も納得しがたい。ジュニア冒険にこういった方向性が出てくるのは歓迎しないわけではないが、やはりふつうのリアリズムの作品と一線を画してほしい。少年のキャラクターの設定についても、まともな冒険ができる、冒険心のある子だろうかという疑問をもった。ジュニア冒険作品においては、ふつうの子にも、なにか特色を持たせたい。
「コクリの子」 深月ともみ
昨年、佳作を受賞した深月ともみ氏の作品。選考委員全員が「よくできている」という評価を出した。少年と少女、二人の気持ちの純粋さが際立っている。読後感がとてもいい、という共通の意見が出た。キャラクターの心情が感じられて読後感がいいのは大事な要素である。この作品に一貫した流れがあることも大きい。読者を一つひとつ納得させながら読ませる丁寧さ、筆力がある。随所に絵になる場面が連続しているのもいい。色彩的な感覚も鋭い。異色のファンタジーとして推奨できる作品になるだろう。
「ムームとモーモと仲間たち」 成美雄介
ディズニーの動物アニメに似ているものがある。たがか外れているのがおもしろいが、子どもにはどうだろうか。映像と活字は違う。文字で描写されると、これほど賢いキャラクターならもっと違う行動と展開になるのではないかと思う。動物に人間を仮託して、それを童話のタッチで書こうとするから大変なのではないか。筆力はあるがくどくなってしまう。内面描写も違和感が出てしまう。また、登場人物をもう少し整理できたらという感じもする。ジュニア冒険のなかで新しい路線を開拓したい、という作者の意欲は十分に感じる。文章はしっかりしているし、描写もちゃんとしている。いっそのこと、ジュニア冒険の対象年齢より上をねらった小説を書く選択肢もあるのではないか。
「妖気な五レンジャーと夏休み!」 高森美由紀
作者はなかなか書ける人だ。ある意味、達者すぎる。会話だけで展開する場面、短いセンテンスも小気味よい。ジョーク交じりの会話もスピード感があって絶妙である。とにかく憎たらしいほど達者で、おもしろいと思うところ、読者が期待しているところをちゃんと押さえている。一方成長物語でもあって、登場人物のせりふにほろりとさせられるところがある。妖怪5人のキャラもいい。よくも悪くも漫画的、そこが気になった。
以上、最終選考会で各作品について討議を重ねた結果、発表のとおり、満場一致で「コクリの子」が大賞を、「妖気な五レンジャーの夏休み!」が佳作を受賞することになった。
選考委員から、「最終選考作品のレベルが上がってきている」という声が上がった。まだ今年で8回目のこの賞だが、大賞・佳作の受賞者から現在作家として活躍している人もすでに出てきている。これからの児童文学の担い手が、この賞から続々と現れてくることを願ってやまない。
2009年12月
ジュニア冒険小説大賞選考委員会
第7回選考経過 - 2014.12.24
第7回を迎えたジュニア冒険小説大賞に、今年は83編の応募原稿が寄せられた。歴代でも2位の総数である。昨年からは約30編増加したこととなり、数年続いていた減少傾向に歯止めをかけることとなった。この応募数の増加理由を明確に分析することは難しいが、この賞が歴史を重ね、受賞作が世に出て評価をうけ、世間から認知される存在になりつつあるのであったら、これほどうれしいことはない。また、そうした流れの中で、今後の受賞作がベストセラー化したり、各種の新人賞を受けたりするようなことを願ってやまない。
今回の選考経過だが、応募数が増えると質が下がるという定説を覆し、例年に比べてレベル自体が上がっていると感じられたが、よく似た作品も見受けられた。応募作品にはぜひ、新人らしい型破りのものがほしい。思いつきの設定ではなく、自分の気持ちの中から出てきたものであってほしい。
さて、第一次選考は、例年どおり全ての作品を対象に行われた。11作品が通過した。
「地図屋を継いだ顛末のこと」 笛吹 やよい
「ぼくらが大人になる日まで」 深月 ともみ
「悪夢で逢いましょう」 さいか たすく
「目に映る全てのものが、食物に見えてきた」 フランク・鰤杜
「あまたの闇に流れる淡星」 遠山 裕子
「錬金術師はくもりのち晴れ」 里 洋子
「ランプとロープ」 在上 水悠
「夜猫夜話」 天城 れい
「はちみつドロップス」 星月 むく
「崩し屋リャンテ」 橘子庵
「七番目はここにいる」 如月 かずさ
この11作品を対象に第二次選考を行った。その結果、次の4作品が最終選考に残り、最終選考会で討議された。
「地図屋を継いだ顛末のこと」 笛吹 やよい
「ぼくらが大人になる日まで」 深月 ともみ
「夜猫夜話」 天城 れい
「七番目はここにいる」 如月 かずさ
選考に入る前に、二次選考を通過できなかった7作品について、1つずつ作品を検証した。
選考委員の一人が「アイデア、物語の展開、文章」を物語の3つの条件として挙げた。その観点からいうと、パターン化された物語であったり、説明不足であったり、話の展開が遅かったり、設定の詰めが甘かったりするものが7作品には多く見受けられた。
ユニークなアイデアで独特の世界観を創りあげ、スピード感あふれる展開で真のエンターテイメント作品を書き上げ、ぜひまた応募していただきたい。
最終選考の対象となった4作品は粒揃いで、各賞を選ぶにあたって、熱い議論がくりひろげられた。
以下が、各作品についての講評である。
「地図屋を継いだ顛末のこと」 笛吹 やよい
「地図屋」の仕事をしている伯父が道中倒れ、帰らぬ人となる。そこに実の娘と偽るスリの娘が現れて…という物語。
大人向けとしたらよく書けていると言えるが、子ども向けとしては難しいという声がまず上がった。オリジナルのアイデアは絶賛された。タイをそれとなくイメージした設定、展開の仕方、仕掛けなどもうまいと高評価だった。しかし、まだ十分に書きこなしていない面もある。特にラストはあっけない。主人公をもっと骨太にして、年齢を上げたほうがいいかもしれない。長編にしたり、アニメなど映像にしたらおもしろいだろうし、イメージする世界がはっきり見えてくるのではないか、という声もあった。ただし、作品自体が小学校高学年からが読者対象のこの賞向きではないのが非常に残念。これだけ書けるのなら、もっと冒険ができる。この設定を使って、世界を広げてほしいという期待が寄せられた。
「ぼくらが大人になる日まで」 深月 ともみ
ある小学校の鳥居には、子どもたちの願いをかなえる不思議な生き物が住みついているという伝説があった。そこで工事が行われることになり…という物語。
まず型どおりにしっかりできあがってはいるが、新味はないという意見が出された。しかし書き手の観点からいうと、最後まで息切れしないのがすごい。生徒と先生の会話が世相を反映していたり、話のもっていきかたがなかなかうまい。物語のなかの伝説も上手に作られている。鳥居の中にいる不思議な生き物のネーミングも「大きくなるにつれて忘れてしまう」という伝説のありかたもとてもいいという声も出された。よく読むと展開で「あれ?」と思うところはある。よく練られているが、最後の対決の場面がたわいないのが残念という声も聞かれた。
「夜猫夜話」 天城 れい
しゃべることができる不思議なネコとの交流で、少年が徐々に変わっていく物語。成長物語としてきちんと創りあげられているというのが全般的な評価だった。しかし、ネコの誘導で少年が空中を歩く場面で説明がない。ファンタジーだからこれでいいかな、とも思うが、「目が光るときには魔法の力が…」など約束事がほしい気はするという声が上がった。また、ラストにネコが死んでしまうことについても議論があった。成長物語では定説かもしれないが、「どこかで生きている」ことにして、ふっと消えて行方不明のままのほうがよかったというのが概ねの意見だった。物語の舞台として、鎌倉を意識させているところが少し鼻につくわりに、鎌倉の必然性は感じさせない。作品世界が意外と小さいという声もある。夏祭りの雰囲気もう少し描写だせればよかったのではないか。また、たこ焼き屋の主人のキャラクターをもっと親近感をもてるものにしたらおもしろかったという意見も出た。
「七番目はここにいる」 如月 かずさ
学校に伝わる物騒な七不思議の怪物が次々と現実に現れるようになり、その秘密を探るべく子どもたちが動き出す…という物語。
細かいところに文章の荒さはあるが、ストーリー展開が群を抜いてうまいと高評価を受けた。出だしに事件が起きて、伏線になっていること。消えたものをまた戻らせるラストの処理についても絶賛された。他には、ライトノベルによくある書き方で、勢いがいい。場面のイメージがとてもいい。絵がイメージできる。場面ごとにストーリーを終わらせている。アニメ的なカットを積み重ねていく感じがするという意見があった。ただし、タイトルへの若干の工夫がほしい。また、陰陽師が出てくるが、それに西洋魔術が対抗している(六芒星)のが少しおかしい。どうせ出すのなら、五芒星のほうがいいのではないか、という声も。全般的には、今後の作品に期待したい書き手、という評価だった。
以上、最終選考会で各作品について討議を重ねた結果、発表のとおり、「七番目はここにいる」が大賞を、「ぼくらが大人になる日まで」と「夜猫夜話」が佳作を受賞とすることになった。
物語に必要な三大要素は、「アイデア、展開、文章」というのが選考委員の一人が挙げた事柄であったが、公募作品には、その賞自体が求めているものに確実に応えることも必須であろう。すなわち、読者の年齢にふさわしい内容、キャラクター設定、文量などがジュニア冒険小説大賞向きかどうかが受賞に結びつく重要な要因となる。そういう意味では、今回惜しいと思われるものもたくさんあった。腕に磨きをかけて、ポイントを外さずに、ジュニア冒険小説大賞にふさわしい、たくさんの作品のご応募を期待したい。
2008年12月
ジュニア冒険小説大賞選考委員会
第6回選考経過 - 2014.12.24
大賞 「滝まくらの君」牧野 礼
佳作 「泥濘城のモンスターとひとりぼっちのココ」石川宏千花
ジュニア冒険小説大賞も今年で第六回を迎えたが、今回の応募総数は五十四点、残念ながら三年連続の減少となった。
応募作品の一覧を拝見していると、見知った名前が目につく。二度三度と応募してくださるとお名前は、自然と頭に残るものだ。しかしいつの回も、初めて見るお名前が圧倒的に多い。応募数が減っている原因はさまざまあるのだろうが、一度原稿を送ってみて選考経過のどこにも自分の名前が見られないと、それでもう諦めてしまうという人が多いのかもしれない。
主催者側は、最終的に有望な新人、魅力的な作品が得られればよいのであって、そのことに応募総数の多寡は直接の関係はないのだが、それでも数が減っているのは寂しい。逆に、応募する方たちにとって応募数の減少は、チャンスといえなくもないが……。
さて、第一次選考は例年どおり全ての作品を対象に行われた。昨年同数の次の九作品が第一次を通過した。
「桃と青〜ツヨクなるための冒険」川上あゆみ
「なべの中で世界はおどる」七野悠己
「泥濘城のモンスターとひとりぼっちのココ」石川宏千花
「滝まくらの君」牧野 礼
「お絵かき教室の占い師」松山千夏
「マイケル・ジョージの冒険」宗谷つとむ
「アディテの邪伏記」橘子庵
「革命の朝」切波大貴
「眠れるBOYのミント」丸山美幸
この九作品を対象に第二次選考を行った。その結果、次の四作品が優秀作として最終選考に残り、最終選考会で討議された。
「なべの中で世界はおどる」七野悠己
「泥濘城のモンスターとひとりぼっちのココ」石川宏千花
「滝まくらの君」牧野 礼
「眠れるBOYのミント」丸山美幸
選考に入る前に、二次選考を通過できなかった五作品について、それぞれの長所と短所の確認が行われた。二次選考に残っただけに、どの作品も見所はあるのだが、テンポが悪い、重たい、救いがないなど、これ以上に進めない難点があった。人物像が浮かんでこない、ゲームの画面のようで小説になっていないなど、最近の応募作の多くに見られる傾向の指摘もあった。
最終選考の対象となった四作品は、それらの作品に比べ、魅力も上回り、致命的な瑕もなかった。
以下が各作品についての講評である。
「なべの中で世界はおどる」 古代中国奥地の小王国を舞台に国の運命が王子の料理の腕にゆだねられてゆくという物語。いま流行の料理人物語と国家の争乱の組み合わせという新しさが目をひき、おもしろく読ませたが、選考委員の評価は分かれた。ファンタジーとはいえ戦争と料理を同じ重さで扱ってよいのかという辛口の意見と、子どもにとってはわかりやすく、ファンタジーなのだからよいという意見であった。レシピや時代考証について信憑性を問う声、設定についてもやや中途半端な感じがするという意見もあった。
「泥濘城のモンスターとひとりぼっちのココ」 泥にすがたを隠した主人と心優しい召使の少女という、「美女と野獣」パターンの物語。 化け物と化した主人に魅力があった。召使の娘の田舎なまりなども含めて、類型的ではあるがよくできているという評価であった。その上で、後半に結論を急いだ観があり、前半がよかっただけに構成に難ありというところは選考委員の意見が一致した。丁寧に描かれたところと荒く書き飛ばされたところの差が目についた。
「滝まくらの君」 日本的古代王朝を舞台にした冒険ファンタジー。背伸びした言葉づかいは感じられるものの、二十三歳という年齢にしてはよく書けているという評価だった。登場するキャラクターの変化の扱いがやや単純で、扱い次第でもっとおもしろくできそうだという声もあった。この手のライトノベルではありがちで、読者の側にもそれを楽しむ向きもあるのだが、漢字表記とかな表記の書き方の不統一や凝った固有名詞の多用はやはり気になった。大きな世界の広がりがないのは残念だが、設定としてやむをえないだろうという意見もあった。
「眠れるBOYのミント」 他人の眠気をうばって商売をする睡魔、身近なところにいたその仲間と闘う男の子たちの物語。書きなれていて会話のやりとりが巧みという評価だったが、仕掛けがややこしくもっと単純でいい、おふざけが生っぽくこなれていないなどの意見が出された。やや低グレード向きの作品であった。科学的な意味での瑕も、一、二、指摘された。
以上、最終選考会で各作品について熱心に討議を重ねた結果、発表の通り、「滝まくらの君」が大賞を、「泥濘城のモンスターとひとりぼっちのココ」が佳作を受賞することとなった。
二〇〇枚近い作品を書き上げるのは並大抵の作業ではない。選に残れなかった人が、オホメの言葉の一つもなしに次の作品に取り掛かるのには、そうとうの情熱がいるだろう。これまでに、初めて書いた作品が本になったという人がいないわけではないが、物書きと呼ばれる人の多くは不安なままに地道な努力をかさねてデビューを迎えている。今回、選外という結果に終わった方たちも、一度や二度のチャレンジで諦めず、次回以後も応募を重ねてくださるよう願っている。
2007年12月
ジュニア冒険小説大賞選考委員会
第5回選考経過 - 2014.12.24
本賞の応募締め切り1週間前になると、応募原稿の山は目に見えて高くなっていく。「今年もジュニア冒険小説大賞の季節がきたなと、選考委員も期待をこめて原稿の数々をながめるものだが、その賞も今年で5回目をむかえた。
今回の応募作品総数は58編で、昨年の第4回を下回り、残念ながら二年連続の減少となった。児童書も含め出版業界全体で文学賞の公募が増えていることや、各賞の締め切り時期との兼ね合いもあると考えられるが、やや寂しさが感じられた。さらに多くの応募作品を集められる賞となるべく、力のある書き手を見いだすよう尽力することを念頭に置きながら、選考に臨んだ。
第一次選考は、例年どおり全ての作品を対象に行った。応募総数に比例したのだろうか、今回は例年より少ない9作品の通過となった。
「瑠璃色の月の下で」 トオル金太郎
「山の火 水の月」 巣山ひろみ
「風の剣 アテルギの物語」 宮沢 一
「宇宙からきた留学生」 山本大介
「サティン・ローブ ユーラの冒険」 浅見理恵
「人魚姫の騎士」 牧野 礼
「ぼくらの妖怪封じ」 香西美保
「月鏡」 森生千晶
「天人米蘭と燐の物語」 八坂まゆ
この9作品を対象に第二次選考を行い、次の六作品が優秀作として最終選考に残った。
「瑠璃色の月の下で」 トオル金太郎
「サティン・ローブ ユーラの冒険」 浅見理恵
「人魚姫の騎士」 牧野 礼
「ぼくらの妖怪封じ」 香西美保
「月鏡」 森生千晶
「天人米蘭と燐の物語」 八坂まゆ
最終選考に臨んで選考委員たちが一致して述べたのは、「今年は物語が小ぶりの作品が多く、これだという判断をくだしにくい」という感想である。各回ごとに新しい切り口での冒険小説を選出してきたつもりではあるが、過去4回の大賞作品の傾向を見て、応募者の指向がやや固定化してきた可能性もあるだろう。そのためか、選考委員それぞれの各作品への評価も、例年に比べると少々辛口であった。
以下が各作品の講評である。
「瑠璃色の月の下で」
これはSFとファンタジーの要素が相半ばする作品という印象であった。月世界の化け物との戦いの場面はスピード感があっておもしろく、楽しんで読ませる。ただし人物名などのカタカナ表記と漢字の言葉の使い方に規則性や統一性が感じられず、物語の流れも勢いにまかせるあまり少々読者からはなれてしまった。アニメにしたらおもしろいのかもしれない、読者年齢を考慮していない、との声もあった。
「サティン・ローブ ユーラの冒険」
最終選考に残った作品の中では、小ぶりながら物語がよくまとまり、文章がしっかり書けているファンタジー作品であった。登場人物のひとりひとりが話の中にきちんと組みこまれて、動きに無駄がなく、キャラクターだてもおもしろい。名前にも統一性がある。ただ一度出てきた人物を、読者が正確に覚えているものとして書き急いでいる点は残念であった。また、若干エピソードのくり返しが気になるが、概ね好評であった。
「人魚姫の騎士」
ストーリーはおもしろかったが、文章にちぐはぐなところがあり、まだ自分の文体が確立できていない、背のびした印象も残る。物語の視点が都合によって移りがちな点も気になった。登場人物が多く、世界を広げすぎて手に負えなくなった感じである。オズの魔法使いを連想させたが、もう少し洗練が必要であろう。それでも今後に可能性を感じさせた作品であった。
「ぼくらの妖怪封じ」 作品のプロットがしっかりしており、文章も過不足なくまとまっている。?時間?の問題などに若干のキズは見られるが、設定に無理がなく、登場人物も出たきりということがない。悪人を登場させずに物語を構成したことも、ありきたりでない味わいをつくりだしていた。真相があばかれるときにもっと盛り上げられるような気もしたが、かといって読後感は悪くなかった。
「月鏡」
物語自体は非常におもしろい作品である。中国神話についての知識も深く豊富で、作品の質が高められ素晴らしかった。ただ、残念ながら本賞の掲げるジュニア冒険小説ではなく、大人向けの仕上がりであった。大人の読者でも読みこなすのは中々だろう、と選考委員をうならせるほど、巧みな文章と構成力である。今後の執筆活動に期待したい。
「天人米蘭と燐の物語」
世界観がおもしろく、作者の知識の深さも感じられる作品。だが原稿枚数のわりに動きが少なく、説明的な部分が多いので、エンターテインメントとしては物足りない印象をもつ。設定をうまくいかし、環境問題をより深め、もっとやさしく書くと成功したかもしれない。小学生や中学生にわかりやすく書くことを考慮してもらいたかった。
このように最終選考会で各作品が討議された結果、「ぼくらの妖怪封じ」が大賞を、「サティン・ローブ ユーラの冒険」が佳作を受賞する運びとなった。「ぼくらの妖怪封じ」は、作品の構成力、完成度で評価が高く、満場一致で大賞受賞が決まった。佳作の作品は、大賞には一歩及ばずというところだが、構成力のあるおもしろい作品だと評価された。
近年の傾向として、パソコンの文字変換機能のためか、難解な漢字を多用し、物語世界を奥深くみせようとする作品が多く見られる。多少の背のびはわからないでもないが、書き手の操れる言葉で、読者の子どもたちが夢中になる物語を生み出すことが一番大切だということを忘れずにいてもらいたい。
本賞は、創設以来、小学生から年配の方まで幅広い年齢の方々に応募していただいている。作品のおもしろさは年齢によるものではない。次回も、児童文学界を盛り上げるような心躍る冒険物語の誕生を期待したい。
2006年12月
ジュニア冒険小説大賞選考委員会
第4回選考経過 - 2014.12.24
2002年からはじまった本賞も、今年で第4回をむかえることとなった。
今回の応募作品総数は、71編で、昨年の第3回をわずかに下回ったが、全体として作品のレベルは確実に上がってきているという手応えがあった。
第一次選考は、全ての作品を対象に行い、以下の十二作品を通過作とした。
「放課後クエスト」 大崎 梢
「水妖の森」 廣嶋玲子
「ヤドカリ 〜葛之葉町*怪獣綺譚」八坂まゆ
「透明人間ルゥとキィ」 おおのさとみ
「ホーリーバード」 村井貴紀
「エルドミア大陸記・ハルカナ国伝」三原島海
「光の島」 山本大介
「博士!」 安井由六
「光の国の首飾り エリーとその仲間達」山畠裕志
「七不思議デビュー」 黒島大助
「スパイス島の探偵」 熱田ミハル
「負けられないバトル」 星月むく
この12編を対象に第二次選考を行い、次の7作が優秀作として最終選考会にかけられることになった。
「水妖の森」 廣嶋玲子
「ヤドカリ 〜葛之葉町*怪獣綺譚」八坂まゆ
「エルドミア大陸記・ハルカナ国伝」三原島海
「光の島」 山本大介
「七不思議デビュー」 黒島大助
「スパイス島の探偵」 熱田ミハル
「負けられないバトル」 星月むく
最終選考の冒頭に、複数の選考委員より、各作品の完成度がおしなべて高くなっているという感想が改めてだされた。
そのなかでも、文章力に優れ、独自の世界がしっかりと構築されている「水妖の森」を、大賞に推す声が強かった。ところどころ難解な言葉がつかわれていたり、ウラーという怪物が支配する世界についての描写がやや単調と思われる部分など、いくつか欠点はあるものの、テンポ良く場面が展開し、読み手を物語に引き込む魅力は、最終候補に残った作品のなかでも随一と評価が高かった。主人公である少年自身の成長とともに、水妖という重要なキャラクターが、少年の影響をうけて変容し成長していく。「冒険と成長」の要素が二重の構造となっている点も、作品の味わいを深くしていると評価された。
「ヤドカリ〜葛之葉町*怪獣綺譚」つぎつぎに視点が変わっていく手法で書かれた作品。複数台のカメラでとらえた映像を順に切り替えていくような、映像的なおもしろさを生み出しており、アニメに慣れた若い読者に喜ばれる要素がありそうだという声があがった。ただし、視点の切り替えが、ときに作者の都合によって行われており、ともするとドタバタとした印象をもたらすあやうさがある。文学としてのおもしろさという点に、もっとこだわってもらいたかった。
「エルドミア大陸記・ハルカナ国伝」冒険小説の王道的な世界観でえがかれた作品。背後にもっと長大なストーリーがあることがうかがえて魅力的であった。しかし今回の作品では、その魅力が充分に伝わりきらず、ものたりない印象がのこった。また、主人公をふくむ登場人物の話し言葉の「軽さ」や、「アー」「うー」など、あいまいな表現について、違和感を覚えるという意見もあがった。会話文の品格を落とさずに、いかに「ユーモア」を成立させるかが課題となりそうだ。
「光の島」おもしろい物語なのだが、文章表現に説明調が目立つとの意見が多かった。とくに、プロローグが終わり第1章にはいってもあらすじ調のような書き方が続くのは、小説として如何なものかという厳しい意見があった。構成面においては、「海竜が、実は機械である」という最大のポイントが、早くにネタバレしている。そんなところにも不満がのこった。
「七不思議デビュー」発想のおもしろさと、会話文のうまさが光る作品。全体としては、文章の粗さが目立ち、未熟な点も多いが、定番の七不思議エピソードを、思いもつかない方法で組み合わせ、新しい妙味を生みだした感覚のユニークさは高く評価された。文章はいたずらに巧みをこらすのではなく、洗練を心がけると、読者が自然と共感をよせるものになるはずである。
「スパイス島の探偵」童話風の作品で、最終選考に残った作品の中では、もっとも対象とするグレードが低い。主人公が、6年生となっているが、それにしてはずいぶん幼く、印象としては、2、3年生程度にしか読み取れないという意見があった。悪者が登場しない。必ずそうでなくてはいけないということはないが、そのことをカバーする膨らみに欠け、やや物足りなさを覚える。
「負けられないバトル」文章の完成度が高く、平均的に良くできている。しかし、話がすっきりとまとまりすぎて、こじんまりとした印象をうけるという意見があった。また、前半部分は世界観についての説明がくどく感じられた。ただし「表の世界/裏の世界」という世界設定については、よくある「パラレルワールド」ものとひと味違う工夫が感じられた。
こうして大賞1編と佳作3編が選ばれた。偶然とはいえ、受賞作4編の作者がすべて20代であったことは、本賞のフレッシュな特質の表れだろう。またこれまで回を重ねて、大賞受賞作品にひとつの傾向がみえてきたようだが、これは選考委員会が意図したものではなく、あくまで偶然である。「冒険」の世界は広く深く、次にどんな傾向の作品が大賞をとるのかは誰にも予想できない。選考委員会としては、つねにフレッシュ(年齢とは関係なく)でユニークなエンターテインメントをもとめているのである。
2005年12月
ジュニア冒険小説大賞選考委員会
第3回選考経過 - 2014.12.24
本賞の応募規定は、募集作品について、「冒険心に満ちあふれた物語であれば、ジャンルは問わない」とうたっている。第一回の大賞『ぼくらは月夜に鬼と舞う』は、現代の日本に暮らす男が、日常の世界と異界とを行き来しつつ、鬼と対決をする怪異物語。第二回の大賞作『ねこまた妖怪伝』は、さまざまな妖怪との戦いを通して育む妖猫ミィと超能力少女まなかの友情物語だ。二作とも岩崎書店から刊行されたが、イラストのタッチも異なり、読者はずいぶんと違った印象をうけただろう。
今年は三回目の公募となるが、今回の受賞作が刊行されると大賞受賞の本が三冊になり、応募者の方たちにも「ジュニア冒険小説大賞」がもとめているものが、見えてくるかも知れない。そんなことを考えながら選考に臨むことになった。
今回の応募作品総数は99編であった。前の二回をわずかではあるが上まわり増加傾向にある。
第一次選考はすべての作品を対象に行い、以下の12作品を通過作とした。
「勇気のカード」 山本ひろし
「天狗の夏休み」 森 和
「おにぎり兄弟」 村瀬継弥
「フィースーの盗んだ宝物」 堀江真紀
「世界を変えるもの」 萩下昭宏
「まぼろしの王国物語」 小浜ユリ
「龍神像は金にかがやく」 大崎 梢
「テオとムージー・グリムーン」 廣嶋玲子
「青き竜の伝説」 久保田香里
「ダークティアー 闇の裂け目」 花島秋司
「生態刑」 城宝理佳子
「神の座」 大森和哉
この一二編を対象に第二次選考を行い、次の六作品がふるい落とされた。
「おにぎり兄弟」はユニークな庶民物語なのだが時代考証が無視されている、「フィースーの盗んだ宝物」は物語にもっとメリハリと工夫がほしい、「世界を変えるもの」は会話中心につづられてアクションや情景描写がたりない、「テオとムージー・グリムーン」は殺しをかんたんに扱いすぎる、「ダークティアー 闇の裂け目」は物語性が弱く無駄な部分もみられる、「神の座」は観念的で小説としての魅力が弱い、などの点がマイナス評価となった。
この段階で姿を消した作品は、アイデア・文章力などいずれかの点にみるべきものがあるのだが、概して作者の思い入ればかりが先行して、読者への配慮と工夫に欠けていたようだ。
最終選考に残った六編は以下の通り。
「勇気のカード」 山本ひろし
「天狗の夏休み」 森 和
「まぼろしの王国物語」 小浜ユリ
「龍神像は金にかがやく」 大崎 梢
「青き竜の伝説」 久保田香里
「生態刑」 城宝理佳子
第二次選考を終った時点で、選考委員たちの間に、今年はこれで決まりだろうという思いを抱かせる、どの角度から見ても合格点の作品はなさそうだった。
「勇気のカード」 三枚のカードに導かれ、山の遭難・航空機事故・マンション火災と、次々に危険な場面に放りこまれていく物語。文章もよく、危機を脱出していくサバイバル場面は読者を引きこむ。ただし意外性が弱く、最後のまとめ方を工夫すればもっとおもしろくできそうな作品である。
「天狗の夏休み」あこがれの先生を救うために天狗の神通力を身につけて天狗と戦うといったお話。山の分校を舞台にしている。やや古風な生活童話タイプではあるが、話の進め方には好感がもてる。いまの子どもたちを引きつける魅力的な天狗を描いてほしかった。
「まぼろしの王国物語」小説の中の王国にまよいこんだ六年生の女の子が、王子を助けるために仲間とともに活躍するストーリー。姫や魔王の城、悪大臣がでてくるありがちなファンタジーだが、大きな破綻がなく主人公の造型も悪くない。
「龍神像は金にかがやく」子どもたちが伝説の村の宝を探しだし、宝をねらう何者かから守ろうとする話で、なぞときの展開が読者を引きつける。文章もよかった。人物も書き分けられ、よく動いている。ただ、結末をふくめ全体のまとまりにやや難があった。
「青き竜の伝説」倭の東征に材をえて、東国の村の少年と倭の王子との友情と成長を描いた物語。巫女と土地の精霊の竜との存在が物語をふくらませて読みごたえのある作品に仕上がっている。その反面、やや複雑で子どもたちには読みとりにくい恐れも感じられた。
「生態刑」家畜が力を持ち人間が収容所で管理される世界を描いている。タイトル通りのエコロジーのテーマをパラレルワールドに託した物語で、志は買えるのだが、子ども向きにはやや押しつけがましい観が否めなかった。
本賞は、単なる創作コンクールとはちがって、大賞となった作品を単行本として出版する新人賞だ。最終選考会では、物語のおもしろさ、作品の完成度、本賞にふさわしい作品かどうか、作者の将来性など、さまざまな角度から討議が行われた。
その結果、昨年佳作を受賞し、今回はそれ以上の完成度をみせてくれた久保田香里さんの「青き竜の伝説」が大賞に決まった。
佳作には、山本ひろしさんの「勇気のカード」、小浜ユリさんの「まぼろしの王国物語」、大崎梢さんの「龍神像は金にかがやく」が選ばれた。
第三回の大賞作は古代ファンタジーに決まった。結果的にジュニア冒険小説大賞の三本はそれぞれ毛色のちがう作品である。応募者はさらに迷うことになるのだろうか。要するに作品次第だ。主催者はこれからも子どもたちがワクワクしながら楽しめる冒険の物語を期待している。
2004年12月
ジュニア冒険小説大賞選考委員会
第2回選考経過 - 2014.12.24
公募の発表から締切りまでには半年ほどの期間があるが、応募原稿のほとんどは締切り前の一週間に届く。選考委員会にとってのその一週間は、今回どれくらいの作品が送られてくるのだろうと、そのことを心配する日々となる。
「ジュニア冒険小説大賞」は今回が2回、スタートしたばかりだ。この賞が市民権を得るには、大賞をとって出版される本が、広く話題になってくれることしかない。そのためにも、胸おどらせる物語、冒険の魅力にあふれた物語が集まっていてほしいと祈りながら選考の時期をむかえた。
今回の応募作品総数は七七編であった。昨年の第1回をわずかに下回ったが、問題は集まった作品の質である。第一次選考はすべての作品を対象に行い、以下の11作品を通過作とした。
「神の満ちる夜」 芦名レイ
「わたわたりの木」 梶原幸恵
「闇姫魔鬼」 斉藤みゆき
「水神の舟」 久保田香里
「ねこまた妖怪伝」 藤野恵美
「牙の刻印」 吉里みしん
「おとぎ少女」 橘さくら
「嵐がやってくる」 齋藤たかえ
「0級の魔法使い」 田中宏昌
「不思議屋の主」 北条伶夜
「姫神町怪談・まひるのつきよ」 牛島慶子
この11編を第二次選考の対象として、最終選考に残す作品のしぼりこみを行った。
第1回の大賞受賞作(藤沢呼宇・作/目黒詔子・絵『ぼくらは月夜に鬼と舞う』)が出版されたことにより、これと似たような味わいの作品がふえていた。そして五作品が脱落した。それらの作品について、印象が暗く作品に躍動感が欠けている(「神の満ちる夜」)、殺人の扱いがゲーム的で創作の姿勢に疑問がある(「闇姫魔鬼」)、無駄な会話が多く感情移入がしにくい(「牙の刻印」)、話が未整理で構成に失敗している(「0級の魔法使い」)、独りよがりの感じで前段で抱かせた期待が継続しなかった(「不思議屋の主」)などの感想が聞かれた。
最終選考に残った六編は以下の通り。
「わたわたりの木」 梶原幸恵
「水神の舟」 久保田香里
「ねこまた妖怪伝」 藤野恵美
「おとぎ少女」 橘さくら
「嵐がやってくる」 齋藤たかえ
「姫神町怪談・まひるのつきよ」 牛島慶子
1次・2次をくぐりぬけてきた作品の完成度は前回以上だという感想が各委員から出された。
「わたわたりの木」 人間に種を植付けて生きようとする木と、木にねらわれた少女との闘いを描いたバイオ・ホラー。
話はおもしろく、気色悪くなりがちなテーマをうまく処理している。ただし、書き手がその世界に溺れすぎたのか、構成に難がある。もっと話を整理してほしかった。
「水神の舟」 舞台は平城京・難波宮という古代冒険ファンタジー。荷舟で身を立てていた少年と帝の娘が、不当に権力を握ろうとする者たちの手から、ふしぎな力をもつ瑞祥の亀を守る話。
物語はよくできていて、考証的にもきちんとしている。ただ、主人公の活躍の場がなく痛快な読み物となっていないところが、やや物足りない。
「ねこまた妖怪伝」 やさしい超能力少女と知り合ったさすらいの妖猫ミィ。人間世界の支配をたくらんで、魔境から妖怪たちを呼びだそうとするカラス天狗によって、窮地に追い込まれた一人と一匹の冒険物語だ。
ほかにもさまざまな妖怪・妖怪ハンターなどがにぎやかに登場するのだが、主人公のキャラはそれらに負けることなく魅力的に描かれている。ドラマ運びもうまい。グレードがやや低めであること、主人公が人間でないことなどが、論点となった。
「おとぎ少女」 1970年代を舞台にしたミステリー。超能力少女亜里紗が、他人の夢に入りこんだことなどをきっかけに、幽霊や魔物があらわれる奇怪な事件に巻きこまれていく。
達者な筆致でおもしろく読めるのだが、読者対象である子どもたちへの配慮にかけ、やや大人向けの物語になってしまった。なぜ時代を七〇年代に設定したのかもよくわからなかった。
「嵐がやってくる」 異界奉行妖怪改め方見習いの小学生嵐が、つくも神となった古書の妖怪をあいてに繰りひろげる闘いの物語。
単純なストーリー展開ではあるが、なかなかおもしろかった。ただし、全体にややゴタついた印象がある。構成がうまく決まっていないためだろう。やさしく書かれているようで、ときおり難解な言葉が無神経に使われているという、ちぐはぐなところもあった。
「姫神町怪談・まひるのつきよ」 予知能力をもつ真日琉が、病弱な双子の姉やクラスメイトとともに鬼との闘いを繰りひろげる劇画的なホラー・ミステリー。
話もよくできていておもしろく、最終選考まで残ってきた。だが規定枚数を大幅にオーバーしており、残念ながら内容にかかわりなく受賞対象からはずされることになった。
以上6作品について長時間にわたって討議をした結果、「ねこまた妖怪伝」が作品の完成度、楽しさ、おもしろさなどで万遍なく高い評価を受け、大賞に決定した。「水神の舟」と「嵐がやってくる」が佳作に選ばれた。
本賞の応募資格は、児童文学のジャンルで商業出版のない者となっていて、ジャンルが異なれば既成の作家でも大歓迎だ。ただし、原稿枚数の大幅なオーバーは選考対象外となる。
次回は質量ともに今回を上回る応募を期待したい。児童文学の世界に冒険小説の新風を巻き起こすのが選考委員一同の願いである。
2003年12月3日
ジュニア冒険小説大賞選考委員会
第13回 ジュニア冒険小説大賞 受賞作品 - 2014.12.24
第12回 ジュニア冒険小説大賞 受賞作品 - 2014.12.24
第11回 ジュニア冒険小説大賞 受賞作品 - 2014.12.24
大賞 「宇宙犬ハッチー」かわせ ひろし
佳作 「オサキ狩り」泉田もと
受賞の言葉
「宇宙犬ハッチー」かわせ ひろし
この度このようなすばらしい賞をいただき、あのとき受け取ったものを今度は伝えていくのだと、また新しいわくわくした気持ちを感じています。本当にありがとうございました。
「オサキ狩り」泉田もと
もしかしたら、その頃から自分でも気がつかないうちに「書く事」への憧れのようなものが心の隅っこにあったのかもしれません。
子どもの手が離れ、自分の時間が少し持てるようになってからぽつりぽつりと「お話」を書くようになりました。
そのひとつが今回このようなすばらしい賞をいただき、心からうれしく思います。
選考委員の先生方、岩崎書店の皆さま、本当にありがとうございました。
第10回 ジュニア冒険小説大賞 受賞作品 - 2014.12.24
大賞 「転校生は忍びのつかい」加部鈴子
佳作 「ペペ&ケルル どろぼう大作戦!」緒昵吉乃
受賞の言葉
「転校生は忍びのつかい」加部鈴子
思いがけずすばらしい賞をいただき夢の様です。たくさんの方に読んでもらい、少しでも明るい気持ちになってくれたら、こんなに幸せなことはありません。本当にありがとうございました。
「ペペ&ケルル どろぼう大作戦!」緒昵吉乃
ためになる大事なことって、怖いお話、悲しいお話、厳しいお話の中にあるのかもしれませんけど、やっぱり楽しいお話が好き。登場人物が元気いっぱい、がんばる楽しい物語が好き。だって、記憶にあるのは全部楽しい本ばかり。
そんな物語を作りたいと思って筆を執りました。パソコンのキーボードですが。
今回、そうして作ったお話に然るべき方々の評価を頂ける機会を得られ、とても嬉しいです。
ありがとうございました。
第9回 ジュニア冒険小説大賞 受賞作品 - 2014.12.24
大賞 「花の巫女」(受賞時タイトル「百花怪談あやしの火」) 三木聖子
佳作 「ペンギンの水平線」 山木麗子
佳作 「飛翔の村」 西村友里
佳作 「龍の赤ん坊にフカシギの花を」 可西氷穏
受賞の言葉
「花の巫女」(受賞時タイトル「百花怪談あやしの火」)三木聖子
受賞の知らせを聞いたときは夢見心地でした。皆さんに何と感謝の言葉を述べたら良いのでしょう。とにかく書き続けることで、そういった気持ちも表していけたらと思います。この度は、まことにありがとうございました。
「ペンギンの水平線」 山木麗子
選考委員の先生方、岩崎書店の皆さま、ありがとうございました。
「飛翔の村」 西村友里
そんなメッセージを伝えたくて、このお話を書きました。
お説教にはフンって向こうを向く子どもたちも、お話には喜んで入って来ます。
一人でも多くの子どもたちに届く言葉を探して、これからも書き続けていきたいと思っています。
選考委員の先生方、岩崎書店の皆様、本当にありがとうございました。
「龍の赤ん坊にフカシギの花を」 可西氷穏
そして、何よりも、これからも小説を書いていく意欲と勇気という副賞をいただけたことに感謝、感謝です。なんだか、急にいろんな物語の構想が浮かんできて、毎日がわくわくする時間に変わってしまいました。本当にありがとうございます。
第8回 ジュニア冒険小説大賞 受賞作品 - 2014.12.24
大賞 「百年の蝶」(受賞時タイトル「コクリの子」) 深月ともみ
佳作 「妖気な五レンジャーと夏休み!」 高森美由紀
受賞の言葉
「百年の蝶」(受賞時タイトル「コクリの子」) 深月ともみ
けれど、思い込みから始まった夢は、本気の夢に。書き続けていいのかと悩む日もありましたが、初めて「作家になる」と決意した素直でアホだった自分を、褒めてやりたいと思いました。
選考委員の先生方、岩崎書店の皆さま、すばらしい賞を与えてくださり、本当に嬉しいかぎりです。
より良い作品を創れるよう、これからも精進したいと思います。ありがとうございました。
「妖気な五レンジャーと夏休み!」 高森美由紀
私にとって物語を書く、ということは自分を全てゆだねる心地いい行為です。書いていて楽しくて仕方ありません。
選考委員の先生方、編集部の皆様に読んでいただけ、感想まで持っていただけ、さらにはこのような煌めく賞までいただけて、夢のようです。これからはもっともっと楽しい作品を書けるように努力し、夢中になって書いていきたいと思います。感謝の気持ちと、嬉しさで一杯です。本当にありがとうございました。
第7回 ジュニア冒険小説大賞 受賞作品 - 2014.12.24
大賞「七番目はここにいる」如月かずさ
佳作「ぼくらが大人になる日まで」深月ともみ
佳作「夜猫夜話」天城れい
「ミステリアス・セブンスーー封印の七不思議」 如月かずさ
今回は思いがけず素晴らしい賞をいただき、本当にうれしいかぎりです。選考委員の先生方、そして岩崎書店の皆さま、若輩な私の作品を評価していただき、ありがとうございました。感謝の気持ちを胸に、これからも心躍る物語を創り続けていきたいと思います。
「ぼくらが大人になる日まで」 深月ともみ
お電話をいただいた時、その時の記憶が蘇ってきました。選考委員の先生方、編集部の皆様に作品を読んでいただけた上、素敵な賞まで頂き、嬉しい気持ちでいっぱいです。
まだまだ未熟者ですが、「おもしろい」と言ってもらえる作品が描けるよう、精進したいと思います。ありがとうございました。
「夜猫夜話」 天城れい
自分の書いた作品が佳作受賞という形で評価していただけたことを、とても嬉しく思います。選考委員の先生方、編集部の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも、より良い物語を書いていけるよう、精進したいと思います。本当に、ありがとうございました。
第6回 ジュニア冒険小説大賞 受賞作品 - 2014.12.24
大賞 「滝まくらの君」 牧野 礼
佳作 「泥濘城のモンスターとひとりぼっちのココ」 石川宏千花
「滝まくらの君」 牧野 礼
選考委員の先生方、岩崎書店の皆様に、心より御礼申し上げます。 私の描いた物語で、読者の方々に、小中学生の私が感じたように心ふるえる楽しさを味わっていただけますように。また、そのような物語を書き続けていけるよう、精進してまいります。ありがとうございました。
〈略歴〉
1983年生まれ。南山大学人文学部日本文化学科にて王朝文学を専攻、卒業。在学中、2004年に「健友館珠玉の童話大賞」長編部門佳作、2005年「創栄出版賞」最終選考。2006年、第30回「子とともにゆう&ゆう児童文学賞」長編部門入選。愛知県在住。
「泥濘城のモンスターとひとりぼっちのココ」
石川宏千花
今回の応募に際しましては、選考委員の先生方、編集部の皆さまから、「読んでもらえた」というごほうびに加えて、佳作受賞というプレゼントまでいただけてしまいました。 少しずつでも前に進んでいくことでしか、お返しすることのできないものを与えていただいたと思っています。本当に、ありがとうございました。
〈略歴〉
1969年生まれ。女子美術大学芸術学部卒業。2007年、第48回講談社児童文学新人賞にて佳作を受賞。東京都在住。
<授賞式の模様>
さる4月11日(金)夜、東京・神楽坂の出版クラブにおいて、第25回福島正実記念SF童話賞・第6回ジュニア冒険小説大賞の授賞式が行われました。この二つの賞は、創作集団プロミネンスと岩崎書店が共同で開催しているものです。
総勢約50人ほど、こじんまりとした集まりですが、その素朴であたたかい雰囲気に「毎年くるけど、この授賞式がいちばん好き」と言ってくださる作家の方もいらっしゃいます。
まず、プロミネンスの中尾明先生より主催者代表のご挨拶をいただきました。
次に、福島正実記念SF童話賞・ジュニア冒険小説大賞の選考経過と賞状授与をそれぞれ石崎洋司先生、眉村卓先生より行っていただきました。時に厳しいお言葉をはさみつつも、これからの飛躍におおいに期待したい、との励ましを込めたお気持ちが伝わりました。
南山宏先生による乾杯のあとは、しばし歓談の時間。歴代の受賞者、プロミネンスの会員、児童書出版社の編集者たちが和やかに交流をしたり、今年度の受賞者へお祝いのご挨拶をしていました。
その後、前年度の受賞者から今年度の受賞者への花束贈呈が行われ、受賞者5人(大賞・佳作)がお一人ずつ、受賞の言葉を述べられました。福島賞大賞の友乃雪さんは、支えてくれた方々への感謝を、冒険小説大賞の牧野礼さんは、若さあふれる初々しい抱負を述べていらっしゃいました。大賞をとった作品で、デビューを飾るお二人にとっては、人生のターニングポイントともいえる瞬間だったでしょう。
最後に、天沼春樹先生よりご祝辞をいただいたあと、弊社編集長の津久井が閉会の辞を述べて、お開きとなりました。
決して絢爛豪華なパーティではないのですが、今年も新しい時代を担う作家の誕生を心よりお祝いする気持ちのこもった式になったのではないかと思います。次の式にどなたを会場にお迎えすることができるのか、とても楽しみです。
第5回 ジュニア冒険小説大賞 受賞作品 - 2014.12.24
「ぼくらの妖怪封じ」香西美保
選考委員の先生方、関係者の方々には心よりお礼申し上げます。
読んでくれた人はわくわくどきどきしてくれるでしょうか。不安半分、楽しみ半分です。楽しんでもらえる作品を書けるよう、これからもがんばっていきたいと思います。本当にありがとうございました。
「サティン・ローブ ユーラの冒険」浅見理恵
自分もそんな物語が書きたい。なのにふくらむのは想いばかりで、物語はいつも言葉の向こうに隠れたままでした。けれど何度も書き直すうちに、主人公が出来事が、 勝手に動き出し物語を綴り始めたのです。
選考委員の諸先生方、岩崎書店の皆様、まだまだ未熟な作品に光を当てていただき、本当にありがとうございました。
第4回 ジュニア冒険小説大賞 受賞作品 - 2014.12.24
「水妖の森」廣嶋玲子
この大きなチャンスを活かすべく、これからも「子供も大人も楽しめる作品を書く」をモットーにがんばっていきたいと思います。まだまだ未熟ではありますが、どうぞよろしくお願いします。最後に、大きなチャンスをくださった選考委員の先生方に本当に感謝いたします。ありがとうございました。
(廣嶋玲子略歴) 1981年横浜生まれ。横浜市立大学卒業。第27回パレットノベル大賞佳作。平成14年度国立劇場新作歌舞伎脚本奨励賞。第4回長編児童文学新人賞佳作。第18回フーコー短編小説賞優秀賞。
「ヤドカリ〜葛之葉町*怪獣綺譚」 八坂まゆ
「七不思議デビュー」 黒島大助
「負けられないバトル」 星月むく
第3回 ジュニア冒険小説大賞 受賞作品 - 2014.12.24
「青き竜の伝説 」久保田 香里
中学のときの寄せ書きに、隣の席の男子が気取って書いたこの言葉が、いま、しきりに思い出されます。いつものように不安と期待の中、結果を待ってはいたのですが、それでもなにやら静かな心もちでいられたのです。精一杯書いた作品だから、思い残すことはない、そんな気持ちでした。あれが人事を尽くして天命を待つだったのかも知れないと、今、思います。天は見ていてくれるのだ。喜びはじっくりとやってきました。
拙い作品に光をあててくださった選考の先生方に心よりお礼申し上げます。また、いつも支えてくれる家族と仲間たちに感謝を。
ところで、改めて読み返してみたら、まるで「人事」を尽くしていないようで。まだいくらでも直せそうです。
「勇気のカード」 山本 ひろし
「まぼろしの王国物語」 小浜ユリ
「龍神像は金にかがやく」 大崎 梢
第2回 ジュニア冒険小説大賞 受賞作品 - 2014.12.24
「ねこまた妖怪伝」藤野 恵美
家に帰って福島賞の歴代の受賞作品を読みました。すると面白い! 他にも色々と読んで、子供の本って面白いなあ、と気づきました。それに自分で書いていても、とても楽しいのです! 児童文学が自分には合っていたのだと思います。そこに福島さんが導いて下さったような気がします。これからも精進していきますので、よろしくお願いいたします。
「水神の舟」久保田 香里
「嵐がやってくる」齋藤たかえ
第1回 ジュニア冒険小説大賞 受賞作品 - 2014.12.24
「ぼくらは月夜に鬼と舞う」 藤沢コウ
家に帰って福島賞の歴代の受賞作品を読みました。すると面白い! 他にも色々と読んで、子供の本って面白いなあ、と気づきました。それに自分で書いていても、とても楽しいのです! 児童文学が自分には合っていたのだと思います。そこに福島さんが導いて下さったような気がします。これからも精進していきますので、よろしくお願いいたします。
「おうばがふところ」高原深雪
ジュニア冒険小説作品受賞作品 - 2014.12.24
Iwasaki Shoten English News - 2014.01.01
<Iwasaki News Vol.5> Special Feature - Picture Books of Horror
<Iwasaki News Vol.4> Special Feature - Babies' Books
<Iwasaki News Vol.3> Special Feature - Chiaki Okada
<Iwasaki News Vol.2> Special Feature - Shiro Yadama
<Iwasaki News Vol.1> Special Feature - Yasuko Ambiru
今西乃子先生「小さな命の写真展」移動写真展のご案内 - 2014.01.01
「小さな命の写真展」は、児童文学作家・今西乃子さんが、
子どもたちの心の育成のために講演会で行っている
「命の授業」を27枚の写真とメッセージで写真展として構成したものです。
写真展の内容は、今西乃子さんの著書である
『しあわせのバトンタッチ』(岩崎書店刊)
『犬たちをおくる日』(金の星社刊)
にもとづいており、青少年の心の育成や広く一般の方々にもご覧になっていただき
命の大切さを知る機会として役立てていただきたいと企画したものです。
動物愛護社会化推進協会では、「小さな命の写真展」の開催に必要な
写真パネルと同時に展示する今西乃子さんの著書を無料で貸し出しています。
地域の学校や教育機関、自治体施設、コミュニティセンター、動物関連施設などで
小さな命の写真展を開催してみませんか?
詳しいお問い合わせは、動物愛護社会化推進協会にお問い合わせください。
◎特定非営利活動法人 動物愛護社会化推進協会
〒537-0025 大阪市東成区中道3-8-11 NKビル2F
tel.06-6971-1162 FAX.06-6971-1172
info@happ.or.jp
著作物の利用について - 2014.01.01
著作物の二次利用について、よくいだだく質問のQ&Aを掲載しています。
お問い合わせいただく前に、こちらをご確認ください。
※使用希望日の少なくとも2週間前までには、ご申請いただきますようお願いいたします。それ以降のお問い合わせになりますと、回答が間に合わない場合がございます。
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読み聞かせでのご利用について
Q 1絵本を読み聞かせに使用したい(本をそのまま読む場合)。
営利目的でない場合
許諾は必要ありません。絵本を掲示しながら、原文のままで朗読してください。
営利を目的とする場合、企業のイベント等で利用する場合
著作権者の許諾が必要です。著作物利用許可申請書をFAXしてください。著作権者に確認をとって、使用の可否をご連絡いたします。公演規模、商業性などによっては、著作権者に支払いが生じる場合もあります。
営利目的でない場合とは
営利を目的とせず、かつ聴衆・観衆から料金を受けないこと、実演・口述を行う人に対し報酬が支払われない場合です。この条件を満たす場合に限り、無許諾で利用できます。
詳しくは、【著作権法第38条 営利を目的としない上演等】をご参照ください。
Q 2絵本に効果音やバックミュージックをつけて読み聞かせをしたい。
Q1の条件にてご利用いただけます。
Q 3絵本をプロジェクターやパワーポイントで拡大して上映・読み聞かせをしたい。
著作権者の許諾が必要です。絵や文章を変形して使用することは、著作者人格権(同一性保持権、名誉・声望を害されない等)に抵触するためです。
著作物利用許可申請書をFAXしてください。著作権者に確認をとって、使用の可否をご連絡いたします。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
Q 4絵本の形態を変えて読み聞かせに利用したい。
(拡大コピー・ペープサート・紙芝居・さわる絵本・布の絵本・人形劇・
エプロンシアター・パネルシアター・ブラックシアターなど)。
著作権者の許諾が必要です。絵や文章を変形して使用することは、著作者人格権(同一性保持権、名誉・声望を害されない等)に抵触するためです。
著作物利用許可申請書をFAXしてください。著作権者に確認をとって、使用の可否をご連絡いたします。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
本の紹介でのご利用について
Q 5図書館だよりやブックリスト、新刊案内などに表紙画像を掲載したい。
紹介の範囲内(下記参照)であれば、ご自由にご掲載いただけます。
可能であれば、完成後の掲載紙を郵送もしくはFAXで1部お送りください。
※紹介の範囲を越えると思われるような場合には、お問い合わせください。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
紹介の範囲内とは
使用可能な画像は、表紙画像のみです。内容紹介はあらすじ程度に留めてください。紹介者による感想・紹介文は掲載可、本文転載は不可です。
掲載時に、書名・著作者名(作・文・絵・訳・写真など)・出版社名を必ず明記してください。
Q 6図書館や公共団体のホームページに表紙画像を掲載したい。
Q5の条件にてご利用いただけます。
Q 7個人やボランティア団体のサイトやブログに表紙画像を掲載したい。
必ずしも使われ方が好ましくない場合もあるため、基本的にお断りしております。
Q 8絵本や読み物のイラストやカットを掲載したい。
基本的にお断りしております。絵本や読み物のイラストのように、作品全体でひとつの世界を表現しているものの一部分を切り取って使用することは、作品の世界観を損なうことになると考えるためです。
Q 9絵本や読み物の見開き画像を掲載したい。
表紙以外の本文画を使用する場合は、引用にあたる場合を除き、著作権者の許諾が必要です。著作物利用許可申請書をFAXしてください。著作権者に確認をとって、使用の可否をご連絡いたします。著作権者への支払いが生ずる場合もあります。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
著作物の転載・引用について
Q10作品の全部または一部を入試問題に使いたい。
お使いいただけます。【著作権法第36条 試験問題としての複製等】の中で「公表された著作物については、(中略)当該試験または検定の問題として複製することができる」と定められています。出典を明らかにした上で、原本をそのままの形でお使いください。
ご使用になられた際は、事後で結構ですので、小社までお知らせください。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
Q11作品の全部または一部を学校だより・PTA会報・公共団体の
パンフレット等に使いたい。
引用の範囲内であれば、許諾は必要ありません。引用文であることを明確に区分し、出典を明示してください。可能であれば、完成後の掲載紙を郵送もしくはFAXで1部お送りください。
引用の範囲を越える場合は、著作権者の許諾が必要です。使用内容の概要をおまとめいただき、FAXにて小社までお問い合わせください。著作権者に確認をとって、使用の可否をご連絡いたします。詳しくは、【著作権法第32条 引用】をご参照ください。
※引用の範囲を越えると思われるような場合には、お問い合わせください。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
引用の範囲内とは
公表された著作物は、公正な慣行(引用される部分が「従」で自ら作成する著作が「主」であること、引用文であることを明確に区分できること、出典の明示等)に合致する形であり、報道、批評、研究、その他引用の目的上正当な範囲内であれば、引用ができるとされています。ただし、正当な範囲であるか否かの判断が難しい場合もあるので、注意を要します。
詳しくは、【著作権法第32条 引用】をご参照ください。
※詩は短くても作品のすべてです。安易に転載することは著作権者の権利を不当に害することになります。必ず著作権者の許諾を得てください。
※小社が二次出版社として発行した詩集の詩や短編集の作品は、初出の出版社に使用許諾を得ていただくことになります。
学校その他の教育機関における利用について
Q12学校の授業で出版物をコピーして使いたい。
許諾は必要ありません。〈著作権法第35条 学校その他教育機関等における複製〉の中で『担任・授業を受ける者は、授業に使う場合に限り、公表された著作物を複製することができる』と定められています。ただし、部数および様態が著作権者の利益を害することもありますので、授業等での複製は、複製範囲を必要最小限の部分とし、かつ部数を1クラス分(約40名分)程度に留めていただき、使用後はすみやかに回収して破棄してください。
上記の「授業」には、クラスでの授業(研究発表会含む)・学校行事・ゼミ・出席や単位の取得が必要なクラブ活動などが含まれますが、教科研究会・サークル活動・同好会・学級/学校通信等への掲載等は含まれません。
これらの「授業外」での複製については、使用内容の概要をおまとめいただき、FAXにて小社までお問い合わせください。著作権者に確認をとって、使用の可否をご連絡いたします。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
視覚障害者向けの制作物について
Q13視覚障害者のために点字による複製、または録音図書を作成して
貸し出ししたい。
許諾なしでお使いいただけます。〈著作権法第37条 視覚障害者等のための複製等〉の中で『営利・非営利にかかわらず、公表された著作物は点字により複製できる。』と定められています。ただし、録音図書の場合は、点字図書館、盲学校など「視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者の福祉に関する事業を行う者で政令で定める者」に限定されていますので、それ以外の施設の方々は、著作権者の許諾が必要です。著作物利用許可申請書をFAXしてください。 著作権者に確認をとって、使用の可否をご連絡いたします。詳しくは、【著作権法第37条 視覚障害者等のための複製等】をご参照ください。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
Q14視覚障害者のために布の絵本を作成して、図書館で閲覧・貸し出したい。
録音図書作成と同様、「視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者の福祉に関する事業を行う者で政令で定める者」以外の方は、著作権者の許諾が必要です。著作物利用許可申請書をFAXしてください。著作権者に確認をとって、使用の可否をご連絡いたします。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
テレビ・ラジオ・出版物でのご利用について
Q15テレビ・ラジオ等の番組での読み聞かせに利用したい。
著作権者の許諾が必要です。
使用内容の概要をおまとめいただき、FAXにて小社までお問い合わせください。著作権者に確認をとって、使用の可否をご連絡いたします。著作権者への支払いが生ずる場合もあります。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
Q16テレビ・ラジオ等の番組内で本を紹介したい。
紹介の範囲内(下記参照)であれば、ご紹介いただいて大丈夫です。紹介時に書誌事項(書名・著者名・画家名・訳者名・出版社名)を明示してください。また、放送前に、媒体名・番組名・放送日時等を小社までご一報ください。
本の一部を読む、一部を映すといった場合は、著作権者の許諾が必要となります。使用内容の概要をおまとめいただき、FAXにて小社までお問い合わせください。著作権者に確認をとって、使用の可否をご連絡いたします。放送前に、媒体名・番組名・放送日時等を小社までご一報いただくとともに、放送後、必ずオンエアのVTRまたは録音データを郵送でお送りください。
※紹介の範囲を越えると思われるような場合には、お問い合わせください。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
紹介の範囲内とは
使用可能な画像は、表紙画像のみです。内容紹介はあらすじ程度に留めてください。紹介者による感想・紹介文は掲載可、本文転載は不可です。
掲載時に、書名・著作者名(作・文・絵・訳・写真など)・出版社名を必ず明記してください。
Q17出版物に表紙画像を掲載したい。
紹介の範囲内(下記参照)であれば、ご自由にご掲載いただけます。 必ず、完成後の掲載紙を郵送で1部お送りください。
※紹介の範囲を越えると思われるような場合には、お問い合わせください。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
紹介の範囲内とは
使用可能な画像は、表紙画像のみです。内容紹介はあらすじ程度に留めてください。紹介者による感想・紹介文は掲載可、本文転載は不可です。
掲載時に、書名・著作者名(作・文・絵・訳・写真など)・出版社名を必ず明記してください。
Q18出版物に絵本や読み物の見開き画像やカットを掲載したい。
表紙以外の本文画を使用する場合は、引用にあたる場合を除き、著作権者の許諾が必要です。使用内容の概要をおまとめいただき、FAXにて小社までお問い合わせください。著作権者に確認をとって、使用の可否をご連絡いたします。著作権者への支払いが生ずる場合もあります。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
Q19テレビの番組内で小道具としてを本を使用したい。
テレビ番組内で本を小道具として使う場合、背景として映る場合、いずれも著作権者の許諾が必要です。使用内容の概要をおまとめいただき、FAXにて小社までお問い合わせください。著作権者に確認をとって、使用の可否をご連絡いたします。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
Q20作品の全部または一部を問題集に使いたい。
テスト業者、学習塾、出版社等が製作する、ドリル・問題集・学習参考書・入試問題集への使用など、本試験と異なるものは、著作権者の許諾が必要で、かつ使用料をお支払いいただくことになります。使用内容の概要をおまとめいただき、FAXにて小社までお問い合わせください。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
Q21作品の全部または一部を一般書籍・副読本に使いたい。
引用の範囲内であれば、許諾は必要ありません。引用文であることを明確に区分し、出典を明示してください。また必ず、掲載紙を郵送にて1部お送りください。
引用の範囲を越える場合は、著作権者の許諾が必要です。使用内容の概要をおまとめいただき、FAXにて小社までお問い合わせください。著作権者に確認をとって、使用の可否をご連絡いたします。詳しくは、【著作権法第32条 引用】をご参照ください。
※引用の範囲を越えると思われるような場合には、お問い合わせください。
(送付先・お問い合わせ先はこちら)
引用の範囲内とは
公表された著作物は、公正な慣行(引用される部分が「従」で自ら作成する著作が「主」であること、引用文であることを明確に区分できること、出典の明示等)に合致する形であり、報道、批評、研究、その他引用の目的上正当な範囲内であれば、引用ができるとされています。ただし、正当な範囲内であるか否かの判断が難しい場合もあるので、注意を要します。
詳しくは、【著作権法第32条 引用】をご参照ください。
※詩は短くても作品のすべてです。安易に転載することは著作権者の権利を不当に害することになります。必ず著作権者の許諾を得てください。
※小社が二次出版社として発行した詩集の詩や短編集の作品は、初出の出版社に使用許諾を得ていただくことになります。
著作物利用許可申請書について
1. 児童書の出版社が共通で使用している申請書です。
「著作物利用許可申請書」をダウンロードする
2. 必要事項を記入し、岩崎書店へFAX(03-3816-6033)もしくは郵送ください。
3. 著作権者の許諾を得て、使用の可否をこちらからご連絡いたします。
※この申請書は、学校関係者や読み聞かせボランティアの方が著作権申請をするためのものです。教材関係、メディア関係の方は【メディアの方へ】をご覧ください。
※海外の作品の使用許諾を得るには、代理店を通じて、海外の著作権者もしくは出版社に連絡をとりますので、高額な費用と回答に時間がかかります。ご了承ください。
申請書・掲載紙送付先/お問い合わせ
岩崎書店・新規事業部
〒112-0005 東京都文京区水道1-9-2
TEL 03-3812-9133 FAX 03-3816-6033
著作権法32条、35条〜38条について
【著作権法 第32条(引用)】
1 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
2 国若しくは地方公共団体の機関又は独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
【著作権法第35条 (学校その他教育機関における複製等)】
1 学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 公表された著作物については、前項の教育機関における授業の過程において、当該授業を直接受ける者に対して当該著作物をその原作品若しくは複製物を 提供し、若しくは提示して利用する場合又は当該著作物を第38条第1項の規定により上演し、演奏し、上映し、若しくは口述して利用する場合には、当該授業 が行われる場所以外の場所において当該授業を同時に受ける者に対して公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行うことができる。 ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
【著作権法第36条 (試験問題としての複製等)】
1 公表された著作物については、入学試験その他人の学識技能に関する試験又は検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験又は検定の問 題として複製し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。次項において同じ。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2 営利を目的として前項の複製又は公衆送信を行う者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
【著作権法第37条 (視覚障害者等のための複製等)】
1 公表された著作物は、点字により複製することができる。
2 公表された著作物については、電子計算機を用いて点字を処理する方式により、記録媒体に記録し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあっては送信可能化を含む。)を行うことができる。
3 視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者(以下この項及び第百二条第四項において「視覚障害者等」という。)の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された著作物であって、視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。以下この項及び同条第四項において「視覚著作物」という。)について、専ら視覚障害者等で当該方式によつては当該視覚著作物を利用することが困難な者の用に供するために必要と認められる限度において、当該視覚著作物に係る文字を音声にすることその他当該視覚障害者等が利用するために必要な方式により、複製し、又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該視覚著作物について、著作権者又はその許諾を得た者若しくは第七十九条の出版権の設定を受けた者により、当該方式による公衆への提供又は提示が行われている場合は、この限りでない。
【著作権法第38条 (営利を目的としない上演等)】
公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもつてするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。
※補足(児童書四者懇談会作成手引きより)
実演・口述する人への交通費の支払い、ボランティアの交通費・昼食代および資料費、会場費等のお話会の開催にかかわる経費に充当するために観客から料金を受ける場合は、無許可で利用できることとされています。
※ 上記以外のご利用については、FAX・メール・郵便などで必ず小社へお問い合わせください。
※ 上記回答はあくまで岩崎書店の基準です。他社の著作物については、当該出版社に直接お問い合わせください。同様の回答が得られるとは限りませんのでご了承ください。
作品の持ち込みについて - 2014.01.01
一般の方からの持ち込み企画・原稿は、下記の要領でのみ受け付けておりますので、
各項を必ずよくお読みいただき、ご検討ください。
電話・メールでのご質問等にはお答えできませんので、ご了承ください。
また、小社では懸賞作品の募集を行っております。
該当する内容の作品でしたら、こちらへのご提出をお勧めいたします。
原稿・企画
著者プロフィールとともに、郵送でのみ受け付けております。
長編作品の場合は概要(800字程度)を添付してください。
返却はしていませんので、コピーをお送りください。CDデータ・メールは受け付けません。
編集部にて検討させていただきますが、見込みがありそうな場合にのみ、1~3ヶ月で弊社よりお返事いたします。
不採用になった場合の理由・感想・アドバイス等は一切いたしませんので、ご了承ください。
他の出版社へ同時にお持ち込みいただいて構いません。
翻訳の原稿
著者・訳者プロフィールとともに、郵送でのみ受け付けております。
長編作品の場合は概要(800字程度)を添付してください。
返却はしていませんので、コピーをお送りください。CDデータ・メールは受け付けません。
編集部で検討させていただきますが、見込みがありそうな場合にのみ、1~3ヶ月で弊社よりお返事いたします。
不採用になった場合の理由・感想・アドバイス等は一切いたしませんので、ご了承ください。
他の出版社へ同時にお持ち込みいただいて構いません。
絵本作品
作者プロフィールとともに、郵送でのみ受け付けております。
返却はしていませんので、コピーしたものをお送りください。
CDデータ・メールは受け付けません。テキスト(文章)だけ、絵だけの作品でも結構です。
編集部で検討させていただきますが、見込みがありそうな場合にのみ、1~3ヶ月で弊社よりお返事いたします。
不採用になった場合の理由・感想・アドバイス等は一切いたしませんので、ご了承ください。
他の出版社へ同時にお持ち込みいただいて構いません。
イラスト作品
作者プロフィールとともに、郵送でのみ受け付けております。
作品ファイル(ポートフォリオ)でのご提出をお勧めいたします。
保管させていただき、装丁者やイラストレーターを探す際に、編集部内で使用させていただきます。
返却はいたしませんので、コピーしたものをお送りください。
CDデータ・メールは受け付けません。
イラストについての感想・アドバイス等は一切いたしませんので、ご了承ください。
他の出版社へ同時にお持ち込みいただいて構いません。
♢送り先
〒112-0005
東京都文京区水道1-9-2
岩崎書店 編集部 投稿係
岩崎書店の自費出版 - 2014.01.01
あなたが心の中で暖めていた想いを形にしませんか?
長年、児童図書の出版にたずさわってきた小社が、多くの方々からの強い要望にお応えして、子ども向け図書の自費出版サービスを行うことになりました。児童図書専門の出版社が、この分野でのサービスを提供するのは初めてのことです。豊富な経験をもとに、きっとあなたの満足のいく、あなただけの本を作るお手伝いができると思います。
*見積もりは完全無料。
*画家・イラストレーターへの依頼もご相談可能。
*納本までわずか3カ月〜6カ月程度。
*原稿整理はあなたの意見を尊重し、ベテラン編集者がお手伝い。
*レイアウト・校正を自分の目で確認できる。
本ができるまでの流れ
自費出版本のご紹介
2007年度第10回日本自費出版文化賞 グラフィック部門賞 受賞!
| 『創作民話 転読さん』 岡田紗月木・作(英訳)・画/岡田雅夫・彫刻 |
2007年度第10回日本自費出版文化賞の結果ページ
>> http://www.jsjapan.net/jssyonews10.htm
※こちらは小社でお手伝いさせていただいた本です。
お問い合わせはこちらまで
本作りにあたっては、原稿内容についてのアドバイス、イラストレーター等のご紹介、制作のお見積もり(無料)など、一からご相談させていただきます。
(株)岩崎書店 自費出版事業部
〒112-0005 東京都文京区水道1-9-2
TEL 03-3813-5229 FAX 03-3812-1381
e-mail:info@iwasakishoten.co.jp
岩崎書店の名入れサービス - 2014.01.01
岩崎書店ではご希望の本に名前を入れて、お届けするサービスを行っております。特に産婦人科医院さまにご好評いただいており、出産され退院する患者様へのプレゼントとしてご利用されています。20年以上の実績を誇る「岩崎書店の名入れサービス」をどうぞご活用ください。
利用医院の声
年間700冊〜800冊を依頼しております。(南産婦人科様・三重県松阪市)
「ちひろのあかちゃん日記〜あながたうまれたとき〜」を利用しています。ちひろさんの愛らしい童画が、お母さん方にとても喜ばれて感謝しております。私どもの、心からの「贈りもの」として今後とも活用させていただきたいと考えております。
よくある質問
名入れの部数・費用は?
50冊以上より承っております。名入れ費用は無料となっております。
制作日数は?
約3週間くらいです。(冊数によって多少の違いがあります。)
名入れの場所は?
カバー、本の表紙、背表紙のいずれかにお入れします。
文字の書体や大きさはえらべますか?
ご指定のもとに、こちらでレイアウトいたしますが、書体や文字の大きさについてご要望がございましたら、ご相談ください。見本も用意しておりますが、手書きの文字、ロゴタイプ、マークなどもお使いになれます。
本は選べますか?
ご希望の本をお選びいただけます。特に「あなたがうまれたとき ちひろのあかちゃん日記」、「こんにちは赤ちゃん ちひろのあかちゃん日記」、「ラ ヴ・ユー・フォーエバー」の3点は多くの産婦人科医院様にご好評いただいております。
特にお薦めの一冊
あかちゃんの誕生から1年間の成長を書きとめることができる日記帳です。いまなお多くのファンを魅了する、いわさきちひろさんの童画を各ページに使用。記録のためのカラフルなシールや母子手帳保存ポケットもついています。
*あなたがうまれたとき ちひろのあかちゃん日記
縦23.0cm×横25.0cm/40ページ/定価円(税込み)
生まれたときの様子、名付けの由来、会いに来てくれた人とその一言、ママやパパの決心、初めてのことなど、赤ちゃんの誕生から1歳までを記録し、祝う素敵なノートブック。
*こんにちは赤ちゃん ちひろのあかちゃん日記
縦21.0cm×横22.0cm/40ページ/定価円(税込み)
静かに優しく親子の愛情の絆を語る、世代をこえて感動を呼ぶベストセラー絵本。「涙がとまらない」「とてもやさしい気持ちになれた」と、全国からお便りが続々と寄せられています。これから子育てをされるお母さんへの応援歌としてお薦めの絵本です。
*ラヴ・ユー・フォーエバー
ロバート・マンチ/作、乃木りか/訳、梅田俊作/絵
縦23.0cm×横22.0cm/32ページ/定価円(税込み)
問い合わせ先
くわしくは岩崎書店営業部・名入れ本受注係
TEL 03-3812-9131 まで
メールでのお問い合わせは e-mail:info@iwasakishoten.co.jp
までお気軽にお問い合わせください。
注文書ダウンロード - 2014.01.01
最新版の新刊注文書や店頭用補充注文書が随時掲載されます。
店頭活性化にお役立てください。
『ミニしかけベビー 展示ケース入り6冊セット』注文書[454KB]
『お父さんいつもありがとう!父の日絵本』注文書[540KB]
『マララ 教育のために立ち上がり、世界を変えた少女』 注文書 [500KB]
『フォア文庫 図書館にぜひそろえたいセット』注文書[1.8MB]
『2015年 特におすすめの新刊シリーズ』注文書[1.6MB]
『2015年 おすすめ新刊&売行良好セット 高校図書館向けシリーズ』注文書[2MB]
『いもとようこの英語でよもう!はじめてのめいさく CDつき』注文書[619KB]
「なんでも魔女商会」100万部突破記念&新刊発売記念!注文書 [1.1MB]
第52回野間児童文芸賞 受賞作『あたらしい子がきて』注文書 [400KB]
「よみきかせ いきもの しゃしん絵本」シリーズ 注文書 [1.9MB]
「はじめてのめいさくえほん」シリーズ 注文書 [532KB]
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絵本ができるまで『きみのともだち』行程1〜4 - 2014.01.01
絵本ができるまで『きみのともだち』行程5〜8 - 2014.01.01
絵本ができるまで『きみのともだち』行程9〜12 - 2014.01.01
本ができるまで『なんでも魔女商会』行程1〜4 - 2014.01.01
人気シリーズ「なんでも魔女商会」は2003年11月に1巻目が刊行されました。 絵本を中心に活躍されているあんびるやすこ先生初めての童話です。絵もご自身で描かれています。以前から女の子向けの童話を書きたかったというあんびるさん、その夢がかない、年に2冊の刊行でシリーズ8巻目は2007年5月刊行予定です。1冊の本ができるまでの過程は本によってさまざまですが、今回はこの魔女商会シリーズの本が出来上がるまでをご紹介させていただきます。